資料1−10 教師の意思決定の内容
述内容を確認した後,一人一人に教師のコメントを朱書きで入れ,全員の子どもに返した.
③ 授業中の子どもの様子と学習カードの記述内容を基にした子ども把握
一番気になっていたチーム1AのA子とB子の関係は,前目の教室での喧嘩を経て,驚 くほど好転していた.そして,今度は,男女間の対立が表面化してきた.B男がゲーム中 にこの2人の女子に対して,上手く守備ができないと強く言ったときに,女子が教師に告 げ口に来るという場面があったが,教師は,攻撃の際に女子が失敗したことに対してのこ
とだと勘違いして,B男に対して暴力はいけないと注意をしまった.後になって考えると,
もう少し双方から状況を聞いた上で対応すればよかったと反省した.ついつい,A子とB 子の関係のことを配慮するあまり,称賛もこの2人に偏りがちで,このチームの男子に対 する配慮が足りなかったと感じた.実際,形成的授業評価にもその様子が反映され,前の 時間に比ぺてA子とB子の数値はほとんどの項目でとても上がったが,逆にA男の数値は 下がっていた.一方,A子の体育の授業にっいての調査への記述内容から,自分の出場機 会が少ないことへの不満を読み取ることができた.
次に,第3時は,チーム1への教師の関わりが多くなってしまった反面,チーム4への 関わりが少なく,特に,チーム4Bは,キャプテンのR男への教師の関わりは意識的にで きたが,チームの他め子どもへのフォローが足りなかったと反省した.U子と丁男の形成 的授業評価にもそれらの様子が反映され,授業やチームに対する不満が感じられた.授業 終了時には,ふりかえりカードを集めることに気をとられていたので,チーム4Aの集合 が遅れていたことへの対応ができなかった.どう.やら,キャプテンの0子は,集合の際,
活動場所に置き忘れたチーム全員のファイルを集めていたようで,そのことに対して納得 がいかなかったようだった.教室に帰ってから0子にはそのときのことをフォローし,大 変なことも多いが,チームのキャプテンとしてがんばっていくように励ました.
また,チーム2とチーム3にはあまり関わることができなかったが,チーム3BのN子 の形成的授業評価や体育の授業にっいての調査の記述内容から,自分の意見を聞き入れて くれないチームの友達への不満を読み取ることができた。
④第4時の指導の方針と指導略案の作成
第3時の指導と比べ,ゲーム1とゲーム2の内容が変わるだけで,基本的な授業の流れ や指導の方針に大きな変更はない.ゲームに慣れ,勝敗にこだわるチームや子どもが増え てきたので,今の対戦相手は,味方の兄弟チームであり,単元後半からのリーグ戦に向け ては,勝敗にこだわることも大切だが,兄弟チーム間やチーム内での高め合いが重要にな ってくることをおさえ,女子の出場機会が少ないチーム1Aや,友達の意見を聞き入れよ うとしないN子に対するチーム3Bのようなチームワークでは,チームが強くならないこ とに気付かせたいと考えた.
また,ルールに対する子どもの理解も進んできたので,次は,単元後半に向けて,全員 の動きを考えた作戦を意識させていきたいと考えた.具体的には,ボールを持ってない人,
パスを受けなかった人の動きに着目させ,パスを受けるために自分からスペースを見つけ る動きや誰がパスを受けるか相手のチームに解らないようなフェイントの動き,ボールを 持っている人の走るスペースを作るようなガードの動きなどを意識させたいと考えた.
さらに,本番のゲームでは,マーカーコーンによって,スクリメージラインとディフェ ンスラインの想像線を決めるので,そのことを説明し慣れさせたいと考えた.
⑤掲示資料及び用具の作成
第4時に行うミニゲームのルール説明のためのコート図と,ゲームにおいてスクリメー ジラインとディフェンスラインの想像線を決めるマーカーコーンを作成した.
⑥授業直前の準備
第4時のゲーム用にコートのラインテープを貼り替えた.また,第3時までと同じよう に,用具や掲示資料を準備した.
5) 第4時と第5時の授業間
① 第4時の反省
子どもの反応は比較的予想通りでスムーズに学習が進んだ.ルールに対する理解が一層 進み,全てのチームが作戦を意識した動きを工夫していたようだった.また,チームカー
一10一
資料1−11 教師の意思決定の内容
ドヘの得点の記入や安全面への配慮といった学習の進め方は,助言の必要がなくなった.
ミニゲームのルールの説明の際,ボールの動きではなく,全員の動きを考えることが大 切であることを強調するとともに,ゲーム中においても,ボールを持っていない人の動き
を中心に助言や称賛をしたこともあり,随所によい動きが見られた.
チームや個人への教師の関わりとしては,チーム4を中心に全体を盛り上げたり,よい 動きを称賛したりするつもりであったが,ゲーム中に他のチームの子どもが教師のところ へ聞きに来たりすると,そちらの方が気になってしまい,中途半端な関わり方になってし まったと反省した.特に,運動が苦手なチーム4AのP子に対して,チームの他の仲間は,
教師の助言などを聞き入れながら,ボールをパスしたりするなど気を配っていたにも関わ らず,P子はボールを受けるのが怖いようで,まったくチームのために動くことができず,
結果的に運動への取り組みが消極的になり,足が痛いこともあり途中でゲームヘの参加を やめてしまった.その場面でのP子への教師の言葉掛けも,P子の運動への消極的な取り 組みに拍車をかけるようなネガティブなものになってしまい,両者のぎこちない関係を教 師が読み取り,上手く調整する必要があったと反省した。
ねらい2のゲームでは,他のチームに比べて,チーム1は異常に時間がかかっていた。
その結果,早くゲームを終えていた他のチームを待たせることになってしまったが,教師 のゲームが終わるまで待つ姿勢は,子どもの動きの緩慢さに表れ,先生はいっまでも待っ てくれるという甘えにつながっているのではないかと感じた.その場面では,早くしない とゲームができないのだということに気付かせるためにも,途中でゲームを終了させて本 時の学習のまとめを行うべきであったと反省した.
②学習カードの記述と記述内容の確認
教室で次時のチームカード,ふりかえりカードを配布し,下校時までに,次時のチーム のめあてや準備運動ですること,ゲームに出る順番やゲームにおける役割,自分のめあて などを決めて記述しておくように指示した.提出したチームカードの記述内容に漏れがあ ったチーム(1A)があったので記述させた.さらに,この時問の次の授業の最後に,集 団的協力の様子を把握するための体育の授業についての調査を記述させた.体育の授業に ついての調査は,記述内容を確認した後,一人一人に教師のコメントを朱書きで入れ,全 員の子どもに返した.
③ 授業中の子どもの様子と学習カードの記述内容を基にした子ども把握
この時問で一番気になったのは,途中でゲームヘの参加をやめてしまったP子であった.
形成的授業評価にもその様子が反省され,多くの項目の数値がとても低かった.体育の授 業についての調査への記述もなかった.ただ,このような状況ではあったが,本時の授業 場面を想起すると,教師やチームの仲問の話を真剣に聞く姿が見られ,P子本人は,フラ
ッグフットボールに対する興味・関心もあり,心の中ではがんばりたいと思っていると感 じたので,次時は,準備運動の場面からP子とそのチームを中心に関わり,何とか少しず つ運動に対する自信を高めたいと思った.
チーム4Bは,キャプテンのR男がチームの仲問から信頼を得られるようになり,とて も好転したと感じ,そのことは,形成的授業評価や体育の授業についての調査の記述内容 から読み取ることができた.
前回の授業で,自分の意見を聞き入れてくれないチームの友達への不満があったN子に 対しては,授業中に教師が直接関わることはなかったが,体育の授業についての調査への 教師からの朱書きのコメントがよいアドバイスとなったのか,自分自身でチームの仲間へ
自分の気持ちや考えを自己開示し,その不満を解消していたようだった.
クラス全体の授業の雰囲気としては,形成的授業評価や体育の授業についての調査の記 述内容から見ても,あらゆる点において非常に手応えを感じているが,唯一,形成的授業 評価の感動の項目については,他の項目に比べて数値が上がってこない.その原因として,
教師自身の演出力不足や,授業における助言や関わり方の抑揚,あるいは,兄弟チームを 相手にしたミニゲームの繰り返しによってゲーム自身は楽しめるが,勝敗や作戦にこだわ るといった深まりや高まりのなさが考えられ,単元の後半に向けて,その点を気を付けて 指導したいと考えた.
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