ニンニクのフィトンチッドによる食品の損傷
9
0
0
全文
(2) . L. 北海道教育大学紀要 (第2部C) 第40巻 第1号. 平成元年1 0月 october ,1989. i l i I C) Vo ido Un ive i lof Hokka tyofEducat − No on (Sect on l Journa r s .40 .l. ニ ン ニ ク の フ ィ ト ンチ ッ ドに よ る 食 品 の 損 傷. 山. 田. 正. 二・入. 002 札幌市. 恵*・ 菅. 部. 原. 久 美 子**. 北海道教育大学札幌分校家政学科. ,*現在札幌市立西野中学校 ”004 札幌市. 静修短期大学生活科学科. ic l ices of Liver by Phytoncides of Gar ing ofS1 Absent Spoi l. i YAMADA, Megu]mi N YUBU* and Sho j. Kumiko SUGAWARA**. i i i do Un i l ty ofEducat on Depar tmentof Home Economi ver s ege cs , Hokka ,Sapporo Col Sapporoo02 *Presentaddr l ino Jun ior HighSchoo es s sh . , Sapporo063 ,Ni キホDePar i l l i i i tmentof工iv orCo ege ng Sc shuJun ence ,saPPoroo04 ,Se. Abstract. l i fect lef i ida c s of an extract of gar 帆′ oc e have previously demonstrated bacter . The ioc idal ideredthatthebacter l i fec tsseemedto extend usefulness ofgar c ef , However ,wecons lfoodsto whi i bl i ract wasadd fect chtheext ed so poss a butal ef snotonly damagebacter yspoi l i l i i th an ib ty cedliver wasincubated wi and cause lossof nutrients. To・examine the poss ,s l i i fgar l i cedl ver chl eaked out ofthes aqueousextract o cand amounts ofsome nutrients whi id and i in i l ion were estimated. They inc cot c ac ing incubat dur uded protein, total sugars,.n i i t ine phosphatase and none ofthem l on ofthe extractthan control eaked more by add alkal thoutthe extract wi , l i l i iverafterincubated wi tofgar ththeext cshowed Hi rac tologi cedl c observationsons s f i f h imi i lyl i t tedto sur ace reg on o t e organ, r ct ch weres ver whi minute damages oftissue ofl l wi ded wel Thef indingscoinci ththe above‐mentioned results, ty is of erythrocytes under i ic caused hemolys ・ in a sotonisi The extract of garl. ing mecha lue forinves igat fersome c t io距dependent manne . r ch seemed to of concentrat , whi l i fectofgar ioc idalef fthebacter c nisms o ,. (1).
(3) . 山 田 正. 二・入 部. 1. 緒. 恵・菅 原 久美子. 論. 高等植物によっ て産生され, 他の生物の生育を抑制したり, あるいは死に到らしめる物質を総 称 してフィ トンチッ ドという. 我々 はさきにニンニク中に細菌の増殖を抑制するフィ トンチッ ドが存 在することを証明し, 食品にニンニクを添加することが香辛 料あるいは強壮剤としての意義に加え ) て, 防腐効果をももたらすことを示した,1 )はいくつかのフィ フィ トンチ ッ ドの作用機構の全容はいまだ明らかにされていないが, 谷田貝2 トンチッ ドの構造と殺菌力の関係を調べて, その作用は細菌の細胞膜を破壊することによるらしい と推論している. もしそうであるならば, 食品にニンニク を添加した ばあいに食品組織が破壊され て栄養素な どの漏出をもたらし, 食品としての価値を低下させることが懸念さ れる, そこで本研究では, まずモデル実験として, 赤血球にニンニクの成分を作用させたときに, 赤血 球膜がニンニクのフィ トンチッ ドによっ て破壊されて溶血することを示した. 次に, 食品の一例と してレバースライ スを実験材料にえらび, ニ ンニク成分を加えることによっ て組織 がいかなる損傷 を受けるか, そしてそれによっ てレバーの構成要素, とりわけ栄養素の損失はどの程度のものであ るかを検討したので, 以下にその結果を報告する.. 1 1. 実 験 方 法. 1. ニンニク搾汁液の調製 ニンニクは市販の生鮮ニンニクとチュ ーブ入りの加工おろしニ ンニクを使用した. 生鮮ニ ンニク は剥皮後おろし金でおろ した. 以下両者とも共通に, 木綿さらし布に包んで搾汁し, 搾汁液を定性 用ろ紙 でろ過してニ ンニク搾汁液とした. 3 ) 2 . 溶血試験 実験当日に採血したヒトの 血液を生理的食塩水 で洗浄した後,元の血液の10倍量の生理的食塩水 に均一 に分散させた. NaCI濃度が等張の145mM′になるよう調製した緩衝液(塩化ナトリウム14 5mM, 塩化カリウム 5mM, 塩化マグネシウムlmM, 塩化カルシウムlmM, ブドウ糖1omM, リン酸ナトリウム塩 5mM)に,生鮮ニンニクおよびチュ ー ブ入り加工ニンニク搾汁液を最終濃度で0∼5%になるよう にそれぞれ添加した後, 上記の希釈赤血球懸濁液を0,lmlずつ 加え, 全量を5m1とした, これを 0Cの水浴中で30分ないし1 37 20分振とうした後,2 0分間遠心分離し,その上清を波長 ,0oorpm で1 430nm で比色測定 した. 赤血球膜の破壊が著しいほど, 血色素が上 清に多く溶出してくるため測定 値が大きくなる. 3. レバー構成要素の浸出試験. ( ) 試料液の調製 1 試料に供する ブタ レバーは実験当日加工されたものを小売店より購入 した. ブタレバーを用いた 理由は, 通常 レバー にニ ンニク を添加することが多 いという実用性を考慮したこと, およ び組織が 均一であっ て実験材料として扱いやすいことである. (2).
(4) . ニ ンニク のフ ィ ト ンチ ッ ドによ る 食 品の 損 傷. 3. レバースライス25g に, 生理的食塩水で5%濃度に希釈したニンニク搾汁液を40ml加え, これ oCの水浴中で2時間振とうした後 30oorpm で30分間遠 心分離し 上清をろ紙でろ過したも を23 , ,, 0Cに凍結保存し 使用の都度自然解凍して実験に供した のを試料液 とした. これを小分けして−20 . , なお, いっ たん解凍したものは再凍結せずに廃棄した. ( ) たんぱく質および糖質の測定 2 }により測定した たんぱ ) および紫外部吸収法(UV 法)6 ) Bi たんぱく質はLowry法4 t法5 re , , , u く質の定量をこのように3とおりの方法によって行っ た理由は, 現在知られているいかなるたんぱ く定量法に対しても, その測定を妨害する物質が存在することが知られているからである, 本実験 においてニンニク搾汁液とレバー浸出液を合した試料は極めて多種類の物質を含むので, その中の たんぱく質を定量する際にひととおりの方法のみによっ て測定すると, それらの物質の中のあるも のによっ て妨害されて正しく真の値を測定できない危険が大きいと考えられるからである, }に よ り 行 っ た 糖 質 の 定 量 は Somogyi法7 ,. ) ( 3 ) ニコチン酸の測定8 l lusarabinosus1 ニ コ チ ン 酸 は Lactobaci 7‐5 ,ATCC8014を用いる微生物定量法によっ て定量し. た. 基礎培地は日水製薬製ニコチン酸定量用基礎培地 「ニッスイ」 を使用 した. 37±1℃で20±2 時間培養した後, 660nm の波長で比濁法によりニコチン酸含量を求めた. ( 4 ) アルカリフォスファター ゼ活性の測定 ka l i アルカリフォスファターゼ活性は, 和光純薬製測定キッ ト A1 nephospha K‐Test wako を用 い て フ ェ ニ ルリ ン酸 法 に よ り 測 定 した.. なお, これらレバー構成要素の浸出は, いうまでもなくニンニク搾汁液を添加しないばあいでも みられるものである. また, 使用するレバー によっ て浸出量は著しく異 なった, 従っ て実験の結果 は, ニンニク搾汁液を添加した ばあいの浸出量の, 添加しない対照における浸出量に対する百分率 で表わした, たんぱく質, 糖質, ニコチン酸はレバーのみならずニンニク搾汁液中にも含まれている. そこで, ニンニク搾汁液を添加した時の試料中のこれらの物質を測定する ばあいには, ニンニク搾汁液中の これらの物質の定量を行っ てその分を差し引いた. ) 4, 組織学的検索9 ニンニク搾汁液を添加したレバーを室温で2時間または12時間振とうさせた.これをブアン氏液 0”m の切片を作 で固定後アルコール脱 水, 透徹してパラフィ ン包埋し, ミクロトームで厚さ5∼1 00倍まで 製した. マイヤーのヘマトキ シリ ン染色液とエオシン液で核, 細胞質をそれぞれ染色し,4 の低倍率の顕微鏡で, ニ ンニク搾汁液を添加しないで室温または4℃の低温においたレバーを対照 として組織の損傷を観察した.. (3).
(5) . 山 田 正 r二・入 部. 恵・菅 原 久美子. 1 1 1 実験結果および考察 1 . 溶血試 験 溶血試験の結果を表1に示す.この表では NaCI濃度 omM における溶血率を100%として,ニン ニク搾汁液の各濃度 における溶血率の値を示してある.等張の緩衝液中で赤血球を振とう したので, ニクニク搾汁液を添加しな い時, すなわち最終濃度が0%の ばあいは溶血率は極めて低い値を示し ている. ニ ンニク搾汁液濃度を上 げてゆくと, その濃度依存的に溶血率は増大していった. すなわ ち赤血球の膜がニンニク搾汁液中のフィ トンチ ッ ドの作用を受け, 溶血が促進されたといえよう. また若干ではあるが生鮮ニ ンニクによる方が,加工ニ ンニクよりも溶血率が大きい傾向がみられた , さらに表には示していないが,振とう時間を120分間に延長すると溶血率が全体にやや上昇したが, ニ ンニク搾汁液濃度との関係は3 0分間振とう した ばあいと同様であった. 表1. ニンニク搾汁液の種類. ニ ンニク搾汁液による溶 血試験*. ニンニク搾汁液最終濃度 %. 生鮮ニンニク搾汁液. 溶. 率**. 血 %. 0. 1,6. 1.25. 5.O. 2.5. 9.6. 5. 22.5. 0. 1.7. チ ュ ー ブ入り加工ニ ンニク. 1,25. 搾汁液. 2.5. 3.4 8.9. 5. ,. 17,I. *振とう時間3 0分の結果 **NaC I濃度omM における溶血率を1 0 0として相対値で表わしてある.. 2. ニンニク添加によるレバー構成要素浸出量の変化 前述の溶血試験によ って, ニ ンニク は等張において細胞膜を破壊することが認められた, ニンニ ク搾汁液が食品の組織や細胞膜を損傷 した場合, 細胞中に含まれる栄養成分が浸出し, 大きな損失 を招く .. ● ,. .. ,対してはいかなる影響を与えるかを調べるための 一つの方法 ,そこで次に, 食品の組織や細胞膜 に として,,食品構成要素の浸出に対するニンニク搾汁液添加の影響を調べた. 結果は表2に示し,.こ れを図示したのが図1である. いずれもニンニク搾汁液無添加の時の浸出量を100として, ニ ンニ ク搾汁液を添加 した時の浸出量をそれに対する相対値で示してある. たんぱく質は Lowry法,Bi t法, 紫外部吸収法の3法により測定したが, 3法による測定結果 ur e に差異はなかった. レバ ースライスにニンニク搾汁液を添加した時のたんぱく質の浸出量は, 添加 しない時のそれ,すなわち100%と有意差はなかっ た.これは生鮮ニンニク搾汁液においても加工お ろしニンニク搾汁液においても同じであった. しかしながら, 加工おろしニンニク搾汁液を添加し (4).
(6) . に リ. ニンニクのフィ トンチッドによる食品の損傷 表2. ニ ンニク 搾汁液による レ バー 構成要 素の浸出量 出. 浸. 量. 加工おろしニンニク搾汁液添加時. 生鮮ニンニク搾汁液添加時 たんぱく質. Lowry 法. 105.5± 7.8. 77.6±14.0. Bi ur et法. 102,6± 6.9. 78.9±12.4. UV 法. 115,3± 8.9. 82.6± 9.3. 質. 83,0±10.5. 92,3±18.9. 酸. 90,5±17.3. 102.6±14.5. 糖 ニ. コ. 率*%. 比. チ. ン. ア ルカ リ フ ォ ス フ ァ タ ー ゼ 活 性. 66.6± 5,9 67,9士 9.4 ・ *浸出量比率はレバーにニンニク搾汁液を添加した時の浸出量をニンニク搾汁液を添加しない時の浸出量に対する百分率で表わしてある,. (%) 100. 冊鮭軸泊邸 50. 0 , た ん ば く 質. 糖. ニ コ チ ン 酸. 質. ・. フア オル ス カ フ リ ア ァ. タ T ゼ. 図1 ニンニク搾汁液添加によるレバー構成要素の浸出 たんぱく質については3法による測定値をまとめてある. 白棒,対照;斜線棒, 生鮮ニンニク搾汁液添加:黒棒,加工おろし ニ. ンニク搾汁液添加. (5).
(7) . 6. 山 田 正 二・入 部. 恵・菅 原 久美子. た ばあ い, 浸出量がむしろ対照よりも少ない傾向がみられた. 糖質, ニコチン酸について もレバーにニ ンニク搾汁液を添加 した場合と, レバーのみの場合とで 有意差はみられなかっ た. また生鮮ニ ンニクと加工ニンニクの両者を比較しても差はなかった. アルカリフォスフ ァターゼは疾病等によっ て肝臓組織に損傷が起ると, 肝臓から血液中に出てく るので, 肝臓障害の有無を臨床 的に判定する場合の指標とされるものである, 今回の実験において もレバー組織の損傷を鋭敏に反映すると考えて, 栄養素ではないが測定を行った. 結果は表2にみられるように, ニ ンニク搾汁液添加によりレバーからの浸出がむしろ抑制される ことを示していた. しかしそのようなことが起ることは考えにくいことで, ニ ンニク搾汁液がアル カリフォスファターゼの活性を阻害した等の理由で, 正確な測定が妨害さ れた可能性も除外できな . これまでの実験結果はすべて, ニンニク搾汁液をレバーに添加した ばあ いの レバー構成要素の浸 出量を, ニンニク搾汁液を添加しないときと対比させて表わして きた, しかし, 栄養源としてレバー を考えるとき, レバー全体が保有している栄養素の保存中の損失が, ニンニク搾汁液を添加するこ とによっ て どのように変動するかを知ることは重要 である. そこでレバ ー構成要素の浸出試験において, レバ ーから浸出し, したがっ て通常の調理において は廃棄されてしまう部分に含まれる栄養素の量が, レバー全体に含まれているそれの量の どのぐら 0 )に示されている値を使用 いを占めるかを計算した. レバー に含まれる栄養素の量は, 食品成分表1 して計算した. 結果は表3にみられるように糖質, ニコチン酸の損失率は, ニ ンニク搾汁液を添加 した ばあいも添加しないばあいも, たんぱく質にくらべわずかながら上回っ ていた. しかし, いず れに おいても栄養素の浸出量は, レバー全体に含まれる量の1 0分の1程度であり, しかもニンニク 搾汁液添加の有無によっ て差は認められなかっ た. 表3. ニンニク搾汁液 を添加することによ っ て起る レバ ーか らの栄 養素の損失 栄 対. 照. 養 素 の 損 失 率*%. 生鮮ニンニク搾汁液添加. 加工おろしニンニク搾汁液添加 8,2士3.O 12.7±5.I. たん ぱく質**. 10,3±2.5. 11.4±2.2. 糖 質 ニコチン酸. 15,6±4.5. 14,5±1.O. 18.1士3.4 19.6±2.4 *レバーから浸出した量のレバー全体に含まれる量に対する百分率で表わしてある, **たんぱく質の測定結果は3法によるものをまとめてある,. 16.8±5.2. 3 . 組織学的検索 ニ ンニク搾汁液を添加して2時間および12時間振とうした場合に,ニ ンニク搾汁液と接触してい たレバーの表面の組織の損傷は, 作用させなかったものよりも少し大きく, 組織が一部剥離してい る部分および剥離しかかっ ている部分がところ どころに認められた. しかし損傷はレバーの表面だ けにと どまり, 内部組織にまでは及んでいなかった (図は省略) . したがっ てレバー全体からみるとニンニクの添加による組織の損傷は ごく 一部に限られていたと いえる. この観察は, ニンニク搾汁液を添加することによってレバーの構成要素の浸出が増加する ことはないという前述の実験結果と一致して いた, 今回の実験では, たんぱく質, 糖質, ニコチン酸およ びアルカリフォスファターゼというレバー を構成している要素の内の ごく 一部について, ニ ンニク搾汁液を添加したときの浸出量の動向を調. (6).
(8) . ニンニクのフィ トンチッ ドによる食品の損傷. べたにすぎない. しかし, これらの物質の動態をみることで全体の傾向をみていると考えて大きな 誤りはないと考えている. それは, これら4つの物質は化学的性質, 生理的役割およびレバー中の 含有量もそれぞれ全く別個のものであるにもかかわらず, 類似の動向を示したことによる, また組 織学的観察もこれを裏付けていた. 溶血試験において, ニンニク搾汁液は等張の状態で細胞膜を損傷し, 溶血を促進した. 特に生鮮 ニンニク搾汁液を添加した際には, この傾向が顕著であった. 著者らが, 先にニンニク搾汁液中に 抗菌作用のあるフィ トンチッ ドの存在を示したが, ここではその作用を溶血試験という異なった系 でも示すことができた点興味深く, 今後フィ トンチッ ドの作用機序の解明を行うためのひとつの手 段となり得るかもしれない, いっ ぽうレバーに添加した場合は, その中のたんぱく質, 糖質, ニコチン酸などの栄養成分の損 失が増加することはないということが確認された, このように, ニンニク搾汁液の作用が赤血球に対するばあいとレバーに対するばあいで著しく異 なるのは, それらにおける細胞の集合状態が大きく関係していると思われる. 赤血球の場合は1個 1個の細胞が ばらばらの状態で懸濁しているため, ニンニク搾汁液中の成分が一つ一つの細胞膜に 対して作用 できるのに対し, レバー においては細胞は集合して塊を形成しているため, 表面に存在 する細胞の膜にのみ作用し, 損傷をう ける細胞の割合は全体からみるとわずかなものであったと推 察できる. ニ ンニクの作用が食品の内部にまで及ばなかったこと, 表面のみであったことは, 組織 学的にも確認できた. これらのことよりニンニクは細胞膜に損傷を与える作用を有しているが, レバーのような食品に おいては, ニ ンニクを添加することによっ て起る栄養成分の浸出の増加はほとんどみられず, 組織 の損傷もわずかで表面だけにとどまるものであっ た. また生鮮ニンニク搾汁液, 加工おろしニンニ ク搾汁液を比較した場合, 赤血球の細胞膜に対する作用にはいくぶん違いがみられたが, レバーに 対してはどち らも同傾向の作用を示した, 赤血球溶血試験においてみられた差異が, 加工おろしニ ンニクを製造する過程でフィ トンチッ ドの一部が逸散してしまったために生じた可能性も考えられ るが, 製造方法が明らかにされていないので現段階では推測の域を出ない, ニンニクが防腐作用をもつことから, 食品の細胞膜を損傷し栄養成分の損失を招くことが懸念さ れたが, 以上の結果よりニンニクを添加することにより栄養成分の損失が増加することはなく, 防 腐効果をも期待してのニンニクの有用性はさらに拡大したと考えてよいであろう.. W. 要. 約. ニンニクが赤 血球細胞膜に与える影響を調べ, さらにニンニク搾汁液をレバースライスに添加し た際の栄養成分の浸出量について検討し, 以下のような結果を得た, ( 1 ) ニンニク搾汁液は赤血球の等張溶血を促進する作用があり, 特に生鮮ニ ンニク搾汁液において は顕著であっ た, ) ニンニク を添加することによって, 食品中のたんぱく質, 糖質, ニコチン酸, アルカリフ ォス ( 2 ファター ゼ の損失が増加することはない. ( 3 ) ニンニク を添加することによるレバー組織の損傷はわずかであり, 表面組織にのみと どまり内 部には及 ばない.. (7).
(9) . 8. 山 田 正 二・入 部. 恵・菅 原. 久美子. i l l i 最後に本研究を行うにあたり Lac t rab nosu obac usa sを分与してくださいました, 北海道大学. 農学部応用菌学教室にお礼を申し上げます.. 1) 菅原久美子・山田正二:静修短大紀要 − 9( 19 88 )21 5( 19 84 2) 矢田貝光克:フレグランスジャーナル 6 )12 iguch i 1982 ) 1173 3) Tan ochem. 91 ( .Bi , M. , M. ,Sakagami ,T.:J , Aikawa. 19 81 )p 5 4) 菅原潔, 副島正美 生物化学実験法 (第7巻) 蛋白質の定量法″ .9 , 学会出版センター ( 5) 向上:p .79 l 1957 ) 447 6) Layne thods Enzymo . 3 ( ,E.: Me. 19 )p 69 7) 小原哲二郎, 鈴木隆雄, 岩尾裕之, .食品分析ハンドブック″ .204 , 建吊社 ( ″ 1 1 )p 35 8) 日本ビタミン学会編, .ビタミン学実験法1 985 .3 . 水溶性ビタミン , 東京化学同人 ( )p 196 3 一 研究室編, 食品・栄養実験書″ 9) 東北大学農学部食糧化学科 ,167 , 光生館 ( 1 ) 10 ) 科学技術庁資源調査会編, .四訂食品成分表″ 985 , 女子栄養大学出版部 (. (8).
(10)
関連したドキュメント
うのも、それは現物を直接に示すことによってしか説明できないタイプの概念である上に、その現物というのが、
睡眠を十分とらないと身体にこたえる 社会的な人とのつき合いは大切にしている
問についてだが︑この間いに直接に答える前に確認しなけれ
式目おいて「清十即ついぜん」は伝統的な流れの中にあり、その ㈲
これはつまり十進法ではなく、一進法を用いて自然数を表記するということである。とは いえ数が大きくなると見にくくなるので、.. 0, 1,
ヒュームがこのような表現をとるのは当然の ことながら、「人間は理性によって感情を支配
脱型時期などの違いが強度発現に大きな差を及ぼすと
神はこのように隠れておられるので、神は隠 れていると言わない宗教はどれも正しくな