関 す る 統 計 的 臨 床 観 察 岡 山 大 学 医 学 部 北 山 内科 教 室(主 任 北 山加 一 郎)
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(2) 310. 藤. が 極 期 に 達 す る事 が 明 か で あ る.而. も一 旦 流. 行 を 十 分 説 明 して いゐ と考 へ ら る.県 下 に於. 行 が 始 まれ ば 気 象 に よつ て 殆 ん ど影 響 さ れ な. け る流 行 地 帯 は 教 室 木 下 の調 査 した 如 く岡 山. い 事 も既 に 三 田 村,北. 市 を 中 心 と し て 東 々 北 か ら西 々南 に 引 い た線. る.即 昭 和23年. 岡 の 指 摘 した 通 りで あ. に は8月. に146.6粍,昭. 井. 和24年. 下 旬 か ら9月. は9月. 初旬. 中 旬 に179.7粍. 千. 秋. に並 行 に 北20粁 る.但. し昭 和24年. の地 帯 を 指 摘 す る事 が 出来 に於 て は 南 部 海 岸 地 帯 の. の降 雨 量 が あ つ た が 顕 著 な 影 響 は 見 られ な. 患 者 発 生 状 況 も無 視 出来 な い.又 三 田村 等 に. い.昭 和24年. 従 ひ県 下 を南 北 地 区 に分 け て 見 た が 流 行 の北. は 例 年 よ り稍 遅 れ 晩 発 生 流 行. で あ つ た が 三 田 付,北. 岡 は8月. に 雨 の な い暑. い 日が 続 く と流 行 は 遅 れ る と述 べ て い る .即 此 年 は 全 国 的 に 颱 風 が 発 生 し6月20日 ラ颱 風, 7月18日. の フ ェ イ颱 風 に よ り当 地 方. は 軽 度 の 影 響 を 受 け た が7月30日 ー颱 風 は 大 豪 雨 を も た ら し6月 226.0粍,. 7月 は157.0粍. 月 に 入 る と16日. の ヘ スタ の降 雨 量. で あ つ た に 比 し8. の ジュデ イス颱 風は 相 当 の. 影 響 を 与 へ た け れ ど降 雨 量 は71.4粍 な か つ た.か. のデ. 様 に6,. 7月. に過 ぎ. の颱 風 が 晩 発 生 流. 第1図. 進 現 象 は 明 か で な か つ た. 患 者 総 数 は 昭 和22年. は67例,そ. 学 に 收 容 した 者 は22例,昭 の 中30例. 和23年. を 收 容 し,昭 和24年. の中当大 は80例. に は111例. 中. 34例 收 容 した .剖 検 に よ り脳 炎 を確 認 した 者 は各 々1,. 5, 4例 で あ る.尚 脳 炎 の流 行 に 際. し て県 予 防 課 と密 接 な関 係 を 保 ち 小 児 科 教 室 の応 援 を 得 て 米 軍 医 と共 に 直 接 患 宅 或 ひ は 收 容 病 院 に 赴 きそ の 一部 は 出来 得 る 限 り当大 学 に收 容 して 精 査 し た..
(3) 昭 和22,. 第2図. 23, 24年 度 岡 山 県 下 流 行 日本 脳 炎 に 関 す る統 計 的 臨 床 観 察. 旬別患者発生状況. 2.. 311. 患 者 の 男 女 別,年 齢 的 関 係 昭 和22年. 同23年. は67例. は80例. 年 に は111例. 中 男 性38例. 中 男 性43例 中 男 性62例. 女 性29例,. 女 性37例,同24 女 性49例. で10才. 以 下 で は 稍 男 性 が 多 い.小 児 及 老 人 の 罹 患 率 の 高 い こ とは 周 知 の事 実 で,第1表. に示 した. 様 に 人 口1万 に 対 す る罹 患 率 を 見 る と,全 体 と して 昭 和22年 24年0.67で,年. は0.46,同23年0.55,同 令 別 に 見 る と前 の2ヶ 年 は. 小 児 の 罹 患 率 が 極 め て 大 で あ るが 昭 和24年 は そ れ に比 し老 人 の罹 患 率 が 最 も大 で あ る事 が 目立 つ 点 で そ れ を 曲 線 で 示 す と第3図. の通. りで あ る.尚 不 全 型 或 ひ は 届 出 怠 慢 もあ るか ら実 数 は 更 に増 加 す るで あ ろ う.. 第3図. 年令別罹患率曲線(対1万). 第1表 昭. 和22年. 昭. 和23年. 昭. 和24年. 3.. ワ クチ ン予 防 接 種 脳 炎 ワ クチ ンの 予 防 接 種 に よ り発 病 を 防 止. し よ う とす る考 へ は 幾 多 の 基 礎 実 験 を 経 て 昭 和17年. は じめ て北 山 教 授 及 其 一 門 に よ り岡. 山県 下 に於 て実 際 に応 用 され た が,幸. か不幸. か 脳 炎 の 流 行 な くそ の 効 果 は 不 明 の ま ゝで あ つ た.而. るに 昭 和21年. 米 軍 の 進 駐 に よ り再. び この 問 題 が 取 り上 げ られ 県 下 の既 往 の 流 行.
(4) 312. 藤. 地 を 選 び 予 防 接 種 した.対 才 〜5才 及 満60才 才 〜10才. 秋. 第2表. に は 満5. の学 童 の 一部 で,昭 和21年. 111,074名. 千. 象 と した の は 満3. 以 上 の老 人,後. に4ヶ 年 間 毎 年5〜7月. 井. 以来既. に 実 施 し た.延 人 員. で あ る.予 防接 種 と発 病 と の関 係. を 見 るに 昭 和22年 例 な く同23年. に は 被 接 種 者 か らの 発 病. に は1例. 病 を見 そ の 中1例. 同24年. に は4例. の発. は 死 亡 し た.発 病 例 は 何 れ. も 小児 で 考 人 に は な く,又 発 病 は 何 れ も予 防 接 種 完 了 後50日. 以 後 で あ る.そ の 症 状 経 過. は 非 接 種 者 か ら の発 病 の場 合 と大 差 な い.而 し同 一 地 区 同 一 年 令 群 と比 較 す る 時 被 接 種 者 の 発 病 率 は 低 く明 か に そ の 効 果 が あ る様 に 見 え る.(此. 等 の 詳 細 に 就 て は 別 に 発 表 の予 定). 尚 注 目す べ き は 海 外 引 揚 者 及 最 近 他 府 県 か ら転 入 した 者 の 発 病 が 昭 和22年 (16.0%)同23年. に は11名. に は10名(12.5%)同24. 年 に は12名(10.8%)を. と 想 像 され る.. 応 に 関 す る米 軍 研 究 所 の 意 見 に よ る と(私 信) 陽 性 の 反 応 を示 す とい ふ 事 は 過 去12週 に ヴ ィー ル スが 体 内 に侵 入 し た事,又. い)こ. 以内 はワク. の 場 合は 力 価 は 高 くな. とを 意 味 し,陰 性 の結 果 は ヴ ィール ス. と接 触 しな か つ た 事 を 意 味 す るが 必 ず し もそ うだ とは 云 へ な い.即. 補 体 結 合反 応. あ る 人 間 で は ワ クチ ン. 接 腫 又 は 脳 炎 罹 患 後 と雖 補 体 結 合 体 を産 生 し. 本 反 応 に よ る脳 炎 の 診 断 に 関 し て は 西 浦, 蘆 田,教 室 の藤 井,和 れ た が,尚. 日 の血 液 で は 陰 性 で あ つ た.本 反. チ ン接 種 を行 つ た(こ. 占 め て い る事 実 で. あ つ て 之 は 恐 ら く中 和 抗 体 の 缺 如 に よ る も の. 4.. は6〜17病. 田等 に よ り既 に 実 験 さ. 一 定 の 結 論 に 達 し て い な か つ た.. な い こ とが あ る と い ふ.昭 和23年. の本 反応. の結 果 は 既 述 松 岡 の 当 教 室 の誤 診 率2.8%な る点 か ら見 る と余 りに も陽 性 率 が 小 で あ り,. 而 る に 米 軍 の進 駐 以 来脳 炎 の 疑 ひ あ る患 者 の. 又 我 々 が 臨 床 症 状,経. 血 液 は 総 て 東 京 の406. 如 何 に し て も脳 炎 と考 へ られ る例 で も尚 反応. Medical General Labo. ratoryに 送 付 して 本反 応 が 実 施 され た.即 者 血 液 は2週. 患. 間 々隔 で2回 採 血した の で あ る. が,そ. の結 果 は 昭 和22年. 第2表. の 通 りで あ る.昭. は 不 明,同23年 和24年. は. は一 部 判 明. し た に 過 ぎ な い.. 過 其 他 の諸 検 査 に よ り. 陰 性 例 が あ つ た こ とは,発. 病 後2週 以 内 に 只. 1回 だ け の採 血 に よ る検 査 のた め 陰 性 と考 へ ら れ る 例 が 相 当 あ り尚 又 本 反 応 の 脳 炎 に 於 け る意 義,陽. 性 率 な どに 関 して 今 後 研 究 の余 地. が あ る か らで は な い か と考 へ られ る.. 之 に よ る と昭 和23年. は 本 反 応 に よ り積 極. 5.. 臨 床症状. 的 に脳 炎 と肯 定 さ れ た の は 判 定 可 能 例68例. (イ) 前 駆 期 及 前 駆 期 症 状. 中38例(56%)で. 前 駆 期 は既 に 柿 沼 教 授 が 述 べ られ た 如 くな. 例 中48%を. あ り脳 炎 と推 定 され た80 占 む.剖 検 に よ り確 認 さ れ た 例. を加 へ る と80例. 中42例(53%)は. に脳 炎 で あ つ た.さ. ほ ゞ確 実. て 北 岡 に よ る と馬 脳 炎 並. に 人 脳 炎 の際 に 於 け る本 反 応 は6〜11病. 日の. い か あ つ て も1両 第3表 同23年. 日以 内 の短 期 間 で あ る.即. に 明 か な 如 く昭 和22年 で は80.5%,同24年. で は89.6% で は87.0%は. 発 病 当 日又 は 前 日迄 全 く健 康 で あ つ て 卒 然 と. 間 に 陽 性 に 転 化 し12病. 日以 後 は 悉 く陽 性 と. して 発 病 し て い る.(表. な る と述 べ て い るが,米. 軍 研 究 所 で 実 施 され. 前 駆 期 な し,一 昼 夜 以 内 を 意 味 す,以. た 我 々の 例 で は 総 て 第14病. 日以 後 の2回. の 採 血 に 於 て陽 性 とな りそ の 中14例(37%). 目. 様).前. 中 日数0,. 1,は 夫 々 下同. 駆 期 症 状 も前 記 報 告 中 に あ る如 く軽. 度 の頭 痛,倦 怠 が 主 と し て見 ら れ 凡 そ30〜50.
(5) 昭 和22,. 23, 24年. 度 岡 山 県下 流 行 日本 脳 炎 に 関 す る統 計 的 臨 床 観 察. 313. 第3表. %を 占 む.第4表. に 示 す 通 りで あ る.尚 第5. 表 は 発 熱 時 の 随 件 症 状 で あ るが 頭 痛,悪. に 戦 慄 を 件 ふ 事 が あ る.. 寒時. 第4表. 註:(嘔. 吐 ハ寄 生 虫 卵 保 有 者 ヲ除 外 シ タ例 数 ヲ示 ス). 第5表. 昭 和22年. 不 全 型 の1例. に見 なか つた の みで. 程 度 の 差 こそ あ れ 発 熱 の な い 者 は1例 も な か つ た.今 熱 上 昇 期(体 温39℃ 以 上 に達 す る 迄 の 日数),高 数),熱. 熱 持 続 期(39℃. 下 降 期(高. 熱 持 続 期 か ら37℃. に 下 熱 す る迄 の 日数),及 註:(嘔. 吐 ニ ツ イ テ ハ 第4表. ト同 ジ). の 日数)に. 有 熱 期(37℃. 本 症 が ヴ ィ ール スに よ る全 身 疾 患 で あ る事. に 達 し4,. 5日 時 に1週. 張 熱 を 示 し1,. か ら諸 臟 器 か ら の 症 状 を あ らは す 事 は 勿 論 で. の 例)の. あ る が 而 も其 主 徴 を な す も の は 北 山 教 授 の 唱. 数6〜9日. へ ら れ る発. 年 で は 第15病. 熱,神 経 症 状 及 脳 脊 髓 液 所 見 の. Triasで あ る .発 熱 は 本 症 に 見 る 必 発 症 状 で. 以下 以上. 分 け て 発 熱 及 熱 型 を見 る と第4図. の 如 く大 多 数 の例 で は1日 (ロ) 発 熱 及 熱 型. 以 上 の持 続 日. 2日. 間 に37℃. 以 内 に39℃. 以上. 間 位 の稽 留 熱 稀 に 弛. 時 に は4,. 5日(昭. 和24. 以 下 に 下 降 し有 熱 期 総 日. の例 が 最 も多 い.但 昭 和23年,. 24. 日以 後 に 於 て も不 安 定 な 微 熱. の持 続 した 例 が15病. 日以 后 迄 熱 型 を 追 求 し.
(6) 814. 藤. 井. 千. 秋. 第4図. た 得 た35例 (36%)を. 中15例(43%), 占 め た.又. に 示 し た.. 50例 中18例. 昭 和24年. には高熱持 下 降期. 本 症 状 は 最 も重 要 に し て又 極 め て 多 岐 に 亘. あ り こ の年 の. る事 は 既 に 柿 沼 教 授 も述 べ ら れ た 通 りで あ る. 続 期 の8日 以 上 に 及 ん だ 例 が3例.熱 の8日 以 上 に 及 ん だ 例 が13例. (ハ) 神 経 系 統 か ら の症 状. 流 行 は 一 般 に 経 過 遷 延 の感 が あ つ た.次. に生. が,最. も屡 々見 ら れ る の は精 神 障 碍,脳 膜 刺. 存 例 と死 亡 例 とに 分 ち そ の 日の 最 高 温 度 を逐. 戟 症 状 及 錐 体 外 路 の症 状 で あ る.第6表. 日的 に 平 均 し て見 る と死 亡 例 で は 一 般 に体 温. 日 とは 無 関 係 に 症 状 の あ らは れ る頻 度 を示 し. 高 く又 持 続 日数 も長 く教 室 日下,中. 第6図. と 全 く 一 致 す.死 41.8℃. 島 の統 計. 亡 例 で は 昭 和23年. に 達 した 例 が あ り同24年. に. に は43℃. に 達 し た1例 が あ つ た.之 等 の 関 係 は 第5図. 第5図. は病. は 各 病 日毎 に 記 載 され た 症 状 の総 計 で. あ る.(昭. 和24年. に 於 け る も の も殆 ん ど大 同. 小 異 な るた め 図 表 は 省 略 す).本 表 に よ る と意 識 溷 濁,嗜. 眠,譫 語,譫. 妄,頭 痛,項 部 強 直,. ケル ニ ッ ヒ氏 徴 候,筋 強 剛 が 最 も屡 々見 られ 何 れ も50 %以 上 で あ る.精 神 障 碍 の 中 で は 意 識 溷 濁,嗜 い で譫 語,譫. 眠に次. 妄 が 多 く年 令. 的 に 顕 著 な 差 異 を 認 め ぬ. 病 日 を 逐 つ て見 る と初 期 か ら極 期 に か け て著 明 で あ る. 脳 膜 刺 戟 症 状 と し ては 初 期 に あ ま り激 烈 で な い 頭 痛 を 訴 へ 項 部 強 直,ケ 氏 徴 候 は 第3病. ル ニッ ヒ 日頃 か ら著. 明 と な り下 熱 後 意 識 恢 復 し て も屡 々長 く残 存 す.錐 体 外 路 症 状 と して の 筋 強 剛 は.
(7) 昭 和22,. 23, 24年. 度 岡 山 県 下 流 行 日本 脳 炎 に 関 す る統 計 的 臨 床 観 察. 315. 第6図 生 存 例. 生 存 例. 死 亡 例. (昭 和 二 十 二,二. 第4病. 死 亡 例. 十 三 年 合 計). 日頃 か ら著 明 に あ らは れ る.其 程 度 は. 種 々 で 日 に よ り変 化 し或 ひ は 一 上 肢,一 下 肢 或 ひ は 四 肢 に あ らは れ 項 部 強 直 等 と同 じ程 度 に 残 存 す.其 他 か な り屡 々 あ ら は れ る症 状 は 尿 失 禁,便. 秘,瞳. 緩 徐 乃 至 消 失,震. 孔 縮 小 又 は 散 大,対 光 反 応 顫,知. 覚 過 敏,嘔. 小 児 は 屡 々痙 攣 発 作 を お こす.腱. 吐 な どで 反射 は 一 定. し な い.本 症 に 於 て 注 目す べ き は バ ビ ン ス キ ー氏 反 射 の 出 現 側 の 膝 蓋 腱 反 射 が 消 失 乃 至 減 弱 し て い る事 が 往 々 あ り,メ ンデ ル.ベ レ フ氏 反 射,ロ. ヒト. ツ ソ リモ氏 反 射 は 必 ず し も バ.
(8) 316. 藤. 第6表. 井. (―. 千. 秋. 昭和 二十二 年 四八例. ……. 昭 和 二十 三 年 七 四 例). ビ ン ス キ ー氏 反射 と並 行 に あ らは れ る の で は. 過 半 数 を 占む.グ. な い ら し い と い ふ 事 で あ る.. ペ ル ト,パ ンデ 氏 反 応 共(+)程. 之 を 要 す る に熱 上 昇 期 に於 て は 頭 痛,意 溷 濁,嗜 第3,. 眠,譫. 4病. 語,譫. 識. 妄,嘔 吐 等 が あ らは れ. 日頃 に な る と頭 痛,嘔. 吐 等 は 緩解. ロ ブ リ ン反 応 は ノン ネ,ア. 糖 量 に つ い て見 る と正 常 値 の上 界 又 は軽 度 増 加 の 例 最 も多 く高 度 の増 加,減. 減 少 の 傾 向 を示 す.第7表. ,ケ ル ニ ッ ヒ氏 徴 候 等 の脳 膜 刺 戟 症 状 加 は り. に 総 て 第1回. 其 他 膀 胱,直. 内 で あ る.第7図. 強 剛 が 発 来 す.更. に. 少 は 少 い,ク. ロ ール 量 は 柿 沼 教 授 の述 べ られ た 様 に む し ろ. す る に 反 し意 識 障 碍 は 益 々強 く更 に項 部 強 直. 腸 障 碍,筋. 度 の事 多 し.. は 病 日 とは 無 関係. 目 の 採 取 液 の所 見 で 発 病1週 以 は 逐 日的 に 記 載 され た所 見. 極 期 に は 種 々 の 神 経 症 状 が 相 錯 綜 し熱 下 降 期. の総 計 で あ るが 頻 回 同 一 患 者 に つ き精 査 した. に 入 る と各 種 症 状 は 次 第 に減 退,消. 例 少 く病 日 と の 関 係 は 明 か に な し得 ない.昭. 失す る が. 脳 膜 刺 戟 症 状 の 一 部,筋. 強 剛 等は下熱 後か な. り長 期 に 亘 り残 存す.死. 亡 例 と生 存例 と の間. に症 状 の 顕 著 な差 異 は な い.. 和24年 も全 く大 同 小 異 な る 故 図 表 は 割 愛 した. (ホ) 血 液 所 見 血 液 所 見 は 教 室 中 島 の 詳 細 な る報 告 と全 く. (ニ) 脳 脊 髓 液 所 見. 同 様 で 極 期 の高 熱 時 に は10.000〜20.000の. 本 症 患者 の 脳 脊 髓 液 は 一般 に 清 澄 で あ る が. 中 等 度 の 白血 球 増 多 症 を 示 す も の最 も多 く之. 時 に 日光 塵 埃 像 を 呈 し(小 児 に 多 い)或 軽 度 に 溷 濁 す.圧. ひは. は 中性 嗜 好 細 胞 の増 多 に よ る も ので 他 の細 胞. は 側 臥 位 で 正 常 若 くは 軽 度. は減 少 し一 部 の も の は正 常 値 を示 した.中 島. に 上 昇 し 高 度 の液 圧 を示 す 事 は 稀 で あ る.細. は熱 下降 期 に一 過性 の 白血球 減 少症 を惹起す. 胞 数 は10〜100の. る と述 べ た が そ れ は 詳 細 に は 調 査 し得 な か つ. も の 最 も多 く而 も淋 巴 球 が.
(9) 昭 和22,. 23, 24年. 度 岡 山県 下 流 行 日本 脳 炎 に 関 す る統 計 的 臨 床 観 察. 第7表. 糖:. (. Hagedorn. ク ロ ー ル:. Jensen法 Rusznyak法. ). 317.
(10) 318. 藤. 井. 千. 秋. に 諸 家 に よ り後 貽 症 或 ひ は 慢 性 症 と して あ げ. 第7図. られ た 中 の 一 部 で あつ て 観 察 例 少 く之 で は そ の 一 半 を 窺 ひ得 る に 過 ぎ な い.こ 院 後 凡 そ2週 頃 か ら多 弁,陽. の年 に は 退. 気 な性格 変化を. 来 した 大 人 の1例 を 除 き 凡 て 小 児 で あ つ た. 即 記 憶 力 減 退10例(入 格 変 化3例,四. 院 患 者 の63%),性. 肢 の痙 攣 性 麻 痺3例,痴. 運 動 性 失 語 症1例. で1〜3ヶ. 呆1例,. 月 以 内 に大 体 全. 治 した.昭 和24年 も 同様 に 観 察 例 は 少 く又 後 貽 症 を残 した ま ゝ退 院 し て い る の で そ の恢 復 状 況 は 不 明 で あ る が 恐 ら く半年 乃 至1年 後迄 に は 殆 ん ど恢 俊 す る の で は な い か と考 へ られ た.赤 血 球 数,. 血 色 素 量 に就 て は 顕 著 な 変 化. は 認 め な い.表 示 す れ は 第8表. の通 りで 総 て. 発 病1週 以 内 の 血 液 像 で あ り昭 和24年. も大. 同 小 異 な る故 割 愛 した.. る.即 第1例. は8才. の 男児 で8病. と な つ た に も不 拘1ヶ. 日に は平熱. 月 後 尚 運 動 障 碍(例 へ. ば 細 い 運 動 が 出 来 ず),又 絵 の 意 味 は 分 つ て も そ の 説 明 は 出 来 な い状 態 の ま ゝ退 院,第2例. (ヘ) 後 貽 症. は9才. の 男 児 で50病. 昭 和23年. の入 院 患者 に つ い て諸 症 状 消 褪. 第3例. は5才. 後 も尚 残 貽 せ る症 状 と し て 眼 に つ い た の は 既. 症,拒. 否 症 を貽 し て 退 院,第4例. 日頃 尚 発 語 低 声 を 貽 し,. の 女 児 で52病. 日に運 動 性 失語 は2才 の女.
(11) 昭 和22,. 23, 24年. 度 岡 山県 下 流 行 日本 脳 炎 に 関 す る統 計 的 臨 床 観 察. 第8表. 註:好. 酸球 増 の例 は蛔 虫症 合 併. (各 白 血 球 の 正 常 値. 好 酸 球=2〜4,淋. 巴 球=20〜30,中. 性 嗜 好 細 胞=50〜60,大. 単 核 球=4〜7). 319.
(12) 320. 藤. 児 で 半 身 痙 攣 を 貽 し,第5例 で41病. は11才. 井. の女児. 千. 秋. 第9表. 各年度 別患者致 命 率 表. 日 に半 身 運 動 麻 痺 及 言 語 の 理解,発. 語 共 に 相 当高 度 に 障 碍 され た ま ゝ退 院 し た. (ト) 予 後 本 症 の 生 命 に 対 す る予 後 は 流 行 年 度,場. 所,. 年 令 其 他 種 々 の 要 因 に よ り左 右 され る.第9 表 に見 る如 く昭 和22年 23年 は35.0%で. 何 れ も教 室 過 去 十 数 年 の 平. 均 致 命 率33.3%に 1.9%で. は 致 命 率41.7%,同. 比 し稍 高 い が 昭 和24年. は. 遙 に 低 い.年 令 別 に 見 る と従 来 の報. 告 と同 様 に老 人 で は致 命 率 は 著 し く高 い.尚 昭 和23年. の死 亡 例 中 に は 妊 婦3例. あ り,妊. 婦 の罹 患 者 は 総 て 死 亡 し た.妊 婦 の 予 後 が極 め て 不 良 な 事 は 教 室 奥 野 が 既 に報 告 し た 通 り で あ る.又 昭 和23年. に は 海 外 引 揚 者,他. 県 か ら の転 入 者 の 中50%が. 府. 分数 の 分 母 は 患 者 数,分. 子 は 死亡 数 を示 す. 死 亡 して い る が. 恐 ら く中 和 抗 体 の 缺 如 に よ る もの で あ ろ う.. は 老 衰 死, 66病 日 の 例 は6才. 死 亡 病 日は 第8図. に は 平 熱 とな つ た が13病. の如 く第3〜8病. 多 く殆 ん ど総 て の 例 が 第10病. 日に 最 も. 日前 後 迄 に 死. 亡 し過 去 の報 告 と一 致 す.昭 和23年 日 死亡 例 は 再 発 に よ り,同24年52病. の29病. に 発 熱 爾 来微 熱,軽. の小 児 で8病. 日. 日 よ り再 び 中 等 度. 熱 持 続 し食 慾 不 振 で 栄 養. 次 第 に 衰 へ 運 動 性 失 語 症,弛 緩 性 麻 痺 等 の後. 日 の例. 貽 症 を起 して 死 亡 し た.. 第8図. は ほ ゞ8月 中旬 か ら 凡 そ40日 第 三章 私 は 昭 和22,. 結. 23, 24年. 論. 昭 和24年. 度岡 山県下 に発 生. し た 脳 炎 患 者 の 統 計 的 臨 床 観 察 を な し,更 昭 和21年. に. 以 来 毎 夏 実 施 し て来 た 脳 炎 ワ クチ. ン の予 防 接 種 及 補 体 結 合 反 応 に よ る診 断 に つ い て も言 及 した が,臨. 床 観察 の結果 は 一言 に. して 云 へ ば 既 往 に 観 察 され た も の と大 同 小 異. 患 者 の主 要 発 生 期 は 昭 和22,. 23年. 度. 7月 の颱 風 の影 響 に よ り8. 月 下 旬 か ら ほ ゞ同 じ期 間 で 而 も一 旦 流 行 が始 ま る と短 期 間 に 患 者 発 生 は 極 期 に 達 し又 降 雨 の影 響 が 殆 ん ど認 め られ ぬ. (2) 患 者 総 数 は 昭 和22年 例 女 性29例,同23年 性37例,同24年 49例 で あ る.人. で あ る.即 (1). 度 は6,. 前 後 で あ る.. る と 昭 和22年. は67例. は80例 は111例. 中 男性38. 中 男性43例. 中 男 性62例. 女. 女性. 口1万 に 対 す る 罹 患 率 を見 は0.46同23年. は0.55同24.
(13) 昭 和22,. 年 は0.67で. 前2ヶ. 23, 24年. 度 岡 山 県 下 流 行 日本 脳 炎 に 関 す る統 計 的 臨 床 観 察. 年 は 小児 の 罹 患 率 最 も大. で あ つ た が 昭 和24年. は殊 に老 人の 罹 患 率 が. 吐 等 は 緩 解 す る に 反 し意 識 障. 碍 は 益 々強 く更 に 項 部 強 直,ケ. ル ニ ッ ヒ氏 徴. 候 等 脳 膜 刺 戟 症 状 加 は り其 他 膀 胱 直 腸 障 碍,. 極 め て大 で あ つ た. (3) 昭 和21年. な る と頭 痛,嘔. 以 来 満3〜5才,満60才. 上 の老 人 及 後 に は満5〜10才. 以. の学 童 の一部 に. 対 し脳 炎 ワ クチ ン予 防接 種 を実 施 した.. 筋 強 剛 が 発 来 す.更. に 極 期 に は種 々 の神 経 症. 状 相 錯 綜 し熱 下 降 期 に 入 る と各 種 症 状 は 次 第 に減 退 消 失 す るが 脳 膜 刺 戟 症 状 の一 部,筋. 4ヶ. 年 間 に 延 人員111,074名. で あ る.昭 和23,. 年 度 の流 行 に 於 て 計5例. の被 接 種 者 群 か ら の. 24. (9) 脳 脊 髓 液 は 外 観 一 般 に 清 澄 で 圧 は 側 臥 位 で 正 常 若 くは軽 度 に上 昇 し,グ. 見 え る.. 応 は 陽 性,細. (4) 海 外 引 揚 者 及 他 府 県 か ら の 転 入 者 の発 病 が か な りの率 を 占め て い る事 は 注 目す べ き 昭 和22年. 12.5%,同24年. は16.0%同23年. は10.8%で. は. あ つ た.. 研 究 を 要 す るが 結 果 の完 全 に 判 明 した 昭 和23 年 に は 実 施 した68例. 中38例(56%)が. を 示 した.陽 性 は 発 病 後2週 (6) 前 駆 期 は 短 く80%以. 陽性. 以 後 に 多 い.. も多 し.糖 量 は正 常 値 の上 界 又 は軽 度 増 加, ク ロ ール 量 は む しろ 減 少 の 傾 向 を示 す. (10) 血 液 所 見 は 赤 血 球 数,血. 球,淋 (11). 後貽 症 は 入 院 患 者 に つ い て 調 査 し た. 除 き凡 て小 児 で あ つ て 記 憶 力 減 退,性. て い る.前 駆 期 症 状 は 軽 度 の頭 痛,倦. あ つ た.多. 怠 が最. 感 時 に戦 慄 を伴. ふ.. に39℃. 脊 髓 液 所 見 は本 症. あ る.発 熱 は 必 発 症 状 で1日 以 内 以 上 に 達 し4.5日. 稽 留 熱 稀 に 弛 張 熱 を 示 し1, の間 に平 熱 に 復 し6〜9日 例 が 多 い が15日. 時 に1週. 間位の. 2日 時 に4, 5日 の有 熱 期 を 有 す る. 以 上 微 熱 の 継 続 す る 例 もか. 23年. 度の. 流 行 で は 教 室 過 去 の平 均 致 命率33.3%に. 比. し稍 高 く昭 和24年 22年 は41.7%,同23年 27.9%で. 部 強 直,ケ. 候,筋. 強 剛 が 最 も多 数 に見 ら れ る.而. 語,譫 妄,嘔. 吐 等 あ らは れ 第3,. 濁,嗜. も神 経. 1). 日下 連,中. 島 節 夫:岡. 第11号,昭 2). 和12年.. 本 内 科 学 会 雑 誌,第25卷,第1. 日 前 後 迄 に 死 亡 した.. 小 児は主 として浜本 教授 以下 小 児科医 局 員に負 ふ と ころ多 く,病 理学 的診 断 は田部,浜 崎 両教授 に負ふ ナ ここ とを附記 す.. 要. 御 校閲 を深謝 す.. 文 3). 献 北 岡 正 見:最. 新 医 学,第3卷,第3号,昭. 和. 科 診 療,第11卷,第2号,昭. 和. 23年.. 和12年.. 柿 沼 昊 作:日 号,昭. 山 医 学 会 雑 誌,第49卷,. 日に 最 も多 く殆 ん ど総 て. 擱筆 す るに当 り恩 師北山教授 の御懇 篤 な る御指 導. 日頃 に. 主. は. て 死 亡 し 予後 の極 め て 悪 い こ と を 示 した.死. 眠,譫. 4病. は35.0%同24年. 尚 臨 床診 断 は北 山教授,平 木 助教授 以下 医局 員及. ル ニ ッ ヒ氏 徴. 症 状 は 病 日に 従 ひ ほ ゞ 一定 の発 現 順 序 を 示 し 先 づ 熱 上 昇 期 に は 頭 痛 意 識,溷. 昭和. 人 の 致 命 率 は 極 め て高 く又 妊 婦 の 罹 患 例 は 総. の 例 が 第10病. 妄,頭 痛,項. 度 で は 低 か つ た.即. あ る.年 令 別 に 見 る と 各 年 度 共 老. の持 続 日数 も長 い.. 語,譫. 動性 失 語症 等 で. 予 後 に つ い て は 昭 和22,. 亡 病 日 は 第3〜8病. 眠,譫. 格変. くの 例 で 数 ヶ 月 の 間 に 恢 復 の 徴 が. な り存 在 す.又 死 亡 例 で は 一 般 に 体 温 高 くそ. (8) 神 経 症 状 と し て は 意 識 溷 濁,嗜. 動 麻 痺,運. を. 見 え る. (12). のTriasで. 酸. 巴 球 大 単 核 球 の 減 少 を 示 す.. 化,智 能 障 碍,運. 経 症 状,脳. 血球 数 は 中. 等 度 の増 加 を示 し中 性 嗜 好 細 胞 増 多,好. は 前 日迄 全 く健 康 で あ つ て率 然 と し て 発 病 し. (7) 発 熱,神. 色素 量に つ い. た め そ の一 半 を窺 ひ 得 る に過 ぎ な い が1例. 上 は 発 病 当 日又. も多 い.発 熱 時 に は頭 痛,悪. ロ ブ リ ン反. 胞数 は 軽度 又 は 中等度 増加 例 最. て は 顕 著 な 変 化 は 認 め な い が,白. (5) 補 体 結 合反 応 に よ る診 断 に つ い て は 尚. 強. 剛 等 は 下 熱 後 可 成 長 期 に 亘 り残 存 す.. 発 病 者 を 出 した が 明 か に そ の効 果 が あ る様 に. 点 で あ る.即. 321. 4). 北 岡 正 見:児 23年..
(14) 322. 藤. 5) 北 岡 正 見:臨. 井. 床 内 科 小 児 科,第4卷,第7号,. 6) 松 岡 健 男:未. 発 表.. 7) 三 田村 篤 志 郎,北. 8). 本 医学. 15). 山 医 学 会 雑 誌,第55年,第1号,. 16). 本 医 学 及 健 康 保 険,. 西 浦. 勇:成. 12). 芦 田 光 三:日. 山 医 学会. 和18年.. 新 医 学,第4卷,第8号,昭. 北 山 加 一 郎:綜. 和24. 合 医 学,第3卷,第11号,昭. 北 山 加 一 郎:日. 18). 医 学 雑 誌,第58卷,昭 本 細 菌 学 雑 誌,第2卷,昭. 和14年.. 19). 和22. 本 臨 床,第6卷,第8号,昭. 和14. 奥 野 正 二,広. 林 富 士 郎:岡 昭 和15年.. 本 伝 染 病 学 会 雑 誌,第13卷,第. 和14年.. 第10号,昭 20). 京 医 事 新 誌,第3124号,昭. 中 島 節 夫:日 5号,昭. 年. 藤 井 敏 夫:東. 北 岡 正 見:最. 根 一 雄:岡. 和23年. 本 内 科 学 会 雑 誌 第31卷,. 和18年.. 11). 13). 17). 和17年.. 北 山 加 一 郎 他5名:日 第4号,昭. 橋 圭 爾,山. 和21年.. 三 田 村 篤 志 郎 他2名:同 3270号,昭. 10). 直,高. 年.. 昭 和18年. 9). 和 田. 雑 誌,第55年,第4号,昭. 岡 正 見:第12回,日. 和22年.. 木 下 直 幹:岡. 秋. 年. 14). 昭 和24年.. 会 々 誌,昭. 千. 川 済:岡. 山 医 学 会 雑 誌,第54年,. 和17年. 山 医 学 会 雑 誌,第52年,第8号,.
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