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目 次 Ⅰ. 政 策 制 度 の 現 状 及 び 課 題 障 害 等 に 関 する 調 査 分 析 スマートシティ 開 発 運 営 に 関 する 中 央 政 府 の 推 進 組 織 と 政 策 制 度 の 推 移... 3 (1) 中 央 政 府 の 取 組 み 概 要... 3 (2

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平成27年度新興国市場開拓事業

平成27年度新興国市場開拓事業

平成27年度新興国市場開拓事業

平成27年度新興国市場開拓事業

(相手国の産業政策・制度構築の支援事業

(相手国の産業政策・制度構築の支援事業

(相手国の産業政策・制度構築の支援事業

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(中国におけるスマートシティ開発から運

(中国におけるスマートシティ開発から運

(中国におけるスマートシティ開発から運

(中国におけるスマートシティ開発から運

営に係る制度整備に係る調査)

)報告書

営に係る制度整備に係る調査)

)報告書

営に係る制度整備に係る調査)

)報告書

営に係る制度整備に係る調査)

)報告書

2016

2016

2016

2016

2

2

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一般財団法人

一般財団法人

一般財団法人

一般財団法人

日中経済協会

日中経済協会

日中経済協会

日中経済協会

(2)

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Ⅰ.政策・制度の現状及び課題・障害等に関する調査・分析

Ⅰ.政策・制度の現状及び課題・障害等に関する調査・分析

Ⅰ.政策・制度の現状及び課題・障害等に関する調査・分析

Ⅰ.政策・制度の現状及び課題・障害等に関する調査・分析

... 3

1.

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.

.スマートシティ開発・運営に関する中央政府の推進組織と政策・制度の推

スマートシティ開発・運営に関する中央政府の推進組織と政策・制度の推

スマートシティ開発・運営に関する中央政府の推進組織と政策・制度の推

スマートシティ開発・運営に関する中央政府の推進組織と政策・制度の推

移 ... 3

(1)中央政府の取組み概要

(1)中央政府の取組み概要

(1)中央政府の取組み概要

(1)中央政府の取組み概要

... 3

(2)国務院の推進政策

(2)国務院の推進政策

(2)国務院の推進政策

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... 6

(3)国家発展改革委員会の推進政策

(3)国家発展改革委員会の推進政策

(3)国家発展改革委員会の推進政策

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... 6

(4)住宅都市農村建設部の推進政策

(4)住宅都市農村建設部の推進政策

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... 8

2.

2.

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2.13

13

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・5

5

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計画期のスマ

計画期のスマ

計画期のスマ

計画期のスマートシティに関る課題

ートシティに関る課題

ートシティに関る課題

ートシティに関る課題

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(1)

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13

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計画建議から読み取り得るポイント

計画建議から読み取り得るポイント

計画建議から読み取り得るポイント

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(2)新型都市化建設の深化推進に関する国務院の意見(

(2)新型都市化建設の深化推進に関する国務院の意見(

(2)新型都市化建設の深化推進に関する国務院の意見(

(2)新型都市化建設の深化推進に関する国務院の意見(34

34

34

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項目)

項目)

項目)

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... 19

Ⅱ.モデルプロジェクト基礎調査

Ⅱ.モデルプロジェクト基礎調査

Ⅱ.モデルプロジェクト基礎調査

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... 24

1.深圳・坪山新区益田共

1.深圳・坪山新区益田共

1.深圳・坪山新区益田共

1.深圳・坪山新区益田共和城邦プロジェクト

和城邦プロジェクト

和城邦プロジェクト

和城邦プロジェクト

... 24

(1)政策的な経緯と背景

(1)政策的な経緯と背景

(1)政策的な経緯と背景

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... 24

(2)益田集団による坪山スマートコミュニティプロジェクト構想

(2)益田集団による坪山スマートコミュニティプロジェクト構想

(2)益田集団による坪山スマートコミュニティプロジェクト構想

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... 28

(3)日本企業のシステム・ソリューション活用の初歩的可能性と課題

(3)日本企業のシステム・ソリューション活用の初歩的可能性と課題

(3)日本企業のシステム・ソリューション活用の初歩的可能性と課題

(3)日本企業のシステム・ソリューション活用の初歩的可能性と課題

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2.

2.

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2.北京

北京

北京

北京(通州)

(通州)

(通州)

(通州)

、天津、河北(香河)

、天津、河北(香河)

、天津、河北(香河)

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... 38

(1)2つのモデルプロジェクト候補地概要

(1)2つのモデルプロジェクト候補地概要

(1)2つのモデルプロジェクト候補地概要

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... 38

(2-1)北京市通州区のスマートシティモデル都市としての可能性

(2-1)北京市通州区のスマートシティモデル都市としての可能性

(2-1)北京市通州区のスマートシティモデル都市としての可能性

(2-1)北京市通州区のスマートシティモデル都市としての可能性

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(2-2)河北省香河県のスマートシティモデル都市としての可能性

(2-2)河北省香河県のスマートシティモデル都市としての可能性

(2-2)河北省香河県のスマートシティモデル都市としての可能性

(2-2)河北省香河県のスマートシティモデル都市としての可能性

. 41

3.鄭州

3.鄭州

3.鄭州

3.鄭州 ... 44

(1)鄭州市の概要

(1)鄭州市の概要

(1)鄭州市の概要

(1)鄭州市の概要 ... 44

(2)鄭州市におけるスマートシティ建

(2)鄭州市におけるスマートシティ建

(2)鄭州市におけるスマートシティ建

(2)鄭州市におけるスマートシティ建設の現状

設の現状

設の現状

設の現状

... 52

(3)鄭州市モデルプロジェクトの推進体制と対象エリア概要、プロジェ

(3)鄭州市モデルプロジェクトの推進体制と対象エリア概要、プロジェ

(3)鄭州市モデルプロジェクトの推進体制と対象エリア概要、プロジェ

(3)鄭州市モデルプロジェクトの推進体制と対象エリア概要、プロジェ

クトにより解決すべき課題

クトにより解決すべき課題

クトにより解決すべき課題

クトにより解決すべき課題

... 56

(4)鄭州市における日本企業のシステム・ソリューション活用の初歩的

(4)鄭州市における日本企業のシステム・ソリューション活用の初歩的

(4)鄭州市における日本企業のシステム・ソリューション活用の初歩的

(4)鄭州市における日本企業のシステム・ソリューション活用の初歩的

可能性と課題、障害

可能性と課題、障害

可能性と課題、障害

可能性と課題、障害 ... 61

Ⅲ.政策提言

Ⅲ.政策提言

Ⅲ.政策提言

Ⅲ.政策提言 ... 63

1.提言検討に向けた試論(総論)

1.提言検討に向けた試論(総論)

1.提言検討に向けた試論(総論)

1.提言検討に向けた試論(総論)

... 63

2.提言に向けた前提:スマートシティ開発への日本企業参入の現状

2.提言に向けた前提:スマートシティ開発への日本企業参入の現状

2.提言に向けた前提:スマートシティ開発への日本企業参入の現状

2.提言に向けた前提:スマートシティ開発への日本企業参入の現状

... 65

3.スマートシティ開発・運営への日本企業のビジネス参入の課題

3.スマートシティ開発・運営への日本企業のビジネス参入の課題

3.スマートシティ開発・運営への日本企業のビジネス参入の課題

3.スマートシティ開発・運営への日本企業のビジネス参入の課題

... 66

(1)これまでの経験を踏まえた今後の課題

(1)これまでの経験を踏まえた今後の課題

(1)これまでの経験を踏まえた今後の課題

(1)これまでの経験を踏まえた今後の課題

... 66

(3)

2

(2)想定される日本企業のビジネスアプローチ

(2)想定される日本企業のビジネスアプローチ

(2)想定される日本企業のビジネスアプローチ

(2)想定される日本企業のビジネスアプローチ

... 70

(3)外資のビジネス参入に関する政策

(3)外資のビジネス参入に関する政策

(3)外資のビジネス参入に関する政策

(3)外資のビジネス参入に関する政策・制度面の問題点

・制度面の問題点

・制度面の問題点

・制度面の問題点

... 71

4.中国スマートシティ開発・運営ビジネス参入に対する政策的支援の提言

4.中国スマートシティ開発・運営ビジネス参入に対する政策的支援の提言

4.中国スマートシティ開発・運営ビジネス参入に対する政策的支援の提言

4.中国スマートシティ開発・運営ビジネス参入に対する政策的支援の提言

... 73

(1)スマートシティ・コンセプトの摺り合わせとロードマップ作成の必

(1)スマートシティ・コンセプトの摺り合わせとロードマップ作成の必

(1)スマートシティ・コンセプトの摺り合わせとロードマップ作成の必

(1)スマートシティ・コンセプトの摺り合わせとロードマップ作成の必

要性

要性

要性

要性 ... 73

(2)データ共有の重要性

(2)データ共有の重要性

(2)データ共有の重要性

(2)データ共有の重要性

... 74

(3)官民協力による新ビジネスモデル創出とファイナンスを巡る政府の

(3)官民協力による新ビジネスモデル創出とファイナンスを巡る政府の

(3)官民協力による新ビジネスモデル創出とファイナンスを巡る政府の

(3)官民協力による新ビジネスモデル創出とファイナンスを巡る政府の

役割

役割

役割

役割 ... 74

(4)外資参入規制緩和に向けた政策対話との連動

(4)外資参入規制緩和に向けた政策対話との連動

(4)外資参入規制緩和に向けた政策対話との連動

(4)外資参入規制緩和に向けた政策対話との連動

... 76

(5)深圳等の一線都市での日系企業使用地転換による

(5)深圳等の一線都市での日系企業使用地転換による

(5)深圳等の一線都市での日系企業使用地転換による

(5)深圳等の一線都市での日系企業使用地転換による 日中スマートシテ

日中スマートシテ

日中スマートシテ

日中スマートシテ

ィ再開発協力の可能性

ィ再開発協力の可能性

ィ再開発協力の可能性

ィ再開発協力の可能性

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Ⅳ.資料(調査活動記録)

Ⅳ.資料(調査活動記録)

Ⅳ.資料(調査活動記録)

Ⅳ.資料(調査活動記録)

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.専門家派遣

専門家派遣

専門家派遣

専門家派遣 ... 77

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「 2015

2015

2015

2015

中国スマートシティ国際博覧会」参加及び鄭州訪問等の訪中団

中国スマートシティ国際博覧会」参加及び鄭州訪問等の訪中団

中国スマートシティ国際博覧会」参加及び鄭州訪問等の訪中団

中国スマートシティ国際博覧会」参加及び鄭州訪問等の訪中団

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(2)第

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1

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回日中スマートシティ研究会開催と関係機関訪問の訪中

回日中スマートシティ研究会開催と関係機関訪問の訪中

回日中スマートシティ研究会開催と関係機関訪問の訪中

回日中スマートシティ研究会開催と関係機関訪問の訪中

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(3)

(3)

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(3)モデルプロジェクトエリア視察訪中

モデルプロジェクトエリア視察訪中

モデルプロジェクトエリア視察訪中

モデルプロジェクトエリア視察訪中

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(4)深圳スマートシティ可能性・追加調査出張訪中

深圳スマートシティ可能性・追加調査出張訪中

深圳スマートシティ可能性・追加調査出張訪中

深圳スマートシティ可能性・追加調査出張訪中

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(5)深圳「益田共和城邦」スマートシティ・セミナー出張訪中

深圳「益田共和城邦」スマートシティ・セミナー出張訪中

深圳「益田共和城邦」スマートシティ・セミナー出張訪中

深圳「益田共和城邦」スマートシティ・セミナー出張訪中

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2.

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.訪日調査団受入

訪日調査団受入

訪日調査団受入

訪日調査団受入 ... 104

(1)

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(1)中国城市・小城鎮改革発展中心

中国城市・小城鎮改革発展中心

中国城市・小城鎮改革発展中心

中国城市・小城鎮改革発展中心

喬潤令副主任一行訪日団

喬潤令副主任一行訪日団

喬潤令副主任一行訪日団

喬潤令副主任一行訪日団

... 104

3.調査報告に向けた意見交換レポート

3.調査報告に向けた意見交換レポート

3.調査報告に向けた意見交換レポート

3.調査報告に向けた意見交換レポート

... 110

( 1 ) ス マ ー ト シ

( 1 ) ス マ ー ト シ

( 1 ) ス マ ー ト シ

( 1 ) ス マ ー ト シ テ ィ 建 設 関 与 に 向 け た 障 害 と デ ー タ ア ク セ ス の 重 要 性

テ ィ 建 設 関 与 に 向 け た 障 害 と デ ー タ ア ク セ ス の 重 要 性

テ ィ 建 設 関 与 に 向 け た 障 害 と デ ー タ ア ク セ ス の 重 要 性

テ ィ 建 設 関 与 に 向 け た 障 害 と デ ー タ ア ク セ ス の 重 要 性

... 110

(2)スマートシティ建設に取り組む地方政府の財政問題と金融セクター

(2)スマートシティ建設に取り組む地方政府の財政問題と金融セクター

(2)スマートシティ建設に取り組む地方政府の財政問題と金融セクター

(2)スマートシティ建設に取り組む地方政府の財政問題と金融セクター

の支援のあり方

の支援のあり方

の支援のあり方

の支援のあり方 ... 114

(4)

3

Ⅰ.政策・制度の現状及び課題・障害等に関する調査・分析

Ⅰ.政策・制度の現状及び課題・障害等に関する調査・分析

Ⅰ.政策・制度の現状及び課題・障害等に関する調査・分析

Ⅰ.政策・制度の現状及び課題・障害等に関する調査・分析

1.

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.スマートシティ開発・運営に関する中央政府の推進組織

スマートシティ開発・運営に関する中央政府の推進組織

スマートシティ開発・運営に関する中央政府の推進組織

スマートシティ開発・運営に関する中央政府の推進組織と

と政策・制度の推移

政策・制度の推移

政策・制度の推移

政策・制度の推移

( ( ( ( 111 )中央政府の取組み概要1)中央政府の取組み概要)中央政府の取組み概要)中央政府の取組み概要 中国では、第11 次五カ年計画期間中(2006 年~2010 年)から、多くの都市において 情報化の観点からの多様な取組み―例えば、都市の情報化、無線都市、デジタル都市、 「智慧地球(スマートプラネット)」ビジョン 1 から派生した「スマートシティ」、が展開 されてきた。 2 この流れを受け、中国政府は第 12 次五カ年計画(以下「12・5」)期間中(2011 年~ 2015年)からスマートシティを本格的に重視し始め 3 、関連推進政策を相次いで打ち出 してきた(図1「中国におけるスマートシティ関連の主要政策、法令動向」)。 中央政府レベルでは、25 部門がそれぞれの所管分野についてスマートシティと関わ っているとされるが 4 、次のように多様な取組みが展開されている。これらの機関をま とめ横断的な連携をとるため、2014年 8 月、国家発展改革委員会が8 部門合同で「ス マートシティの健全な発展促進のための指導意見」 5 を通達した。 <各部門の取組事例> 6 国家発展改革委員会、工業信息化部をはじめ 12 部門が協同で「スマート情報恵民 プロジェクト」を推進。政府のサービス強化、事務処理効率化により市民の利便化 を促進。 工業信息化部は、住宅都市農村建設部とともに、情報化インフラ建設を加速。 国家発展改革委員会は、スマートグリッド方面のプロジェクトを指導。 住宅都市農村建設部と科学技術部は、共同でスマートシティの一連の標準づくりや 技術開発を推進。 交通部は、都市の公共交通スマート化のモデルシステム構築のため、太原や石家庄

1

IBM が 2008 年 11 月に提唱したビジョン。IBM Web サイト「Smarter Planet」 http://www-03.ibm.com/ibm/history/ibm100/jp/ja/icons/smarterplanet/ 2 住宅都市農村建設部 仇保興副部長「智慧地进行城镇建设 积极促进我国城镇可持续发展」 「中国城市科学研究会数字城市専業委員会工作簡報(特刊)」2012 年第 10 期、2012 年 8 月 10 日 3 中国社会科学院城市発展・環境研究所单菁菁城市規劃研究室主任、王業強土地経済不動産 研究室主任へのインタビューから(2015 年 10 月 29 日) 4 中城智慧城市建設研究会 李建平秘書長へのインタビューから(2015 年 10 月26 日) 5 国家発展改革委員会、工業信息化部等「关于促进智慧城市健康发展的指导意见」2014 年 8 月 27 日 6 注 3 に同じ

(5)

4

等の26 都市で応用モデルを実証中。 <スマート化推進が必要な分野> 7 ①交通:動態交通(路上)と静態交通(駐車場)を結合させたスマート化が課題。 ②政務:スマートシティのネットワーク化、情報化管理を行うプラットフォームの建設 及び「スマート情報恵民プロジェクト」(関連分野は、医療、教育、高齢者対応、就 業、公共安全、食品薬品の安全等)の推進。 ③エネルギーマネジメント:a)グリーン建築の省エネ。b)地域管理、CBD 管理、ある いはスマートコミュニティ(社区)。c)スマートグリッド(電網)の建設。ピークシ フト、都市全体の節電夜間照明システム、社区住民の電気代節約等の取組み。 ④安全管理:a)社会的側面。国際的なテロ活動対策や新疆独立運動への対応。社会的 な安全を脅かす事件、突発事件に対して、政府がいかに即時に対応して市民を守るか。 b)自然的側面。火災、地震、豪雨等の危険への対応。 ⑤コミュニティ:高齢化社会の進展に伴う高齢者対応及び健康管理(高齢者、大都市の ホワイトカラー層等)。 ⑥地下共同溝:ネットワーク建設とマネジメント。中関村で試験を実施したが、全国展 開はこれから。一つの管理システムで複数の共同溝を管理するのは技術的に非常に難 しく、先進的な技術の導入が必要。 ⑦商圏:中央政府の指示ではなく、地方政府が独自で分散していた大小の小売業者を統 合してネットワークを形成し、ビジネス機能向上と効率化を図る。例えば、重慶市の 解放碑 CBD エリア、上海の南京路、北京の王府井や CBD 等。 ⑧各種パークの建設:工業開発区、工業園区、高新技術産業園区、サービス業園区等。 地方政府としては、物流、貯蔵、生産プロセスのスマート化が狙い。

7 注 3 に同じ

(6)

5

国家発展改革委員会 ○ 弁公庁 ○ ○ 教育部 ○弁公庁 ○ 科学技術部 ○ 弁公庁 ○ 工業信息化部 ○ 弁公庁 ○ ○ 公安部 ○ ○ 民政部 ○ 財政部 ○ ○ 人力資源社会保障部 ○ 国土資源部 ○ 住房城郷建設部 ○ 交通運輸部 ○ 商務部 国家衛生計画生育 委員会 ○ 国家測絵地理信息局 ( 注) 1) 法令の正式名称では 「 中華人民共和国」 であるところ、本文中では 「 中国」 と略称      2) 矢印( 実線) は法令が更新されたことを示し、旧法令は 廃止。矢印( 点線) は 法令が修正され継続していることを示す 出所: 『 智慧城市1 0 0 問』 8 頁~1 2 頁、 2 0 1 5 年6 月、 電子工業出版社、から編集。一部の政策、法令および年月日は筆者補足 行 政 各 部 門 行 政 各 部 門 行 政 各 部 門 行 政 各 部 門 中国におけるスマートシティ関連の主要政策、法令動向 国 務 院 国 務 院国 務 院 国 務 院 全 国 人 民 代 表 大 会 全 国 人 民 代 表 大 会 全 国 人 民 代 表 大 会 全 国 人 民 代 表 大 会 常 務 委 員 会 常 務 委 員 会 常 務 委 員 会 常 務 委 員 会 1984年1月5日施行「中国城市规划条例」 1990年4月1日施行「中国城市规划法」 2008年1月1日施行「 中 国中 国中 国中 国 城 乡城 乡城 乡城 乡 规划法规划法规划法规划法」 1987年1月1日施行「中国土地管理法」 1988年12月29日施行 「中国土地管理法」第1次修正 1999年1月1日施行「中国土地管理法」改正 2004年8月28日施行 「 中 国 土 地管理法中 国 土 地管理法中 国 土 地管理法」第2次修正中 国 土 地管理法 1999年1月1日施行 「 中 国中 国中 国中 国 土 地管理法实施条例土 地管理法实施条例土 地管理法实施条例土 地管理法实施条例 」 (1998年12月27日国务院令第256号发布) 1991年2月1日施行「中国土地管理法实施条例」 (1991年1月4日国务院发布) 1995年1月1日施行「中国城市房地产管理法」 2007年8月30日施行 「 中 国中 国中 国中 国 城 市房地产城 市房地产城 市房地产城 市房地产 管理法管理法管理法管理法」改正 2010年12月21日発表 「 全 国 主 体功能区规划全 国 主 体功能区规划全 国 主 体功能区规划」全 国 主 体功能区规划 2014年3月16日発表 「 国 家 新 型 城镇 化规划 (国 家 新 型 城镇 化规划 (国 家 新 型 城镇 化规划 (国 家 新 型 城镇 化规划 ( 2 0 142 0 142 0 142 0 14 ---- 2 02 02 02 02 02 0 年)2 02 0年)年)年)」 (中共中央、国務院連名) 2012年11月22日発出「住 房 城 乡建设部办公厅 关于开展国家智慧城市试点工作的通知住 房 城 乡建设部办公厅 关于开展国家智慧城市试点工作的通知住 房 城 乡建设部办公厅 关于开展国家智慧城市试点工作的通知住 房 城 乡建设部办公厅 关于开展国家智慧城市试点工作的通知」 --附件1「 国 家 智 慧城市试点暂行管 理办法国 家 智 慧城市试点暂行管 理办法国 家 智 慧城市试点暂行管 理办法国 家 智 慧城市试点暂行管 理办法」 附件2「 国 家 智 慧城市国 家 智 慧城市国 家 智 慧城市国 家 智 慧城市 (((( 区区区区 、、、 镇、镇 )镇镇))) 试点指标体系试点指标体系试点指标体系试点指标体系 (( 试行((试行试行试行 ))))」 2012年8月22日発表「导航与位置服务科技发展“十 二五”专项规划」 2012年9月3日発表「国家宽带网络科技发展“十二 五”专项规划」、「中国云科技发展“十二五”专项 规划」 2014年8月27日通達「关 于 印 发促进智慧城市 健康发展的指导意见关 于 印 发促进智慧城市 健康发展的指导意见关 于 印 发促进智慧城市 健康发展的指导意见关 于 印 发促进智慧城市 健康发展的指导意见」(下記8機関連名) 2012年1月4日発表 「“十二五”商务发展主要任务和重点工作」 2012年6月21日通達「关于推进现代物流技术应用和 共同配送工作的指导意见」 2012年8月7日発表(当時は衛生部) 「健康中国2020战略研究报告」 2011年4月13日発表 「交通运输“十二五”发展规划」 2012年7月31日発表「交通运输行业智能交通发展战 略(2012-2020年)」 2012年1月19日発表 「国土资源信息化“十二五”规划」 2012年2月13日発出 「关于加快数字城市建设推广应用工作的通知」 2011年11月28日発表 「物联网“十二五”发展规划」 2010年5月12日発出「关于当前推进高技术服务业发 展有关工作的通知」 2012年4月20日通達「基层医疗卫生机构管理信息系 统建设项目指导意见」 2010年10月10日通達「国务院关于加快培育和发展 战略性新兴产业的决定」 2012年6月28日通達「国务院关于大力推进信息化发 展和切实保障信息安全的若干意见」 2012年7月9日発表「“十二五”国家战略性新兴产 业发展规划」 2013年8月1日発出 「“宽带中国”战略及实施方案」 中国科学院弁公庁 中国工程院弁公庁 国家自然科学基金会弁公室 2012年3月27日通達「 下 一 代 互联网“十二五” 发展建设的意见下 一 代 互联网“十二五” 发展建设的意见下 一 代 互联网“十二五” 发展建设的意见下 一 代 互联网“十二五” 发展建设的意见」(下記7機関連名) 2014年1月9日発出「 关 于 加 快实施信息惠民工 程有关工作的通知关 于 加 快实施信息惠民工 程有关工作的通知关 于 加 快实施信息惠民工 程有关工作的通知关 于 加 快实施信息惠民工 程有关工作的通知」(下記12機関連名) 中央編弁 審計署 食品薬品監管総局 国家標準委 2013年8月8日通達「国务院关于促进信息消费扩大 内需的若干意见」 図表 1 中国におけるスマートシティ関連の主要政策、法令動向

(7)

6

( ( ( ( 222 )国務院の推進政策2)国務院の推進政策)国務院の推進政策)国務院の推進政策 国家発展改革委員会等による「スマートシティの健全な発展促進のための指導意見」 のなかで、同意見は、2013 年 8 月に国務院が通達した「情報消費促進と内需拡大に関 する若干の意見」(以下「国務院意見」) 8 の貫徹が一つの目的であると強調している。 この国務院意見は、世界的にITの発展により新しい消費・サービス・業態が次々と 現れ、消費が喚起されており、中国でも市民の消費レベル向上及び情報化、工業化、都 市化、農業現代化の融合発展の時期を迎えており、情報消費の発展のために必要な基礎 と巨大な潜在力が備わっているとしながらも、一方で、インフラ整備や製品・サービス イノベーションの不足、市場参入の困難さ、関連政策の不備、業界の障壁、メカニズム の不適応等を解決すべき課題として挙げた。そして、情報インフラのレベルアップ、情 報関連製品の供給能力向上、情報ニーズの育成、公共サービス情報化のレベルアップ等 を目標に掲げている。 特に、スマートシティ建設を加速するために提示された下記奨励事項が注目される。 ①条件を備えた都市においてスマートシティ試点・モデル建設を実施し、そこで投融 資の市場化、情報システムサービスのアウトソーシング、情報リソースの社会化開 発利用等に関する奨励政策を策定。 ②公共施設のスマート化改造により、スマートグリッド、スマート交通、スマート水 管理、スマート国土、スマート物流等のプロジェクトをサポート。 ③各種の市場主体が、共同でスマートシティ建設に参画することを奨励。 ④国務院が発行を認可した地方政府債券の中から、各省・自治区・直轄市の政府が一 部資金をスマートシティ建設に使用。 ⑤条件に合致した企業が、募集した資金をスマートシティ建設に使用する企業債を発 行することを奨励。 ( ( ( ( 333 )国家発展改革委員会の推進政策3)国家発展改革委員会の推進政策)国家発展改革委員会の推進政策)国家発展改革委員会の推進政策 「スマートシティの健全な発展促進のための指導意見」では、指導思想としてスマー トで、グリーンな、低炭素の、新型都市化の道を歩むべきという総合的要求に基づいて 施策を進めることとしている。これに先立ち、国家発展改革委員会は、2014 年 3 月に 「低炭素コミュニティ(社区)の試点事業展開に関する通知」(以下「社区通知」)を発 出している 9 。その中で、国として試点社区に対する奨励政策や補助金を制定していく

8 国務院「国务院关于促进信息消费扩大内需的若干意见」2013 年 8 月 8 日 9 国家発展改革委員会「国家发展改革委关于开展低碳社区试点工作的通知」2014 年 3 月 21 日

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ことを明言するとともに、外資、社会資本の参加も歓迎すると表明している。これは、 第13 次五カ年計画における発展理念の柱である「グリーン(緑色)」を具体化する重要 な舞台としてコミュニティを重視していることを意味する。 社区通知では、試点事業を強化するために二つの重要文献を作成するとしていたが、 その一つである「低炭素コミュニティ(社区)の試点建設指南」 10 が、2015 年2 月に発 表された。 この指南に基づいて低炭素コミュニティの試点建設を実施する主体は、政府系統とし ては、①国家発展改革委員会→②省レベル発展改革委員会→③市・県レベル発展改革部 門→④新区管理委員会、街道弁事処、郷鎮政府、となっている。事業の実施機関は、新 区の開発投資主体、社区住民委員会、村民委員会となる。これにデベロッパー、村・鎮 集団企業、不動産管理公司、業主委員会、計画・コンサルティング機関、金融機関、科 学研究機関、CO2コンサルティング・管理機関、非政府組織、仲介サービス機関、等が 関わっていくことになる。 試点は申請方式であり、上記③(市・県レベル発展改革部門)が窓口となる。コミュ ニティは都市新設社区、都市既存社区、農村社区、の三タイプに大別され、②(省レベ ル発展改革委員会)が評価・審査を行い、低炭素コミュニティ試点リストを確定し、① (国家発展改革委員会)に報告する。リスト入りした社区については、所管の④(新区 管理委員会、街道弁事処、郷鎮政府)が建設案をまとめ、③に上げ、最終的に②の認可 を受ける。現在、各地での申請の動きは報道されているが、まだ試点リストは発表され ていない。 試点の建設周期は一般的には約 3 年である。期間終了前には、②の検収を受け、合格 すれば「低炭素モデルコミュニティ」、成果優秀であれば「国家低炭素モデルコミュニ ティ」の称号が与えられる。 申請にあたっては、図2 のようにタイプ別にクリアしなければならない指標が定めら れており、これらに対応できるシステム、技術を如何にコミュニティに認識、普及させ ていくかが企業側の課題だと言える。 注目すべきは、都市新設社区の計画策定にあたり、次のようなコンセプトを推奨して いることであり、日本企業のコンセプトとの親和性が高まっていくことが期待される。 ①産業と都市の融合、②コンパクトな空間配置、③公共交通を指向するTOD型開発モ デル、④島状商業地区の建設、⑤地下空間の開発利用、⑥15 分生活圏、等。 また、都市既存社区の特徴は、建築、エネルギー、交通、水資源、固体廃棄物、生態

10 国家発展改革委員会弁公庁「国家发展改革委办公厅 关于印发低碳社区试点建设指南的 通知」2015 年 2 月 12 日

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環境等各分野の調査分析を経て、不足や問題がある場合に、住民の理解を得ながら、関 係者のニーズを踏まえて改造に取り組むことである。コミュニティが抱える課題を如何 に解決するかにおいて、日本企業の参入余地があるものと期待される。 図表2 各コミュニティ試点の建設指標 1 級指標(類) 2 級指標(種)※数値目標あり 都市新設 社区 10(CO 2排出量、空間配置、緑色建築、交通シ ステム、エネルギーシステム、水資源利用、 固体廃棄物処理、環境緑化・美化、運営管理、 低炭素生活) 46(CO 2排出量下降率、建築用地総合容積率、 保障性住宅緑色建築一つ星級標準達成率、道 路網密度、再生可能エネルギー代替率、節水 器具普及率、生活ゴミ分類収集率、緑地率、 CO 2排出管理システム有無、等) 都市既存 社区 9(CO2排出量、省エネ・緑色建築、交通シス テム、エネルギーシステム、水資源利用、固 体廃棄物処理、環境美化、運営管理、低炭素 生活) 32(CO2排出量下降率、新築物件の緑色標準 達成率、公共交通分担率、再生可能エネルギ ー代替率、節水器具普及率、生活ゴミ分類収 集率、緑化カバー率、CO2排出管理システム有 無、等) 農村社区 10(CO 2排出量、計画、緑色住宅、交通システ ム、エネルギーシステム、固体廃棄物、水シ ステム、環境総合対策、低炭素管理、低炭素 生活) 28(CO 2排出量下降率、新築住宅省エネ標準 達成率、道路網密度、再生可能エネルギー代 替率、生活ゴミ集中収集率、飲用水標準達成 率、CO 2排出管理システム、等) また、社区通知が作成予定としたもう一つの文献である「低炭素社区試点評価指標体 系」は、現時点では確認できないが、北京市東城区崇文門外街道弁事処のように、「低 炭素社区評価技術導則」 11 という詳細な評価指標を定める政府機関も出てきている。 ( ( ( ( 444 )住宅都市農村建設部の推進政策4)住宅都市農村建設部の推進政策)住宅都市農村建設部の推進政策)住宅都市農村建設部の推進政策 スマートシティ建設に積極的な部門の一つとして住宅都市農村建設部(以下「住建部」) がある。住建部の考え方は、2012 年に仇保興副部長(当時)が「スマートシティのイノ ベーション原則と基本的ステップ」と題して明確に語っている 12 。 大規模な投資による伝統的な「鉄道、道路、飛行場」といったプロジェクトの限界効

11 北京市東城区崇文門外街道弁事処「低碳社区评价技术导则」2015 年 8 月 31 日 12 住宅都市農村建設部 仇保興副部長「智慧城市的创新原则与基本步骤」「中国城市科学研 究会数字城市専業委員会工作簡報(特刊)」2012 年第 15 期、2012 年 11 月 30 日

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用が急激に低下しているため、新たな投資・消費分野の開拓が必須となり、そこで浮上 してきたのがスマートシティという位置づけである。そして、スマートシティのイノベ ーションのため、次の 4 原則を提示している。 ①情報を多用し、人力とエネルギーの使用を少なくする。IT により事務や交通のス マート化が進み、省エネが進展した。一方で、スマートグリッド化が不十分なため 再生可能エネルギーの多くが無駄になっている。 ②情報を多用し、強制的なコントロールを少なくする。ビルの節水をするのであれば、 自動でリアルタイムに使用量を公開掲示して呼びかけた方が、強制的な措置を採る よりも効果的であり、コストも低く済む。 ③情報を多用し、被災を少なくする。災害による被害の大部分は、情報不足に起因す る。日本では、地震のセンサーを整備しており、地震が起きれば住民にネットやテ レビで知らせて被災を最小限に抑えている。中国の大多数の都市は人口密度が高く、 災害が拡大しやすい。都市の防災は、都市管理者にとって極めて大きな課題である。 ④情報を多用し、大衆の利益を多くする。スマートシティは、医療、食事、住宅、行 動、医療、観光、買物等の各分野でITを活用し、便利な生活のために優良なサー ビスを提供するべきもの。 こうした原則をもとに、具体的方策としてスマート化の程度によってスマートシティ を分類し、評価する方法の確立を提案している。例えば、初級を1A 級とし、都市の課 題解決能力によって2A 級、3A 級と引き上げる仕組みである。こうして、都市の情報シ ステムの質を高めれば、都市の投資環境を改善し、政府の信用力向上と経済発展が可能 となるばかりか、資源の調整、人材の招致にもつながり、都市のイメージと競争力を引 き上げることができるとしている。 住建部としては、この時期までに 10 数カ所のエコシティモデル都市、20 数カ所の再 生エネルギーモデル都市等を建設してきたほか、毎年 300 人余りの市長を対象に建設部 で研修を実施してきた。 さらに、資金面にも言及しており、スマートシティに関して銀行から借り入れた場合 の返済原資として、①企業が直接行う情報サービスに対する適切な課金、②システム運 営企業の広告収入、③都市のサービス水準向上に伴う税収増から来る財政収入、の3 点 を挙げている。

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<国家スマートシティ試点暫定管理弁法 13 > 以上のような考えをベースとして、住建部は2012 年11 月に「国家スマートシティ試 点暫定管理弁法」(以下「管理弁法」)と「国家スマート都市(区、鎮)試点指標体系(試 行)」(以下「指標体系」)を発出した。 管理弁法によれば、試点の決定方式は、①都市(区、鎮)政府が申請書類を作成→② 所在地の省レベル住建部部門が審査→③住建部に報告という手順である。直轄市及び計 画単列都市の場合は、住建部に直接報告する。申請書類には、F/S 結果及び指標体系に 沿った合理的で実行可能な目標、建設の内容・期限・計画等が含まれる。 申請には4つの条件がある。①スマートシティ建設が、同地の第12次5カ年計画、 あるいは関連計画に含まれていること、②スマートシティ発展計画要綱の編成が完了し ていること、③建設資金の調達案と保障方法が確定しており、政府財政予算に含まれて いること、④申請及び組織管理にあたる責任者がいること。 建設が終了した後、住建部スマートシティ創建工作指導小組による検収の後、評定が 行われ、一星、二星、三星という等級が決定される(三星が最も高いレベル)。 以上のような一連の手続きを経て、2013 年1 月に第 1 期(2012 年度分)90 試点、13 年8 月に第 2 期(2013 年度分)103 試点、15 年4 月に第 3 期(2014 年度分)84 試点の リストが公表された。3 期の合計で、試点数は277 となった。(図表3) この試点事業について理解を深めるため、住建部、科学技術部から委託を受けて実務 を請け負っている中城智慧城市建設研究会へのインタビューをもとに、事業の経緯と課 題を以下にまとめた。 14 1)経緯 都市はまだまだ発展していかなければならないため、スマートシティのコンセプトを 導入することで、産業構造を変えていく。それに伴って行政効率を上げ、住民の生活の 質も向上させるのが目的。 2 期の選定を終えたところで、スマートシティという構想と規模があまりにも大きす ぎ、実行が難しい部分が見えてきた。これを受け、3 期目は具体的なプロジェクトにブ レイクダウンして実施することにした。例えば、それぞれスマートコミュニティやセキ ュアシティのコンセプト、スマート教育、スマート医療、スマート交通等のプロジェク トを実施の単位とした。こうすることで、その都市の喫緊の課題が解決されていくし、

13 住宅都市農村建設部弁公庁「住房城乡建设部办公厅关于开展国家智慧城市试点工作的通 知(附件 1「国家智慧城市试点暂行管理办法」、附件 2「国家智慧城市(区、镇)试点指标 体系(试行)」)」2012 年 11 月 22 日 14 注 4 に同じ

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ファイナンスもやり易いことが分かった。277 試点においては、予定プロジェクトが 2,000 以上に達しているが、多くは新規建設というわけではなく、ある程度の基礎があ る。マーケット規模は、推計で1 兆8,000 億元になる。 スマートシティという枠組みに対して、中央政府や北京、上海、広州のような大都市 ではなかなか調整が難しいが、地方の県あるいは中規模の地級市レベルであれば、トッ プに統率力があればどんどん進むのでやり易い。ニーズがあり、モチベーションが全然 違う。これまで参加していない都市からは、4 期目の対象として認めてほしいとの要請 が来ているが、次回の予定は立っていない。 277 という数字は、全国3,000 県・市の行政単位の 10%に当たる。試点での成功事例 から共通点を取りまとめ、各地域の発展に適した技術基準やビジネスモデルを確立し、 徐々に全国的に普及、応用していきたい。 また、社会科学院によれば 15 、住建部のスマートシティ試点は、地方政府と協力して 大型投資が行われるが、国と地方政府が一部を出資し、その他大部分は各種民間機関、 つまり企業を含む社会資本が出資することを目指している。国の出資部分は、国家開発 銀行が参画して支出される。試点のうち、省政府所在地、副省級都市は、国外企業ある いは大企業の参入を期待している。 2)スマートシティ建設の課題 ①地域によって体制、制度が違う。 ②ビジネスモデルが確立されていない。 ③企業の所有技術・資金をどのように地域に適した形で使用するか。 ④スマートシティ建設は非常に大掛かりでシステマティックなプロジェクトであ る ため、標準の作成、情報プラットフォームの構築等が必要であり、複数機関の協力 が欠かせない。 ⑤都市は住民のために整備されなければならないし、都市自身の発展メカニズムがあ るため、単純に道路を作り、多くの建物を建設するだけでは不十分であり、発生す る都市病を解決しなければならない。 ⑥中国には、スマートシティのグランドデザインを作成できる企業はまだ現れていな い。地方政府もスマートシティの基本的理念の理解が十分でなく、スキームも想定 できていない状況。今まで建設重視でプランニング軽視だったのを改める段階であ る。プランニングができていれば、都市病(交通渋滞、教育が受けられない、医者 にかかれない等)の発生を防止できる。 ⑦知識の問題。地方政府指導者は、都市計画を専門に学んだわけではないため、従来

15 注 3 に同じ

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の伝統的な投資誘致による産業化という発想パターンに傾きがち。スマートシティ は、新型都市化を基礎としたうえで、180 度の発想の転換が必要。GDP 一辺倒から、 都市病を解決できるような都市を目指さなければならない。 ⑧省エネルギー・環境の問題。各都市が自身の強みを認識したうえで、グリーンで環 境にやさしい都市を目指すことが求められている。また、機械を変えるだけでうま くいくと思い込んでいる人がいるが、そうではなく、生産プロセスの最適化によっ て相当の省エネが達成できることを知ってもらう必要がある。 ⑨就業の問題。ロボット導入によって人力の代替が進み、効率が上がり、農業産業化 によって農民も土地に束縛されず農民工として都市に流入してくる。彼らを都市住 民に変えるには、就業機会を与える必要がある。 ⑩資金の問題。地方政府は、インフラに集中投資してきたため、負債率が高止まりの 状況にある。スマートシティの建設資金を如何にして調達するか。 ⑪情報が「孤島」になっている問題。スマートシティには、中央では25の行政機関 が関わっており、各地方も10以上の機関が関係している。そうすると情報が交錯 し、行政効率がかなり低下する。こうした情報を統一し、行政サイドの効率を高め れば、社会コストが低下するはず。 <スマート社区建設指南> 住建部も国家発展改革委員会同様にコミュニティ(社区)の建設を重視している。コ ミュニティは社会の基本となる細胞であり、都市住民の生存と発展の母体であり、その スマート化は、都市全体のスマート化水準に影響を及ぼすものだと認識している。社区 とは、広義には工業園区、産業園区、居住・商業混合社区、大型都市総合体及び大型居 住社区等が含まれる。 16 住建部は、2014年 5 月に「スマートコミュニティ建設指南(試行)」を公開した 17 。 その中で、中長期目標として 2020 年までに、スマートコミュニティの標準化を 50%以 上のコミュニティで達成することを掲げている。そのための評価指標体系を基準数値と ともに規定しているほか、情報サービスプラットフォーム、インフラと建築、ガバナン ス、住民サービス、建設運営モデル等の在り方を明示している。 日本企業にとって、本指南の内容に沿ったビジネス展開が有効だと考えられる。

16 「建设部推动社区建设“智慧”转型」「智慧城市试点工作简报」2014 年第 4 期 17 「智慧社区建设指南(试行)」「智慧城市试点工作简报」2014 年第 4 期

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第1期 (2012年度) 第2期 (2013年度) 1 2 年度分の 範囲拡大 第3期 (2014年度) 1 2 、 1 3 年度分の 範囲拡大 発表時期 2 0 1 3 年 1 月2 9 日 2 0 1 3 年 8 月1 日 2 0 1 3 年 8 月1 日 2 0 1 5 年 4 月7 日 2 0 1 5 年 4 月7 日 北京市 北京東城区 北京経済技術開発 区 門頭溝区 北京市朝陽区 房山区長陽鎮 大興区寵各庄鎮 北京未来科技城 新首鋼高端産業綜 合服務区 北京市麗澤商務区 房山区良郷高教園 区 西城区牛街街道 天津市 天津津南新区 武清区 天津濱海高新技術 開発区京津合作示 範区 天津市生態城 河西区 静海県 河北省 石家庄市 唐山市曹妃甸区 唐山市 石家庄市正定県 秦皇島市 唐山市滦 南県 廊坊市 保定市博野県 廊坊市固安県 邯鄲市 邯鄲市叢台区 遷安市 北戴河新区 山西省 太原市 陽泉市 大同市 長治市 大同市城区 忻州市 朔州市平魯区 晋城市 呂梁市離石区 朔州市懐仁県 烏海市 ホロンベル市 フフホト市 オルドス市 包頭市石拐区 遼寧省 瀋陽市渾南新区 営口市 瀋陽市瀋河区 瀋陽市和平区 大連生態科技新城 庄河市 瀋陽市鉄西区 新民市 大連市普湾新区 瀋陽市瀋北新区 吉林省 遼源市 四平市 通化市 遼源市東豊県 盤石市 楡樹市 白山市江源区 長春高新技術産業 開発区 臨江市 白山市撫松県 吉林市高新区 吉林市船営区捜登 站鎮 長春浄月高新技術 産業開発区 黒龍江省 肇東市 チチハル市 ジャムス市 肇源県 牡丹江市 尚志市 樺南県 安達市 ハルビン市香坊区 上海市 上海市浦東新区 江蘇省 無錫市 南通市 徐州市( 新沂市を含 む) 常州市 丹陽市 常州市新北区 東台市 鎮江市 蘇州呉中太湖新城 常熟市 泰州市 宿遷市洋河新城 淮安市洪澤県 泰州市泰州経済技 術開発区 南京河西新城 昆山市 南京市高淳区 蘇州工業園区 徐州市豊県 南京市麒麟科技創 新園( 生態科技城) 塩城市城南新区 連雲港市東海県 昆山市花橋経済技 術開発区 昆山市張浦鎮 浙江省 温州市 杭州市拱墅区 温嶺市 温州市蒼南県 金華市 杭州市蕭山区 富陽市常安鎮 内モンゴ ル 自治区

国家スマートシティ試点リスト

図表3 国家スマートシティ試点リスト

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浙江省 諸曁市 寧波市( 海曙区、 梅 山保税港区、鄞州 区咸祥鎮を含む) 寧波大榭開発区 杭州市上城区 寧波市寧海県 寧波市鎮海区 臨安市昌化鎮 安徽省 蕪湖市 阜陽市 宿州市 阜陽市太和県 銅陵市 黄山市 亳州市 蚌埠市 淮北市 六安市金寨県 淮南市 合肥高新技術産業 開発区 滁州市( 定遠県を含 む) 寧国港口生態工業 園区 六安市霍山県 福建省 南平市 莆田市 長楽市 平潭市 泉州台商投資区 泉州市( 徳化県、安 渓県蓬莱鎮を含む) 福州市蒼山区 漳州招商局経済技 術開発区 江西省 萍郷市 新余市 鷹潭市 南昌市紅谷灘新区 樟樹市 吉安市 共青城市 撫州市南豊県 上饒市婺源県 南昌市東湖区 南昌市高新区 山東省 東営市 煙台市 莱蕪市 威海市 曲阜市 章丘市 威海市乳山市 徳州市 済寧市任城区 諸城市 新泰市 青島市崂 山区 棗庄市薜城区 寿光市 青島高新技術産業 開発区 日照市莒県 昌邑市 青島中徳生態園 濰坊市臨朐 県 肥城市 濰坊市昌楽県 済寧市嘉祥県 済南西区 平度市明村鎮 青島西海岸新区 【 黄島区) 莱西市 河南省 鄭州市 許昌市 開封市 鶴壁市 舞鋼市 南陽市 漯河市 霊宝市 済源市 新鄭市 洛陽新区 湖北省 武漢市 黄岡市 武漢市蔡甸区 荆 州市( 洪湖市を含 む) 武漢市江夏区 武漢市江岸区 咸寧市 仙桃市 黄岡市麻城市 宜昌市 襄陽市 襄陽市老河口市 湖南省 株洲市 岳陽市岳陽楼区 永州市祁陽県 韶山市 長沙市長沙県 湘潭経済開発区 株洲市雲龍示範区 郴州市永興県 常徳市( 津市市、澧 県、漢寿県を含む) 瀏陽市柏加鎮 郴州市嘉禾県 沅江市 長沙市梅渓湖国際 服務区 常徳市桃源県漳江 鎮 長沙大河西先導区 ( 洋湖生態新城・ 濱 江商務新城) 郴州市安仁県 郴州市宜章県 広東省 珠海市 肇慶市端州区 河源市江東新区 広州市番禺区 東莞市東城区 広州市萝 崗区 中山翠亨新区 深圳市坪山新区 佛山市順徳区 佛山市南海区 佛山市楽従鎮

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南寧市 欽州市 柳州市( 魚峰区含 む) 玉林市 柳州市鹿寨県 桂林市 貴港市 海南省 万寧市 重慶市 重慶市南岸区 氷川区 渝中区 重慶市両江新区 江北区 四川省 雅安市 綿陽市 アバ・ チベッ ト族チャ ン族自治州汶川県 綿陽市江油市 成都市温江区 遂寧市 宜賓市興文県 郫県 崇州市 広安市 瀘州市 楽山市( 峨眉山市を 含む) 貴州省 銅仁市 貴陽市 安順市西秀区 六盘 水市 遵義市( 仁懐市、湄 潭県を含む) 貴陽市烏当区 畢節市 凱里市 六盘 水盘 県 雲南省 昆明市五華区 紅河ハニ族イ族自 治州蒙自市 大理市 紅河ハニ族イ族自 治州弥勒市 文山市 玉渓市 チベッ ト自治 区 ラサ市 林芝地区 陝西省 咸陽市 宝鶏市 漢中市 楊凌示範区 渭南市 延安市 甘粛省 蘭州市 張掖市 金昌市 天水市 白銀市 隴南市 敦煌市 青海省 格爾木市 海南州貴徳県 海南州共和県 呉忠市 銀川市 中衛市 石嘴山市( 大武口 区を含む) 銀川市永寧県 庫爾勒市 ウルムチ市 昌吉市 奎屯市 カラマイ市 アルタイ地区富蘊県 伊寧市 石河子市 五家渠市 試点数 90 103 9 84 13 ( 出所) 住宅城郷建設部発表の各年度リ ストから作成。 ( 注)  拡大分は当初試点内に含めてカウントするため、1 期~3 期合計は2 7 7 である。 寧夏回族自 治区 広西チワン 族自治区 新疆ウイグ ル自治区

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2.

2.

2.

2.13

13

13・

13

・5

5

5

5

計画期のスマートシティに関る

計画期の

計画期の

計画期の

スマートシティに関る

スマートシティに関る

スマートシティに関る課題

課題

課題

課題

2016年から 20年までの第13次 5ヵ年計画期において、中国のスマートシティ政策 は更に具体化されることが「第 13 次国民経済・社会発展 5 ヵ年計画(13・5 計画)策定 に関する中国共産党中央の建議(15年10 月 中国共産党第18期 5中全会で決定)」、 更にこれを受けて 15 年末に開催された「中央都市工作会議」の講話、16 年2 月発表の 「国務院の新型都市化建設を深く推進することについての若干の意見」から読み取るこ とができる。 今次調査の対象となったスマートシティプロジェクト候補(Ⅱ章参照)の各現場でも それらの政策方針が反映され始めており、今後の事業参入に向けては、そのポイントを 理解しておく必要がある。 (1) (1) (1) (1) 131313・13・・・ 5555計画建議から読み取り得るポイント計画建議から読み取り得るポイント計画建議から読み取り得るポイント計画建議から読み取り得るポイント 13・5 計画建議において、新型都市化、特にスマートシティを通して解決すべき課題 とその解決の方向性について読み取る得るポイントは、今次5 ヵ年計画に向けて新しく 示された「緑色発展」という理念を目指すべき方向として打ち出したことにあり、その 背景には深刻かつ喫緊の課題である「都市病」がある。13・5 計画建議では、「緑色発展」 の目指す方向性の一環で、「空間の開発・保護」の重要性を提起し、特に「北京・天津・ 河北」、「長江デルタ」、「珠江デルタ」等の「都市病」防止を提起している。 《 《 《 《 1313・1313・・・ 5555計画建議における新型都市化・スマートシティに関る要素 (例示)計画建議における新型都市化・スマートシティに関る要素計画建議における新型都市化・スマートシティに関る要素計画建議における新型都市化・スマートシティに関る要素(例示)(例示)(例示)》》 》》 1)現在直面している関係課題:発展の不均衡、不調和、持続不可能問題 ①粗放な発展方式、イノベーション能力の脆弱さ、一部業種の深刻な生産能力過剰、 頻発する大事故。 ②都市・農村間及び地域間の発展の不均衡。 ③資源制約の深刻化、生態環境の悪化。 ④基礎公共サービスの供給不足、所得格差、高齢化の加速。 2)13・5計画期の主要目標:小康社会の全面的完成 ①均衡・包容性・持続可能性を基礎とした中高速の経済成長。 ・工業化と情報化の融合発展のレベルアップ、サービス業の更なる拡大。 ・戸籍人口の都市化率(城鎮を含む)向上加速、農業近代化進展。 ・イノベーション型国家、人材強国へ。 ②国民の生活レベルと質の向上。

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・就業、教育、文化、社会保険、医療、住宅等の公共サービス体系の更なる充実、 基礎公共サービスの均等化。 ③国民の資質と社会の(生態文明を含む)文明化程度の顕著な向上。 ・科学・文化・健康の資質の顕著な向上。 ・公共文化サービス体系整備、支柱産業としての文化産業の発展。 ・生態環境全体の改善。 ・生産・生活方式のグリーン化、低炭素レベル向上。 ・エネルギー・資源の開発利用効率の大幅向上、エネルギー・水資源・建設用地・ 二酸化炭素排出総量の効果的抑制、主要汚染物質排出総量の大幅な減少。 3)五大発展理念:創新、調和、緑色、開放、共有(「共享」) ①創新:理論革新、制度革新、科学技術革新、文化革新等。 ②調和:重点は都市・農村間、地域間の調和的発展、新型工業化・情報化・都市 化・農業近代化の並行発展等。 ➣都市計画・建設・管理のレベル向上 ➣戸籍制度改革深化、農村移転人口の都市定住 ➣居住証制度による基本公共サービスの網羅 ➣都市定住農民の土地請負権・宅地使用権・集団収益分配権の保護 ➣住宅制度改革 ③緑色:資源節約型・環境配慮型社会構築を加速等。 ➣資源環境受容力により都市の規模を調節、地形により都市形態・機 能を最適化、グリーンな計画・設計・施工基準を実行。 ➣空間開発・保護(主体機能区整備加速): ・「北京・天津・河北」、「長江デルタ」、「珠江デルタ」等最適化開発地 域の産業構造ハイエンド化、高効率化推進、「都市病」防止。 ・重点生態機能区での業界参入ネガティブリスト制度実施等。 ・市・県レベルの行政区での空間計画、用途管理、指導幹部自然資源 資産審査、差別化業績査定等による空間ガバナンスシステム構築。 ➣低炭素循環型発展の推進: ・建築省エネ基準の向上、グリーン建築・建材の普及。 ・最適開発地域での先駆的CO2排出ピーク目標実現支援、CO2ゼロエミ ッション近似モデルプログラム実施。 ➣資源の全面的節約と高効率利用: ・拘束的指標による管理強化(エネルギー・水資源消費、建設用地等

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総量及び強度の抑制)。 ・エネルギー利用効率、水効率のトップランナー行動の展開。 ・厳格な水資源管理(都市化についての水に基づく意思決定等)。 ➣環境対策強化: ・政府、企業、公衆が共同で取組む環境対策制度構築。 ・環境対策制度改革(全固定汚染源を網羅した排出許可制導入導入、 全国統一リアルタイム・オンライン環境モニタリングシステム構築、 環境情報公開制度整備)。 ④開放:資金導入、技術・智力導入の堅持、グローバル経済ガバナンスに積極参 加等。 ➣対外開放の戦略的配置: ・開放分野拡大、参入制限緩和、海外資金・先進技術の積極的・効果的 導入。 ➣新しい対外開放体制形成: ・法治化、国際化、円滑化されたビジネス環境充実。 ・参入前内国民待遇+ネガティブリスト管理制度の全面的実行(内外企 業無差別、公平な競争促進、サービス業の秩序立った対外開放拡大等)。 ⑤共有:人のための人に依拠した発展等。 ➣公共サービスの供給増加: ・公共サービスの提供方法の革新(民間委託、政府・社会資本共同等)。 ➣教育の質の向上: ・学齢前教育の発展、産業と教育の融合、大学と企業の協力推進、継続 教育・生涯学習チャネル充実、遠隔教育発展、民営教育発展支援・規範 化、民間資本による多様な教育サービス提供奨励等。 ➣就業・起業促進: ・生涯職業技能訓練制度推進等。 ➣持続可能な社会保障制度確立 ➣健康中国の建設推進: ・都市・農村をカバーする基本医療衛生制度、現代病院管理制度構築。 ・公立病院総合改革の全面的推進。 ・民間の検討サービス業奨励、非営利民営病院と公立病院の同等待遇化。 ・大病、慢性病の医療費抑制。 ・健康な生活スタイルの提唱、心の健康サービス強化。

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・食品安全戦略実施、厳密で高効率かつ社会共同の食品安全ガバナンス システム構築。 4)その他の重要な要素 ◎新たな原動力の育成:スマート、グリーン、健康、安全への消費の転換、サ ービス消費の拡大による消費構造の高度化牽引等。 ◎新たな空間の開拓: ・都市群の波及・牽引機能を発揮させ、三大都市群(「北京・ 天津・河北」、「長江デルタ」、「珠江デルタ」)の最適発展、東北地区、 中原地区、長江中流、成都・重慶地区、関中平原等の都市群形成。 ・グリーン都市、スマート都市、森林都市の整備、都市間のインフラ相 互接続を支援。 ・省エネ・環境、バイオ技術、情報技術、スマート製造、ハイエンド装置、 新エネルギー等進行産業発展を支援。 ・都市公共交通、洪水調整・冠水防止等の施設整備を強化。 ・都市地下配管網の改造工程を実施。 ・電力、通信、交通、石油、天然ガス、都市公共事業等自然独占業種の競 争的業務の開放を加速。 ・IoT 技術と応用の発展。 ・国家ビッグデータ戦略実施、データ資源の開放・共有の推進等々。 (2) (2) (2) (2) 新型都市化建設の新型都市化建設の 深化新型都市化建設の新型都市化建設の深化深化深化 推進に関する国務院の意見推進に関する国務院の意見推進に関する国務院の意見推進に関する国務院の意見 (( 34((343434項目)項目)項目)項目) 15年末には、13・5 計画期を目前に控えて37年ぶりの開催とされる「中央都市工作 会議」が開催された。そして、その約1ヵ月後、国務院から「新型都市化建設の深化推 進に関する若干の意見」(国発〔2016〕8 月)が発表された。その背景は、「国家新型都 市化計画(2014-2020 年)」の発表実施以来、新型都市化の各事業は積極的な展開を見た が、農業からの流入人口の市民化の進捗は緩慢であり、都市化の質が向上しておらず、 内需拡大の原動力機能が十分に発揮されていない等の問題がなお存在していることに 対し、各地区の有効な経験を総括・普及し、新型都市化建設を深化推進するためとされ ている。 同意見書が特に重視しているのは「都市病」問題であり、提起されている34 項目中 の多くは「都市病」に対する都市機能の向上についての具体的措置を提起している。 意見全文発表前に行われた胡祖才国家発展改革委員会副主任の記者への説明でも、都 市化の進行過程の問題点として、農業人口の市民化の進捗が遅いという問題とともに、

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既存の大都市では「都市病」が表面化していることを指摘している。具体的には、交通 渋滞、環境汚染、公共サービスの不足や地下施設の不十分さ(地下配管網が未整備のた め、大雨が降ると街が水浸しになる)といった問題が挙げられている。 《国務院の新型都市化建設の深化推進に関する若干の意見(国発〔 《国務院の新型都市化建設の深化推進に関する若干の意見(国発〔 《国務院の新型都市化建設の深化推進に関する若干の意見(国発〔 《国務院の新型都市化建設の深化推進に関する若干の意見(国発〔 201620162016〕2016〕〕〕 8888号)号)号)号)》》》》 抜粋抜粋抜粋 抜粋 ■農業流入人口の市民化の積極的な推進 (一)戸籍制度の改革政策の速やかな実施。 (二)居住証制度の全面的な実施。 (三)都市部の基本的公共サービスの常住人口への完全カバーの推進。 (四)農業流入人口の市民化奨励システムの速やかな構築。 ■都市機能の全面的な向上 (五)都市のバラック地区、都市の中の農村部、危険家屋の改造の加速化。 (六)都市総合交通網建設の加速化 ➣大都市では公共バス、市電、地下鉄等を計画的に発展させ、都市の軌道交通システ ムと自転車等の緩行交通システムの建設を推進する。 ➣条件の許す地区では市の郊外鉄道を計画建設し、道路の利便性を向上させる。都市 に出入りする交通道を整備し、乗換地点や駐車場などの施設を建設する。 ➣充電ステーション、充電ポスト等新エネルギー自動車の充電施設の建設を推進し、 それを旧市街区改造と新市街区建設計画と同期的に実施する。 (七)都市の地下配管網改造事業。 ➣都市の地上地下のインフラ建設計画を統合し、都市の地下インフラの建設と改造を 強化する。電力、通信、放送、上下水、熱、ガス等の地下配管網を合理的に配置し、 既存の地上電力網と通信網の架線の地下化を推進する。 ➣都市の氾濫発生地点の改造を急ぎ、雨水汚水分流配管網への改造と、洪水防止の排 水施設の建設を推進する。上水道網の改造を強化し、上水管の水漏れ率を低減させる。 (八)海綿都市の建設の推進。 (九)新型都市建設の推進。 ➣経済、エコロジー、美観の方針を堅持し、計画レベルを向上させ、都市計画の科学 性と権威性を強化し、都市建設に関わる様々な計画を統合して総合的な都市設計を展 開し、エコシティ、スマートシティ、ヒューマンシティ(「人文城市」)等の新型都市 の建設を加速化し、都市の内包する質を大きく向上させる。 ➣「ブロードバンド中国」戦略と「インターネット+」都市計画を実施し、光回線の 加入を促進し、ブロードバンドのスピードアップと料金引下げを促進し、インテリジ

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ェント型の交通・電力網・水管理・配管網・専門区を発展させる。 ➣分散式の太陽エネルギー、風力、バイオマス、地熱等の多元化した一定規模の応用 と工業余熱による熱供給を推進する。 ➣既存の建築物の熱カロリー計量と省エネ改造を推進し、大型公共建築と政府の投資 する各種の建築はエコロジー建築基準と認証を全面的に実行し、エコロジー新型建 材、プレハブ式建築、鉄骨構造建築を積極的に採用する。 ➣ゴミ処理施設の建設を強化し、建築ゴミ、食堂廃棄物、園芸森林廃棄物等の回収再 生利用システムを基本的に構築し、循環型都市を建設する。 ➣都市の空気の質の目標達成のタイムテーブルを作成し、良好日数比率の向上に努力 し、重汚染日数を大幅に減らす。 ➣最も厳格な水資源管理制度を実行し、節水の新技術と新プロセスを普及させ、中水 の回収再利用を積極的に推進し、節水型都市を建設する。 (十)都市公共サービスの水準の向上。 ➣医療衛生機構、文化施設、体育健康施設、公園緑地等の公共施設及びコミュニティ サービスの総合的な情報プラットフォームの計画建設を強化する。 ➣コミュニティの生活施設の配置を改善し、物流配送、スーパーマーケット、銀行支 店網、小売り薬局、家庭サービスセンター等を含む生活サービス圏を構築する。 ➣住居を基礎とし、コミュニティを根拠とし、機構を補完とする多層的な養老介護シ ステムを構築し、生活の世話、介護リハビリ、精神的安定、緊急援助等の総合サービ スを推進する。住宅、公共建築の高齢者向け改造を加速化する。 ➣都市公共施設の使用上の安全管理を強化し、都市の防震、洪水防止、氾濫排水、消 防、地質災害に対する緊急指揮システムを整備し、安全通路システムを整備し、防災 避難場所の建設を進め、自然災害、突発事件への対応と危機管理能力を強化する。 ■中小都市と特色のある小都市の育成 (十一)県庁都市と重点的な町のインフラレベルの向上。 (十二)特に大きな町の機能の拡大。 (十三)特色のある町の発展の加速化。 (十四)一連の中小都市の育成発展。 (十五)都市群の建設の加速化。 ➣都市群インフラ施設の一体化建設を推進し、核心都市の1 時間通勤圏を構築し、都 市群間の高速高効率の交通網を整備する。高速鉄道、インターシティ鉄道、高速道路 を主幹とする都市群間交通網を建設し、高速通信で便宜の良い情報ネットワークを統 一的に計画し、重要なエネルギーインフラ施設とエネルギー市場の一体化建設を統一

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