深圳・坪山新区 深圳・坪山新区
深圳・坪山新区「 「 「 「益田共和城邦 益田共和城邦 益田共和城邦 益田共和城邦」 」 」プロジェクト 」 プロジェクト プロジェクト関連写真 プロジェクト 関連写真 関連写真 関連写真
1 益田集団本社での意見交換 2 坪山新区「益田共和城邦」プロジェクト サイト(南布社区周辺)
3 深圳市規劃国土資源委員会坪山管理局 の坪山新区・都市計画展示場
4 ESCOを導入している益田プラザ内
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2 2. . . .北京 北京 北京 北京(通州) (通州) (通州) (通州) 、天津、河北(香河) 、天津、河北(香河) 、天津、河北(香河) 、天津、河北(香河)
(1)2つのモデルプロジェクト候補地概要
(1)2つのモデルプロジェクト候補地概要
(1)2つのモデルプロジェクト候補地概要
(1)2つのモデルプロジェクト候補地概要
CCUDからモデルプロジェクトの候補地として示された4カ所のうち、2カ所が
「京津冀」と呼ばれる北京、天津、河北に位置している。その一つが北京市通州区、も う一つが河北省香河県である。
北京市通州区は、北京市東南部に位置しており、西側は北京市朝暘区と大興区、北側 は順義区で、東側は河北省三河市、大廠回族自治県、香河県に、南側は天津市武清区、
河北省廊坊市と接している。通州区の面積は 906 平方キロメートル、人口は 135 万 6,000 人(2014 年末)で、北京市中心部から約20 キロメートルとそれほど遠くないことから、
現在では北京市中心部に通勤する人たちのベッドタウンとなっている。北京市郊外であ ることから、京杭大運河の北端に位置するなど都心に比べ自然環境はよく、つい最近ま では住宅価格も比較的安価であったこともあり、都心から移転する人々が増えている。
一方、河北省香河県は同省廊坊市(地級市:2 市轄区、2 県級市、5 県、1 自治県)の 北東部、北京市と天津市に囲まれた飛び地に位置し、西側は北京市、東側と南側は天津 市、北側は廊坊市の三河市と大廠回族自治県に接している。香河県の面積は458 平方キ ロメートル(9鎮、3街道弁事処)、人口は34 万人で、県内には3カ所の省級工業園区 と1カ所の省級農業ハイテク園区が設置されてい
る。北京市中心部から約45 キロメートル、天津市
廊 坊 市 行 政 区
香河県 大廠回族自治県
覇州市 永清県 固安県
三河市
安次区 広陽区
大城県 文安県
北 京 市 行 政 区
懐柔区
延慶区
通州区 密雲区
平谷区 順義区
昌平区
朝暘区 門頭溝区 海淀区
房山区
豊台区
石景山区
西城区
東城区
大興区
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中心部からも約70 キロメートル離れており、自然環境に恵まれていることから、現在、
週末に都心部から余暇を過ごす人たちが訪れている。
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( 222 -1)北京市通州区のスマートシティモデル都市としての可能性2-1)北京市通州区のスマートシティモデル都市としての可能性-1)北京市通州区のスマートシティモデル都市としての可能性-1)北京市通州区のスマートシティモデル都市としての可能性
2015年 7月 11日、中国共産党北京市委員会第11 期第7回全体会議で「京津冀協同 発展計画要綱」が採択され、これを受け同月14日に北京市計画委員会は行政副都心通 州建設計画の詳細を説明し、通州区に北京市行政副都心を建設することが正式に決まっ たと発表した。それによると、北京市は中心部6区の常住人口を、2014 年末を基準とし て毎年2~3%低下させ、2020 年までに 15%前後まで減少させるという。
ここ10 年来、北京市が急速 な経済的発展を遂げるなかで、
人口、資源、環境等社会面での 矛盾が日増しに強まり、複合的 な大都市病に悩まされている。
2014 年末時点での北京市の常 住人口は 2,151 万 6,000 人に 達し、そのうち中心部6区では 1,276 万 3,000 人となっている
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。人口の急速な集中化は、水 資源不足、大気汚染、交通渋滞、
住 宅 不 足 と そ れ に 伴 う 住 宅 価 格の高騰など、数々の社会的問 題が生み出される。
こ う し た 問 題 解 決 の 一 環 と して、北京市は都市機能の一部 移転を計画し、同年11 月30 日 に 北 京 市 計 画 委 員 会 は 行 政 副
都心計画のなかで、北京市の行政事業部門の通州区への移転が基本的に確定したことを 公表した。李士祥北京市常務副市長によれば、これにより、2017 年末には北京市党委員 会、北京市人民政府、北京市人民代表大会、北京市政治協商会議の 4 大機構がすべて通 州区に移転することになるという
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。
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北京新華網“http://www.bj.xinhuanet.com/jzzg/2015-07/14/c_1115923709_2.htm”
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新華網“http://www.huaxia.com/xw/dlxw/2015/12/4654618.html”
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現在、北京市中心部と通州区とを結ぶ道路網や軌道交通網の整備が進められている。
道路網では、京津高速、京滬高速、京哈高速、通燕高速等主要都市間を結ぶ高速道路の ほか、通順線、壁富線、第六環状線(六環路)等の域内を結ぶ3本の高速道路が完成し ている。また、軌道交通網では、北京市内の東西を結ぶ地下鉄6号線が近い将来、行政 副都心となる「通州現代化国際新城(以下「通州新城」)」まで伸びる計画となっている。
通州新城構想については、北京世界都市建設戦略の下、早くも2009 年末の北京市委 員会第10期七中全会で首都の発展に見合った現代的・国際的新都市をできるだけ早く 通州に形成することが決定され、それを受け 2012 年6月の北京市第 11 期党大会では都 市副都心機能を備えた通州先端ビジネスサービス区建設を加速するための議題が提出 された。
副都心としての通州新城の位置付けは、機能が完備された「北京都市副都心」で、仕 事が快適で住みやすい総合的新都市を目指している。2015 年現在、通州新城の用地管 理範囲は155平方キロメートルで、このうち早期建設用地は85平方キロメートル以内 に抑制される。通州新城中心部は約48 平方キロメートルで、運河中枢区、協同発展区、
生活施設区及び発展予備区の4大機能区が含まれ、うち運河中枢区は16平方キロメー トルである。
この運河中枢区は、第12次五カ年計画期間中に重点的に開発するとされた「一核五 区」の「一核」で、現代サービス重点機能区としての初歩的な基盤が形成されつつある。
これに続き、2020 年までに「五区」を含む通州新城中心部がより効率的な都市機能を有 す る 都 市 と し
て 基 本 的 な 建 設 が 完 成 す る 予 定 で あ る 。
「五区」とは、
文 化 観 光 区 、 宋 庄 文 化 創 意 産 業 集 積 区 、 国 際 医 療 サ ー ビ ス 区 、 環 渤 海 先 端 本 部 基 地 、 国 際 組 織 集 積 区 で 、 そ
れぞれの区が協調しながら新城を機能的に形成していくとされる。そして2050年まで
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に、通州新城を持続的発展が可能な現代的国際モデル都市とすることを目標として掲げ ている。
今回、CCUD より日中スマートシティ協力のモデル都市の候補地の一つとして、この 通州新城が提案された。北京市行政事業部門の通州への移転を機会に、通州新城建設に 際し日本のスマートシティのコンセプトを盛り込むことで、日中スマートシティ協力の モデル都市としたいというものだが、CCUD による通州新城側への接触は始まったばか りで、現段階で具体的なプロジェクトにつながる可能性は大きくないのが実情である。
また、今年度の調査事業の過程においても、通州新城との協議や視察が実現しておらず、
プロジェクト全体の進捗状況の実態が把握できていない状況である。このため、通州新 城での具体的なプロジェクト実現には、さらなる詳細な調査及び協議が必要である。
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( 222 -2)河北省香河県のスマートシティモデル都市としての可能性2-2)河北省香河県のスマートシティモデル都市としての可能性-2)河北省香河県のスマートシティモデル都市としての可能性-2)河北省香河県のスマートシティモデル都市としての可能性
河北省香河県において、CCUD がスマートシティを前提として開発を進めようと提案 しているのが、運河生態城プロジェクトである。2008 年 10 月、盛達置地投資有限公司 は香河県政府との間で契約を交わし、
総面積 9.7 平方キロメートルの土地に おいて、企業を開発主体とする土地一 級 開 発 及 び 二 級 開 発 に 対 す る 投 資 誘 致活動を行っている。
盛達置地投資有限公司は2008年12 月 に 河 北 省 廊 坊 市 香 河 県 に 設 立 登 記 された総合的都市開発運営企業で、登 録 資 本 は 2 億 人 民 元 で あ る 。 こ の う ち 、 万 通 投 資 H D 株 式 有 限 公 司 が 27%、嘉華東方HD(集団)有限公司 が27%、香河盛達房地産開発有限公司 が 36%、北 京嘉華筑業 実業有限公 司 100 % 子 会 社 の 平 安 投 資 有 限 公 司 が 10%をそれぞれ出資している。同社は 主に新たな都市の土地一級開発、市政 府インフラ建設及び管理、公共サービ ス施設建設及び管理、環境管理、ビジ
ネスサービス、不動産等の業務を行っている。
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香河土地利用計画及びその総合利用計画(2010~2020 年)によれば、地理的優位性を 活かし、周辺の大都市との機能的役割を調整し、香河県の産業としての位置付けは主に 商業及びサービスなど第三次産業を発展させることにあるとしている。運河生態城の減 河以南は居住区、以北は産業発展用地としており、中心都市の機能移転の受け皿として の居住型産業新都市建設を目指している。
しかし、一方で盛達置地投資有限公司は住宅建設を優先して開発しているのが実情で、
現在のところ別荘型の住宅を購入しているのはほとんどが北京在住の富裕層だという。
そうした人々は週末に香河で余暇を過ごして居住地に帰ることになるため、現地での雇 用機会の創出は後回しになっている。現段階での北京または天津までの公共交通機関の 整備も遅れており、北京中心部までは公共バスと地下鉄を乗り継ぎ、通勤には 2 時間以 上を要するという。2016 年 1 月に我々が車を使って北京中心部から高速道路を利用し 運河生態城に赴いた際には、北京市内での渋滞も含め1時間半の時間を要した。自動車 通勤としては無理がある。また、2017 年末を目途に開通するという高速鉄道を利用す れば、北京通州区まで20分の距離ということだが、高速鉄道を通勤として利用するに は、まだ一定の社会的成熟を遂げる必要がある。
一方、運河生態城の東側に省級の香河経済技術開発区があり、包装用印刷、自動車部 品、紡織、電子、新型材料、コンベンションサービスを主体とした産業集積が行われて いるが、12 平方キロメートルの敷地に累計で 198 プロジェクト、総額70 億元の投資が 行われたのみで、住宅型産業新都市の形成にはまだ一定の時間が必要であると思われる。
また、住宅建設とともに、運河生態城には「第一城」と呼ばれる中国明清朝時代の北京 の城壁を模した塀に囲まれた 200 ヘクタールの敷地内に、古代風建築様式を取り入れた ホテル、レストラン、会議場、娯楽施設などの総合的な商業施設が建設されている。我々 が訪れた際には、利用客も少なく、閑散とした印象を受けた。盛達置地投資有限公司に よれば、国慶節や春節など祝祭日には数々のイベントが催され、その際には多くの客で 賑わうとのことであったが、これだけの大規模な施設の運営を維持するには、さらなる 工夫が必要であると思われる。
運河生態城としては、住居、産業、商業施設などの一体化開発の構想はあるものの、
現段階では高級住宅販売が中心である。総合的な街づくりには、デベロパーによる不動 産開発とともに、地方政府による産業誘致政策の実施、都市間及び市内の軌道交通整備 など官民連携による都市設計が必要である。CCUD との交流も始まったばかりで、日中 スマートシティ協力のモデルプロジェクトとして機能するには、今しばらくの時間が必 要であると思われる。