大学生における黙読・音読・暗調に対する態度の比較99
大学生における
黙読・音読・暗調に対する態度の比較
福田由紀
「読書」を文章を読むという行動という観点から考えた場合,目だけで文字 を追う黙読,目だけではなく同時に発話を伴う音読,そして文字を見る事なし に記憶から検索をして文章を発話する暗舗という行動がある。特に小学校では 学習指導要領の改訂により,黙読だけではなく,音読にも指導の力点が移り,
国語の授業中に行われている。一方,暗舗に関しては,時間がかかる等の制約 もあり,いくつかの実践が報告されている状況である。このように,実践の多 い少ないはあるものの,国語という授業の中で,一連の流れとして読むという 行動が暗黙のうちにとらえられている。すなわち,黙読をへて,音読,そして 時間や教材が許せば暗調をするという過程である。一般に,このような過程が 素朴に考えられると思われる。
大学生の読書(黙読)に関して,秋田(1922)は読書量の要因と所属してい る集団(文系大学,看護系大学,専門学校)によって,読書に対する態度が異 なっている事を示した。読書量が高い集団の方が,そうでない集団よりも読書 に対して好意的な態度を持っている事が明らかになった。しかしながら,読書 の有用性についてはどの群でも高く評価している事も示した。また,平山(印 刷中)は今現在読書をするか否かを決める重要な要因の1つとして,読書習慣 を挙げている。その習j償は,小学校から中学・高校に移行する際に,大きな分 岐点があるとしている。つまり,ほとんどの人は小学校ではある程度,児童書 を読んでいるが,中学校になると生活の変化や読むべき本の選択ができないと いった理由で読まなくなる。そのような人たちが,大学生になった現在,本を 読まない集団となっている。
音読については,最近,文章を声に出して読む事によって日本語の美しい響 きを感じ,より深く理解をしようという本が多く刊行されている(斉藤,
2001,2002)。また,川島(2002)は,老人性痴呆症にかかっている高齢者を 対象に,音読することにより,前頭前野が刺激され,黙読よりも音読をした方 が,脳はより多くの部位で活性化されることをIMRlを用い示した。そして,
音読をすることは,教育的な観点から高度認知機能を行う準備状態が作ること であるといった主張を行っている(2003)。しかしながら,読み手の音読に対
する態度に関する心理学的研究は少ない。暗諦については,Dahlin&Watkins(2000)は,その経験の程度によって,ど のように感じているかについて香港在住のドイツ系高校生と中国系高校生を対 象に調べたc教育歴という観点において,西洋の教育では現在暗調に重きを置 いていない。一方,中国では暗調教育が実践されている。そのために,Dahlin
&Wa[kinSはこの2つの民族的グループを比較するために選定している。つま
り,ドイツ系大学生は暗諏という活動に重きを置いていない教育を受け,一方,
中国系の大学生は暗調を体験し,かつ,その重要性について教育を受けている。
その結果,暗調経験が多い中国系大学生は,暗訓を肯定的にとらえ,かつ文章 を深く理解するために必要な事であると回答した。一方,暗調経験のほとんど ないドイツ系大学生は,階調を単なる暗記ととらえ,理解する時の手助けには ならず,かつ,大変苦痛を伴う単純な作業としてとらえている事がわかった。
このように,読書(黙読),音読,暗調についての探索的研究はそれぞれ行
われているが,黙読・音読・暗諦という本を読むという行動が,本を読むヒト
にとって同じ連続線上の心理的な位置にあるか否かについての心理学的な研究
はほとんどない。また,音読・階調にどのような態度をもっているかに焦点をあてた研究も少ない。そこで,本研究では,黙読だけではなく,3つの本読み
行動に対して,読み手が同じような心的態度を持っているかについて明らかに
する。その際,秋田(1992)は読書量を読んでいる本の冊数やその時間によっ
て客観的に規定したが,私たちは自分たちが本を読んでいるかいないかについての主観的な自己判断も行っている。態度は心理的な概念であるため,客観的
な読書量と同じように主観的な判断も関係していると考えられる。また,現在
の読書量に影響を与えるとされる読書習,慣についても考えていきたい。
大学生における黙読・音読・暗調に対する態度の比較101
そこで,次の仮説を検討する。仮説1-1は,「大学生の主観的・客観的読書 量が高い人は低い人に比べ,読書に対して好意的な態度を持っている」である。
仮説1-2は,「大学生の主観的・客観的読書量に関わりなく,読書の有用性は 同じくらい高く感じている。」である。仮説1-3は,「大学生の主観的.客観 的読書量が高い人は低い人に比べ,読書習慣を持っている」である。
仮説2-1は「文章の読み行動として連続線上に読書(黙読),音読,暗調が あるのであれば,仮説1-]と同様に大学生の主観的・客観的読書量が高い人 は低い人に比べ,音読に対して好意的な態度を持っている」である。仮説2-
2は,「文章の読み行動として連続線上に読書(黙読),音読,暗調があるので あれば,仮説1-2と同様に大学生の主観的・客観的読書量に関わりなく,音 読の有用性は同じくらい高く感じている。」である。仮説2-3は,「文章の読 み行動として連続線上に読書(黙読),音読,暗諭があるのであれば,仮説 1-3と同様に大学生の主観的・客観的読書量が高い人は低い人に比べ,音読 習慣を持っている」である。
仮説3-1は「文章の読み行動として連続線上に読書(黙読),音読,階調が あるのであれば,仮説1-1と同様に大学生の主観的・客観的読書量が高い人 は低い人に比べ,晴調に対して好意的な態度を持っている」である。仮説3-
2は,「文章の読み行動として連続線上に読書(黙読),音読,暗論があるので あれば,仮説1-2と同様に大学生の主観的・客観的読書量に関わりなく,音 読の有用性は同じくらい高く感じている。」である。仮説3-3は,「文章の読 み行動として連続線上に読書(黙読),音読,暗諏があるのであれば,仮説 1-3と同様に大学生の主観的・客観的読書量が高い人は低い人に比べ,暗訓 習慣を持っている」である。
く方法>
被験者教育心理学を受講しているH大学生男性52名,女性38名の計90名。
平均年齢は19歳6ケ月で,範囲は18歳7ケ月から31歳9ケ月であった。回答に 不備のあった6名は除外した。所属している学部は,文学部男性33名,女性24 名の計57名,法学部男性9名,女性7名の計16名,経営学部男性7名,女性1 の計8名,国際文化学部男性2名,女性6名の計8名,キャリア・デザイン学部
男性1名であり,本調査の被験者は人文科学系大学生といえる。
手続き調査用紙を授業中に一斉に配布し記入をしてもらった。その際,この 調査は読書についてどんなことを考えているか,しているかを調べるためのも のであり,どれだけたくさん読んでいる力、のという調査ではないことを教示し た。また,読む人も読まない人もありのままに思ったこと,していることを答 えてくれるように教示した。さらに,本調査での読書とは,雑誌・漫画は除く 事も教示した。
調査内容は,本を読む事に対する自己評価と,その実態,読書・音読・暗舗 についての一般的な態度,有用性,習慣について尋ねた。これらの質問項目は,
平山(印刷中),秋田(1992)の研究を参考に,本調査の目的にあわせて作成 された。
具体的には,本を読む主観的な読書量については「あなたは,自分は本をよ く読む方だと思いますか?」を①とてもそう思う②ややそう思う③どちらとも いえない④あまり思わない⑤ぜんぜん思わないの5件法で尋ねた。
どのくらい読書を行っているかについて,「1ケ月に何冊くらい本を読みます か?」を①0冊②l~2冊③3~5冊④6~10冊⑤11冊以上,「1日に大体どの くらい本を読みますか?」を①0分②30分程度③1時間程度④2時間程度⑤3 時間程度⑥3時間以上によって尋ねた。
読書・音読・暗講に関する一般的な態度については,「あなたは読書が好き ですか?」「読書は,面白いですか?」「読書することは,楽ですか?」「読書 するときは,うれしいですか?」「読普するときには,いやな気分になります か?」「読書するとき,明るい気持ちになりますか?」を①ぜんぜん思わない
②あまり思わない③どちらともいえない④ややそう思う⑤とてもそう思うの5 件法で尋ね,この順に得点を与えた。また,音読・暗調については上記読書の 部分を,それぞれ音読・暗調に変えてある。
有用性については「読書することは,良い事だと思いますか?」を①ぜんぜ ん思わない②あまり思わない③どちらともいえない④ややそう思う⑤とてもそ う思うの5件法で尋ね,この順に得点を与えた。また,音読・暗調については 上記読書の部分を,それぞれ音読・暗調に変えてある。
読書習慣については「あなたにとって読書は生活習慣の一部ですか?」を①
大学生における黙読・音読・暗調に対する態度の比較103
ぜんぜん思わない②あまり思わない③どちらともいえない④ややそう思う⑤と てもそう思うの5件法で尋ね,この順に得点を与えた。また,音読・暗調につ いては上記読書の部分を,それぞれ音読・暗調に変えてある。
また,暗調の実態について自由記述法によって尋ねたが,本論文ではその結 果は取り扱わない。
<結果と考察>
主観的な読書量と客観的な読書量「あなたは,自分は本をよく読む方だと思 いますか?」,「1ヶ月に何冊くらい本を読みますか?」,「1日に大体どのくら い本を読みますか?」についての結果を表Iに頻度を示した。
表1主観的な読誓量と客観的な読書量
十illiijjliilfki14i
注:上段は頻度,下段は割合を示す。
「あなたは,自分は本をよく読む方だと思いますか?」という質問に関する 主観的な読書量についての自己評価は,①ぜんぜん思わない②あまり恩わない をあわせ,主観的な読書量低群,③どちらともいえなし、を中群,④ややそう思 う⑤とてもそう恩うをあわせ高群とした。主観的な読書量低群は37名(41.1%),
中群は17名(]8.,%),高群は36名(40.0%)であった。主観的な読書量高群 は40.0%で多いが,これは被験者が所属する学部が人文系であることが影響し
ていると考えられる。
主観的な読書量とは別に,秋田(1992)にしたがい,客観的な読書量によっ て被験者を低・中・高群に分類した。具体的には「1ケ月に何冊くらい本を読 みますか?」①0冊②l~2冊③3~5冊④6~10冊⑤11冊以上と「1日に大 体どのくらい本を読みますか?」①0分②30分程度③1時間程度④2時間程度
⑤3時間程度⑥3時間以上の回答を加算し,4点以下の被験者を低群,5,6点 の被験者を中群,7点以上の被験者を高群とした。その結果,低群は38名 (42.2%),中群は39名(43.3%),高群は13名(14.4%)であった。
主観的な読書量と客観的な読書量のピアソンの相関係数は,.65であり,同 じ内容について尋ねていることを考えると,あまり相関関係が高いとはいえな い。大学生の読書量に対する主観的評価はやや不正確であり,本研究の目的の ためには主観的読書量と客観的読書量の両方の側面から検討を行わなければな らないであろう。
主観的な読書量と読書・音読・暗舗に対する態度の関係読書量に対する自己 評価によって,読書・暗調・音読に対する態度に相違があるか否かを検討した。
読書量の自己評価を要因(高群・中群・低群)とした被験者内計画の分散分析 を行った。有意差が認められた場合には,LSD法により多重比較を行った。そ の結果を読書・音読・暗調についてそれぞれ分けて考えていきたい。
(1)読書(黙読)に対する態度
各群毎に,質問に対する平均値と標準偏差を表Zに,分散分析の結果を表3 に示した。これによると「読書することは,良い事だと思いますか?」という 質問以外はすべて有意な差が認められた。「あなたは読書が好きですか?」「読 書は,面白いですか?」「読書することは,楽ですか?」「読書するときは,う れしいですか?」「読書するときには,いやな気分になりますか?(逆転項目)」
「読書するとき,明るい気持ちになりますか?」は,一般的な読書に対する感 情を尋ねているので,読書量が自分で低いと考えている低群よりも,中群・高 群の方が,より読書に対して好印象を持っているという結果は,仮説1-1の 一部を支持した。
大学生における黙読・音読・暗調に対する態度の比較105 表2主観的読欝量別読誓(黙読)に対する態度・有用性・習慣の平均値
高群中群低群
4.7 0.45
39 0.75
30 0.99
あなたは読書が好きですか?
4.7 0.54
41 083
翠似
I 読書は,面白いですか?
3.9 0.97
3.4 0.79
28 1.09
読書することは,楽ですか?
4.2 0.75
3.5 0.87
3.0 1.19
読書するときは,うれしいですか?
18 0.72
18 0.73
23 1.13
読書するときには,いやな気分になりますか?
3.5 088
3.3 0.77
2.8 0.90
読書するとき,明るい気持ちになりますか?
4.8 0.42
4.5 0.62
4.8 0.48
読書することは,良い事だと思いますか?
4.1 096
2.8 0.64
19 0.88
あなたにとって読書は生活習慣の一部ですか?
注:上段は平均値,下段は標準偏差を示す。
表3主観的読醤量別読聾(黙読)に対する態度・有用性・習慣の分散分析の結果
F値 多重比較
あなたは読書が好きですか?
読書は,面白いですか?
読書することは,楽ですか?
読書するときは,うれしいですか?
読書するときには,いやな気分になりますか?
読書するとき,明るい気持ちになりますか?
読書することは,良い事だと思いますか?
あなたにとって読書は生活習`償の一部ですか?
低低低低低低アン.||・ンン・’一.中中中中吉岡中アンン・’一・ン高高高き同高
47.63掌*
1924**
12.50**
13.10**
3.70*
7.00**
2.7911s、
53.56** 高>中>低
注:自由度はすべて2と87である。
また,「読書することは,良い事だと思いますか?」という質問では有意な 差が認められなかった。この質問は,読書の有用性を直接尋ねている。また,
評定平均値がどの群でも高かった。よって,仮説1-2の一部は支持された。
この結果は,読書量が低いと自己評価している群でも,読書の有用性を高群や
中群と同じくらい感じている事を示している。このような有用性がわかってい ながら,自分は本を読んでいないと感じている学生を,今後どのように本を読 むように動機づけるかは今後の課題であろう。
一方,「あなたにとって読書は生活習慣の一部ですか?」という質問は,平 山(印刷中)によると読書態度を決定する重要な要因となっている。その質問 に対して,読書量の自己評価高群が中群・低群に,中群が低群よりも有意に習 慣づけられていた。この点に関しても,仮説1-3の一部は支持された。この 結果は大変興味深いといえよう。食事をする,睡眠をとるといった生活の一部
と読書行動が同じに評価されていること示しているためである。
(2)音読に対する態度
各群毎に,質問に対する平均値と標準偏差を表4に,分散分析の結果を表5 に示した。「音読することは,面白いですか?」と「音読するときは,うれし いですか?」のみ,高群が低群よりも有意に面白い。嬉しいと感じている事が
表4主観的醗轡■別音読に対する態度・有用性・習慣の平均値
高群中群低群
41 a2 1
29 1.20
2.9 1.33
あなたは音読が好きですか?
3.4 1.13
29 1.22
2.8 1.23
音読は,面白いですか?
3.4 L18
2.9 1.22
3.2 1.16
音読することは,楽ですか?
2.9 1.17
2.7 0.85
23 音読するときは,うれしいですか? 102
2.1 0.76
2.4 0.80
2.4 0.90
音読するときには,いやな気分になりますか?
3.1 1.22
2.8 081
25 1.07
音読するとき,明るい気持ちになりますか?
4.1 0.87
4.1 0.79
3.9 0.94
音読することは,良い事だと思いますか?
22 1.06
1.7 0.77
1.7
あなたにとって音読は生活習'慣の一部ですか? 097 注:上段は平均値,下段は標型偏差を示す。
大学生における黙読・音読,暗調に対する態度の比較107 表5主観的鏡轡量別音読に対する態度・有用性・習慣の分散分析の結果
F値 多重比較
あなたは音読が好きですか?
音読は,面白いですか?
音読することは,楽ですか?
音読するときは,うれしいですか?
音読するときには,いやな気分になりますか?
音読するとき,明るい気持ちになりますか?
音読することは,良い事だと思いますか?
あなたにとって音読は生活習慣の一部ですか?
1.71,.s、
3.07*
LO7ns-
3.47*
131,.s、
2.75,.s、
0.74,.s.
2.45,.s.
高>低
高>低
注:自由度はすべて2と87である。
わかった。仮説2-1は部分的に支持されたと言えよう。これは,次の暗論に 対する態度と読書に対する態度の中間的な状況を表していると考えられる。
また,「音読することは,良い事だと思いますか?」という有用性の質問に ついても,群間に有意な差は認められなかった。表5によると各平均値は,読
書に対するものと同等ではないが,晴調に対する態度よりもネガティブではな い。しかし,音読の習慣はあまり無いといえる。よって,被験者にとって,音読することはやや有用性を感じる程度といえる。仮説2-2は部分的に支持さ
れたといえる。
一方,「音読は生活習慣の一部ですか?」という質問に対する結果も,群間 に有意な差は認められなかった。評定平均値の結果も低い。これらの結果は,
読書をするあるいはあまりしないと思っていることにかかわらず,すべての被
験者にとって,音読することをほとんどの人が行っていないと考えられる。仮 説2-3は支持されなかった。(3)晴調に対する態度
各群毎に,質問に対する平均値と標準偏差を表6に,分散分析の結果を表7 に示した。これによると読書に対する態度とは全く異なり,暗論に対する感情 についても,暗調の有用性についても,そして読書習慣についても有意差が認 められなかった。読書量の自己評価が高ければ,それだけ読書行動と親しんで いると考えられる。同時に暗諌は読書行動の一部である。よって,暗論に対す
表6主観的読書趾別暗踊に対する態度・有用性・習慣の平均値
高群中群低群1 巫叫
亜“1
2.6 0.99
あなたは暗論が好きですか?
2.2 1.19 2.6
1.17 2.5
1.08
暗謂は,面白いですか?
2.2 1.21
35 20
1
2.1
晴調することは,楽ですか? 093
1.9 1.08 2.3
091
2.3 0.85
暗論するときは,うれしいですか?
3.0 0.79
3.1 1.20 2.9
0.94
暗謝するときには,いやな気分になりますか?
2.2 083
1.9 0.92 2.3
0.90
晴調するとき,明るい気持ちになりますか?
3.3 1.05
3.4 0.87
3.5
暗調することは,良い事だと思いますか? 080
1.5 0.80 1.5
0.61
1.8 0.75
あなたにとって暗調は生活習慣の一部ですか?
注:上段は平均値,下段は標準偏差を示す。
表7主観的読聾沮別暗踊に対する態度・有用性・習慣の分散分析の結果 F値 あなたは暗諏が好きですか?
暗調は,面白いですか?
暗論することは,楽ですか?
暗諏するときは,うれしいですか?
暗論するときには,いやな気分になりますか?
暗論するとき,明るい気持ちになりますか?
暗論することは,良い事だと思いますか?
あなたにとって暗調は生活習慣の一部ですか?
0.93,.s、
0.93,.s.
0.10,.s、
1.84,.s・
O32ns、
1.85,.s、
0.47,.s、
101,s.
注:自由度はすべて2と87である。
る態度は,読書に対する態度と同様に高群でより高くなると仮説3-1で予想 された。しかし,仮説3-1は支持されなかった。これらの結果は,暗調を読 書行動の一部であるとした前提に誤謬があったと考えられる。被験者は暗調と 読書を同じ行動の延長線上に結びつけていないと考えられる。つまり,暗調行
大学生における黙読・音読・階調に対する態度の比較109
動と読書行動は全く別の心理的態度を生み出す,別の読書に関わる行動といえ
る。
また,「暗論することは,良い事だと思いますか?」という有用性の質問に ついても,群間に有意な差は認められなかった。評定平均値も低く,「ややそう 思っていること」を示している。これらの結果は,読書をするあるいはあまりし ないと思っていることにかかわらず,すべての被験者にとって,晴調すること は少しだけ有用性を感じていることを示している。仮説3-2は支持されなか った。
一方,「暗調は生活習慣の一部ですか?」という質問に対する結果も,群間 に有意な差は認められなかった。評定平均値の結果も非常に低い。これらの結 果は,読書をするあるいはあまりしないと思っていることにかかわらず,すべ ての被験者にとって,暗調することをほとんどの人が行っていないと考えられ る。仮説3-3は支持されなかった。
有用性の結果と習慣の結果をあわせて考えると,非常に興味深い。ほとんど 暗論する習慣が無いにもかかわらず,暗調の有用性に関しては少しあると回答 している。暗調はなぜ有用であると思われているかについて,より詳しく調べ る必要が今後の課題としてあるだろう。
客観的な読書量と読書・暗諦・音読に対する態度の関係客観的な読書量によ って,読書・暗調・音読に対する態度に相違があるか否かを検討した。読書量 を要因(高群・中群・低群)とした被験者内計画の分散分析を行った。有意差 が認められた場合には,LSD法により多重比較を行った。その結果を読書・暗 調・音読についてそれぞれ分けて考えていきたい。
(1)読書(黙読)に対する態度
各群毎に,質問に対する平均値と標準偏差を表8に,分散分析の結果を表9 に示した。これによると「読書することは,良い事だと思いますか?」という 質問以外はすべて有意な差が認められた。これらの結果は,主観的な読書量別 の結果と同様であり,仮説1-1の一部を支持した。
また,「読書は生活習`慣の一部ですか?」という質問に対する結果や,「読書
表8客観的醜書屋別醜密(黙醜)に対する態度・有用性・習慣の平均値 高群中群低群
4.4 0.77
4.1 0.98
3.4 1.15
あなたは読書が好きですか?
4.5 0.78
4.2 0.87
3.7 1.06
読書は,面白いですか?
42 099
3.4 094
2.9 1.16
読書することは,楽ですか?
4.5 0.78
3.6 0.99
3.2 1.15
読書するときは,うれしいですか?
1.8 0.44
18 0.73
2.3
読書するときには,いやな気分になりますか? Ll7
3,8 0.88
3.2 0.77
2.9 0.90
読書するとき,明るい気持ちになりますか?
4.8 0.38
4.7 0.52
4.7 0.52
読書することは,良い事だと思いますか?
3.8 1.52
3.4 1.00
2.2 1.09
あなたにとって読替は生活習慣の一部ですか?
注:上段は平均値,下段は標準偏差を示す。
表9客観的続聾量別読聾(黙読)に対する態度・有用性・習慣の分散分析の結果
F値 多重比較
あなたは読書が好きですか?
読書は,面白いですか?
読書することは,楽ですか?
読書するときは,うれしいですか?
読書するときには,いやな気分になりますか?
読書するとき,明るい気持ちになりますか?
読書することは,良い事だと思いますか?
あなたにとって読醤は生活習慣の一部ですか?
低低低低低低ンンン・’一・・一一・・||・中中中I中中中ン。||・アンンン高台向高高高高
******s* ******、*師朗ね配ね、網のc■●●●■●● 〃o心斗〆、〆、ミ)『J〈Uずり
01 高=中>低 注:自由度はすべて2と87である。
することは,良い事だと思いますか?」の結果も,主観的な読書量別の結果と
同様であった。これらの結果は,読書をするあるいはあまりしないことにかかわらず,すべての被験者にとって,読書することは有用性を感じるが,客観的
な読書量が多い被験者ほど読書は生活習慣の一部になっていることを示す。こ
大学生における黙読・音読・暗調に対する態度の比較111 れの結果は,仮説1-2,3のそれぞれ一部を支持している。
(2)音読に対する態度
各群毎に,質問に対する平均値と標準偏差を表ICに,分散分析の結果を表 11に示した。これによると読書に対する態度とは全く異なり,音読に対する感 情については有意差が認められなかった。これらの結果は,主観的な読書量別 の結果とも差異があった。主観的な読書量別では,「面白さ」と「うれしさ」
に有意な差が群間で認められた。これらの差異の理由は,主観的な読書量の判 断と客観的な読書量との相違が現れていると考えられる。よって,心理的に読 書をしていると思っている被験者は,音読することに面白さやうれしさを感じ るが,実際に読書をしている被験者がそうでない被験者よりも面白さやうれし さを感じているわけではない。しかしながら,表10に示されているように,
全般的に音読に対してポジティブな感情を持っているといえる。仮説2-1は
表10客観的読書量別音醜に対する態度・有用性・習慣の平均値
高群中群低群
45 3A
l
3.3 115
2.9 1.32
あなたは音読が好きですか?
3.1 126
3.2 1.15
2.9 1.28
音読は,面白いですか?
3.5 1.20
3.1 1.27
3.3 1.08
音読することは,楽ですか?
2.8 1.17
29 1.13
2.3 1.00
音読するときは,うれしいですか?
2.5 0.88
2.1 081
2.5 0.80
音読するときには,いやな気分になりますか?
3.0 1.07
2.9 081
2.6 1.22
音読するとき,明るい気持ちになりますか?
36 1.33
4.1 0.86
41 0.66
音読することは,良い事だと思いますか?
08 20
1
21 1.06
]、7 0.85
あなたにとって音読は生活習`償の一部ですか?
注:上段は平均値,下段は標準偏差を示す。
表11客観的醜密量別音醜に対する態度・有用性・習慣の分散分析の結果 F値 あなたは音読が好きですか?
音読は,面白いですか?
音読することは,楽ですか?
音読するときは,うれしいですか?
音読するときには,いやな気分になりますか?
音読するとき,明るい気持ちになりますか?
音読することは,良い事だと思いますか?
あなたにとって音読は生活習慣の一部ですか?
105,.s、
0.52,.s、
0.49,.s、
2.49,.s、
287,s、
275,.s、
L75ns・
L86ns.
注:自由度はすべて2と87である。
部分的に支持されたといえる。
また,表loによると有用性についての平均値は,読書に対するものと同等 ではないが,暗調に対する態度よりもネガティブではない。しかし,音読の習 慣はあまり無いといえる。これらの結果も主観的な読書量別の結果と同様であ った。仮説2-2,3は支持されなかった。
(3)暗議に対する態度
各群毎に,質問に対する平均値と標準偏差を表12に,分散分析の結果を表 13に示した。これによると読書に対する態度とは全く異なり,暗調に対する感 情については有意差が認められなかった。また,表12によると,主観的な読 書量別の結果と同様に暗論に関するすべての質問項目で平均値は低く,ネガテ ィブな感情を表している。これらの結果は,被験者は階調と読書を同じ行動の 延長線上に結びつけていないことが客観的な指標でも明らかになった。仮説 3-1は支持されなかった。
また,「暗調は生活習,慣の一部ですか?」という質問に対する結果は,非常 に低い。一方「暗論することは,良い事だと思いますか?」にのみ,ややそう 思っていることを示している。これらの結果は,読書をするあるいはあまりし ないことにかかわらず,すべての被験者にとって,暗謝することはやや有用性 を感じるが,ネガティブな感情を引き起こし,ほとんどの人が行っていないと 考えられる。仮説3-2,3は支持されなかった。
大学生における黙読・音読・暗論に対する態度の比較113 表12客観的読曾量別暗舗に対する態度・有用性・習慣の平均値
高群中群低群
2.6 1.04
2.5 1.00
2.5
あなたは暗論が好きですか? 127
2.5 1.10
23 1.2]
2.5 1.13
暗調は,面白いですか?
2.0 1.08
2.2 1.05
Z3
暗論することは,楽ですか? Ll6
2.2 098
11 28 0
2.]
晴調するときは,うれしいですか? 1」1
3.1 0.95
92 20 1
3.1 1.06
暗論するときには,いやな気分になりますか?
22 1.07
2.1 0.83
2,1 0.94
暗論するとき,明るい気持ちになりますか?
3.0 0,80
3.3 0.87
55 10 1
暗論することは,良い事だと思いますか?
L4 0.65
16 0.67
1.5 0.80
あなたにとって暗諌は生活習'償の一部ですか?
注:上段は平均値,下段は標準偏差を示す。
表13客観的読書型別暗調に対する態度・有用性・習慣の分散分析の結果 F値 あなたは暗調が好きですか?
暗調は,面白いですか?
暗論することは,楽ですか?
晴調するときは,うれしいですか?
暗論するときには,いやな気分になりますか?
暗論するとき,明るい気持ちになりますか?
暗論することは,良い事だと思いますか?
あなたにとって暗調は生活習慣の一部ですか?
0.10,.s、
0,22,.s、
0.28,.5.
0.03,.s、
0.42,.s.
0.00,.s、
172,.5.
0.51,.s.
注:自由度はすべて2と87である。
読書(黙読)・音読・暗調に関する感情・習慣・有用性の関係
読書・音読・暗調に関する感情・習慣・有用性の関係を検討するために,ピ アソンの籍率相関係数を算出した。
読書について表14,音読について表15,暗調について表16にそれぞれの質 問項目間の相関係数を示した。それらの値は概ね高かった。つまり,読書・音
読・暗調について,好意的な態度を持っている人は,それらの有用性を感じ,
表14醗瞥(黙続)についての相関係数
面白い楽であるうれしい嫌な気分明るい気持ち良いこと習慣である 好き838(**).602(**)
面白い1.597〔**)
楽である 嬉しい 嫌な気分 明るい気持ち 良いこと
、713(**)
、735(**)
511(**)
-.455(**)
-.569(**)
-.443(**)
-364(**)
500(**)
、545(**)
398(**)
、694(**)
-286〔**)
1
214(*)
260〔*)
.068 .384(鑿*)
-.065 .242(*)
、703(**)
、620(**)
、583(*蝋)
、613(**)
-.305(**)
.“,(**)
・'21
注:**相関係数は1%水準で有意(両側),*相関係数は5%水準で有意(両側)を示す。
表15音醗に関する相関係数
面白い楽であるうれしい嫌な気分明るい気持ち良いこと習慣である 好き853(**)587(**)
面白い1.515(**)
楽である 嬉しい 嫌な気分 明るい気持ち 良いこと
、700(**)
、759(**)
477(**)
-.502(**)
-.399(**)
-.485(**)
-.333(**)
、646(**)
、751〔**)
452(**)
、812(**)
-.286(**)
1
464(**)
、400(**)
、323(**)
352(**)
-.149
.445(**)
1
、578(**)
539(**)
、330(**)
、580(**)
-.245(*)
538(**)
263(*)
注:**相関係数は1%水準で有意(両Mリハ*相関係数は5%水準で有意(両側)を示す。
表16晴踊に関する相関係数
面白い楽であるうれしい嫌な気分I1iるい気持ち良いこと習慣である 好き882(**)589(**)
面白い1.430(*蟻)
楽である 嬉しい 嫌な気分 明るい気持ち 良いこと
、611(**)
631(**)
、401(**)
-.488(**)
-.389(**)
-536(**)
-.303(**)
、572(**)
、620(**)
、431(**)
808(**)
-.343(**)
、169 .227(*)
-.034 .272(**)
-.028 .309(**)
I
、322(**)
、310(**)
239(*)
271(**)
-.145
.233(*)
」29
注:**相関係数は1%水墾で有意(両側),*相関係数は5%水準で有意(両側)を示す。
大学生における黙読・音読・暗諏に対する態度の比較115
生活習慣となっているといえる。また,同時にそれぞれの質問項目間で相関係 数が高かったことは,各読み方において被験者は,まとまった態度を持ってい ることも示している。
次に,読書と音読についての質問項目の相関係数を表17に示した。読書と 音読については,「読書は,面白いですか?」と「音読は,好きですか?」,
「あなたにとって読書は生活習慣の一部ですか?」と「あなたにとって音読す ることは生活習慣の一部ですか?」,「音読するとき,明るい気持ちになります か?」と「読書するときは,うれしいですか?」・「音読するとき,明るい気持 ちになりますか?」のみ,30を超える相関係数値を超え,やや相関関係があ るといえる。
表17餓書と音読に関する相関係数
読書/音読好き面白い楽であるうれしい嫌な気分lW6い気持ち良いこと習慣である 好き、241(鑿)
面白い335(**)
楽であるユ68(*)
うれしいユ28(事)
嫌な気分一.086 明るい気持ち.249(鑿)
良いこと、029 習慣である279(**)
、243(*).129 .278(**).144 .241(*).174
.172089
-060、079 .221(*).154 .012、106 .274(**)‐、008
」91‐、160 .197-268(*)
、158‐、345(**)
239(*)-.043 .070、240(*)
、304(率*)‐.064 -.003-.006
.293(**)‐、145
230(*)
、227(*)
、236(*)
、315(**)
、056 .298(**)
」05 .306(**)
203 .142 .027 .173 .068 .205 247(*)
、081
、172
.225(*)
.167 .278(**)
-.095 .216(*)
074 .314(**)
注:**相関係数は1%水準で有意(両側),*相関係数は5%水準で有意(両側)を示す。
読書と暗論についての質問項目の相関係数を表18に示した。読書と暗調に 関しては,、30を超える相関係数値はなく,ほとんど相関関係はないといえる。
さらに,音読と暗調についての質問項目の相関係数を表19に示した。「暗論 することは,面白いですか?」と「音読は,好きですか?」・「音読することは,
面白いですか?」・「音読するときは,うれしいですか?」に,「暗論すること は,うれしいですか?」と「音読することは,うれしいですか?」・「音読する とき,明るい気持ちになりますか?」に,「晴調するとき,明るい気持ちにな りますか?」と「音読は,好きですか?」・「音読は面白いですか?」・「音読す ることはうれしいですか?」・「音読するとき,明るい気持ちになりますか?」
表18醜聾と暗踊に関する相関係数
読書/暗調好き面白い楽であうろ~;TETTm砺誘~、i可77雨~EZTTz~Z~評祠可
好き」78 0●●●●■。●I0210100 B躯叫刃叱刃元、 023097 -.062-.006
.170」44 -.038、059 .085、047 -.030、106 -.358(**)‐」26
.062」,
-029、'33 -.001093 -.250(*)235(*)
」04.135 .175、038 .177.177 .271(**)‐」17 -.042256(*)
10796062 mⅢ、“⑬、的、』一一の●■●●■●● 015
-.043 .065 .045 .008 .057 -.106 .038
面白い、138 楽である275(**)
うれしい、175 嫌な気分一m6 明るい気持ち220(*)
良いこと‐016 習慣である086
注:**相関係数は]%水準で有意(両側),*相関係数は5%水準で有意(両側)を示す。
表19音読と暗踊に関する相関係数
音読/暗調好き_面白い楽であTコラー矼TW7雨ワヲニ~i両而爾;~IZTT言~Z~画i冠Z
好き228(*) 305(寒*).256(*)
351(瀬*).211(*)
212(*).]42 .383(**)230(*)
-」68-」03 .293(察*).204 .092.078 242(寒)」97
204‐、036 .276(**)‐001 .145054 .424(**)024 -039261(*)
299(**)091 .024、037 .139‐021
、327(**)‐083 .340(**).019 .247(*)‐、022 .464(**)-.037 -.131075
.356(**)049
.153」30 .206‐、030
80133643 叫朋砧叫皿⑬⑱B■■●の●b●●●』』。
面白い249(*)
楽である、1%
うれしい261(*)
嫌な気分一」“
明るい気持ち.211(*)
良いこと」16 習慣である.152
注:**相関係数は1%水準で有意(両側),*相関係数は5%水準で有意(両側)を示す。
に,やや相関関係が認められた。
このように,読書・暗調・音読という本を読むことに関わる行動は,全般的 に相関関係があるとは言えないだろう。むしろ,それぞれの行動内で心理的な 態度はまとまっていると考えられる。これらの結果は,先の主観的・客観的読 書量と読書・暗調・音読に対する態度の関係の結果と一致する。また,相関関 係の結果より,晴調に対する態度は,読書(黙読)に対するそれよりも音読に
対する態度に関係がやや深いといえるだろう。
<まとめ>
本調査の目的は,読書(黙読)・音読・暗調という本を読むという行動が,
大学生における黙読・音読・暗調に対する態度の比較117
本を読むヒトにとって同じ連続線上の心理的な位置にあるか否かについての明 らかにすることであった。その際,主観的な読書量と客観的な読書量を基準に,
黙読・音読・暗調という本を読むという行動に対する態度を測定した。
その結果,一連の仮説1-1,2,3である「大学生の主観的・客観的読書量 が高い人は低い人に比べ,読書に対して好意的な態度とを持ち,読書習慣を持 っているが,有用性については主観的・客観的読書量に関わりなく,同じくら い高く感じている。」ことが支持された。これらの結果は先行研究の結果と一
致している。
しかしながら,「文章の読み行動として連続線上に読書(黙読),音読,暗調 があるのであれば」,大学生の主観的・客観的読書量に対応して読書(黙読)
と同じ態度,有用性の評価,習慣を音読・暗調に対しても持つであろうと仮定
した一連の仮説2,3は,音読のみ-部支持されたに過ぎなかった。また,読書(黙読)・音読・暗調に対する態度や有用性,そして習慣に関す る相関関係の結果をあわせて考慮すると,文章の読み行動として連続線上に読 書(黙読),音読,暗調があるとは考えづらい。むしろ,3つの本を読む行動は,
それぞれ独立し,心理的な態度を形成していると考えられる。それらの関係は,
黙読と音読,そして音読と暗諭は心理的にはやや近く,黙読と暗諭は非常に離 れていると考えられる。すなわち,模式化して考察すると,音読を真中にし,
それに重なる形で両端に黙読と暗調が存在するが,両端の2つには重なる部分 がほとんどないといえる。このように,黙読,音読,暗調の関係は,文章を読
む人によって,異なった心理的作用を及ぼすと考えられる。本研究では,3つの読み方に対する態度を主に扱ったが,それらの理解に対
する影響などまだ明らかにされていないことも多い。特に,11音調は黙読・音読
の延長線上にあると考えられがちであるが,その実態について本研究では一部分を扱っただけである。暗調される作品にはどのようなものがあるのか,暗調
はどれだけ記憶されるのか,暗調に対してどのような利点・欠点を日本の暗論
者が認知しているかについて,今後の課題となるであろう。く引用文献>
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斉藤孝2002声に出して読みたい日本語2草思社
大学生における黙読・音読・暗調に対する態度の比較119
ACompansonofattitudesandconceptions aboutreadingsilently,aloudandlCpetition
YUkiFUKUDA
ThisinvesligaIioncompa1℃betweenaUi[udcsandconccp1ionsaboutreadingsiIent- Iy,readingaloud,andrepeli【ion
Mnetyuniversitystudents「espondedloaquestionnaireabouttheirbook-rcading activitiesinthecasesofreadingsilently,readingaloud,andrepctition、Thestudems wholCporに。にadingmanybooksweTeassignedloanUpperg「Cup;thosewhorcpo「led readingsomebooksweUcassignedtoaMiddlegroup;thosewhoIcportedreadingfew bookswereassignedloaLowergroup・Thosecategoriesweredelerminedbyboth subjectiveandobjec【ivemeasuresofreadingThesubjec[ivemcasureofreadingwas determinedbyrcsponsesIolhequestion;“Doyoureadmanybooks?”Theobjective measureoncadingwaslhcnumbe「ofbooksreadpermon[hand【henumberofhours spentreadingbooksperday・
TheresuhsofANOVAreveaIedthaltheUppcrgroupshowedmoreposi【ivcatti-
tudeto「eadingsilently,assignedg「eateru(iIityloreadingsiIentIy,andhadmo「ehabits ofreadingsiIenlIylhanlheMiddleandthcLowergroups・HowcveraIlgroupsshowed simi]aralli【udestoreadingaloudandTepe【i【ion・AIso,the肥suIlsofcorrelalionamong thethreereadmgactivitieswereIow,TheseresuItssuggcst【haIrcadingsiIent1yis diflercnlfiromreadingaIoudandrepetitioninpsychologicalproccsses.