博士論文要旨
論文題名:筋内低酸素を促すレジスタンス運動 プロトコールとその筋肥大効果
立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科 スポーツ健康科学専攻博士課程後期課程 ゴトウ マサヒロ 後藤 昌弘
1. 目的: レジスタンス運動継続に対する末梢循環の適応は、筋肥大に不利な因子として作 用する可能性がある。しかしながら、同じプロトコールを用いた運動がもたらす筋内低酸素 の違いを、レジスタンス運動を習慣的に行うレジスタンス運動群と非運動群間で比較した 研究はない。この研究の目的は、レジスタンス運動群と非運動群におけるレジスタンス運動 時筋内酸素代謝の違いについて調査すること、レジスタンス運動群において最も高い運動 時筋内低酸素が得られるレジスタンス運動プロトコールを確認すること、部分可動域およ び全可動域で行うレジスタンス運動を 8 週間継続した時の筋肥大、筋力増強効果の違いを 比較・確認すること、レジスタンス運動時筋内低酸素と筋断面積増加率との関係を確認する ことである。
2. 方法: ドロップセット法と逆ドロップセット法がもたらす急性効果をレジスタンス運 動群と非運動群(n = 32)を対象に比較した。次に、レジスタンス運動群(n = 44)を対象に 部分可動域および全可動域で行うレジスタンス運動を行い、部分可動域運動、全可動域運動、
ドロップセット法、がもたらす急性筋内低酸素を比較した。最後に、レジスタンス運動群(n
= 44)を対象に、部分可動域および全可動域で行うレジスタンス運動 8 週間継続が筋力およ び筋横断面積にもたらす長期効果を確認した。
3. 結果および考察: 同じレジスタンス運動プロトコールに対する代謝的反応はレジスタ ンス運動群と非運動群で異なっており、非運動群がより筋内低酸素を呈しやすいことが確 認された。レジスタンス運動群を対象に、部分可動域運動、全可動域運動、ドロップセット 法運動時の筋内低酸素を比較した結果、部分可動域運動が最も高い急性筋内低酸素を呈し た (p < 0.05)。レジスタンス運動群を対象に部分可動域および全可動域レジスタンス運動 を 8 週間継続した結果、部分可動域運動の筋肥大効果が有意に高かった(p < 0.05)。レジ スタンス運動中の筋内低酸素と筋横断面積増大率との間に正の相関関係が認められた (r = 0.7, p < 0.01)。
4. 結論: レジスタンス運動中の筋内低酸素程度はその運動トレーニングの筋肥大効果を 予測する指標となること、部分可動域運動はレジスタンス運動群において更なる筋肥大を もたらす効果的な運動プロトコールの一つであることが確認された。