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テーション機構 (Badan Akreditasi Nasional Perguruan Tinggi:BAN-PT) が設置され BAN-PT によるアクレディテーションが進められてきた 上述の KKI の創設により BAN- PT が実施する医学教育プログラムのアクレディテーションの際の基準には

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Academic year: 2021

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大学アドミニストレーション研究 第 7 号(2016年度)

インドネシアの医学教育の質保証に関する考察

和氣 太司   【要旨】 医師や患者の国際間移動が活発化する中、グローバルな視点に立った医学教育の 改善を目指すため、欧米やアジア諸国では国際基準に基づく医学教育の質保証に取 り組んでいる。日本でも2015年に日本医学教育評価機構が設立された。インドネシ アでは2004年に医師法が制定され、医師という専門職の団体である KKI が医学教 育や医師コンピテンシーの基準を策定することになった。一方、高等教育全体の枠 組みでは90年代から BAN-PT によるアクレディテーションが進められてきた。こ うした中、医学教育分野ではKKIとBAN-PTが役割分担をしながら質保証体制の 整備が進みつつある。日本と比較しながら、インドネシアの医学教育の質保証の特 徴について考察を行う。 キーワード:コア・カリキュラム、BAN-PT、KKI、医学教育基準、       医師コンピテンシー基準 はじめに インドネシアは赤道にまたがる大小 1 万 8 千余りの島々からなる世界最大の群島国家であ り、その国土は日本の約 5 倍、人口は、中国、インド、アメリカ合衆国に次ぐ世界第 4 位の 2 億5,500万人(2015年、インドネシア政府統計)に及ぶ。経済面でも近年順調な発展を遂 げ、東南アジアでは唯一のG20のメンバーとして存在感を増している。 医学・医療面では医師の不足や首都ジャカルタなど大都市への偏在が課題となっており、 近年大学医学部の拡充が図られている。2015年現在で75大学に医学部が設置され、その内訳 は国立大学33、私立大学42となっている(IndonesiaMedicalCouncil)。このような量的拡 大とともに医学教育の質の改善についてもコア・カリキュラムの開発や免許制度の改善を通 じて取り組まれてきた(大西ら2009:280)。 2004年に医師法1 )が制定され、インドネシア医学評議会(KonsilKedokteranIndonesia: KKI)が創設された。KKIは専門職である医師を中心とする団体であり、自治、独立の組織 として大統領に責任を負い、医師免許の登録と「医学教育基準」や「医師コンピテンシー基 準」の策定という任務を有している。 一方、インドネシアでは高等教育全体の動きとして質保証の体制が整備されてきた。高等 教育のグローバル化の潮流がインドネシアにも及び、1994年に国家高等教育機関アクレディ

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PTが実施する医学教育プログラムのアクレディテーションの際の基準にはKKIの「医学教 育基準」や「医師コンピテンシー基準」が統合された。 世界の医学教育の動向に目を転ずると、グローバル化の進展に伴い、医師や患者の国際間 移動が活発化する中、世界の医学教育の質の改善を図るため、世界保健機関(WorldHealth Organization:WHO)や世界医学教育連盟(WorldFederationforMedicalEducation: WFME)がアクレディテーションの制度化を進めてきた。その結果、医学教育の分野別評 価を実施している国が欧米やアジアにおいて増加している。 日 本 に お い て も2010年 9 月、 米 国 の 外 国 医 学 部 卒 業 生 教 育 委 員 会(Educational CommissionforForeignMedicalGraduates:ECFMG)が2023年以降、国際的認証を受け ている医学部の卒業生以外には米国での医師資格が得られないと宣言したことがきっかけと なり、国際認証を受けるべきとの気運が高まり、2015年12月に日本医学教育評価機構(Japan AccreditationCouncilforMedicalEducation:JACME)が設立された。 このような世界的な趨勢の中でインドネシアにおける医学教育の質の保証はどうなってい るのか。本稿は近年発展を遂げてきているインドネシアの医学教育の質保証について考察 し、その特徴を明らかにすることを目的とする。インドネシアにおける取組みを把握するこ とは、現在進めている我が国の質保証体制の整備への示唆となるとともに、今後期待される インドネシアを含む諸外国との医学分野における交流の活発化にも資すると考える。 本研究に当たってはBAN-PTやKKIの政策文書や政府の法令を中心に考察した。医学教 育においては免許制度や医学部卒業後のインターンやその後の研修も重要な要素であるが本 稿では大学卒業前教育を対象として検討した。 1  医学教育質保証の展開 インドネシアの大学医学部は日本と同様に高校卒業者を受け入れて 6 年制の教育を行って いる。 7 学期以上からなる学士課程(Strata1)と 4 学期の専門教育プログラム(Program Profesi)に分けられる(図 1 )。 インドネシアにおける医学教育の起源は1851年に設置されたジャワ医学校(Dokter-Djawa-School)である。同校は後にインドネシアを代表する国立大学の一つであるインドネ シア大学(UniversitasIndonesia)へと発展を遂げるなど、今日につながる世俗的な高等教 育の嚆矢となった。植民地政府は、1913年にはスラバヤに「蘭印医学校(Nederlandsch-IndischeArtsenschooldiSurabaya)」、1927年にジャカルタに「高等医学校(Geneeskundige Hogeschool)」を設置した。このほか法律、工業、農業など専門職業教育に重点を置いた高 等教育機関が設置されたが、医学分野が先行した背景には当時のオランダ領東インド(イン ドネシア)が不健康地で感染症があり、広く伝統的な療法が普及し、オランダ人の健康を保 障する必要があった(DirektoratJenderalPendidikanTinggi:22- 8 )。しかしながら独立

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大学アドミニストレーション研究 第 7 号(2016年度) 前の高等教育の規模は小さく、学生数も限られたものであった。本格的な高等教育の発展は 独立(1949年)を経て、1968年に第 2 代大統領に就任したスハルト政権下において始まった (和氣2015:56)。 ( 1 )コア・カリキュラムの策定 1982年 に「 イ ン ド ネ シ ア 医 学 教 育 コ ア・ カ リ キ ュ ラ ム(KurikulumIntiPendidikan DokterIndonesia:KIPD Ⅰ)」が公表された。1994年には改訂され KIPD Ⅱが作成された (KONSILKEDOKTERANINDONESIA:2006)。 大西ら(大西ほか2009:280- 1 )によると、KIPDⅠは、内科系、外科系、行動医学、地 域医療の 4 分野にわたる27科目からなる学科ベースのカリキュラムで構成されており、 KIPDⅡも基本的にはKIPDⅠの特徴を継承していた。 医学分野では大学卒業時に医師の資格に相応しい必要最小限の基本的な資質や能力を備え ていることが求められる一方、医学の専門分化・高度化が進んでいる。こうした中で、医師 としての基本的な資質と能力を養成するべきとの考え方から日本においてもモデル・コア・ カリキュラムが2001年に策定され、その後、2007年及び2011年に改訂されている。 ( 2 )医師法の制定とKKIの創設 1997年 7 月に始まるアジア経済危機をきっかけに30年以上続いたスハルト政権が崩壊し、 インドネシアは「改革(Reformasi)」の時代を迎え、 4 回にわたって毎年、憲法改正が行わ れ、民主化、地方分権化が進められた。このような中、2004年に医師法が制定され、医学教 育の基準については専門職の組織であるKKIが担うことになった。高等教育の枠組みの中 で、医学教育については医師・歯科医師の代表者をメンバーとする専門家集団であるKKI 図 1  インドネシアの医師養成システム

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医師会、歯学部長協議会、歯科医師会、有識者、保健省及び国民教育省である(http:// www.kki.go.id/index.php/subMenu/983,2016.09.14)。 ( 3 )「医師コンピテンシー基準」の策定 上記のように、1994年のKIPDⅡまでは政府が決定していたが、大学の自主性を優先する という考え方に立ち、2002年の「コア・カリキュラムに関する国民教育大臣決定(045/ U/2002)」により、医学教育を含めコア・カリキュラムは高等教育機関、専門職集団等の間 で定めることとなった(同決定第 6 条第 2 項)。これを踏まえて、KKIはKIPDⅡを改定す るために、2006年 9 月、「医師コンピテンシー基準(SKDI)」を制定した。SKDI は 5 年ご とに時代の変化に応じて見直すことになっており、2012年に改訂された。この改定の際に、 同基準第 1 条において「SKDIはKKIにより策定された医学教育基準(SPPD)の一部を構 成するものである」と規定され、相互の関係が明確化された。 2012年の SKDI によるとその全体像は図 2 の通りである(KonsilKedokteranIndonesia 図 2  インドネシア医師コンピテンシー基準の概要 出典:KonsilKedokteranIndonesia,2012,“StandarKompetensiDokterIndonesia,”

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大学アドミニストレーション研究 第 7 号(2016年度) 2012b)。附録として、用語の定義、症候・病態及び診療技能についての到達目標の一覧が 掲載されているが、これについてもコンピテンシー基準に含まれる(SKDI第 1 条第 2 項)。 表 1 は、コア・コンピテンシーについて、高いプロ意識、自己評価と自己研鑽、効果的コ ミュニケーション、情報管理、基礎医学知識、診療技術、健康問題の管理という 7 つのコン ピテンシー領域に分けて整理したものである。 以上の検討により、医師コンピテンシー基準はコア・カリキュラムを継承するものである とともに、医学教育基準の一部を構成することが明らかになった。 表 1  コア・コンピテンシー コンピテンシー領域 コア・コンピテンシー 高いプロ意識 唯一神への信仰、高いモラル、エチケット、規律、法律、社会規範に従い医療行為ができ 自己評価と自己研鑽 限界を理解しつつ医療行為を実践できる。個人的な問題を乗り越え、自身で開発し、研修に参加し、継続的に知識の向上に努める。患者の利益のために知識の開発に努める。 効 果 的 コ ミ ュ ニ ケ ー ション すべての年齢の患者、その家族、一般社会、同僚、多職種の方々と口頭及び非口頭で情報を発信し、交換できる 情報管理 情報通信技術及び医療行為における健康情報を活用できる 基礎医学知識 最適の結果を得るために最新の医学・健康科学に基礎を置いて健康問題の解決ができる 診療技術 患者の利益、個人の自立、他者の利益の原則に立ち、健康問題に対する診療に当たることができる 健康問題の管理 一次医療サービスに際して個人、家族及び社会の健康問題を総合的、全体的、統合的、継続的に管理できる 出典:KonsilKedokteranIndonesia,2012,“StandarKompetensiDokterIndonesia,”により筆者作成。 ( 4 )「医学教育基準」の制定 2006年、医師コンピテンシー基準と同時期に医学教育基準(StandarPendidikanProfesi Dokter:SPPD)が制定された。KKIは医学会(KDI)、全国医学部長協議会(AIPKI)、教育 病院協議会(IRSPI)と連携してSPPDを定める(医師法第 7 条)。具体的には、同法第26条 で、AIPKI が医師会、学会、教育病院協議会、国民教育省、保健省と調整して原案を作 り、KKIが決定すると規定する。 医師法の説明2 )を見ると第 7 条の「医学教育基準」は国民教育システムとの連携の下で 法令により進めると規定されている。 SPPDは 5 年毎に見直すとされており、2012年に改訂がなされた。改訂に当たっては、以 下の点に留意している(KonsilKedokteranIndonesia,2012a)。 ①大学現場での実態を踏まえた評価結果を基礎に医学部長や広く医学教育界の指導層を含め たフォーカス・グループ・ディスカッションを実施。 ②アクレディテーションの基礎資料としての基準として採用されるという期待を踏まえる。 ③継続的な質の向上を条件とする世界医学教育連盟(WFME)の医学教育グローバル基準 に則る。 ④医学部が到達すべき最低限の基準とする。この基準を達成するため、各医学部の連携を促

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バルな条件を考慮する。 以上のような点に留意し、2012年に改訂が行われたが、医学教育基準は①展望・使命・目 的、②教育プログラム、③学習効果の評価、④学生、⑤教員、⑥教育資源、⑦教育プログラ ムの評価、⑧プログラムの実施と教育の管理、⑨継続的な見直し、の 9 点にわたる。 上述のようにこの基準はWFMEのグローバルスタンダードに準拠しているので同スタン ダードに準拠する日本と基準項目はほぼ同じである。 ただし、基準に基づく内容は各国の事情で様々である。表 2 は、インドネシアの特徴と思 われる事項を取り上げたものである。その特徴の第一は、医師コンピテンシー基準(SKDI) の達成を意識していること。第二に、教育の基準という性格もあり、カリキュラム、学生 数、予算の具体的な基準の記載が目につくこと。第三に、各大学の自主性に任せるよりも国 により統制を図る点が日本と比べて強い。 2012年の改訂の際にもWFMEのグローバルスタンダードに準拠するなど国際的な通用性 表 2  医学教育基準における特徴的な事項 基準 特徴的な事項 1 展望・使命・目的 ・卒業生はSKDIに則した能力を身に付けなければならない。 2 教育プログラム ・カリキュラムはSKDIに則したものが80%、各大学の開発するものが20%とする。 ・カリキュラムの修業年限は学術段階が 7 学期以上、専門職教育が 4 学期とする。 ・カリキュラムの実施に学生中心型、問題解決型、統合型、地域基盤型、選択型、シス テマチック型を採用。 3 学習効果の評価 ・SKDIに則したコンピテンシーの開発ができる学習の評価方法を採用しなければならな い。 4 学生 ・学生対教員の比が学術段階で10: 1 、専門教育段階で 5 : 1 ・新たな教育プログラムの受入学生数は教育文化省の定める規則による。 5 教員 ・全ての教員は修士号以上の学位或いは専門職学位を持たなければならない。 6 教育資源 ・医学教育を推進する研究活動を保証するために医学部全体の運営予算から 5 %以上配 分しなければならない。 ・各医学部は医学教育分野の修士号を持つ医学教育専門家を少なくとも 1 名配置しなけ ればならない。 7 教育プログラムの評価 ・最低でも 1 年に 1 回、定期的に医学教育ユニットと学部評議会はカリキュラムの評価 を行う。その際学生や教員も評価メンバーに含める。 ・ 1 学期に最低 1 回は教員の質の評価を実施する。 ・ 1 学期に最低 1 回は学修過程の評価を実施する。 ・1 学期に最低 1 回はコンピテンシーの到達程度を調べるため、学生の進歩の状況を調 査する。 ・5 年に 1 回は教育の実施・管理者、教員、学生、卒業生、医療サービス当局、社会の 有識者、職業団体を含めた総合的な教育プログラムの評価を実施しなければならない。 8 プログラムの実施と 教育管理 ・医学教育プログラムの実施者として医学部は教育文化省の認可を得ていなければなら ない。 ・医学教育のバックグラウンドがある者が学部或いはプログラムの長となる。 9 継続的な改革 - 出典:KonsilKedokteranIndonesia,2012a により筆者作成。

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大学アドミニストレーション研究 第 7 号(2016年度) を志向していることがわかった。また、アクレディテーションの基準として採用されること を配慮して基準の作成に当たっていることが明らかになった。 ( 5 )インドネシアの高等教育における「アクレディテーション」の導入と展開 インドネシアでは1960年代から90年代まで私立大学の教育プログラムの充実度に応じて 「登録」、「認定」、「同等」というステータスを付与する仕組みにより私立大学の質の確保を 図ってきた。ここで「同等」とは、国立大学と同等という意味で、国立大学が私立大学の目 指すべきモデルという考え方であった(西野2004:107- 8 )。 高等教育のグローバル化が進む中、1980年代後半になると新たな質保証制度の検討が始 まった。私立大学の水準の向上、地方国立大学の増設に伴い、国立大学が私立の到達目標と いうステータス付与の考え方が実態に合わなくなるという面もあった(和氣2015:64)。 1994年に国家高等教育機関アクレディテーション委員会(BAN-PT)が設置された。 BAN-PTは国立及び私立のすべての高等教育機関の評価を責務とする独立した機関と位置 づけられ、1994年~99年には学士課程、1999年には修士課程のアクレディテーションを開始 した。2001年にはディプロマ課程、博士課程の教育プログラムのアクレディテーションを実 施し、2007年には高等教育の機関アクレディテーションが始まった。BAN-PTは設立当初よ り独立した機関とされるが、教育大臣の下にあり、事務局は教育省、予算も国家予算から提 供されるのでその独立性には一定の限界がある。 一方、2003年の「国民教育制度法(2003年法律第20号)」3 )においてアクレディテーショ ンが義務化された。また、2012年の「高等教育法(2012年法律第12号)」4 )ではBAN-PTの 役割を見直し、BAN-PT は高等教育機関単位のアクレディテーションを担当し、教育プロ グラムは「独立アクレディテーション機関(LembagaAkreditasiMandiri:LAM)」が実施 することになった(同法第55条)。 アクレディテーションの実施状況を見ると、2011年時点で6,977の学士課程、749の修士課程、 59の博士課程、1,503のディプロマ課程の各教育プログラムがアクレディテーションを得てい るが、これは全17,128プログラムの54.2%である。また、機関アクレディテーションについ ては3,230機関のうち、2.5%の80機関がアクレディテーションを得ている(BadanAkreditasi NasionalPerguruanTinggi:2014a)。アクレディテーションの義務化は2003年の国民教育 制度法で定められたもののアクレディテーションの実施状況はこの程度にとどまっている。 これについては広大な国土の多数のプログラムでアクレディテーションの遅れは予算の不足 がしばしば話題になるところであるが、今日に至るまで解決されていないのが実情である。 このような中、2012年の「高等教育法(2012年法律第12号)」ではBAN-PTは機関のアク レディテーション、各分野の教育プログラムはそれぞれの分野の独立した機関がアクレディ テーションを行うという考え方が打ち出された。その背景の一つは上記のような認定事業の 遅れを解消するために業務を分担するということがある。

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育については、先述のように医師を中心とするKKIが全国医学部長協議会、医師会、医学 会などと協議しながら定めるという考え方で整理されている。 BAN-PTは2008年末から医師、歯科医師、薬剤師、会計士などの専門職教育のアクレディ テーションに取り組んだが、医学教育のアクレディテーション基準の作成に当たっては、医 学部長協議会(AIPIKI)及び医学評議会(KKI)との連携で進めた。KKIはBAN-PTと連 携して「医学・歯学専門教育プログラム・アクレディテーション委員会(KomisiAkreditasi ProgramPendidikanProfesiKedokterandanKedokteranGigi)」を作り、BAN-PTのアク レディテーションの基準や手順の作成を助けた(BadanAkreditasiNasionalPerguruan Tinggi,2014a)。2011年にアクレディテーションに活用する資料の開発が完了した。 アクレディテーション基準の項目は以下の 7 つですべての教育プログラムに共通となって いる。先述の 9 項目からなる医学教育基準が以下の 7 項目に盛り込まれている(Badan AkreditasiNasionalPerguruanTinggi2014a) 基準 1  ビジョン、ミッション、目的、目標、到達方略 基準 2  ガバナンス、リーダーシップ、管理システム、質保証 基準 3  学生と卒業生 基準 4  人的資源 基準 5  カリキュラム、学習、学問的雰囲気 基準 6  財務、施設・設備、情報システム 基準 7  研究、社会へのサービス/貢献、連携 図 3  医学教育プログラムのアクレディテーション 出典:Undang-UndangRepublikIndonesiaMomor29Tahun2004tentangPraktikKedokteranにより筆者作成。

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大学アドミニストレーション研究 第 7 号(2016年度) アクレディテーションはピアレビューにより実施される。医学教育プログラムの運営につ いて理解のある専門家 3 名~ 4 名が各自で内部評価について審査し、その後、チームで現地 視察を実施する(BadanAkreditasiNasionalPerguruanTinggi2014b)。 まとめ 医学教育の質保証に関して、コア・カリキュラム、医師コンピテンシー、医学教育基準、 アクレディテーションについて検討した。1990年代から BAN-PT により、アクレディテー ションの実施が進み、質保証の体制が徐々に整備される中、医学教育においては2004年の医 師法によりKKIが創設され、医学教育基準や医師コンピテンシー基準の策定が進められて いる。このような中、医学分野のアクレディテーションについては専門職の団体である KKIとBAN-PTが役割分担をしながら連携しつつ取り組んでいることが明らかになった。 また、医学・医療の国際的な通用性が求められる中で、コア・カリキュラムや世界医学教 育連盟(WFME)のグローバルスタンダードへの準拠などインドネシアと日本の共通する 点も明らかになった。 一方、日本とインドネシアの違いとして明らかになったのは、医学教育の基準の策定が KKIという専門職団体を中心に行われていることである。我が国の場合は日本学術会議の提 言においても「既に多くの議論がなされてきたところであるが、大学医学部教育を所管する 文部科学行政と医師国家試験を含む医師教育を所管する厚生労働行政は、一体化して医師教 育に関わる施策を行い、教育環境を整備すべきである」との指摘を受けているところである。 以上のような検討の成果が今後、質保証について検討する際に参考となれば幸いである。 本研究は主に文献資料による考察を行った。必ずしも制度の運用の実態が明らかになったわ けではない。今後の課題としたい。 1 )Undang-UndangRepublikIndonesiaMomor29Tahun2004tentangPraktikKedokteran

2 )Penjelasan atas Undang – Undang Republik Indonesia Momor 29 Tahun 2004 tentang Praktik Kedokteran 3 )Undang-UndangRepublikIndonesiaMomor20Tahun2003tentangSistemPendiikanNasional 4 )Undang-UndangRepublikIndonesiaMomor12Tahun2012tentangPendidikanTinggi 引用(参考)文献 BadanAkreditasiNasionalPerguruanTinggi,2014a,“AkreditasiProgramStudiKedokteranBuku Ⅰ NaskahAkademik,” BadanAkreditasiNasionalPerguruanTinggi,2014b,“AkreditasiProgramStudiKedokteranBuku Ⅱ StandardanProsedur,” DirektoratJenderalPendidikanTinggi,2003,”PendidikanTinggiIndonesiadalamLintasanWaktudan Peristiwa,” KonsilKedokteranIndonesia,“ProfilKKI,”(http://www.kki.go.id/index.php/subMenu/983,2016,9,14)

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KonsilKedokteranIndonesia,2006a,“StandarPendidikanProfesiDokter,” KonsilKedokteranIndonesia,2006b,“StandarKompetensiDokter,” KonsilKedokteranIndonesia,2012a,“StandarPendidikanProfesiDokterIndonesia,” KonsilKedokteranIndonesia,2012b,“StandarKompetensiDokterIndonesia,” モデル・コア・カリキュラム改訂に関する連絡調整委員会・モデル・コア・カリキュラム改訂に関する専門 研究委員会,2011,『医学教育モデル・コア・カリキュラム―教育内容ガイドライン(平成22年度改訂 版)』 日本学術会議基礎医学委員会・臨床医学委員会合同医学教育分科会,2011, 『我が国の医学教育はいかにある べきか』 西野節男,2004.「インドネシア―市場化と国家統一維持の政治的課題」馬越徹編『アジア・オセアニアの高 等教育』玉川大学出版部,101-23. 日本医学教育評価機構,設立の目的と背景(https://www.jacme.or.jp/about/index.php,2016,9,14) 大西弘高・片山亜弥・北村聖,2009,「インドネシアにおける医師の質改善に向けた改革―卒前コアカリキュ ラムの改訂と医師免許制度の変更を通して」『医学教育』40( 4 ):279-84. 和氣太司,2015,『インドネシアの私立大学-発展の仕組みと特徴』弘前大学出版会.

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