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渡邊卓也 ①マスク処理された画像のわいせつ性が認められた事例

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(1)177. 研究会報告. 早稲田大学刑事法学研究会. (判例評釈)インターネット接続業者のサーバコンピュータ内. に記憶・蔵置されたわいせつ画像について. 渡邊卓也 ①マスク処理された画像のわいせつ性が認められた事例. ②わいせつ画像データが刑法175条の「わいせつ図画」に当たるとされた事例. 岡山地裁平成9年12月15日判決(判例時報1641号158頁、判例タイムズ972号 280頁). 1. 事実の概要. 1.被告人両名は、わいせつな図画を不特定多数のインターネット利用者に有 料で閲覧させようと考え、共謀してまたは単独で、女性の性器などを露骨に撮影 したわいせつ画像の性器部分にマスクを付した画像データ多数を、プロバイダの. サーバ・コンピュータの記憶装置(ディスクアレイ)内に記憶・蔵置させた。当. 該画像に付されたマスクは、「エフ・エル・マスク(FLMASK)」と称するマス タ付け外し機能を有する画像処理ソフトを使用すれば容易に取り外すことができ. るものであり、利用者は、電話回線を使用してデータを受信した上、右ソフトを. 使用し、わいせつ画像を復元閲覧することが可能であった。被告人両名は、以上 のような状況を設定し、アクセスしてきた不特定多数の利用者にわいせつ画像を 送信して再生閲覧させた。. 2.弁護人らは各事実についてその外形的事実は認めるものの、①被告人らが サーバ・コンピュータのディスクアレイ内に記憶・蔵置させた画像はいずれもそ. の性器部分がマスク処理され、当該部分が見えないようにされたものであるか ら、わいせっ性はない、②被告人らが送信して記憶・蔵置させたものは情報であ. る画像データであるから、有体物であるべきわいせつ図画は存在せず、従って陳 列行為もないから、わいせつ図画陳列にはあたらない、として無罪を主張した。.

(2) 178. 早法76巻1号(2000). 2. 判決要旨. ①「インターネットでアダルトページにアクセスする者は、ほとんどがエフ・. エル・マスクのソフトを持っており、このソフトを使用すれば、マスクの付け外 しは、その場で、直ちに、容易にできるものであり、被告人らはそのことを知っ. ていたし、被告人らのホームページにアクセスしてくる者はマスクを外して画像 を閲覧することを予想していたものである。…[略1…マスクを外すことが、誰 にでも、その場で、直ちに、容易にできる場合には、その画像はマスクがかけら. れていない画像と同視することができると言うべきであり、この場合の基準とな. る人的範囲はインターネットでアダルトページにアクセスする者とすべきであ る。…[略1…マスク処理が施された画像自体わいせつであると認めることがで きる。」. ②「ここにおいて陳列されたわいせつ図画は、サーバーコンピューターではな く、情報としての画像データであると解するべきである。有体物としてのコンピ. ューターはなんらわいせつ性のない物であり、これをわいせつ物であるというこ. とはあまりにも不自然かつ技巧的である。…[略]…科学技術が飛躍的に進歩 し、刑法制定当時には予想すらできなかった情報通信機器が次々と開発されてい. る今日において、わいせつ図画を含むわいせつ物を有体物に限定する根拠はない. ばかりでなく、情報としてのデータをもわいせつ物の概念に含ませることは、刑 法の解釈としても許されるものと解するべきである。」. 3. 評. 釈. 本判決においては、①復元閲覧が可能であれば性器部分にマスクを付した画像 にわいせつ性が認められるか、②従来有体物と考えられてきたわいせつ図画陳列 罪の客体に情報である画像データを含ませることができるか、という点が論点と. (1). なる。以下、便宜上、②、①の順で各論点ごとに評釈する。. 1. 公然陳列罪の客体について(判旨②の点). (2). (1)175条の客体は有体物に限られると考えるのが判例の主流である。写真等 のわいせつ性が直接的に知覚可能な「物」のみならず、外形が直接的にわいせつ. 性を帯びていなくとも、一定の装置・操作によってわいせつな「情報」が顕現化 され、知覚可能になる「物」、すなわち、情報化体物(ビデオテープ等)も、客体 とされてきた。. 自ら管理運営するパソコン通信のホスト内にわいせつ画像を蔵置したとして、.

(3) 判例評釈(渡邊). 179. 大阪市のBBS運営者がわいせつ物公然陳列の罪に問われた事例では、一審の京. (3). 都地判平9・9・24(判時1638・160)が、画像を容易に顕出させることが出来る ことを理由に、「わいせつ物とは、わいせつ画像が記憶・蔵置されている特定の. 右ハードディスクである」として、画像が蔵置されたハードディスク(HD)と いう有体物をもって、公然陳列罪の客体とした。このような解釈は、学説上も有 (4). (5). 力である。化体物全体に対して情報の占める割合が稀少であるという批判や、物. (6〉. の陳列には陳列された「物自体も認識可能であることも必要」という批判等、. HD等を客体とすることに反対する見解も、陳列罪の客体とは有体物でなければ (7) ならず、情報はこれに含まれない、という点では概ね一致している。. (2)これに対して、本判決は、わいせつ性が認められるのは画像データであ. る、という実態を直視し、HD等の情報化体物(有体物)ではなく、画像情報を わいせつ図画と捉えるという、新しい判断を示した。. 本判決以前にも、保護されるべき法益を侵害しているのはわいせつな内容であ. (8) (9) 「物」の範囲が無限定に拡がる恐れがあるという批判がある。しかし、この見解 ることを理由に、情報を客体と捉える見解が存在した。この見解に対しては、. も媒体との関係を絶たれた単なる「情報」を客体とするのではない。「化体され ている情報」、「電磁化されて、保存されている」わいせつ情報に範囲を限定して. 客体として捉えている。なお、本判決における情報という概念が、学説にいう 「化体されている情報」を指すのか、媒体との関係を絶たれた「情報」そのもの を指すのかは明確ではない。. 本判決は以上のように、これまでの判例の流れと異なる判断であったといえる が、その後追随した判例はない。本判決以後に情報化体物を客体とした事例とし ては次のものがある。まず、インターネットの事例である、大阪地判平11・3・ (10). 19(未掲載)が、画像データは直ちに視認できないが、「これを視認できるよう. に顕在化させることは容易になし得る」から、「右ディスタアレイを『わいせつ. 図画』と解するのが相当である」とした。また、前述の京都地判平9・9・24の (11) 控訴審の大阪高判平11・8・26(判時1692・148)も、HDについて、「規範的な 意味において、同条にいう『図画』の概念に当てはまる」とした(被告人上告)。. 他方、学説においては、本判決以降、現時点では従来の解釈を維持すべきであ るとするが、将来情報自体の販売行為に対する当罰性が高まった場合において、. 「情報ゴそのものを客体とするような立法を示唆し、あるいは解釈の拡張を許容 (12) する見解も増えつつある。. (3)私見も、わいせつ罪の客体は有体物に限られると考える。「図画」や「物」. という文言の中に「情報」を読み込むことは、意味の範囲をこえた解釈であろ う。また、他の条文の解釈への波及効果の危惧も無視できず、「物」の概念につ.

(4) 180. 早法76巻1号(2000). いては、その範囲を限定した統一的把握が行われるべきであると考える。わいせ. つ画像の電脳空間における公開行為は現時点では不可罰であり、「情報」を規制 (13) するためには、それなりの立法的措置が必要であると考える。. 有体物といっても、HDを客体と捉えることは、不適当であると考える。ま ず、前述のように、全体に対するわいせつ情報の量的な問題がある。もちろん、. ビデオテープ等の場合にも、わいせっな場面が極めて短時間である場合もあり得 るので、客体とされるもののどの部分にわいせつ性が認められるのかが特定でき. ない、という問題を、併せて考慮しなければならないだろう。例えば、ビデオテ ープ等については、わいせつ性が認められる部分を物理的な長さを有した実体と して特定することは可能である。たとえ化体物全体に対してわいせつ部分の占め. る量が稀少であったとしても、当該わいせつ部分を特定することが可能であれ ば、わいせつ性のある部分を実体ある有体物として指し示すことができ、そのよ うなわいせつ性を帯びた化体物全体を客体とすることが妥当となるのではないか. と考える。しかし、それに対して、HDの場合には実体としてのわいせつ部分は. 特定できない。HD内のわいせつ画像情報は、あたかも常に一つのまとまりとし. て存在するかのように見せられているが、実際はHD上の位置が頻繁に書き換 えられて存在しており、一つのわいせつ画像情報がHDのある部分にひと繋が りになって記録されているとも限らない。HD全体の中でわいせつ画像情報が記 憶されているセクタ全ての物理的部分を厳密に限定することは困難である。情報 の化体部分を実体としてはっきりと指し示すことができなければ、わいせつ情報 は化体物との一体性を欠き、化体物をわいせつ「物」と呼ぶことが妥当ではなく なるのではないだろうか。. 2. マスク処理した画像のわいせつ性(判旨①の点). (1)WWWにおけるマスタ処理画像については、判例は一貰して、何らかの 理由でマスクの除去の容易性を認め、処理画像と処理されていない画像とを同視 することで処理画像のわいせつ性を認定している。これは、インタで修正したわ いせつ写真に除光液を併せて販売した事例(東京高判昭56・12・17高刑集34・4・. 444)や、未現像の映画フィルムの事例(名古屋高判昭41・3・10判時443・58)に おいて、わいせつ性の顕現化の容易性を問題にしてきた従来の判例の考え方から すると、自然である。容易性の認定は、比較的緩やかであり、マスク処理ソフト. の記憶場所へのリンタの設定又はマスタ処理ソフトの普及度による入手の可能 性・容易性、あるいは、マスタ処理ソフト操作の容易性のいずれかに言及し、有. 罪を導き出している。既に本判決以前に、大阪地判平9・2・17(未掲載)が、 「右マスク付け外しのソフトの入手及び同ソフトを使用すれば右画像に付された. マスクが容易に外せる旨の情報データを、右同様にディスクアレイ内に記憶、蔵.

(5) 判例評釈(渡邊). 181. 置し」た事実を認定し、公然陳列罪を適用している。ここにいう、「情報データ」. とは、FLMASKの開発者のぺ一ジヘのリンクの設定を問題にしているものであ ろう。. (2)本件においては、提供サイトヘのリンタ等はなかったが、本判決は、端的 に操作の容易性、マスク処理ソフトの一般的普及からわいせつ性を認めている。. 前述の大阪地判平9・2・17と比較すると、リンクの設定を必要としていない点 で容易性の認定が緩やかになっているようにも思われるが、リンタの有無もマス. ク処理ソフトの入手可能性・容易性の一つの判断要素に過ぎないと考えれば、何 らかの理由でマスク処理ソフトの入手、操作の容易性があれば、マスタ画像のわ いせつ性を認定できる、という判断を示したものであるといえる。以後の判例も 同様の判断で本判決に続いている。. 前述大阪地判と同様、FLMASKの開発者のぺ一ジにリンクを設定していた、 大阪地判平11・3・19(未掲載)も、わいせつ性の判断に際してリンクを重視し. ている。続いて、大阪地判平11・3・29(未掲載)は、「エフエルマスクが、通 常のインターネット利用者にとってはこれを入手することも操作することも比較 的容易で、現に広く流通しており、マスク画像をダウンロードするのと接着した. 時点でエフエルマスクを用いてマスタを外すことが可能である」と判示し、浦和. 地川越支判平11・9・8(未掲載)は、「右のネガポジ反転処理は、本件画像の 性器部分等に反対色を付けただけの外見上から反転部分の形状等が分かるマスタ. 処理のうちで比較的簡単な処理方法」であり、「わいせつ画像データを購入して ダウンロードする者の間にこれらの画像処理ソフトが広く普及している」と判示. した。いずれもマスク処理ソフトの一般的普及と操作の容易性を問題としてい る。以上のような、マスクの除去の容易性に焦点を当ててきた判例と同様の考え. エの 方を示す見解も多い。. ネットワークを介したわいせつ情報の流布に関して、判例は一貫して公然陳列. 罪を問題としている。これは、わいせつ罪の客体を有体物とするならば、. WWWにおいては客体たるHDの移動がないので、頒布・販売罪を観念できな い以上、公然陳列罪の適用を考えざるを得ないからであろう。本判決はこれまで とは異なり、画像情報を客体と捉える新しい判断を示したが、依然として公然陳. 列罪の適用がなされている。前述のように、本判決が問題としている画像情報 が、物に「化体された情報」なのか、それとも物に依存しない情報自体なのかは 定かではない。前者を客体と捉えているとした場合、化体物ごと移動しない限り. 頒布・販売罪は適用できず、公然陳列罪を適用せざるを得ない。また、後者を客. 体と捉えたとしても、情報の移転ではなく複写が行われているにすぎない(元デ の 一タはサーバ側に残る)ので、頒布・販売罪を適用することは困難である。した.

(6) 182. 早法76巻1号(2000). がって、公然陳列罪を適用したものと考えられる。. 公然陳列罪の既遂要件は、わいせつ物を不特定または多数人の認識しうる状態 におくことである。陳列罪の保護法益は性秩序あるいは性風俗という社会的法益 と考えられているからである。ネットワータを介した陳列の場合にも、データの. 蔵置の時点で既遂に達し、閲覧者が現実に認識したことまでは必要とされないは の. ずである。本件の場合、蔵置段階では、データは未だマスク処理されている状態. である。データを受信した利用者がマスクの除去をして、はじめてわいせっ性が. 顕現化する。利用者の除去行為は既遂後の事情であり、そのような事情までも考 慮して既遂時点での客体のわいせつ性を判断し、陳列罪を適用することが批判さ (17). れる。. これに対しては、何らかの理由で「陳列」を利用者の再生(わいせつ性復元). 閲覧時点まで拡張しようとする見解がある。そうすることにより、利用者の行為 までも含めて蔵置者の公然陳列行為と把握し、マスク処理画像についても規制す. ることが可能となるのである。まず、公然陳列罪を「一種の結果犯」であると解 ラ し、わいせつ図画等を閲覧させた場合に成立する、とする見解がある。通信エラ. ーを考慮すれば、画像データ蔵置行為が直ちに法益侵害を引き起こす行為とはい. えない。そこで、離隔犯的構成をとり、発信者の側の行為は画像データの蔵置で あり、それによってアタセスの可能性を設定するものであったとしても、「その. 行為が陳列行為として刑法的意味を有するのはわいせつ画像が画面上に再生さ. ユ ラ れ、閲覧に供された時点である」とするのである。また、公然陳列罪を抽象的危. 険犯として把握し、蔵置行為に陳列の既遂を求めつつも、「認識可能状態」につ いて空間的拡がりをもたせ、陳列の内容に利用者の再生閲覧まで含ませる見解も (20). 存在する。離隔犯的構成をとる見解の考え方に近いが、アクセスとマスタ除去の 時問的密接性を必要とする点で異なる。. (3)私見は、マスク画像のわいせつ性を否定する。画像処理ソフトの一般的普 及度については概ね肯定できる。しかし、当該ソフトの操作の容易性については. 問題がある。マスク処理の方法は一つではなく、処理の方法を逆に辿らなければ 除去が不可能であり、それは一見して判別できるものではないし、パスワードな (21). どで保護されている場合もある。各事案ごとに容易性を判断するしかないが、結. 局は処理の状況、除去しようとする者の知識・技術にも左右され、一概に処理画 像の復元一般が容易であると言い切ることはできない。. 仮に除去の容易性が充分に認定されたとしても、前述のように、陳列の既遂時 期についての問題が残る。公然陳列罪は、「認識しうる状態」それ自体を社会的 法益に対する危険とする抽象的危険犯であるから、結果の発生の認定を特に考慮 する必要はない。蔵置行為と同時に危険が生じ、既遂に達すると考えるべきであ.

(7) 判例評釈(渡邊). 183. る。逆に言えば、蔵置行為の段階でわいせつ性が顕現化していない場合(マスタ. 処理画像等)は、陳列罪におけるわいせつ物と呼ぶことはできないのである。前. 述のインク処理写真や未現像の映画フィルムの事例において、わいせっ性の顕現 化の容易性のみで客体のわいせつ性が判断されたのは、いずれも販売罪等の客体 についての判断であったからである。公然陳列罪は、陳列とわいせつ性の顕現の 同時性が要求されると考えられ、これらの事例における考え方はそのままでは当 (22) 然には適用できない。. 本判決は、「その場で、直ちに」というような、あたかも閲覧者がサーバ内の データを直接操作できるかのような表現が用いられているが、そのようなことは 不可能である。各利用者がわいせつな画像を閲覧しようとすれば、自らのパソコ ンに当該画像をダウンロードし、マスクの除去が可能なソフトで処理し、その段 階で初めて閲覧が可能である。すなわち、マスク除去のために画像処理ソフトを. 用いて処理されるマスタ画像のデータは、サーバのHD内のデータではなく、. 閲覧利用者のHDの中にあるコピーデータである。マスタが除去されてわいせ っ性が顕現したとしても、もはや公然陳列とは呼べないはずである。陳列罪を適 用するためには、陳列時のわいせつ物からわいせつ性が認識されなければならな いo. では、この問題を解決する方法として、前述の陳列の既遂時期を拡張する解釈 は可能であろうか。まず、利用者の再生閲覧行為の時点まで既遂時期を遅らせる. 見解は、社会法益を侵害する危険を問題にするという陳列罪の性格から、現実の 個々人の法益侵害の認定を不要とせざるを得ないのであるから、とることができ. ない。やはり、法益侵害の危険性が生じた時点は、蔵置行為の時点と考えるのが 妥当であるからである。次に、既遂時期を蔵置時に求めつつ、陳列の内容に利用. 者の再生閲覧まで含ませる見解は、既に完成した犯罪について、しかも、蔵置者 のコントロールを離れた利用者の事後的行為に陳列概念を及ぼすことになり、と. ることができない。時間的密接性を要求するとしても、密接性の区別の基準が不 明確であると考えられるからである。. 4. 結. 語. 以上のように、本件のような事案は刑法175条の解釈で捉えられる範囲をこえ ており、規制が必要ならば、立法的解決をすべきである。それも、行為態様の見 直しまでも含めた大幅な改正が必要であると考える。その場合、この機会にわい. (23). せつ罪全体についての規制根拠の見直しについても行う必要があると考える。.

(8) 184. 早法76巻1号(2000). (1)本判決に関するこれまでの評釈として、山本光英・判例時報1679号(1999年)237頁以下、. 臼木豊・法学教室No.222「判例セレクト. 98」(1999年)33頁、名取俊也・研修596号(1998. 年)21頁以下、吉田統宏・警察学論集第51巻第4号(1998年)169頁以下、松本裕・警察公論 53巻6号(1998年)107頁以下。. (2)判例の動向は、園田寿「わいせっの罪」法学教室No.215(1998年)38頁以下、塩見淳 「狼褻物と狼褻情報」判例タイムズNo.874(1995年)58頁以下参照。. (3). 評釈として、斉藤信宰・判例時報1676号(1999年)205頁以下、園田寿=川口直也・関西. 大学法学論集第48巻2号(1998年)168頁以下。. (4)塩見淳「インターネットとわいせっ犯罪」現代刑事法第1巻第8号(1999年)36頁、川端 博「インターネット画像とわいせつ物陳列罪の客体」研修616号(1999年)10頁、林幹人・刑 法各論(東京大学出版会・1999年)404頁、斉藤・前掲205頁以下、西田典之・刑法各論(弘文 堂・1999年)371頁以下、後藤啓二「コンピュータ・ネットワークにおけるポルノ問題(上)」. ジュリストNo.1144(1998年)110頁、山口厚「コンピュータ・ネットワークと犯罪」ジュリ ストNo.1117(1997年)74頁、浦田啓一・警察公論51巻11号(1996年)119頁等。. (5). 園田寿「サイバーポルノと刑法」法学セミナーNo。501(1996年)6頁、南部篤「電子メ. ディアとわいせつ表現物の刑事規制」法学紀要第40巻別巻(1999年〉86頁。 (6). 臼木・前掲33頁、山本・前掲241頁。. (7). 山本・前掲242頁、原禎嗣「インターネットにおけるわいせつ画像陳列行為処罰の可能性. と限界」北陸法學第7巻第1号(1999年)61頁以下、園田寿「メディアの変貌一わいせつ罪の 新たな局面一」中山研一先生古稀祝賀記念論文集第四巻刑法の諸相(成文堂・1997年)180頁、. 同・前掲法セ7頁。 (8)堀内捷三「インターネットとポルノグラフィー」研修588号(1997年)5頁。賛成、南 部・前掲88頁、前田雅英・刑法各論講義[第3版](東京大学出版会・1999年)411頁。. (9)佐久間修「ネットワータ犯罪におけるわいせつ物の公然陳列」西原春夫先生古稀祝賀論文. 集第3巻(成文堂・1998年〉222頁以下、園田・前掲法学教室40頁、同・平成9年度重要判例 解説(1998年)166頁。 (10). なお、未掲載判例については、園田寿「わいせつの電子的存在について一サイバーポルノ. に関する刑法解釈論一」関西大学法学論集第47巻4号(1997年)10頁以下の他、園田教授のぺ 一ジ(http://w3.scan.orjp/sonoda/)参照。. (11). 園田寿「陳列概念の弛緩一『アルファーネット事件控訴審判決』一」現代刑事法第2巻第3. 号(2000年)10頁以下参照。. (12). 川端・前掲10頁、山本・前掲237頁以下、名取・前掲26頁、山口厚「情報通信ネットワー. クと刑法」岩波講座現代の法6現代社会と刑事法(岩波書店・1998年)109頁、前田雅英「ハ イテタ犯罪の現状と課題」ジュリストNo.1140(1998年)99頁、松本・前掲112頁、野口元 郎・研修581号(1996年)62頁、吉田・前掲173頁以下、渡部淳・法律のひろば45巻10号(1992 年)65頁。. (13). 詳細は、渡邊卓也「電脳空間におけるわいせつ画像情報と刑事規制の客体性」社会科学研. 究科紀要別冊第5号(2000年)224頁以下参照。 (14). 前田・前掲各論411頁、山本・前掲239頁、塩見・前掲現代刑事法40頁、後藤・前掲110頁、. 名取・前掲23頁以下、松本・前掲110頁、吉田・前掲175頁以下。佐久間・前掲225頁以下は、. 解除ソフトが同封されていればよいとし、山中敬一「第3章インターネットとわいせつ罪」高.

(9) 判例評釈(渡邊). 185. 橋和之二松井茂記編・インターネットと法(有斐閣・1999年)80頁は、「マスクを外されるこ とを予定した形態で陳列されているかどうか」が重要であるとする。反対、園田・前掲関西21. 頁以下、小倉秀夫「第5章インターネット法規制のゆくえ〈各論〉」インターネット弁護士協 議会(ILC)編著・インターネット法学案内(日本評論社・1998年)171頁。 (15). 園田・前掲重判166頁、川端・前掲8頁、原・前掲67頁。. (16)塩見・前掲現代刑事法40頁、佐久問・前掲224頁以下。. (17). 園田・前掲現代刑事法17頁以下、同・前掲関西25頁以下、同・前掲重判167頁。パソコン. 通信ホストに蔵置されたわいせつデータ等の場合も、同様の問題が生じるが、前述大阪高判平 11・8・26は、「表示される画像につき同一性が認められる」とした。. (18)堀内・前掲6頁。なお、南部・前掲92頁。山本・前掲241頁以下も同様に捉えるが、客体 性が欠けるので現行法上は不可罰とする。山中・前掲82頁は、「観覧していてもいなくても、 表示した段階」に至って初めて認識可能陛があるとし、マスクを外すことを含めて、「『陳列』. とは、行為者の行為のみによって尽きるものではなく、観覧可能な者の予測しうる補助行為の 介在があってはじめて完結しうる」とする。 (19). (20). 堀内・前掲6頁以下。. 山口・前掲岩波講座111頁以下、同・前掲ジュリスト76頁。それに対して、臼木・前掲33. 頁は、「陳列と頒布・販売が曖昧化せざるをえない」とする。. (21). 画像の加工・復元の様々な方法について、原・前掲63頁以下、園田・前掲関西21頁以下に. 詳しい。. (22). 園田・前掲関西28頁以下。前述の名古屋高判昭41・3・10は「未現像のフィルムをもって. しては公然陳列罪は成立する場合が考えられないことは、いうまでもない」としている。 (23)詳細は、渡邊・前掲225頁以下参照。.

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