長崎大学留学生センター紀要 第
5号
1997年
留学生セ ンターが正式発足
長年の念願であった 「 留学生センター」が
5月
11日 付けで本学に設置 されました。九州大学,熊本大学に 次 ぐ九州地区で
3番 目の施設です。昭和
61年に,本学 独 自の内部努力 ( 施設 と専任教官籍の確保,運営費の 捻出)で 「 外国人留学生指導センタ
ー」が設けられ, 今 日まで 日本語の補講や生活相談などが実施 されてき ました。
今回の 「 留学生セ ンター」は文部省令によって設置 され,専任教官
5名 ( 教養部か らの移籍
2名 を含む) と事務官
1名 ( 留学生課長)が認め られ,運営費 も文 部省か ら支出されます。本センターの設置で,総合的 な留学生サービスの実現への第一歩を踏み出すことが で きました。新センターの発足 を機に,本学における 留学生教育の経緯 と将来展望を整理 してみます。
1
本学における留学生数の現状
本学での留学生数の推移 を表 1に示 した。留学生数 は現在
210名であ り,この
10年間で
3倍 に増加 してい る。また,図 1に部局別の留学生数を示 している。本 学の学部構成の偏 りもあ り,理系の留学生が多い。図
2か ら,アジア地区,特に,中国,韓国か らの留学生 が多いことが分かる。
2
これまでの留学生教育
昭和
60年
10月に日本語 ・日本事情 という正規の科 目 が教養部に開講 され,専任教官が
1名着任 した ( 平成
2年にさらに 1名着任) 。引 き続 き,昭和
61年 に 「 外 国人留学生指導センタ
ー」が学内措置で設置 ( 専任教 官
2名)され,日本語の補講 と生活相談を開始 した。
教養部開講の日本語 ・日本事情 と留学生指導センター 開講の 日本語補講はそれぞれ異なった役割 を果た して きた。以下に,その概略を示す。
[日本語 ・日本事情]
学部か ら入学する留学生 を対象 とした授業科 目であ る。入学以前 に日本語教育を受け, 日本語能力試験 1 級に合格 した留学生に対する日本語 ・日本事情教育で ある。現在,前期週
6コマ,後期週
4コマ,日本事情
1コマ,年間合計1 1コマ,約
320時間の授業が行われてい る。学部留学生は日本人 と全 く同 じ講義 を
1年生か ら 受講する。従って, 日本人学生 と同等の 日本語能力を 身につけなければならない。一方, 日本事情は日本語の 背景 となっている日本の歴史,社会,文化等に関する 事柄 を学ぶ科 目である。現在は日本語 ・日本事情は全 学教育 として位置づけられ,日本事情は各学部の教官 により学部教育‑の入門科 目的な授業が行われている。
117
‑資料
3‑[日本語補講 と生活相談]
大学院留学生や研究生 を対象 とした日本語の補講授 業である。従って,単位は取得できない。 しか し,大 学院生や研究生が学内で 日本語 を初歩か ら系統的に学 ぶことのできる唯一の授業である。この補講では,過
18コマ ( 別に,生活相談
2コマ) ,年 間約
1000時間に 及ぶ授業が行われてきた。このように多 くの授業の開 講には,非常勤講師の協力が不可欠であった。また, 留学生の経済問題,修学問題,対人問題など広範囲に 及ぶ生活相談への対応 も旧留学生指導センターの重要 な役割であったが,この面で も,非常勤講師の尽力は 大 きい。
3
新留学生センターの役割
新センターが果たすべ き必須の役割は次の
4項 目で ある。特に,項 目b
, Cは新セ ンターになって新たに 加わった任務である。
a.
日本語 ・日本事情
授業科 目および担当教官が教養部か ら留学生セ ンターへ移籍 し,全学教育科 目としてセンターが 開講する。
b.
大学院入学前予備教育
新セ ンターで今 回初 めて取 り組 む 日本語教育
(6ケ月修了)である。対象学生 は九州地区国立 大学の大学院へ進学予定の国費留学生であ り,長 崎大学に入学予定の学生 とは限らない。平成
8年 度後期か ら開講 される。
C.
生活指導
授 業 風 景
1 1 8 餐
一資料4‑
従来 も生活相談の形で実施 されて きた。新セ ン ターでは専任の担当教官が配置 され,重要な一分 野 として位置づけ られた。
d.
生活 日本語
従来, 日本語補講の名称で実施 されて きた授業 である。授業内容の重点を初級へ移 し,生活上不 可欠な日本語の教育 を目的 とする。
以上のうち項 目
b, Cについて以下に説明を加える。
[ 大学院入学前予備教育]
本学では,特に理系の留学生が多い。従 って,その 特徴 に応 じた予備教育カリキュラムの準備が進んでい る。具体的には,半期で 日本語能力試験の
3級合格 レ ベルの 日本語能力の養成 を目指 し,講義
420時間
, 4学部 ( 経済,水産,医学,工学)に配置 された留学生 教育専門教官の協力による専門 日本語
60時間,各人の 研究課題 に応 じた自律学習
60時間, さらに ドリル演習
60時間,合計
600時間を確保 し,学習者 の運用能力の 向上がはかれるカリキュラムを準備中である。
[ 生活指導]
留学生が抱 える問題は住宅問題,経済問題,友人間 題,勉学や研究上の問題,健康問題などと多岐にわた る。これ らの問題 に関 し,適切な指導お よび助言を行 岩 芸= ; ; : : こ こ岩 芸== ; =芸 旨 蒜; 三 芳: 芸 話 芸=: 三 〇岩 芸; 三 芳 手 芸 芳=; 岩 旨岩 芸岩 = : :
三〇芸: =芦 ; = 言 ; 旨
料
うことが新セ ンターの重要な任務の一つである。 しか し,世界
30ヶ国
,200人以上の留学生 の期待 と要望 に 答 え,国柄や文化の相違 を考慮 しなが ら適切 な助言 を 行 うことは簡単 なことではない。
4
課蓮 と将来展望
新留学生セ ンターが活動 を開始 した。 しか し,残 さ れた課題 も多い。まず,教官室や講義室などのセンター 施設の整備が重要課題である。現在,平成
9年度の建 設に向けた努力が続けられている。また,教育カリキュ ラムやシラバスの再検討 も進行中である。今後,セン ター内部の運営 システムの改革 と共に各部局 との連携 を組織的に強化する努力が必要である。部局 との連携 強化の具体的試み として,大学院入学前予備教育に学 部配置の留学生教育専門教官による専門日本語教育 を 取 り入れる検討が進んでいる。
留学生セ ンターは留学生に対する日本語教育機関で あると同時に,留学生にとってのよろず相談所である。
生活指導担当教官が
1名 という制約 を克服すべ く,各 学部 より選出の留学生指導主事 と留学生センター教官, 留学生教育専門教官が連携 し,留学生に対する適切な 指導助言が行える体制 を作 りつつある。
( 留学生セ ンター長 ・西田
知照)表
1部局別留学生数推移表 ( 毎年
5月 1日現在)
年 度
部 局 昭和
60 61 62 63平成元
2 3 4 5 6 7 8教 育
7 5 6 6 5 5 ll 8 5 10 10 9経 済
8 12 16 29 35 33 22 20 17 25 31 34医 . 歯
15 20 23 26 35 33 38 46 49 62 66 70薬
2 2 2 5 5 5 6 7 9 12 8 12工 学
6 7 8 10 8 17 20 35 52 52 57 47 水産
23 18 20 24 21 22 21 21 23 26 28 38教 養
01
0 1 2 4 1 11
3 1 0図 1 平成
8年度部局別留学生数
薬
000000
0
0000098765432ー1
留学 生
数(人
)図 2 平成
8年度国別留学生数 (
5月
1日現在)
97総数
210名
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21⊥ーエJ 10 7 7