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留学生の求めていること

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(1)

留学生の求めてい ること

一研 修 コ ース修 了生 イ ン タ ビ ュー調 査報 告一

守山 恵子x ・・永井智香子紫※・桧本久美子 ※・ x ・

1 . は じめ に 2. 調査 の概 要

3. 研 修 コー ス

3‑ 1 研 修 コース全体 の評 価

3‑2 研 修 コースの ク ラス別評価

3‑3 「 専 門の発 表」 につ いて

3‑4 研 修 コース在籍 中の人間関係 3‑ 5 研 修 コース在籍 中 に困 った こ と

3‑6 ま とめ と考察

4 .専 門の研 究 開始 以 降

4‑ 1 日本 語 の勉 強 を続 けてい るか

4‑2 研 修 コース修 了後 日本 語 は どの くらい必 要 か

4‑3 専 門の研 究 が始 まってか ら困 った こ とが あ るか

4‑4 ま とめ と考 察 5 .支援体制

5‑ 1 チ ュー ター につ い て

5‑2 専 門の研 究 で困 った こ とや 聞 きたい こ とが あ る ときは どう してい る か

5‑ 3 日常 生活 で困 った こ とや聞 きたい こ とが あ る と きは どう してい るか

5‑4 ま とめ と考 察 6 .お わ りに

資料

(2)

2 留学生の求めていること

1. は じめ に

長崎大学留学生 セ ンターでは 、1 9 9 6 年の後期 か ら、毎期 、国費研 究留学生 と教 員研修留学生 を主 な対象

1

)に、 日本語 を集 中的 に学 ぶ 日本語研修 コース を開講 して きた

これ まで、研修 コース終了直後 には、研修 コース について のア ンケー ト調査 を行 って研修 コースの改善 に役立 てて きたが、修 了生 のそ の後 の状況 については必 ず しも充分 に把握 していなか った。大学 院での専 門 の研 究 をは じめて しば ら くたった学生 たちが、現在 、研 修 コース を どう評価 しているのか、 日本語使 用状況 は どうなのか、 どんな問題 を抱 えているのか、

どう困難 を克服 して きたのか、新 たな環境 に どう適応 して きたのか等 を詳 し く知 る こ とが 、研修 コースの一層 の改善のため に も、学 生へ の指導相談 を充 実 させ るために も重要である と考 えた。

研修 コース修 了生 を対象 とした調査 は、他 大学 の留学生 セ ンターで も行 わ れてお り、報告書 も出 されている

2

) 。 しか し、それ らのほ とん どはアンケー ト 調査 である

研 修 コースで学ぶ学生 たちは、来 日直後 か らか な りの時間 を留 学生 セ ンターで過 ごす こ ともあ って、教 官や事務官 との間 に親密 な信頼 関係 が成立 す るこ とが多い。 そ こで、 イ ンタビュー調査 であればア ンケー ト調査 では隠れて しまう細 か なニ ュア ンスや、質問者が意図 しなか った ような答 え が得 られる と考 えた。今後 のセ ンターの コース を考 える うえに も、指導相談 部 門の充実 を図 る うえに も、 また、学生 たち をさらにサ ポー トし、様 々な問 題へ の対応 を考 える うえに もイ ンタビュー調査 が有効 で あ る と思 われたので ある

現在第 8 期が開講 中であるが、第 1 0 期 とい う節 目を前 にまた、第1 期研 修 コース修了生が帰 国 し埠め る前 に、 イ ンタビュー調査 を始め る こ とが必 要

である と考 えた。

2. 調査の概要

「 研修 コース 」 専 門の研 究「日常生活 支援体制」の四つ をインタビュ ー調査 の柱 と した。 インタビュー調査 項 目を決定す るに当た っては、他大学 のア ンケー ト調査 を参考 に しなが ら筆者 らで話 し合 い、予備調査 項 目を選択 した

2 名 に対 して予備調査 を行 い、予備調査 の結果 をふ まえて修正 し、最 終的 に調査項 目を決定 した。 ( 資料 1)

調査 時期 は 1 9 9 9 年 2 月 〜2 0 0 0 年 3 月で、調査場所 は落 ち着 いて話せ る教 官

研究室 、学生 の部屋 な どを使 った。対象者 は研 修 コース修 了生 の第 1 期生 か

(3)

ら第 4 期生 の 2 6 名3 )である

インタビューは、筆者 ら 3 名で行 った。 1 名が インタビューを、 もう 1名が 記録 を した。残 りの 1 名 は聞 きもらしな どが ないか をチ ェ ック した。 また、す べ ての インタビューは学生の承諾 を得 て、テープに録音 した。インタビューは、

一人 につ き約 1 時間か ら1時間半かか った。最初 にインタビューの 目的 を説明 し、

日本語の能力 を確 かめた り判定す るためではないので、 日本語で も英語で も答 えやすい方で答 える よう伝 えた。質問は、基本的 に 日本語 で行 った。意味が分 か らない場合 は言い方 を変 えて説明 し、それで も不十分 な場合 にのみ英語 を使 用す ることとしたが、質問 に英語 を使用 しなければな らなか った ことはほ とん どなか った。 ほ とん ど英語で答 えた学生が 1名いたが、それ以外 の学生 は不十 分 な点 を英語で補 った程度であ った。

以下 に 「 研修 コース 」 「 専 門の研 究開始以降 」 「 支援体制」 の三つの観点か ら イ ンタビュー調査 の結 果 を報告 す る。 ( 学生 の回答 を引用す る場合 は、文法 の 間違 いや言葉 の重 な りな どは訂正 した。 また、 ( )のローマ数字 は期 を表 し、

日本語既習者 の場合 のみ 「 既習」 とした)

3. 研修 コ ース

研 修 コースについての質問 を通 して、研修 コース全体 と、それぞれの クラス を学生 に振 り返 って もらった。 ( 各期 の スケ ジュールは資料 2 )す ぐには研修 コース時代 の ことをは っ きりと思 い出せ ない学生 には、思 い出す きっかけにす るため に、研修 コース に どんな クラスがあ ったか を調査者側 か ら示 した。学生 たちは、約 1 時間 とい う長時間 にわたる インタビュー調査 に も関わ らず積極 的 に応 じ、大変協力的であった。

3‑ 1 研修 コー ス全体の評価 3‑ 1‑ 1 全体 の印象

全体の印象 として 「よか った」 と答 えた学生 は 2 6 名の うち 8 名であ った。 し

か し、 これ らの学生 も質問 を重 ねるうちに、ゆっ くり思い出 しなが ら、それぞ

れの クラス につ いて意見 を述べ てお り、「よか った」 一言 で終 わっているわけ

ではない。 また、残 りの 1 8 名の学生 は全体的な評価 には言及せず に、個別の ク

ラスについての意見 を述べ てい る

(4)

4 留学生の求めていること

3‑1‑2 研修 コースの期間につい て

長崎大学留学生セ ンターでは研修 コースは 1 5 週 ない しは 1 6 週で行 って きた。

その期間については、 5 名の学生が言及 している

4 名が 「もう少 し長い方が いい」 (Ⅳ) と考えてい る

具体的 には 、「 2 0 週 ぐらいの方がいい」 (Ⅳ) とい う意見があった。 また、 4 名の うちの 1 名は 「 期 間を長 くして一 日の クラス数 を減 らし、専 門の研 究 と平行 して 日本語 を学習 したい」 ( Ⅳ) と答 えた。 また

「日本語 と研究室での研 究が同時の方がいい。教室で習 った ことを研究室で試 す ことがで きる

本当の 日本語 に触れることがで きる。 インテ ンシブコースは もっ とリラックス したか った」 (Ⅳ) とい う意見があった。 この意見 は 「日本 語の クラスの進度が速す ぎた」 とい う意見 につなが る

日本語の学習が来 日の 本来の目的ではないのに 日本語学習ばか りさせ られている と感 じ、「日本語学 習のス トレスが大 きす ぎた」 (Ⅳ) と言 う学生 もいた。「 研修 コースの期 間はち

ょうどよかった」 と答 えた学生 に理由をきいてみる と 「 専門の研究 には 日本語 が必要ではな く、早 く専 門の研究 に集中 したいか ら、この くらいの期 間がち ょ

うどよかった」 ( Ⅳ) という答 えがかえって きた。

3‑2 研修 コースのクラス別評価

3‑2‑1 主教材 『 新 日本 帯の基礎 』を使 うクラス4 )

研修 コースのなかで、最 も時間数 も多いこのクラスについては、肯定的な意 見がほ とん どであった。具体的 には、次の ような意見があった。

「 先生たちは簡単 な言葉で教 えて くれた。教 え方が よかった 」 ( Ⅰ )

「 ( 研修 コースのあ と) 日本語 を使 った とき、いい コースだ と思 った。 コー スの途中では、 レベルがわか らなかった。あ とで、実際 に使 った とき、い いコースだ と思 った 」 (Ⅱ)

「 先生たちは上手 に教 える 」 (Ⅱ)

「日本語のパ ター ン、使い方 をいろいろな先生 に教 えて もらった」 ( Ⅲ)

「インテ ンシブコースは大切で、 これがなかった ら、 日本語はで きるように ならなかった 」( Ⅳ)

しか し、「 専 門の 日本語 については十分ではなか った。専門は自分でがんば らな くてはな らない。6 ケ月は基礎的 日本語だけ しかで きないか ら仕方がない」

( Ⅱ) と専門 日本語の必要性 にふれた学生 もいた。

日本語 クラスの進度 について言及 した学生は 4 名 だが、いずれ も 「 速す ぎた」

(5)

と感 じている

この 4 名の うち、ゼ ロス ター トだった 3 名 は、 4 月か ら 9 月に 在籍 した学生であ る。いつの期で も、在籍中か ら 「 速い」 と言 う学生がいるが、

特 に 4 月か ら 9 月 ( 前期) に研修 コースで学ぶ学生は、 ゴールデ ンウ イークは ある ものの、そのあ と 、7 月末 まで ま とまった休みが な く、消化不 良 を起 こ し やすいのか もしれない。ある前期在籍の学生 は 「まんなか ぐらいに休みがある と ‑・ 」 (Ⅱ) と述べ た。 しか し、後期在籍の学生で 「間 に休 みがあ って よ くな かった」 ( Ⅲ) と言 った学生 もいた。

3‑2‑2 主教 材以外の クラス

今 回 インタビューの対象 とした 1 期 か ら 4 期 の学生は F 新 日本語の基礎』 を 使 うクラス以外 に 「日本語演習 Ⅰ 」 (日本人学生 との会話の クラスで 2 期 よ り

開始) L r , ' 、「日本語演習 Ⅲ 」 ( サバ イバ ル 日本語の クラスで 4 期 よ り開始)、「 作 文の クラス」、「漢字の クラス」、「スポーツのクラス 」 (1 期、 2 期 のみ)「コン

ピュー タのクラス」、「日本 の伝統文化の クラス」(日本舞踊、華道、着物 な ど)、

「日本 の社 会 と文化」 ( 英語で行 われるクラスで 、 1 期か ら 4 期 まで開講)の クラ スを受 けていた。

「もっと会話 の練習 を したかった」 と 1 1 名の学生が指摘 した。「日本語演習 I 」

は 日本 人学生 と会話 をする クラスだが、 この クラスについて 「 会話の クラスが よか った」 とした学生がいた反面、「日本 人学生 と話すのでは、 なか なか間違 えを直 して もらえない。分か らない ことを説明 して もらえない。先生 と授業の 中で会話の練習が したい」 ( Ⅲ)な どとい う意見があった。

4 期 か ら 「日本語演習 Ⅲ」 としてサバ イバル 日本語や生活漢字 を教 えるクラ スを開講 してい るが 、4 期以前 の学生か ら生活 に密着 した知識が もっ とは しか った とい う意見があった。た とえば、次の ような ものである

「 手紙 の書 き方 を教 えるクラス とか、いろいろなフォーマ ッ トに記 入す るた めの クラス とか、あるいは " 生協半額"、"一割引" な どとい う生活 に役立 つ情報 を教 えて くれるクラスがあればいい 」 (Ⅰ)

「 旅行 に行 った とき、駅のサ インは全部漢字でわか らない。生活の漢字 を し てほ しい 」 (Ⅱ)

「 漢字 クラス」 については、専 門の研究 を始めてか ら漢字で苦労 しているた

めか 「もっ とた くさんの漢字 を勉 強 したか った」 とい う意見が 目立 った。 「 研

修 コースのあ とも続 けて漢字 を勉 強 したい」 (Ⅲ) とい う意見か らは補講 コ‑

(6)

6 留学生の求めていること

スに中級 レベ ルの漢字 クラスが必要 なことが うかが える

一方で、「 専 門の漢 字 は 日本人 も読めない ことがある

留学生は本当にマス ターで きるのか」 (Ⅲ)

と漢字の学習 を疑問視 している学生 もいた。

「コンピュータのクラス」 を不要 とした ものは 1 0名 に上 った。 日本語だけで 説明する 「コンピュータのクラス」 は理解で きない と欠席す る学生が少 な くな かった。 また、多 くの学生 にとっては、「ワー ドとかエ クセルは もう知 ってい た」 ( Ⅳ)「 基礎 はみんな知 っていた」 ( Ⅲ、既習) と内容 にも不満があった よ うだ。

よかったクラス として特 に 「 着物 」 「 踊 り 」 「 生け花 」 「 書道」 な どの 「日本 の伝統文化のクラス」 をあげた学生が 5 名いた。 このクラスについては次の よ

うな意見があった。

「 文化のクラスはよかった。で も、場所が変わった方がいい。雰囲気 も大切」

(Ⅱ)

「スポーツ、着物 、生 け花 な ど もリラ ックスす る時 間で、楽 しみ だった 」

( Ⅲ)

「もっと文化の勉強 したかった」 (Ⅱ)

「もっとは しいのは伝統文化のクラス、 専門になってか らはチ ャンスがない」

( Ⅳ、既 習 )

英語で行 われた 「日本 の社会 と文化の クラス 」 の評価 は両極端である。「お もしろい トピックがあった。英語で話 したか ら本当に言いたい こ とが言えた」

( Ⅱ) とい う意見があった反面、「 文化のクラスは知識だけの ことが多い 」(Ⅱ) と不要だ とした学生 もいた。当然の ことなが ら英語が不得意な学生 は評価 して いない。

「スポーツのクラス 」 であるが、「スポーツの クラスは役 に立 たない と思 っ たけ ど、健康 のため によか った」 (Ⅲ) な どと評価 を した学生 も 2 名いたが、

「スポーツのクラスは どうしてあったのかわか らない」 (Ⅱ)などと3名が不要 とした。不要であると指摘 した学生 は多 くはないが、実際には 「スポーツの ク ラス」 も欠席が多かった。

この ようなクラスがあれば と指摘 された もの として、発音のクラス と専門に 密着 した クラスがあ った。「 水産関係 の もの を読 む クラスが あれば よか った」

(Ⅰ) 「 専門の言葉 を勉強 したかった 」( Ⅳ) などとい う声があった。

(7)

3‑ 3 「専門の 発表」 につい て

第 1 期か ら研修 コース修了時 に、すべ ての学生が 自分の専 門について短 いス ピーチ をする 「 専 門の発表」を行 っている 。2 6 名中 21 名の学生が 「 役 に立 った 」

あるい は 「 いい経験 になった 」 と積極 的に評価 している

具体的には次 の よう な意見があった。

「 大学院にはい るときのテス トに役 に立 った 」 (Ⅰ)

「 授 業の時何度 も発表 しなければな らない。それに役 に立 った 」 (Ⅰ)

「日本語 と専 門のことをは じめてあわせ る ときだったか ら、 よかった 」 (Ⅱ)

「 便利。何 を していますか と聞かれた とき、発表 と同 じことを言 った 」 (Ⅱ)

「 い ろいろな言葉があ とで役 に立 った 」 (])

「 今、研究室 でゼ ミで発表す ることがある

その とき 「 専門の発表」のス タ イルを使 う 」 ( Ⅱ)

「 マス ターの試験 は 日本語だったか ら、その面接 にもテス トに も 「 専 門の発 表 」 が役 に立 った 」 (Ⅱ)

「いろいろな専 門の言葉 、文法、 とて も役 に立 った 」 (Ⅲ)

「 い ろいろなパ ター ンとかや りかたが役 に立 った」 ( Ⅲ)

「自信 になった。 日本の学生 に説明す る時役 に立つ」 ( Ⅲ)

「 発表の時の専 門の言葉 は今で も覚 えている 」 ( Ⅲ)

「 質問が よか った。練習 になった」 ( Ⅲ)

「 専 門の先生 と情報交換 がで きた 」( Ⅳ)

「日本語の文章 の作 り方が分か り始めた」 ( Ⅳ)

この ように 「 「 専 門の発表」が 自信 になった 」 「 専門の語嚢 を覚 えたのが役 に 立 っている 」 発 表の仕方 を学 んだ」 さらに 「その準備 を きっかけに専 門の先 生 とのや りとりが深 まった」 などの肯定的な意見が多い。実際 に準備する時間 は 2‑ 3 日しか ないが、 日本語の クラスで落 ち込 んでいた学生が 自信 を取 り戻 すいいチ ャンスに もなっているようだ。多 くの学生が 自分の ことばか りでな く、

クラス メイ トの発表の内容や準備期 間、発表当 日の ことをよ く覚 えている

数は少 なかったが 5 名の学生が 「あ ま り役 に立 たなかった」 としている

た とえば、次の ように語 った。

「 忘 れて しまった」 ( Ⅲ)

「ご く基礎 的 な こ とだけ につい て発表 したのであ ま り役 に立 って十、ない」

( Ⅲ)

(8)

留学生の求めていること

「 今の研 究では全 く使 っていない。研 究の こ とは全部英語で している 」 ( Ⅲ)

「 覚 え られな くて読 んだ。あ とで、全部忘れた 」 (Ⅳ)

3‑4 研修 コー ス在籍中の人間関係

すべての学生が大変肯定的 に、いい人間関係 を築 くこ とがで きた とこたえて いる。研修 コース受講時 には、一緒 にテス トの勉 強 を した り、遊 んだ り、外 出 した りした学生 も少 な くない。「 毎 日会 っていて、 ( 同 じ苦労 を したので)同 じ 気持 ちだった 」 (Ⅱ) また、研修 コース を終了 したあ とも、「 友だち 」 である と い う意識 を強 く持 っているこ とが伺 える

進学 した大学が違 って もよ く会 って いる学生がいた り、専 門分野が近い学生 の研究室 をたず ねあった り、 メールで 連絡 を取 った り、電話 を した りする学生 もいて、「 兄弟の ような気がす る」( Ⅲ)

と言 った学生 もいる

困 った ときにお金 を借 りたの も同期 の学生だ った り、今 で も買い物 に一緒 に行 く学生や、引 っ越 しを手伝 って もらった学生 もいる

必 ず しもよ く連絡 を取 り合 った り、会 った りしてい る とは限 らないが 、「 会 った らうれ しい 」( Ⅳ) 「あ った らた くさん話す」 (Ⅲ) とい う言葉 によ く表れてい るように、研修 コース受講時の人間関係 がその後の留学生活の精神 的な助 けに

もなっている ようだ。

3‑5 研修 コース在籍中 に困 ったこ と

「ホームシ ック」 と答 えた ものが 1 3 名いた。それ をどう乗 り越 えたのか を聞 いてみる と 、 「1 ケ月 ぐらい してか らよ くなった 」 ( Ⅲ) 「 時々あるけ ど慣 れた 」

( Ⅰ)な どと、時が解決 した と答 えた ものや、時が解決す るの を じっ と待 った 学生 もいた。 また、ホームシ ックを忘 れるため に勉強や スポーツを した と答 え た学生 もいた。 さらに 「同 じ国の友 だちや先生 と話 をした 」 (I) 「 先生 に相談

して助 けて もらった 」 (Ⅱ) 「 友 だちがいたか らだい じょうぶだった 」 (Ⅱ) 「ホ ームステ イに行 った 」 (Ⅱ) と身近 にい る人に支 えて もらった り、電話や メー ルで国の家族や友だち と話す ことで乗 り越えた学生 も多い ことがわか った。

研修 コース在籍中には大 きな問題 となるような困 った ことはなか った とした 学生がほ とん どだった。セ ンターで事務 の人に も教官 に も十分サポー トして も らった と 1 1名の学生が答 えている

しか し、研修 コース を修了 して研究生や大 学院生 になった途端、それまで受 けていた助 けが受 け られな くな り、そのギ ャ

ップにかえって とまどった と語 った学生が 3 名いた。 3 名 とも研修 コース終了

(9)

後他大学 に移 った学生であった。

3‑6 まとめと考察

学生 たちの評価 と要望 をまとめてみると、以下の ようなことがわかる

研修 コースの期 間については、 もう少 し長 くしてほ しい とい う声が多か っ た と言 える

ただ し、 この程度 で ち ょうどよか った とい う声 もあ った こ とか ら、学生 のニーズ に合 わせ て、選択 で きる ようであれば さらに よい と思 われ る

日本 語の コースについては、おお むね肯定的 な評価 であ った。 ゼロス ター トの学生 ほ ど、 自分の進歩 をはっ き りと感 じる ことがで きたの だろ う

進度 が速 い と感 じられ、それがス トレス になっている学生 もお り、「 専 門の研 究 を 始め る前 に、 もう少 しリラ ックス したか った」 とした学生 もいた。「 専 門の研 究 を同時 に始めたい」 とした学生 もいたが、 日本語 の学習だけ を してい る と

「自分がバ カになった ように感 じる」 ことがあ り、専 門の研究 を始めれば プラ イ ドを取 り戻せ る ように感 じ、時 間的 には忙 しくて も、その こ とが助 けにな る と思 うのか も しれない。 また、教室 の中の 日本語 だけでは、本 当の 日本語 ではない と感 じている学生 もいた。研 究室 な どで 日本 人学生 との間で普通 に 使 われている 日本語 と教 室 で習 った 日本語 の間にギ ャ ップを感 じたのか もし れない。「 会話 の練習 を十分 に したか った」 と言 う学生が多か ったの も、実際 の場面 で少 しで もスムーズ に 日本語 で会話 を したい とい う願 いがあるの だろ

漢字 については、学生 の専 門に よって必 要性 が違 うが、わず かの漢字 を学 ぶ だけでは実際 の役 に立 たない と感 じてい る学生が多 か った。多 くの学生が 指摘 した 「コンピュー タの クラス」 については、 日本 人学生対象 の初心者 向

けクラス とほぼ同 じ内容の クラスだったため、不満 も多かった と思 われる

「日本 の伝統文化 の クラス」 については、学生の評価がは っ き りと分 かれ た

評価 してい る学生 の中には、 これ らの クラス をさらに充実 させ るこ とを 望 んでいる学生 もいた。 しか し一方 で、ほ とん ど評価 していない学生 もお り、

研修 コースの中での扱 い を十分検討す る必 要があろ う 。 「日本 の社会 と文化 の クラス」 について も同 じことが言える

「スポーツの クラス」 は、学部学生 な らい ざ知 らず、研修 コースの学生 に

は不要 だ とい うことが は っ きりした。学生 は時 間が あ る ときに、それぞれ 自

(10)

1 0 留学生の求めていること

分の好 きなことを仲 間を見つけて しているようだ。

「 専 門の発表」 は、研修 コースの締 め くくりとして、研修 コース と専 門の研 究の橋渡 しとして、 また、学生の 自信 回復のために も役 に立 ってい ることが わ か った。 「 専 門の発表」 と 「 読解作文 」 の時 間に書いた作文 を冊子 に し、研 修 コースの 目に見 える形での成果 として残 している

この ことに触 れた学生 はい なかったが、 自分が 日本語で書いた ものが冊子 になっているのを目に し、手 に した ときの学生たちの うれ しそ うな表情 を思 い浮かべ る と、 これ もまた、意味 があることだ と感 じている

学生たちは ときにホーム シ ックになった り、学習不振 に悩 んだ り、 さまざま な問題 をかか えた りする場合 もある

研修 コース在籍中は、教職員か らもクラ ス メイ トか らも十分 なサポー トを受 け、大 きな問題 な く乗 り越 えて きている こ

とが伺 えた。

来 日当初の不安 な どを最小 限に しようと、留学生セ ンターの事務官、教官が 親身に世話 をす る と、それが当た り前 にな り、セ ンター を離れた ときに学生 を か えって とまどわせ ることになることがあることもわか った。留学生セ ンター で研修 コース を終了 したあ とも長崎大学で研 究生活 を送 る学生は、他 の人 に相 談 で きなか った り、相談す る相手がいない と留学生セ ンターへ相談 に来 るが、

他大学 に移 った学生 は、 よ く知 った相談で きる人がお らず、余計 にギ ャップを 感 じるのだろ う

しか し、今後 は、佐賀大学 に留学生セ ンターがで き、研修 コ ースに他大学進学者が配属 される可能性が減 るため、終了後の独 り立 ちをこと さら心配す る必要 もな くなるか もしれない。

研修 コースは、 これまで改善 を続 けて きてお り、 この インタビュー調査 で明 らかになった学生 たちの希望 に添 った形での改善がすで になされていることも 多い。

研修 コースの期 間については、夏期 、春期 の全学の学生 を対象 とした特別補 講 コース ( 3 週 間) を研修 コース終 了直後 に続 けて開講 している

1 コマ 9 0 分 の クラスを週 に 6コマ程度であるが、 日本語の学習 を続 けたい学生 は続 け られ るシステムがで きている。補講 コース ( 全学の留学生対象)のクラスの程度 も、

研修 コース修 了生が続 けて学ぶの に適 当な レベ ルの クラスが開講 されてお り、

研修 コースが短い と感 じる学生のニーズに応 えている

また、前期 に在籍す る学生 たちの中に、「 真 ん中 ぐらい に休みが ある と」 と

い う意見があ った。休み にはな らないが、以前 は コース終了直後 に行 っていた

(11)

一泊二 日の研修旅行 を、気分転換 とクラスの親睦のため に、学期 の中程 で金曜 日か ら土曜 日にかけて実施 している

日本語学習 と研究の両立 とい う点 については、長崎大学へ進学する学生の場 合、指導教官の考 え方 によっては同時 に研究 を始める事例 もあ ったが、学生 も 指摘 していた ように、一 日の 日本語学習の時間 を減 らさなければ、両立 はなか

なか難 しい と思 われる

留学生セ ンター としては、研修 コースの期間は 日本語 学習 に集中す る よう指導 し、指導教官 に も理解 を求めている

「日本語演 習 I 」 での 日本人学生 との会話 も、毎期改善が続 け られてお り、

また、ほ とん どの学生 は会話パ ー トナー (5‑ 4参照) を得 て、個人 レベルで クラス外で会話の練習 を続 けている

「日本語演習 Ⅲ 」では、生活 に密着 したす ぐに役 に立つ 日本語 を扱 ってお り、

この クラスの充実が毎 日の生活での学生の とまどいや不安解消 に も役 に立つの ではないか と思 われる。 この クラス も、学生の必要 に添 って扱 う内容 な どを期

ご とに見直 している

「 漢字 クラス」 は、 4 期 日か ら独立 した漢字 クラス とな り、研修 コース修了 後 の 自学 も視野 に入れた漢字指導がな されている

G)

。全学 を対象 とした クラス の中 には、研修 コース終了後続 けて漢字 を学ぶ ことがで きるクラスはないが、

留学生それぞれが 自学で きるように指導す ることで、専門に応 じて必 要 な漢字 学習 を続けて くれれば と考 えている

また、 どの程度 まで を研修 コースで扱 う べ きか、扱 えるかは簡単 には言 えないが、現在 は約 3 0 0 字 を研修 コース中に学 習 している

「コンピュー タの クラス」 も大幅 に改善 され、留学生セ ンター内部 の コンピ ュー タ室が充実 した第 6 期以降、 日本語の学習 と研修 コース終了時の 「 専 門の 発表」 に焦点 を当てた 「コンピュー タの クラス 」( 「日本語演習 Ⅲ」 ) が留学生 セ ンター専任教官 によって開講 されている

この ことによって、学生か ら不満 を聞か されることがほ とん どな くなった。

道 を二 回行 っている。「 伝統文化の クラス」 は研修 コースの主 目的か らははず

れる し、学生の評価 もはっきりと分かれることか ら、 さらに学 びたい学生 に対

しては学外 の クラスな どの情報 を提供す ることがで きれば、十分 だ と考 えてい

また、英語で行われていた 「日本の社会 と文化 」 の クラス も学生 の評価が

はっきりと分かれたこともあ り、現在 は行 われていない。

(12)

7 2 留学生の求めていること

第 1 期か ら第 4 期 日までの学生 にインタビュー した結果、留学生セ ンター立 ち上げ当時は、設備の面で もカリキュラムの面で も手探 りで、学生 たちの不満 を十分解消で きなかった面 もあったことがわかる

しか し、現在 に至 るまで、

学期毎 に研修 コース全体 を改善することに力 を注いで きた結果、指摘 された こ との多 くはすでに改善 されてお り、 これまでの改善の方向はおおむね正 しか っ た と言 えるだろう

今後 は、特 に、異 なった要求 を持 った多用 な留学生 に対 し て、個別 に対応する場合 のシステム作 りを考 える必要があろう

学生の回答か らも明 らかなように、学生の要求は専 門によって、 日本語 に対す る考 え方 に よ って、学習者個人の 日本語能力 によって、育 った文化 によって、性格 によって、

様 々である

これまでは個 々の学生の問題 には教官がその場その場 で個人的 に 対応 して きたが、学習カウンセ リング面で も指導相談面で も個別 に対応する場 合の ノウハ ウを蓄積 し、 システム を作 ってい くことが今後の課題 だ と思 われ る

4. 専門の研究開始以降

4‑1 日本帝の勉強を続 けているか

今 回インタビューを試みた 2 6 名の うち現在 日本語の勉強 を 「していない 」 あ るいは 「 あま りしていない 」 と答 えた ものは 1 2 名である

お よそ半数が 日本語 の勉強 をしていないことになる。その理由 としては 「 時間がない」 というもの が大半 を占めるが、次の ような回答 もあった。

「日本語の勉強が好 きですか ときかれた らそれは好 きではない。私は実際の 場面でそ こにいる人間 と接するのが好 き。た とえば、 日本語の クラス とい う作 られた場での学習には興味がない。だか ら、セ ンターで開講 されてい るコースが受け られるとわかっていて も受けない。毎 日の研究室での実際 の生 きた会話が勉強 になるか ら 」( Ⅳ)

この学生はインタビューのあいだ、教室の中での 日本語 と教室外 での 日本語 の差 にとまどい続けていた と何度 も訴 えた。

4‑1‑1 自分 で日本語 の勉強を続 けている

「 専 門の研究が始 まる と忙 しいので 日本語の勉強 をす る時間が ない」 とい う

ものが多いことはある程度予想がついたが、「自分で 日本語の勉 強 を続 けてい

る 」 という者が 8 名いた。当然の ことなが ら自分で辞書 をひいた り、研究室の

(13)

日本 人 に闘いた りしなが ら専 門の言葉や漢字 を勉 強 してい る とい う ものが多 い。それぞれ工夫 して勉強 していることが次の ような回答か ら伺 える

「いろいろな方法で、 自分で勉強 している

テ レビ見た り、友達 と話す。新 しい言葉 をローマ字でメモ して辞書引 いた り、 日本人 に きいた りする

文 法 は前 の教科書や ノー トをチ ェ ックす る 。 F 新 日本語の基礎 の最後 の ま

とめの部分 をコピー して参照、復習 している

日本のテ レビ ドラマ を見 な が ら夕食 を作 る 」 ( Ⅳ)

F バ イオテクノロジーの漢字』で勉強 している 」 (Ⅱ)

「コ ー ス に 入 っ て 続 け て い な い が 、 自 分 で 勉 強 を 続 け て い る

F KANJ I KANA』 な どを使 っている

それか ら専 門の雑誌 Fトラ ンジス タ ー入門』 を自分のために翻訳 してみた りしている」 ( Ⅳ)

「 専 門の本読 んだ り、新聞 の記事 を読 んだ りしている

わか らない ときは F日本語文型辞典 』 をみている 」 ( 既 習)

また、 日本語能力試験 を受 けてみた とい う者が 2 名いた。 た とえば次の よう な答 えである

「日本語能力試験 を受 けた。 2年前 3級 の試験 はだめだった。 リスニ ングは よか ったが漢字が だめだった。去年 もう一回 3 級 に トライ したけ ど、結果 はまだ分か らない 」 (Ⅱ)

4‑1‑2 補講 コースで 日本語の勉 強 を続けて いる

セ ンターで開講 している補講 コースで 日本語の勉 強 を続 けている とい うもの は意外 に少 な く 4 名であった ( 佐賀大学‑行 った学生は佐賀大学で開講 されて いる 日本語の コース)。しか しなが ら「 実験 のス トレスか らの開放 になる 」( ])、

「 専 門の勉 強か ら離れて リラ ックスで きる」 ( Ⅳ) とい う言葉 か らもわかるよう に補講 コースを受講す ることには気分転換 とい う効果 もある ようだ。

4‑2 研修 コー ス終了後 日本語はどの ぐらい必 要か

ほ とん どの者が 「 修士論文、 または博士論文 は英語で書 く」 と述べ ている。

しか し、学位論文 を英語で書 くか らといって 日本語の必要性 が低 い とは言 えな

い。 イ ンタビュー よ り日本語 と格闘 して いる さまざまな姿 が浮 き彫 りにな っ

た。

(14)

1 4 留学生の求めていること

4‑2‑1 指導教官 との会話

「 指導教官 とは 日本語 だけ、あるいはほ とんど日本語で話す」 という者は 1 4 名 と全体の約半分である

残 りの者 は英語で話す ことが多い との ことである

また、指導教官以外の人たち、つ ま り、 日本 人の院生、学部生、 との会話 とな る と 2 6 名の うち 2 3 名が 「日本語で話す」 と答 えた。ただ、「ある院生 は英語 を 話 したい らしいので仕方 な く英語で話す 」 (Ⅰ) とい う言葉か らわかるように 留学生 を英語の練習相手 としている 日本人 もいるようである

4‑2‑2 授業 、発表、 レポー トで使われ る青葉

博士課程で授業がない と答 えた ものを除 くと医学部の学生以外 はほぼ全員が

「日本語で授業 を受 けている」 と答 えた。ゼ ミの発表 について も医学部の学生 以外 はほぼ全員が 「日本語である」 と答 えた。ただ し 「 使 う本 の半分は英語」

「 基本的にテキス トは英語 」 「日本語の専門用語がわか らなかった らカタカナや 英語 を使 う」 など何 らかの形で英語 を使用 していることが多い。 レポー トにな る と経済学部 の大学院に進学 した一部の学生や水産学部 の学生1名 を除 き英語 で書いていることがわかった。

4‑213 言葉 の壁の克服

研修 コース終了後、つ ま り初級 日本語が終了 した直後 に、 日本語だけで発表 した り日本語での専門の授業 を理解するとい うのは至難の業である

この言葉 の壁 を乗 り越 えるには本人の努力 と周囲の助 けが不可欠である

そのことは次 の言葉か らもよくわかる

「 理工学部で検討会が毎週ある

2 週間に 1 回発表 しなければならない。最 初の1 年は英語で発表 した。今年の 3 月か ら日本語で発表 している

日常 会話は もちろん日本語。だか ら検討会の発表 もどうして も日本語で したい と思 っていた。 しか し、ボキ ャブラリー も足 りなか った し、専 門用語の使 いかたも分か らなか った」 (Ⅰ 既習)

「 最初か ら全部 日本語 だった。クラスメー トもいろんなことを教 えて くれた。

最初は大変だったけ ど、だんだん 日本語 だけ使 う環境 に慣 れた。 日本語 を 使 わない と話せないので仕方ない。授業 も全部 日本語。使 う本 は 日本語の 本 もあったけど、英語の もあった。 レポー トは半 々 ぐらい」 (Ⅱ)

「日本語は本当に必要。毎 日話す ときとか、ほとん どの研究室の人は学生だ

(15)

か ら日本語は必要。英語が話せ る人がいないか ら日本語で話 さない とち ょ っと困る

ゼ ミの ときは全部 日本語。あ まりわか らないが、先生 と研究室 の友達 とか手伝 って くれた 」 (Ⅱ)

「 ゼ ミの ときは 日本語。研究室の 日本人 とも日本語。意味 はわかる

日本語 の レポー トは友達 に助 けて もらう

テキス トは全部 日本語。 日本人が助 け て くれる 」 (Ⅱ)

4‑2‑4 比較 的短期間 で専門 日本 語に慣れる

留学生 に とって専 門に関 しては国で十分 に母語や英語で勉強 して きているの で知識は十分にある

問題 は 日本語である。ただ授業内容や専 門の論文 などを 理解す るのに不可欠な 日本語の専 門用語がわかるようになる と比較的短期間で 専 門の研究 における 日本語の環境 になれるようである

た とえば、次 の ような 留学生の言葉がその ことを物語 っている

「 ‑授業 もちろん全部 日本語。は じめはぜ んぜ んわか らなかったが、だんだ んわかるようになった 。4 0 パーセ ン トくらい しかわか らないけ ど、私 に と ってはそれで十分 」( Ⅳ)

4‑ 3 専門の研 究が始 ま ってから困 っているこ とがある か 4‑ 3‑ 1 研究室の人間 関係

まず、研究室の人間関係 についてであるが、深刻 な人間関係の問題 で悩 んで いる と答 えた ものはいなかったが、やは り、 日本の先生 と学生の関係 のあ り方 や先輩 ・後輩の関係 に対 して違和感や嫌悪感 を持 つ とい う意見が 目立 った。た

とえば、次 の ような意見がその ことをよ く表 している。

「 修士 1年生の とき先輩後輩の関係があ ま り好 きじゃなか った。私の国には ない。 もちろん先輩後輩 はあるけ ど、仕事や実験 は同 じレベ ル 」 (Ⅰ)

「 ‑私の国では先生 とももっ と近い関係 にある 」 (Ⅱ)

また、学生 とい う立場 になかなか慣 れることがで きなか った と訴 えた もの も いた。

「ときどき先生 に しか られた。で もその とき、先生は私のためにお こってい ることがわか らなかった。今 はよ くわかった。実は私 は国では学生 じゃな かった。最初 は学生 とい う立場 に慣 れなかった 。 」 (Ⅳ)

この言葉か らよ くわかるが、研修 コースに参加す る学生 は来 日前、国で一人

(16)

1 6 留学生の求めていること

前 の研究者 であった り、比較的高 い地位 にあ った りした者 もいる

そ うい う 者が急 に学生 とい う立場 になる と、最初 の うちその立場 の違 いに とまどうの である

4‑ 3‑ 2 設備 について

設備 については 2 2 名か ら回答が得 られたが、その内 「 問題が ない」 と答 え た ものは 16 名であった。「 実験 な どに足 りない ものがあった場合す ぐ購 入 し て もらえる」 と答 えた者 もこの 1 6 名の中に含 まれている 。 設備が不充分であ

る」 と答 えた 6名の うち 「 部屋が小 さ くて、 ドクターの学生 のための机 もな い 」 院生の研究室 にコンピュー タが ない」 とい う研究環境 に関す る不満 を訴 えた ものが 4 名で、残 りの 2 名は直接実験 に関わる設備 についての ものであ っ た。それ らは次の ようなことである

「 実験用の動物が高価で、機械 はあって も材料が足 りない 」( Ⅳ)

「いちばん困 っているのは研 究。研究の将来 も見 えない。研究 はお もしろ いけ ど設備が悪 い。他 の留学生 もよ く設備 の悪 さにつ いて話 している

日本 人の学生は設備 の悪 さが まだわか っていない。そ こで、他 の研究室 へ行 くけ ど、た くさん待たない と使 わせて もらえない 」 ( Ⅳ)

この ように設備 に関 してはほ とん どの者 は問題 を感 じていないが、学生 に よっては苦労 している著 もいることがわかった。

4‑ 31 3 日本 語の問題

以上、人間関係 と設備 について見 て きたが、それ以外 に専 門の研究が始 ま ってか らどの ような どの ような困難 に出会 ったか とい う点では、やは り、 日 本語 に関す ることを訴 えた者が多かった。た とえば、次 の ようなことである

「 私 は修士論文 を日本語で書か なければな らない。 それは困 ることだ。が んばる しか ない。今 は助 けて くれる人がいない。今、必 要 なのは漢字 を 読むことだけ 」 (Ⅰ)

「 最初 は 日本語の言葉がわか らなか った。医学部 の言葉 はた くさんあるか

ら漢字 も時々わか らない。それがいちばん困 った

今 はだんだんわか っ

て きた。 いちばんの問題 は 日本語が読 め ない こと

いい本がた くさんあ

るけ ど読 め ない。 日本 人はみ んな絵 のた くさんついた翻訳書で勉 強 して

いる

そんな厚 い本読むのにいちいち質問で きない 」( Ⅳ)

(17)

これ ら二 人の言 葉 か ら、専 門の勉 強 を始 め てか ら一番 困 る こ とは 日本 語 の 漢字 の読 み方が わか らない こ とで あ る こ とが よ くわか る

日本 語 の読 み方 さ

えわか れ ば、和英辞書 をひけば、意味 が わか るのである

4‑4 まとめ と考察

イ ン タビュー に よって 、 い ままで ほ とん どみ えなか った 、 セ ン ター を巣立 ってい ったあ と専 門の研 究 を始 め た学 生 た ちの姿 が見 えて きた

そ こには当 初 は慣 れ ない 日本 の先 輩後 輩 関係 に とま どい、難 しい 日本 語 の専 門用語 と格 闘す るた くま しい学生 たちの姿があ った。

学生 は先 輩後 輩 とい う研 究室 の シス テム に とま どうだけで な く、 それ まで 習 って きた教 室 の 中の 日本 語 と教 室 の外 の 日本 語 に戸 惑 う こ とが イ ンタビュ ー を通 じてわか った。教 室 の外 で使 われてい る 日本語 には敬語 や方言 が あ り、

さ らに は親疎 に よる言葉 の使 い分 け 、男女 に よる言葉 の使 い分 けが あ る

突 然 そ の よ うな環 境 の 中 に放 り込 まれ るので あ るか ら戸 惑 わ ない はず が ない

現在 、研 修 コー ス におい て、敬語 の早 期 か らの導 入 を試 み た り、方 言 や若者 の 日本 語 につ い て も少 し触 れ てい る

しか し、 そ れで は不 十 分 で、教 室 の 中 と外 をつ な ぐよ うな系統 だ った教材 を作 成す る こ とが必 要 なので は ないか と 思 われ る

専 門 の レポー トや発表 の準 備 の際 には、研 究 室 の 人 々の手 助 け を受 け てい る こ と も多 い よ うだが 、 日本語 の勉 強 に関 して は研 修 コー ス修 了後 、一 人で こつ こつ とさま ざまな工 夫 を しなが ら日本語 の勉 強 を続 け てい る者 が 多 い こ とが わ か った。 セ ンター と して、補 講 コー ス以外 に も何 か個 人的 に 日本 語 の 勉 強 を手助 けす る システム を作 る こ とがで きるのではない だろ うか。

今 回 の イ ンタ ビュー に よ り専 門の研 究 が始 ま ったあ と、 日本 語 の必 要性 が 非常 に高 い こ とが わか った

その 中 で も印象 に残 ってい るの は 「漢字 の読 み 方 さえ わか れば ‑ ‑」 とい う学生 の声 であ る。 そ こで 、 そ れ を受 け て、 セ ン

ター と して まず 取 り組 ん だ こ とは、専 門用語 の読 み方 が調べ られ る もの を作 成す る こ とであ った。具体 的 には 『 水 産学用語 辞典』 (日本水 産学 会編 恒 星 社厚 生 閣 1 9 89 年 ) に出 て い るすべ ての専 門用語 の読 み方 が総 画 と部首 か ら

わか る ような冊 子 をフ ァイル メー カー を使 って作 成 した

これ は実 際 に学生

に試 用 して もらい改 善 を重 ね て行 く予 定 で あ る

これ は、水 産学 を専 門 とす

る学 生 を対 象 と した もの だが 、今後 、 この成 果 をふ まえて他 の専 門の学 生 の

(18)

J g 留学生の求めていること

ため に も同 じような もの を作成 してい きたい と考 えている

また 、2 00 0 年前期 よ り、研修 コースの コンピュー タの クラスで、専 門の請 嚢 を自分で調べ る練習 をす る予定である

この ことによって、初級段 階か ら、

それぞれが必 要 な専 門語嚢 を身 につ け る ことがで き、 自分 で専 門語嚢 を増や してい くことがで きるようになるであろ う

5. 支援体 制

研 修 コース を修 了 した学生 は留学生 セ ンターの所属 を離 れ、各学部 に所属 し、各専 門の研 究室 で大半 の時 間 を過 ごす こ とになる

セ ンターに所属 して い る間は、学生 は何 か問題が あれば、セ ンター教 官や事務官 にす ぐに相談す る こ とがで きた

またセ ンターサ イ ドと して も、学生 は常 に目の届 く革囲 に いて、必 要が あれば、す ぐ援助 の手 を差 し伸べ ていた。 あ る意味 で は " 過保 護 " とい って もいい状況 にあ ったか も しれない。 い ったん専 門の授 業や研 究 が は じまる と、留学生 セ ンターでの 日本語 の授 業 を受講 す る ことので きる学 生 は限 られて くる

また、問題があ って も、留学生 セ ンター まで足 を運ぶ こ とので きる学生 は少 ない。留学生 を継続 して支援 してい くためには、学内 ・ 学外 とのネ ッ トワーキ ングを進め、協力体制 を とってい くことが必要である

5‑ 1 .チュー ターについ て

国立大学で は、学部 ・大学 院 に所属 す る留学生 に対 して、彼 らの留学 目的 が スムーズ に達成 される ように、学部生 については入学後 2 年間、大学院生 お よび研 究生 については 1 年 間、それぞれチ ュー ターが配置 され る ことにな

っている

長崎大学 で は、チ ュー ターの選 出 はそれぞれの留学生 の指導担 当教官 に よ って行 われ、通常 チ ュー ターは留 学生 が所属 す る研 究室 の大学院生 ( 先輩 ) が 当た ってい る

研 修 コース に所 属す る留学生 について は、 コース修 了後 、 大学院研究室 に所属 してか ら 1 年間チュー ターが配置 される

セ ンターで はチ ュー ター制度が円滑 に機能す る ように、チ ュー ターマニュ アルの作 成お よび改訂 を行 って きた。 また、留学生課 と共 同で 4 月 にチュー ターオ リエ ンテー シ ョンを開催 してい る

チ ュー ターに対 す るア ンケー ト調 査 も留学生課の協力 を受 けて実施 した。 7 )

第一 一回 目の ア ンケー ト調査 の結果 を見 る と、チ ュー ター制度 は特 に問題 な

(19)

く機能 してい る ように見 られ たが 、今 回の研 修 コース修 了生 に対 す る イ ンタ ビュー調査 の結 果 か ら、実 際 には まだ多 くの問題 を抱 えて い る こ とが 明 らか になった。

5‑1‑1 チ ュ ーターが いた ( い る)かど うか

チ ュー ターが いた ( い る) : 1 4 名 チ ュー ターが い なか った ( い ない) : 1 2 名

「い た 」 と答 えた ものの内訳

・半年 だけチ ュー ターが い た : 2 名

・最初 の 5 ケ月 はチ ュー ターが誰 か わか らず 、最後 の 1 ケ月 にな って チ ュー ターが分 か った : 1 名

8‑

修 了生 のチ ュー ターは全員 同 じ研 究室 の 日本 人学生 であ った。

「 い ない」 と答 えた ものの内訳

・チ ュー ター制度 の存在 を知 らない : 3 名

・チ ュー ター とい う言葉 をは じめて聞いた : 2 名

・同 じ研 究室 にチ ュー ターが い る こ とはわか ってい るが、誰 だか わか

らない。 : 1 名

「チ ュー ター はい なか った ( い ない ) 」 と答 えた もの は、全 体 の46% に も上 る

5‑1‑2 チ ュ ‑タ一に会 った ( 会 って いる)頻度

毎 日会 う :8 名

一週 間に 1‑2 回会 う :4 名

あ ま り会 わ ない :2 名

「 毎 日会 う」 と答 えた もの につ い て は、 チ ュー ターが 同 じ研 究室 で あ る と い う理 由か らで 、毎 日専 門の研 究 等 につ い ての援 助 を受 けて い る とい う意味 で はない ようで あ る

また 「あ ま り会 わ ない 」 と答 えた もの は、以下 の ような理 由 を挙 げてい る

(20)

2( ) 留学生の求めているこ と

「 実験が違 うので 」( Ⅳ)

「 チュー ターは今故郷 に帰 ってい るか ら」 ( Ⅳ)

「 チ ュー ターはい る。で もそん なに頼 ってい ない。何 で も自分 でや りたい し、決めたいほ うだか ら

時々彼女 は忙 しい。邪魔 を した くない」 ( Ⅳ)

5‑1‑3 チューターに助 けても らった ( もらっている)こと

専 門の研究 に関すること : 7 名 日本語 に関す ること : 6 名 生活 に関す ること : 2 名

上記の内訳 であるが、「日本語 に関す ること」 と答 えた ものの うち、 4 名は 大学 院入試 の準備 のための 日本語 であ った。英語 の勉 強 を助 けて もらった と い うもの も 1 名いた

。 9)

専 門のテーマ ・研 究内容 に関 しては、チ ュー ターに限 らず、同 じ研 究室 の 先輩や先生 に聞 く学生が多い ようである

これに対 して、 日常生活 に関す る ことで相談 した り援助 を受 けている者 は、

2 名のみであ る。 うち 1 名 は 「困 った こ とは何 で もチ ュー ターに相談 してい る

アパ ー ト探 しも手伝 って もらった。遊 び も一緒 に行 くし、 いい友達 だ」

( Ⅱ) と答 えた。

5‑2 専門の研 究で困 ったこ とや聞 きたい ことがあると きはどうして いるか 5‑2‑ 1 誰に援助 を求 めているか

指導教官 :1 0名

同 じ研究室の人 ( 先輩、助手、学部 4 年生) : 1 6 名

指導教官の秘書 : 1 名

留学生セ ンターの先生 日本語教育 クラブの学生1 1 ' )

上記の内訳 であ るが、「 チ ュー ターがいない」 と答 えた 1 2 名の うち、 4 名が

指導教 官 に、 7 名が研 究室 の人に聞 くと答 えた。残 り 1 名 は指導教 官の秘書

(21)

に援助 を求めていた。全体では、指導教 官 と同 じ研 究室 の人の どち らに も聞 くと答 えた ものが 3 名いた。

留学生 に とって指導教官 との関係 の善 し悪 しが留学が成功す るか どうかの 一番 の カギであ る と思 われる

インタビュー調査 の範 囲内で はおお むね良好 な ものが多い ようである

ただ、「 指導教官が非常 に忙 しく、本 当は 自分の指導教官 に相談 したいのだ が、直接先生 に相談す るのは無 理 なので、研究室 の人や他 の先生 ( 助教授 )

に聞 く 」 (Ⅱ) とい う者 もいた。指導教官が常 に直接指導す る とい うよ りは、

研究室全体で指導 ・支援体制 をとっている場合 もあるようである

「 研究室の仲間や先生 に聞 く 」 (Ⅱ)

「 研究室 の人に聞 く

3 つのチームで研 究 してい る

チ ームの人 な らだれ で も教 えて くれる

することは違 うけ ど、みんな知 っている 」 ( Ⅲ) また、 インタビューの中で、質問す る相手 として 「 先輩」 とい う言葉 を使 った ものが多か った。 日本 の大学 の研 究室 の先輩 ・後輩 の システム にな じめ ない者 もい る ようだが 、 インタビュー結果 を見 る と、先輩 ・後輩の システム が支援体制 として機能 している ようである

5‑2‑2 どん な援助や情報 を求め ているか

専 門の研究のテーマや内容 に関する もの

研究生活 を送 るうえでの事務的な事柄 に関する もの 実験 に関す る もの

専 門の内容 自体 とい うよりも、 日本語 に関する問題 ( 専門用語の漢字の読み方 な ど)

名 名 名 名 6 1 1 4

調査結果か ら、専 門の授業 は 日本語で行 われる こ とが圧倒 的 に多 く、特 に ゼ ミは 日本語 のみで行 われる場 合が ほ とん どであ る ことが わか った。専 門の 内容 その もの とい うよ りは、 日本語 自体が問題 となってい る こ とも多 い よう である

「 授 業 な どをテープ レコー ダーに とって 日本人の研究室 の友達 に もう一度 聞 いて もらって助 けて もらう

修士 や 4 年生。漢字 の読 み方 を教 えて も

らう 」 ( Ⅲ)

(22)

2 2 留学生の求めていること

しか し、当然 の こ となが ら、 日本語 について 日本 人 の学生 に聞いて も分 か らない場合 もあるようである

「 時 々 日本 語教育 クラブの学生 に聞 く

日本 人の学生 もわか らな くて困 る ことがある 」 (Ⅰ)

日本語 の問題 は 日本語 の先生 に聞 くとい う回答 もあ った。 しか し、 これ は セ ンターを訪ねる余裕のある学生 に限 られている

一方 、̲ 英語が母語では ないが、英語が堪能 な留学生 が多い。通常 の相談業 務 を行 う中で、「日本 人学生 の英語 の練習のため に研究室では英語 で話す よう に先生 ( 専 門の指導教官 ) に言 われたので、 いつ も英 語 で話 してい る

日本 語 を話すチ ャンスが ない」 とい う訴 えを しば しば受 け る ことが あ った。 しか し、修 了生 の 中 には、 これ を同等 の立場 でお互 い に助 け合 ってい るのだ と考 え、 自発的 に行 っている者 もいるようである

「 研 究室 の人 に聞 く

日本 人の学生 は英語 の ことをわた しに聞 く

ギ ブア ン ドテ イク 」 (Ⅱ)

5‑ 3 日常生活 で困 った ことや聞 きたいことが あるときはどうして いるか 5‑ 3‑ 1 誰に援助や情 報を求めて いるか

指導教官 : 1 0 名

同 じ研究室の人 : 1 6 名

留学生 ( 同国、同文化圏、同期やその他 の留学生) : 1 1 名 留学生セ ンターの先生

元チュー ター 会話パー トナー

11)

アパー トの管理人 さん 大家 さん

学外の外 国人

学外の 日本人の友人 ホス トフ ァミリー 1 1 )

4 名 1 名 1 名

1 名 1 名 1 名 1名 1 名

日常 生活で助 けや情報 を求 め る相 手 は、専 門の研 究 の場合 (5‑2‑1)

に比べ 、広範 囲 にわたっている

同 じ研究室 内、学内 に とどま らず、学外 に

もその対象が広が ってお り、 また、それ を意識的 に追 究 して さえいる

た と

(23)

えば、 ダ ンス教室 や合気道 の道場 に通 うな ど して、趣味 を通 して、 自 ら積極 的 に地域 に ネ ッ トワー クを広 げてい る もの もいる

また、母語や英語 を教 え る ことを通 して、人間関係 を広 げている もの もいる

「ここに来 てか らい ろい ろな友達がで きた

日本 人 も外 国人 も

僕 よ りこ こに長 い 間住 んで いる人。今す ご く親 しい 日本 人の家族 がい る

スペ イ ン語 を習 ってい る人で久留 米 に住 んでい る

とて もい い関係 にな った

今 もスペ イン語 を教 えてい る

わた しと奥 さん も自宅 に教 えに行 く

赤 ちゃんは友達 の うちに頼 んで 」 (Ⅱ)

また、援助 を求 め る対象 と して、同 じ留学生 ( 留学生 で在 日年数が 自分 よ り長い もの、同期 の留学生、同国人の留学生)が多 く挙 げ られた。

5‑3‑2 どん な援助や情報 を求め ているか

一番大変 だ ったのは最初 の 6 ケ月で、今 は生活 をす る うえでの問題 はあ ま りない と感 じてい る学生が多 い ようであ る

実際 にはい ろい ろあ るのだろ う が 、来 日当初 とは違 い、 自分の力で、 も しくは来 日後、少 しずつ広 げて きた ネ ッ トワー クを使 って、毎 日の生活 の 中で 自然 に解 決 してい っている姿が う かがえた。

しか し、 その中で も、具体 的 な問題 と してでて きたの は住居 に関す る こ と で ある

アパ ー ト探 し、保証 人、部屋 の保険、部屋 の設備 な どに関す るこ と が挙げ られた。

また、 日本語 に関す る問題 もでて きた。 た とえば 「ゴ ミの出 し方 を書いて あ る紙が読 め ない 」 (Ⅰ) 「 子供 が学校 か ら持 って帰 って くるお知 らせ の内容 が わか らない 」 (]) とい うようなことである

日常 生活 を送 る うえで、会話 に関 して はほぼ支 障 を きた さな くな って も、

読 むことに関 しては、やは りまだ多 くの学生が問題 を抱 えているようである。

5‑4 まとめと考察

以下、上記 の調査結 果か ら、既存 の支援 システムの改 善 お よび補強 とこれ か ら構築 してい く必要がある と思 われるシステムについて考察す る。

(1 ) チュー ター制度

既存 の支援 システ ム と して まず挙 げ られるのが 、チ ュー ター制度 であ る

チ ュー ターの選 出は現在留学生課で一元化 されてお り、書類 上で は該 当す る

(24)

24 留学生 の求めてい る こ と

留 学生すべ て にチ ュー ターがつい てい るこ とになっている

しか し、 インタ ビュー調査 か らもわか る ように、一応名前 は挙 げ られ ているが、実際 には特 定 のチ ュー ターはお らず、研 究室全体で対応す る ようになっている ところ も あ る ようであ る

それが うま く機能 してい る場合 もあ るが、責任 の所在 が は っ き りせず、留学生 は実際 には質問 したい ことが あ って も遠慮 して聞か なか った り、他 に頼 った りす る場合 もあ る ようである

や は り、誰がチュー ター で あるか、留 学生 に対 してはっ き りさせ た うえで、研 究室全体 でサポー トす

る とい う方向が望 ま しい と思われる

インタビュー調査 の結 果 を もとに現在 まで に次 の ような改善 のための努力 を行 った。

チ ュー ター制度 には まだまだ問題 があ る こ とが わか ったので、第 2 回 目の チ ュー ターに対す るア ンケー ト調査 を実施 した。その結果、チ ュー ターが提 出 した報告書 の内容が実 際の実施 内容 と一致 してい ない場合があ るこ とが判 明 した。 これ を もとに、2000年 4月実施 のチ ュー ター オ リエ ンテー シ ョンで は、新 チ ュー ター に対 して、チ ュー ターマニ ュアル に 2 回 目の改訂 を加 えた もの を配布す る とともに、本 イ ン タビュー調査 の結果 を踏 まえて、チ ュー タ ーの役割 につ いて詳 しい説明 を行 った。 また、チ ュー ター制度 の概略 を説明 す る英文 の文書 を留学生用 に作成 して、チ ュー ター に配布 し、担 当留学生 に 手渡す ように指示 した。 さらに、その文書 を留学生用掲示板 に も掲示 した。

(2 )会話パ ー トナープ ログラム

チ ュー ター制度 を補 強す る もの として、留学生 セ ンターで実施 してい る も の に会話パ ー トナープログラムが ある

チ ュー ター制度 は国立大学 において 制度化 され、謝金が支払 われるが 、会話パ ー トナー プログラムはセ ンターの 出 した募集広告 を見 て、 日本 人学生が 自発 的 に応募す る もので、謝金 は支払 われていない。 また、チ ュー ターの立場 は支援者であ るのに対 し、会話パ ー トナーは支援 者である と同時 に学 習者 で もあ り

お互 いに学 び会 うとい う視 点 を基本 に交流 を行 う

また、会話パ ー トナープログラムは 日本語での コ ミ

ュニケーシ ョン能力の向上 と異文化理解 をその目的の中心 に据 えている

会話パ ー トナー プログラムは当初 はチ ュー ターの配置が ない研修 コース に 所 属 している学生 のため の プログ ラムであ ったが、現在 では全留学生 を対象

に実施 されている

しか し、 まだ全体 によ く周知 されていない状態である

参照

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