長崎大学留学生センターにおける日本語補講コース ( 日本語一般プログラム)の変遷
永井智香子* ・松本久美子 *
キーワー ド :留学生センター 日本語科 目、一般プログラム 、乗 り入れ
1
.は じめに
長崎大学留学生セ ンターは
1996年
5月に省令化施設 として設置 されてか ら
約12年が経過 した。設置 当初のセ ンターの 日本語コースは研修 コース と補講 コース と全学教育の 日本語のみであったが、その後、新 しいプログラムが次々 と立ち上がった。そ ういう状況の中、 この
12年の間に一番大きく変化の波の 影響を受けたのは現在一般プログラム と呼ばれている補講 コースである。セ ンター開設当初は研修 コース ( 現在の集 中プログラム)が中心的な役割 を果 た していたが、現在は一般プログラムがセ ンター 日本語教育の中心的な機能 を果たすプログラム となっている。
現在、当セ ンターが運営す る日本語教育プログラムは、集中プログ ラム、
一般プ ログラム、長崎大学短期留学プログラム ( NI SP)、留学生セ ンター交 換留学生プログラム ( NUJ ALP)、長崎大学留学生セ ンター上級 日本語 ・日本 文化 コース ( AJ LC) の5つである。 これ らのプ ログラムの 日本語科 目の多 く が一般プログ ラム と乗 り入れている。
昨年度の紀要では研修 コース ( 現在の集 中プログラム) の変遷 を中心に日 本語プ ログラムの変化を追ったが、本稿では、補講 コース ( 現在の一般プロ グ ラム)に焦点を当て、留学生セ ンターで開講する 日本語プログ ラムの変遷 を見ていくこととする。
2.
補講 コース概要
補講 コースは留学生セ ンター設置以前か ら開講されていたコースを引き継
いだもので、大学院生、研究生を対象 としていた。学部留学生の 日本語教育
は当時の教養部で行われていた
。i68
長崎大学留学生センターにおける日本語補講コース ( 日本語一般プログラム)の変遷
このコースは、大学院生、研究生の留学生活 に必要な 日本語力を養成す る ことを本来の目的 としている
。2001年度前期か ら、 コースの特色 と実態 を明 確 にす るため、補講 コースは一般 コースに名称 を改めた。 また、その
3年後 の
2004度か ら新 しいプ ログラムの開設にともなって一般プログ ラム と呼ばれ るようになった。
3.
" 補講 コース■ ■ の変化 について
補講 コースの変化 について、①セ ンター発足以前、②セ ンター発足後 :捕 講コースが他のプ ログ ラム と乗 り入れず、独立 して走っていた期間
(1996年
10月か ら
2004年
3月まで)③他 のプ ログ ラム との乗 り入れ後
(2004年
4月〜
2007
年
3月まで) の大き く
3つの時期 に分けてまとめてみた。
3‑1
留学生セ ンター発足以前の長崎大学 における日本語教育
1994
年
3月に発行 された 『 長崎大学留学生指導セ ンター年報』第1 号 に 「 留 学生セ ンター 日本語 コースの現状 と課題」( 志柿光浩著)という現状報告が掲 載されている。 ここではそれを参考 に以下にまとめた。
長崎大学留学生セ ンターは省令施設 として
1996年
5月に設置 された。長崎 大学留学生セ ンターの前身は長崎大学外国人指導セ ンターで、
1986年
6月に 発足 した。発足当時開講 されていたのは 日本語補講 のみであった。当時は学 生部な どの主催で教養部の 日本語 ・日本事情担 当の教員を中心 に課外補講が 教え られていた。その後補講の受講希望者は増え続 け、 日本語 ・日本事情担 当教員で対応するのが難 しくな り、
1989年
2月に学内措置で専任教員が配置 された。課外補講 の受講 を希望す る留学生の増加 に伴い、 日本語教育専用 の 教室 も必要 になった。セ ンター専用施設が学内に確保できたのは
1989年
8月 のことであった。外国人指導セ ンター発足当時開講 されていた 日本語 クラス は初級 と中級のみであった。
長崎大学外国人指導セ ンター発足の翌年、
1990年か らセ ンターで開講 され る日本語 クラスに課外補講 という名称がつけ られた。
外国人留学生指導セ ンターが発足 した背景には留学生の急増がある。指導
センター発足前の
1987年 には
76名だった留学生は
5年後の
1992年 には約
2倍の
138名に達 している。 さ らに
1994年 1月には
175名、
1996年
2月には
237名 とな
っている。
3‑2
セ ンター発足後 :補講 コースが他のプ ログ ラム と乗 り入れず、独立 して走 っていた期 間
(1996年
10月か ら
2004年3 月まで)
この時期は留学生セ ンター における 日本語教育が 「 補講 コース」 と 「 研修 コース」 の
2本立てだった時期で、補講 コース の科 目と研修 コースの科 目が 相互 に乗 り入れ る ことな く、 開講 されて いた。 ここでは
4つの時期 にわけて
ま とめた。
3‑ 2‑ 1 1996 年度後期の補講 コース
表 Ⅰはセ ンター発 表
1 1996年 度 後 期 日本 語 コ ー ス (生 活 日本 語 ) 時 間 割 表
足 に合わせて開講 さ れた補講 コースの時 間割で ある。
太枠 で囲まれた生活 日本語
A、生活 日本 語 Bというクラスは どち らもゼ ロ初級 の クラスで、テキス ト は
JICAの 『 技術研修 のための 日本語』 の 第 1巻 と
2巻が使 わ れていた。 このテキ ス トは第
2巻 までで 初級が終了す る。
この当時補講 コース の 1学期は
14週間で、
A
クラスは
7週間 を
月 火 水 木
金8:50〜
生 活 生 活 生 活 生 活
10:20日本 語 日本 語 日本 語 日本 語
A‑1 A‑3 B‑1 B‑3 10 :30
生 活 生 活 生 活 生 活
‑ 日本 語 日本 語 日本 語 日本 語
12:00 A‑2 A‑4 B‑2 B‑412 :50
14:20
会 話
A作 文 Ⅰ 会 話
B社 会
B日本 の と 文 化 作 文
Ⅱ 14 :30実 践 漢 字
A実 践 漢 字
B日本 の
‑ 日 本 語 日本 語 社 会
1 クール とし前述 のテキス トの第
1巻 を2回繰 り返す クラスであった。Bクラ
スは第
2巻 まで ( 初級) を終 了す るクラスで あった。 当時は学期 の途 中に来
日す る学生で 日本語 の学習経験 のない者が多か ったため、それ らの学生 に配
慮 した クラスが必要であった。 「 会話
A」「 漢字
A」「日本 の社会 と文化
A」な ど
Aのつ くものは
Aクラスの レベル のもので、 「 会話
B」「 漢字
BJ「日本 の
社会 と文化
B」な ど
Bのつ くものは
Bクラス の レベル に準 じて教え られ て いた。
7P
長崎大学留学生センターにおける日本語補講コース( 日本語一般プログラム)の変遷
A,B
がつかない 「 作文
IJ「 作文
Ⅱ」「 実践 日本語
IJ「 実践 日本語
Ⅱ」ク ラスは中級前半までをカバー していた。つま り、 当時、中級後半、及び上後 レベルの 日本語補講クラスは開講 されていなかった ことになる。
当時、専任教員は補講 コースの改善の必要性 を感 じていた.セ ンターで半 期に開設す る 日本語教育 に関する科 目 ( 研修 コースの芸術及びスポーツを除 く。) のコマ数は、課外補講分
18コマ、研修 コース分
32コマの計
50コマ、時 間数にして
1400時間で、初級か ら上級 までを視野 においた科 目開設の必要性 について話 し合いが持たれていた。 さらに、当時か ら今後、研修 コース受講 者の減少が予想される中で、各受講者の 日本語の能力差への対応 と補講 コー ス受講者の幅広いニーズへの対応な どを解決す る手段 として、研修コース と 補講 コースの相互乗 り入れの検討が行われていた
。ii3‑2‑2 1997
年前期か ら
2000年後期までの補講 コース
1997
年前期か らの補講 コースのカ リキュラム改正のために何度 も専任教員 で話 し合いが持たれ、その結果、補講 コースは初級か ら上級 まで週に
20コマ 開講 される ことになった。科 目名 を初級か らあげて いくと 「 初級
Ⅰ( 週
3コ マ
」「 初級
Ⅱ( 週
3コマ)
」「 初級漢字
Ⅰ」「 初級漢字
Ⅱ」「 初 中級会話」
「 初中級読解
」「 中級 Ⅰ会話
」「 中級 Ⅰ読解
」「 中級 Ⅰ聴解
」「 中級 Ⅱ読解」
「 中級 Ⅱ聴解
」「 中級 Ⅱ会話
」「 中級作文
」「 上級読解 ( 会話)
」「 上級聴 解」 「 上級作文 」 となる。科 目数に多少の違いはあるが、 「 上級聴解」 と 「 上 級作文
」以外は
2008年前期現在 も一般プログラム として開講 されている。
1998
年度は
1997年度 と同様 に補講 クラスは
20コマ開講 された
。1999年度、
2000
年度は開講 コマ数が
3コマ減 って
17コマになった。その理 由は新 しく研 修 コースCクラス ( 中級 レベル 8コマ)が開講 された ことと、後期 に 日韓共 同理工系学部留学生プログラム生のためのクラス (1コマ)が開かれた こと があげ られ る.そ の翌年の
2001年度の補講 コースは
2コマ増加 しているが、
大きい変化はない。
3‑2‑3 2001
年前期か ら
2002年後期 まで
2001
年度前期よ り呼称が変わった。それまでの 「 補講コース」か ら 「 一般
コース」 と呼ばれ るよ うになった
。2001年度の一般 コースのコマ数は
19コマ
と前年 に比べて
2コマ増えているが大 きい変化 はない。 コマ数 に大 きい変化
があったのは2002年度である。2002年度 の前期 よ り研修 コースCクラス ( 中 級前半 レベル、全 8コマ)がな くな り、一般 コースの科 目は前年度の1 9 コマ よ り
7コマ増えて
26コマ開かれ るようになった。 これは主 に中級前半 レベル のクラスを増や したか らである。前年度である20 01 年度の中級前半 レベルの 補講 コースのクラスは 「 中級
Ⅰ」が
2コマ と 「 中級 Ⅰ聴解会話」 が
1コマの 計3コマだけであった。2002年度の一般 コースの中級前半 レベル のクラスは
「 中級
Ia」が週に
4コマ、 「 中級
Ib」が週 に
2コマ、 「 中級漢字」が
1コマ、
「 中級作文」が1コマ、 「 中級 Ⅰ聴解会話」が1コマ と
9コマ となっている。
3‑ 2‑4 2003 年度
2003 年度の集中コースは初級 レベル
(Aコース) と中級 レベル
(Bコース全 8 コマ)の2コースになった 。 B コースは2002年度の一般 コースのクラス とし て開講 されていた 「 中級
Ia」4コマ と 「 中級
Ib」2コマ と 「 中級漢字
」1コ マ と 「 中級作文」
1コマの計
8コマか らなっていた。ただ し、集 中
Bコース を形成 している
4つの科 目はそれぞれ一般 コースの科 目としても開講 されて いた。つま り、 この年度か ら事実上、集 中コース と一般 コースの乗 り入れが 始 まった と言 える。 この年の一般 コースのコマ数は集 中
Bコース との乗 り入 れ科 目を含めて全部で27コマであった。
3‑ 3 他のプ ログラムとの乗 り入れ後 ( 200 4 年4月〜2007年3月まで) 3‑ 3‑ 1 2004 年度春学期
2 00 4 年度か ら一般 コースは現在の呼称である一般プ ログラムに名称変更 さ れた。 これは、同年度秋学期よ り長崎大学短期留学プ ログ ラム ( NI S P) と留 学生セ ンター交換留学生プログラム ( NUJ ALP) が開始 され ることにともなっ て行われたものである。
2 00 4 年度前期か ら再び集中プログラムはAコース、Bコース、Cコースの3コー
スになったが、Cコースは2003年度の集 中Bコース と内容 もコマ数 も同 じ中級
レベルで、一般プログラム との乗 り入れが行われていた。集 中Bコースは一般
プ ログ ラムの 「 初級
Ⅱ」クラスをそれ までの週
3コマか ら週
5コマに増や し
て乗 り入れが始 まった。 この ときか ら集 中プログラムで一般プログラム との
乗 り入れが行われていないのはゼ ロ初級 のクラス、集 中Aコースのみ となっ
た。2004年度の一般プログラムのコマ数は 30コマになった。その増加の理
72
長崎大学留学生センターにおける日本語補講コース( 日本語一般プログラム)の変遷
由としては主に中級 レベルの 日本語 を学ぶ留学生セ ンター交換留学生プログ ラム (NUJALP)の開始が予定されていた ことにある。
3‑ 3‑ 2 2004年秋学期か ら2005年春学期まで
2004年秋学期よ り長崎大学短期留学プログ ラム (NISP) と留学生セ ンター 交換留学生プログ ラム (NUJALP) が開始 された。 (以下、それぞれNISPと NUJALPと呼ぶ。)NISPおよびNUJALPは1年間のプログラムである。受け入れ
は秋学期 (10月) のみで、春学期 (4月)の受け入れはない。
NISPは長崎大学の協定校 を対象 とした交換留学プ ログラムで、 日本語科 目 と英語 による講義科 目で構成 されている。参加学生に求め られ るのは英語能 力であ り、 日本語能力は問われない。 これに対 して、NUJALPは、協定校 を対 象 としているのはNISPと同様だが、協定校で 日本語 ・日本文化 を専攻 してい る学生 (3年次生) のみ を対象 としてお り、 このプ ログラムの学生は 日本語 の上達 を主たる目的 として来 日す る。
NISPのプ ログラム用 に新設 された 日本語科 目は、 「初級 日本語 1
」
が5コ マ、 「初級 日本語2」が5コマの合わせて10コマで、 中級 レベル以上の 日本 語科 目は主 として一般プログラム と乗 り入れることとなった。NUJALP用 に新 設された科 目は、 「日本語特別講義IJll と 「日本の伝統文化」の2コマで これ ら2科 目以外 の科 目は一般プ ログラムの 日本語 中級以上の科 目全て と乗 り入 れている。これで一般プログラム と乗 り入れているプログラムは、2003年度に既 に乗 り入れが開始 されている集中プログラム の中級既習者 コース (集中Cコース)、
に合わせて、初級既習者 コース (集 中Bコース)、NISP、NUJALPの3つ となった。
つま り、2004年秋学期 よ り一般プログラムの 日本語 クラスの中には大学院生、
大学院の研究生、集中プログラムの既習者クラスの学生、NISPの学生 (日本 語中級 レベル)、NUJALpの学生 (日本語 中級か ら上級 レベル)、留学生の配 偶者が混在するクラスが多 く出現す る ことになった。
なお、上級 レベルについてであるが、NISPは学部の正規生の 日本語クラス である全学教育科 目 「日本語 Ⅰ・Ⅱ
・Ⅲ
・Ⅳ」 (上級 レベル) と乗 り入れて お り、NUJALPは一般プログラムの 「上級」 に加え、全学教育科 目 「日本語 I・Ⅱ・Ⅲ ・Ⅳ」にも乗 り入れている。
3
‑ 4
2005年度秋学期か ら
2007年度秋学期まで
2005
年度春学期か らは
NISpと
NUJALPそれぞれ についてプ ログラムの変化 を 見てい くこととす る。
3‑4‑1 NISP
と一般プ ログラムの乗 り入れ
学生か らの要望で
、2006年度春学期か ら
NISPの 日本語科 目として新たに 「 初 級漢字
Ⅰ」( 集 中プログ ラム と一般プログラムの乗 り入れ科 目)が提供され るようになった。 また、
2006年度秋学期か らは 「 初級漢字
Ⅰ」に続いて 「 初 級漢字
Ⅱ」( 集中プログ ラム と一般プログラムの乗 り入れ科 目) も
NISPの 日 本語科 目に加 え られた。 しか し 「 初級漢字
Ⅰ」では‑クラスの人数が予想以 上に多 くなったため、翌年の
2007年度秋学期か ら、秋学期のみ
NISp専用の 「 漢 字
Ⅰ」を設けることとした。つま り、 「 初級漢字
Ⅱ」は春 ・秋学期 とも
3つ のプログラム ( 集 中プログラム、一般プログラム
、NISP)の乗 り入れ科 目で あるが、 「 初級漢字
Ⅰ」は、春学期は集 中プログラム と一般プログラムの乗 り入れ科 目で、秋学期は集中プログラム、一般プログラム
、NISPの乗 り入れ 科 目ということになる。
2004
年度秋学期か ら
2007年度秋学期 までの
NISPの一般プログラム との乗 り 入れ科 目は、 「日本語 3
」( 中級前半 レベル)は読解 2コマ ( 一般プ ログラ ムの 「 中級 Ⅰ読解」)、発表
2コマ ( 一般プログラムの 「 中級 Ⅰ発表 ・作文」) の計
4コマで、 「日本語
4」 ( 中級後半 レベル)は読解
2コマ ( 一般プログ ラムの 「 中級 Ⅱ読解
a」)、聴解 1コマ ( 一般プログラムの 「 中級 Ⅱ聴解
」)の計
3コマであった。
2007
年度後期か らは
、NISPの 「 日本語
3」は読解
2コマ ( 一般プログラム の 「 中級 Ⅰ読解」)、聴解
1コマ ( 一般プログ ラムの 「 中級 Ⅰ読解」)、作 文
1コマ ( 一般プ ログラムの 「 中級 Ⅰ作文」) の計
4コマでコマ数の変化は ないが、 「日本語 4」 については作文 1コマ ( 一般プログ ラムの 「 中級 Ⅱ作 文」)が加え られて 、読解
2コマ、聴解
1コマ、作文
1コマの計
4コマ とな
った。
3‑4‑2 NUJALP
と一般プ ログラムの乗 り入れ と
NAJLCの開設
NUJALP
の 日本語科 目は開設 当初か ら一般プログラムの中の初級 レベル を除
く全ての科 目と乗 り入れている。
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長崎大学留学生センターにおける日本語補講コース( 日本語一般プログラム)の変遷
2 0 07 年度秋学期か ら中国の協定校 の要望 に応 える形で、 「 長崎大学留学生 セ ンター上級 日本語 ・日本文化 コース」 ( N AJ LC )が開始 された 。Ⅴ このコ ースを開始す るに当た り、一般プ ログ ラムの中に新たに上級 レベルのクラス ( 一般 プ ログ ラム の上級) を
2コマ開講す る ことになったが、 同時 にこの
2コマをN UJ AL Pの科 目として も提供す る こととした。 よって、2 007 年度秋学期 か ら 、NUJ AL Pは一般プ ログラムの中の初級 を除 く全ての科 目 ( 準中級か ら上 級 :
15科 目
、23コマ) に乗 り入れている ことになる。 ( 表
2参照)
4.
乗 り入れ による問題点
留学生セ ンター開設 当初、学部の正規留学生 を対象 とした 日本語科 目に加 え、セ ンターが運営す る 日本語 コースは、 日本語研修 コース と大学院生 ・ 研 究生 を対象 とした補講 コースの2つ しかなかった。 しか し、200 4年度秋学期 か ら集 中プ ログラム ( もとの研修 コース)、一般プ ログラム ( もとの補講 コ ース) に加 えて、長崎大学短期留学プログラム ( NI S P )、留学生セ ンター交 換留学生プ ログラム ( NUJ AL P)が新設 され、2 007 年度秋学期か らは長崎大学 留学生セ ンター上級 日本語 ・日本文化 コース ( NAJ LC )が始 まった ことによ って、 中級以上の レベルでは一つのクラスにさまざまなプ ログ ラムの学生が 混在す るケースが多 くなった。その結果、 日本語科 目の単位 を必要 とす る受 講生 とそ うでない受講生が混在す るクラスが増えてお り、教員側 もクラス運 営等 について苦慮す るケースが増えている。
複数 のプ ログラムが一般プ ログ ラム に乗 り入れ るよ うになった ことによる 問題点 として、 まず、プ ログ ラムの開始時期 の違 いがあげ られ る。一般プ ロ グラムの年度開始時期は春学期
(4月)であるが、NI S P 、NUJ AL P、AJ LCの各プ ログ ラムの年度開始 は秋学期 ( 1 0月)である。留学 生セ ンターでは4月か ら の新年度の時間割 をその前年の秋 に決める。乗 り入れが始 まる前は一般プ ロ グラムの年度 に合わせて4月か ら翌年の3月までの時間割 りを決定すれば よか ったが、乗 り入れ後 はNI SPの年度終わ りである翌年 の9月までの時間割 を考 える必要が出てきた。 しか し
、1 年半分、つ ま り、年度 をまた いだ時間割 を 組むのは現状ではかな り難 しい。 また、 開講科 目変更 について も乗 り入れ開 始以前は半期 ごとに検討が可能であったが、複数のプログ ラム との乗 り入れ 後は、一般 プ ログ ラムの開始時期である4月か らNI SPの年度が終 了す る翌年
の
9月までの1 年半の間、 開講科 目の変更ができな くなった。
前年度の紀要で も述べたが、近年、長崎大学の学部 に所属する協定校か ら の1 年間 ( もしくは半年) の交換留学生が増加 している。 この学部所属の交 換留学生の中で、学部の正規留学生の 日本語科 目だけでな く、留学生セ ンタ ーの一般プログラムの受講 を希望するものが多いO しか し、 これ らの学生に 対 して、現況のシステムでは、学部正規留学生の 日本語科 目は単位 として認 定 され るが、セ ンターの一般プログラムについては受講証明の発行のみで単 位 の認定はできない
。NISPの中級以上の 日本語科 目は一般プログ ラムの 日本 語科 目と乗 り入れてお り、同 じ科 目を受講 しているにもかかわ らず、
NISPの 学生にとってはその科 目は単位認定科 目とな り、学部の交換留学生にとって は受講証明のみ しか もらえないというような状況が生 じて しまっている。
5.
今後の課題
セ ンター開設当初の
1996年の長崎大学の留学生総数は
200名ほ どであった が、現在では
360名ほどになっている。長崎大学の中期 目標等 を見 る と、今 後 も留学生の受入数 を増や していくことが大学の方針 として挙げ られてお り、
今後 も更に受け入れ留学生数は増加 していくと考え られる。
セ ンターのかかわる日本語プログラムの中で唯一乗 り入れがされていない のは集 中プログラムの
Aコースであるが、
2008年度後期か ら一般プ ログ ラム ( 初級 Ⅰ) との乗 り入れ を検討中である。その際にはすべてのプ ログ ラムを 見渡 した大規模なカ リキュラム編成の見直 しが必要 とされ る。受け入れ留学 生はますます多様化 してお り、今後の留学生数の変動、協定校か らの要望、
学内のニーズ等、 さまざまな観点か ら検討を加え、全体 のカ リキ ュラムを考
えていかなければな らないであろう。 また、上記で述べた乗 り入れによる問
題点 について も、早急に何 らかの対策 を講 じていく必要があ り、カ リキュラ
ム編成の見直 しと並んで、留学生セ ンターの
2008年度の最重要課題の一つで
ある。
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長崎大学留学生センターにおける日本語補講コース ( 日本語一般プログラム)の変遷
【 註 】
i
教養部は
1997年 にな くな り、それ以降全学教育科 目の留学生用科 目として 開講 されている。
ii1996
年
11月
27日のセ ンター会議 の議事録 を参照 した。
iii2004
年秋 のプログ ラム開始か ら現在 までのところ、 このプログ ラム に参加 している協定校はオ ランダのライデ ン大学で、毎年 日本語学科 の学生
10名が 参加 してきている。
iv2005
年度後期か ら、 「日本語特別講義」 ( 1コマ) に代わ って 「日本語演 習
Ⅰ」及び 「日本語演習
Ⅱ」( それぞれ 1コマずつ) を開講 した。
Ⅴ
このコースは長崎大学の協定校で 日本語 ・日本文化 を専攻 している学生で 日本語が上級 レベルの学生を対象 にしている。 このコースの学生は交換留学 生 としてではな く授業料 を支払 って留学生セ ンターの 日本語 クラスを受講す る。
( 参考文献)
1 )松本久美子 ・永井智香子
(2007)「 長崎大学留学生セ ンター における 日本語 教育 の
10年 を振 り返 って」 『 長崎大学留学生セ ンター紀要』第
15号
2)