• 検索結果がありません。

ブリ類を対象とした魚粉低減飼料の開発試験

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ブリ類を対象とした魚粉低減飼料の開発試験"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

ブリ類を対象とした魚粉低減飼料の開発試験

安全 食品部 研究専 門員 前野幸二

【目 的】

海面養殖業は,水産物の安定供給を図る上で重要な役割を担っているが,近年,養魚 用配合飼料の大部分を占める魚粉の価格は不安定に変動しており,養殖経営に影響が出 ている。そのため,養殖生産コストの大部分を占める餌飼料について低コスト化が求め られており,特に,配合飼料中の多くを占める魚粉の配合割合を低減し,かつ漁場環境 に配慮した養魚飼料に対する関心が高まっている。しかし,魚粉割合を低減し魚粉代替 蛋白質源の比率を高めた低魚粉飼料や無魚粉飼料では,摂餌の悪化や成長停滞,緑肝症 等が認められることが報告されている。一方,無魚粉飼料で飼育したブリの飼育成績は

, 。 ,

劣るが タウリンを添加することで飼育成績が改善することも報告されている そこで 本県の重要養殖魚であるブリ類を対象に配合飼料中の魚粉割合の低減化及び合成タウリ ン(以下,タウリンとする)の添加効果を検証し魚粉低減飼料の開発を図り,もって養 殖経営の安定化に資する。

【材料及び方法】

カンパチ当歳魚及び1歳魚を供試魚とし,従来の魚粉割合と同等のEP飼料及び段階的 に魚粉割合を低減しタウリンを異なる割合で添加したEP飼料を用い,試験1~3(表1) を実施した。各試験ともに水技センター地先海面施設にて4~5日/週,1回/日の飽食給 餌を基本とした飼育試験を約4ヶ月間実施した。一定期間毎に尾叉長や魚体重,肥満度 等を把握し,試験終了時には体表・切り身の色調等の測定や食味調査を実施した。

表1 試験区の設定

【結果及び考察】

試験1では,魚粉割合が40%飼料区の中で飼料1-3,1-4の魚体重や増肉係数は,飼料 1-2より優れたことから,タウリンを添加したことで成長改善の効果が得られたものと 判断された。また,飼料1-4は飼料1-3や飼料1-1(対照飼料)より増重率等の飼育成績 が優れたことから,タウリン添加量の多寡は,成長改善効果の程度に影響するものと推 察された(図1,2 。)

試験2では,魚粉低減飼料区の中で飼料2-3は,尾叉長,魚体重のいずれも劣ったが,

飼料2-2,2-4は,飼料2-1(対照飼料)と同等以上の飼育成績を示した(図3,4 。) 試験3では,魚粉割合を段階的に10%まで低減した試験飼料を用いたが,例年より海 水温が1~2℃高い状態が長期継続したため,特に飼料3-2で摂餌が落ち,成長指標も劣 った。しかし,他の魚粉低減飼料区では,摂餌や成長指標は飼料3-1と同等以上であっ た(図5,6 。)

これらのことから,カンパチ当歳魚においては,魚粉割合を40%に低減した飼料には 従来の飼料(魚粉60%)と同等以上になるようタウリンを添加する必要があると判断さ れた。1歳魚においては,魚粉割合を20%程度に低減しただけ(タウリン無添加)では 成長が劣るため,当歳魚と同様にタウリンの添加が必要であると判断された。これらの 魚粉低減飼料は,漁場環境への負荷面においてリンの負荷量低減化に繋がることが示唆 された。試験終了時における魚体品質は,切り身の色調や圧縮強度,ドリップ量等の物 性面のほか,食味調査(図7)でも対照飼料区と同等の評価が得られた。今後の課題と して魚粉量と抗病性との関係,高水温期に対処した給餌方法,低水温期において魚粉低 減飼料を給餌した場合の成長の検証等が残された。

【試験1】 【試験2】 【試験3】

供試魚 当歳魚 供試魚 1歳魚 供試魚 1歳魚

収容尾数 80尾/区 収容尾数 50尾/区 収容尾数 70尾/区

魚体重 200g 魚体重 1.4kg 魚体重 1.5kg

試験期間 H20.8~12 試験期間 H21.8~12 試験期間 H22.7~11

飼料 魚粉 タウリン(合成) 飼料 魚粉 タウリン(合成) 飼料 魚粉 タウリン(合成) アミノ酸

1-1 60% 2-1 60% 3-1 50%

1-2 40% 2-2 32% 0.20% 3-2 30% 0.20%

1-3 40% 0.15% 2-3 21% 3-3 20% 0.30% 1.10%

1-4 40% 0.70% 2-4 21% 0.28% 3-4 10% 0.40% 2.20%

(2)

( 1) ( 1)

図1 水温と日間給餌率の推移 試験 図2 平均体重の推移 試験

( ) ( )

図3 水温と日間給餌率の推移 試験2 図4 平均体重の推移 試験2

( ) ( )

図5 水温と日間給餌率の推移 試験3 図6 平均体重の推移 試験3

図7 食味調査結果

1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

8/11 9/8 10/6 11/4 12/2

平 均 体 重 ( g )

飼料2-1 飼料2-2 飼料2-3 飼料2-4

17.2 10.4 9.3

14.6 18.4

26.9 26.9 23.3

28.1

26.9 26.9

26.5 29.6

34.8

37.2

25.5

22.5

30.2

35.8

29.0

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

総合評価 う ま み 脂ののり 歯ごたえ 外 観

評価点の割合 飼料3-1 飼料3-2 飼料3-3 飼料3-4

150 250 350 450 550 650 750 850 950

8/19 9/16 10/14 11/11 12/9

平 均 体 重 ( g )

飼料1-1 飼料1-2 飼料1-3 飼料1-4

1,000 1,500 2,000 2,500 3,000

7/29 8/26 9/22 10/21 11/24

平 均 体 重 ( g )

飼料3-1 飼料3-2 飼料3-3 飼料3-4

15 20 25 30

8/19 9/16 10/14 11/11 12/9

水 温(

℃)

1.0 1.5 2.0 2.5

Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ期

日 間 給 餌 率 (

% / B W )

飼料1-1 飼料1-2 飼料1-3 飼料1-4

0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8

Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ期

日 間 給 餌 率 (

% / B W )

飼料2-1 飼料2-2 飼料2-3 飼料2-4 15

20 25 30

8/11 9/8 10/6 11/3 12/1

水 温(

℃)

15 20 25 30 35

7/29 8/26 9/23 10/21 11/18

水 温(

℃)

0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6

Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ期

日 間 給 餌 率 (

% / B W )

飼料3-1 飼料3-2 飼料3-3 飼料3-4

参照

関連したドキュメント

筆者の道津とその協力者らはハゼ亜目 魚類 (ハゼ類) の中で小卵多産の繁殖を行なう事が知られて いた本種の生活史の解明と養殖種苗の生産を目指して

どこまで粉末を細かくすれば良いかについては既に調べられており, こま Cu Kα

(1) 水準 1~5 の結果から,泥水比重 1.1 の場合,鉄粉添加量 1 wt%,撹拌 時間 10 分の条件では粗粒分,細粒分で溶出量が基準値を超過する結果と なった. しかし, 鉄粉添加量 5 wt%,

1 目 的 農林水産省の定めた有害化学物質のサーベイランス・モニタリングに関するガイドライン

混合飼料工場及び港湾倉庫等で採取した動物質性飼料 189 検体,国内製造牛用配混合飼料 216 検 体及び輸入牛用飼料 35

その他、仔稚魚を育てる飼育水槽には、ワムシの他に、植物プランク

私たちの体の細胞膜は、主にリン脂質と呼ばれるもの(赤い部分)で出来てい

プレーパー添加区の増重量と飼料効率辻,対照の無添加区のそれらの約