養殖ブリ類を対象とした魚粉低減配合飼料の給餌試験
安全食品部 主任研究員 前野幸二
目的:養殖ブリ類を対象とした魚粉低割合の固形配合飼料(以下,EP)の開発と効率的な給餌方法を検討する。
方法:一般的な魚粉割合のEP(従来型)と低魚粉EPをブリ類に給餌し,一定期間ごとに魚体測定等を行った。
タウリン:アミノ酸の一種。無魚粉又は低魚粉の飼料では,飼料中のタウリン含量が不足し,
緑肝症が発症するとともに,成長停滞等の異常が見られることがあるが,タウリンを 添加することにより改善できることが報告されている(H21.6月に合成タウリンが 飼料添加物に承認)。
フィッシュソリブル:鰹節製造時に生じる煮汁から油分を除いた液汁の濃縮物
結果
H21 年度の取組み
カンパチ 1 歳魚を対象とした低魚粉 EP の給餌試験
(魚粉割合の更なる低減化)
ブリ当歳魚を対象とした低魚粉 EP の給餌試験
(魚粉割合の更なる低減化と給餌間隔の検討)
1-(1)カンパチ当歳魚(開始時魚体重 200g)
飼育期間:H20.8/19~12/9(16 週間)
試験飼料:①魚粉 60%,②魚粉 40%,③②+合成タウリン 0.15%,
④②+合成タウリン 0.7%
1-(2)ブリ当歳魚(開始時魚体重 540g)
飼育期間:H20.10/29~12/24(8 週間)
試験飼料:①魚粉 60%,②魚粉 50%,③魚粉 40%
魚粉削減分は,濃縮大豆,フィシュソリブル,焼酎粕で代替
※いずれも飽食量近くまで給餌
1-(1)カンパチ当歳魚(低魚粉EPの検討)
1-(2)ブリ当歳魚(低魚粉EPの検討)
2-(1)ブリ当歳魚(開始時魚体重 540g)
飼育期間:H20.10/29~12/24(8 週間)
試験飼料:①魚粉 60%,②魚粉 50%,③魚粉 40%
給餌方法:飽食及びその 80%給餌(制限区)
1.低魚粉 EP の検討(魚粉レベルと合成タウリンの添加) 2.低魚粉 EP による給餌方法の検討
2-(1)ブリ当歳魚(低魚粉 EP による給餌方法の検討)
結果:魚粉 40%飼料の中でタウリン添加区は,魚粉 60%
飼料と同等以上の成長を示した(図 1,2)。
→飼料中の魚粉は 60%から 40%に低減することが可 能と思われた。
結果:魚粉 40%飼料は他の飼料に比べて成長は劣っ た。しかし,魚粉 50%飼料は,魚粉 60%飼料と同等の成 長を示した(図 3,4)。
→濃縮大豆等で魚粉を置換した場合,魚粉は 50%に低 減することが可能と思われた。
結果
1.制限区は,飽食区と比べて成長は劣った。
2.制限区の中では,魚粉 60%飼料と魚粉 50%飼料の成 長等は同等であった。飽食給餌した場合と同様,魚粉 40%飼料は劣った(図 5)。
3.飽食区の中でも,魚粉 60%飼料と魚粉 50%飼料の成 長等は同等であった(図 5)。
→今回の試験飼料及び魚体サイズ,時期では,1 回当 たりの給餌量は制限せずに,飽食量近くまで給餌する ことが必要と思われた。
魚体測定(カンパチ) 試験終了(尾叉長約 34cm)
飼育水槽(ブリ) 試験中のブリ
試験終了(尾叉長約 32cm)
なお,本試験は水産庁「持続的養殖生産・供給推進事業(低コス ト飼料・効率的養殖生産手法開発事業)」にて実施している。
図2 通算の増肉係数(カンパチ)
FM60 FM40 FM40+
Tau0.15 FM40+
Tau0.7 0.0
0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6
増 肉 係 数
図3 平均体重の推移(ブリ)
450 550 650 750 850 950
10/29 11/12 11/26 12/10 12/24
平 均 体 重(
g)
FM60-飽食 FM50-飽食 FM40-飽食
図4 通算の増肉係数(ブリ)
FM60 FM50 FM40 0.0
0.5 1.0 1.5 2.0 2.5
増 肉 係 数
図5 平均体重の推移(ブリ)
450 550 650 750 850 950
10/29 11/12 11/26 12/10 12/24
平 均 体 重(
g)
FM60-飽食 FM60-制限 FM50-飽食 FM50-制限 FM40-飽食 FM40-制限 図1 平均体重の推移(カンパチ)
150 250 350 450 550 650 750 850
8/19 9/16 10/14 11/11 12/9 平
均 体 重(
g)
FM60 FM40 FM40+Tau0.15 FM40+Tau0.7