数学要論
B(担当:小森洋平)12月7日
講義のサポートページ:
http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/~komori/yoronB2011.html関数とその連続性
定義(関数、定義域、合成関数)
R
の部分集合
Aを 定義域 とする 関数
f :A→Rとは、A の任意の元
x∈Aに対 し実数
y∈Rを対応させる規則のことである。R の部分集合
Bを定義域とする関数
g :B →Rがあって、f
(A)⊂Bを満たすとき、f と
gの 合成関数
g◦f :A→Rを、A の任意の元
x∈Aに対し
g◦f(x) :=g(f(x))で定義する。
定義(f
(x)は
aに収束する)
関数
f :A→Rに対し、x
∈Aが
x0に近づくとき、f
(x)は
aに収束する とは、
∀ε >0,∃δ >0,∀x∈A: 0<|x−x0|< δ ⇒ |f(x)−a|< ε
と定義し、
xlim→x0f(x) =a
と記す。ここで
x0は 定義域
Aに含まれている必要はない。
命題(収束と同値な条件)
xlim→x0
f(x) =a⇐⇒ ∃c >0,∀ε >0,∃δ >0,∀x∈A: 0<|x−x0|< δ⇒ |f(x)−a|< cε
命題
1.26関数
f :A→Rと関数
g:A→Rが、lim
x→x0f(x) =aと
limx→x0g(x) =bを満 たすとする。このとき、
(1) limx→x0(f+g)(x) =a+b.
(2) c∈R
に対し、lim
x→x0cf(x) =ca.(3) limx→x0(f g)(x) =ab.
(4) ∀x∈A
で
g(x)̸= 0かつ
b̸= 0ならば、lim
x→x0f
g(x) = ab.
命題
1.27関数
f :A→Rに対し、
limx→x0f(x) =aであるための必要十分条件は、
limn→∞xn= x0を満たしかつ任意の
n∈Nに対し
xn ̸=x0を満たすような
Aの任意の収束列
{xn}n∈Nに対し、lim
n→∞f(xn) =aとなることである。
定義(右極限、左極限)
関数
f :A→Rの
x0における 右極限 が
aであるとは、
∀ε >0,∃δ >0,∀x∈A∩ {x∈R|x > x0}: 0<|x−x0|< δ⇒ |f(x)−a|< ε
1
2 数学要論B (担当:小森洋平)12月7日
と定義し、
x→limx0+0f(x) =a
と記す。同様に、関数
fの
x0における 左極限 が
aであるとは、
∀ε >0,∃δ >0,∀x∈A∩ {x∈R|x < x0}: 0<|x−x0|< δ⇒ |f(x)−a|< ε
と定義し、
lim
x→x0−0f(x) =a
と記す。
命題(収束と同値な条件)
xlim→x0f(x) =a⇐⇒ lim
x→x0+0f(x) = lim
x→x0−0f(x) =a
定義(関数が1点で連続、連続関数)
関数
f :A→Rが
x0∈Aで連続である とは、
∀ε >0,∃δ >0,∀x∈A: 0<|x−x0|< δ⇒ |f(x)−f(a)|< ε
と定義する。つまり
xlim→x0
f(x) =f(x0)
のことである。a
∈Rの
r-近傍Ur(a)を
Ur(a) :={x∈R| |x−a|< r}
と定義すると、f が
x0∈Aで連続であるとは、
∀ε >0,∃δ >0 :f(Uδ(x0)⊂Uε(f(x0))
のことである。特に
Aの任意の元
x∈Aで
fが連続のとき、
fを 連続関数 という。
命題
1.30関数
f :A→Rが
x0∈Aで連続とする。関数
g:B →Rは
f(A)⊂Bを満たし、
f(x0)∈B
で連続とする。このとき合成関数
g◦fは
x0∈Aで連続になる。
命題
1.31関数
f : A → Rと関数
g : A → Rはともに
x0 ∈ Aで連続とする。このとき、
f+g, cf (c∈R), f g, f /g
はすべて
x0∈Aで連続になる。ただし
f /gを考える際 は
∀x∈Aで
g(x)̸= 0かつ
g(x0)̸= 0と仮定する。
例
(1)
多項式
P(x)は
Rを定義域とする連続関数である。有理式
P(x)/Q(x)は分 母
Q(x)の零点の補集合を定義域とする連続関数である。
(2) R−Q
上の関数
f :R−Q→Rを
f(x) ={
0 (x <0) 1 (x >0)