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免疫応答の遺伝的背景 : マウスH-2 class II抗原(Ia抗原)について

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Academic year: 2021

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76 正常マウスのIgM型自己抗体産生細胞は外来抗原 に対する抗体産生細胞とは異なる特徴をもつ細胞集団 (Lyl陽性細胞)として成熟マウスの脾,骨髄,肝臓に 存在し,NZBマウスではその細胞数は増加する. 免疫応答は種々の調節性T細胞によって制御を受 けている,マウスにおける実験的臓器特異的自己免疫 疾患の成立には種々のT細胞集団が関与しているこ とが明らかになって来た.例えばLyt1−2+3+T細胞は 胃粘膜,甲状腺,睾:丸組織に対する自己抗体産生を誘 導し,Ly1+2皿3−T細胞はこの反応を抑制する.この自 己抗体産生を促進する調節性T細胞の活性化の機構 は,1つの考え方として,何らかの原因により(例え ばr・インターフェロン),自己構成細胞がIa抗原陽性 となり,自己抗原応答性T細胞の活性化を導くことが 考えられる. 自己抗体産生の過程は複数の道筋よりなっていると 思われる.これからの研究方向は,それぞれの道筋を 解明して,ヒトの自己免疫疾患の解明の手がかりを与 えることと思われる, 2.免疫応答の遺伝的背景 マウスH・2class II抗原(la抗原)について (東京大学医学部物療内科)山本 一彦 免疫応答には種々の細胞が関与しており,これらが お互いに相互作用をして機能を発揮している.主とし てマウスの実験でわかってきたことであるが,ある特 定の抗原を動物に免疫してこの動物の免疫した抗原に 対する反応を調べると,種々の系統のマウス間で高反 応と低反応(又は無反応)の早撃に分けることができ る.一つの純系マウスでは,個体が違っても反応は同 じであるから,その特定の抗原に対する免疫応答は遺 伝的に規定されていることがわかる.純系同士でいろ いろな染色体の一部が組み替えられたマウスを用いる と,この免疫応答を規定する遺伝子の多くが,17番目 の主要組織適合抗原遺伝子群(H−2,ヒトでのHLAに 相当する)の1領域に存在することが分かってぎた. この1領域にある構造遺伝子はclass II抗原(la抗原) と呼ばれる糖蛋白を支配し,このIa抗原分子はマクロ ファージ,B細胞などの細胞表面上に存在する.細胞 免疫の詳細な実験により,外来異物に対して生体が反 応するときには,まず異物はマクロファージ等に取り 込まれ細胞内消化され,異物の一部が細胞表面に再び 現われ,これとIa抗原が結びつき複合物を形成し,こ れをT細胞が認識し活性化され,生体全体を異物特異 的免疫反応へと導いていくことがわかってきた.免疫 反応の高低は,異物断片とIa抗原が複合体を作るとき の結合度によるのであろうとの実験報告もある. このような免疫応答の初期に起る抗原特異的な反応 機序が自己免疫や移植免疫でも重要な役割を果たして いる可能性が大きい.例を挙げれば,抗Iaの抗体を生 体に注射することで自己免疫モデルマウスの腎炎はか なり抑制されるし,犬の腎移植でも,ドナーの腎を抗 Iaの抗体で処理すると急性拒絶反応が抑えられるこ とがわかっている.慢性関節リウマチでも滑膜中の細 胞にIa抗原が多く存在し,これと反応するT細胞が 多く集まっていると思われる所見がある.Ia抗原の性 状をより詳細に調べることでこれら疾患の理解につな がる可能性があると思われる. 3.SLEにおけるCR l receptorについて (リウマチ。痛風センター)寺井 千尋 補体第3成分(C3)は補体系の中心的役割をなす蛋 白で,補体系の生物活性の多くは,このC3の活性成分 が細胞膜上の補体レセプターに結合することにより発 現する.C3レセプターにはCR1(C3bレセプター), CR2(C3dレセプター), CR3(iC3bレセプター)があ る.CR1は分子量約20万の糖蛋白で,霊長類では赤血 球,好中球,単球,Bリンパ球や腎上皮,肝脾の網内 系細胞上などに存在する. 免疫粘着反応(IA)は抗原抗体と補体の結合物が霊 長類赤血球に附着する現象でC3bとCR1の結合によ り起こる.鋭敏な反応として検査に用いられるが赤血 球のIA活性には大きな個人差がある.熱変性グロブ リンを免疫複合体(IC)モデルとし補体を加えてSLE 患者赤血球のIA活性を測定すると2/3の患者は陰性 であった.正常人では赤血球IA活性は90%で陽性を 示した.その後単クローン抗CR1抗体を用いた研究に よりIA活性陰性は,赤血球上CRI site数の減少によ ることが判明した.正常人の赤血球CRl site数は,低 値(10%),中間値(60%),高値(30%)の三峰性に 分布するが,SLE患者では低迷,中間値が約半数宛で 高値はみられなかった.赤血球CRI活性は多くは治 療・病勢の影響を受けず,家系調査の結果からも主に 遺伝的に規定されると考えられる. CR1は補体活性化の抑制因子として働く他に, IAに 見られるようにICなど異物の補促・除去を行なう. CR1分子数は赤血球で500程度,好中球, Bリンパ球で 数万であるが,赤血球の絶対数が多いので血中CR1の 90%以上は赤血球に存在する.サルを用いた実験で, ICを静注すると大部分は直ちに赤血球に結合し,肝の 一614一

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