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3. 皮膚筋炎を合併した肺大細胞癌の1例(第31回北関東胸部疾患研究会)

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Academic year: 2021

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白色腫瘤であり種々の程度に間質の線維化 化, 出血を 伴う血管腫様部 を含んでいた. HE 染色で胸膜に包ま れた腫瘍組織で細胞核には軽度の異型を認めた. 境界は 明瞭で浸潤傾向を認めなかった. 組織学的には肺内にあ り, 円形ないし多辺形の細胞の充実性増殖とその表面を 覆う円柱状・立方状細胞からなる充実性・乳頭状構造が 主体であった. ヘモジデリンを取り込んだ細胞や泡沫組 織球の出現も認められた. 免疫染色を行ったところサイ トケラチン染色で表面部に強く染色傾向が認められ, 上 皮性組織であることを推察させた. TTF-1染色で, 充実 部の腫瘍全体にその発現が認められ, 肺胞上皮由来であ ることを推察させた. 以上の組織像より 化性血管腫と の診断にいたった. 若年成人女性に発生した 化性血管 腫の一例を経験した. 術前の画像診断では腫瘍成 が肺 内か肺外か鑑別が困難であった. 病理学的には腫瘍自体 は肺内に存在していた. 中葉原発の同疾患は報告も少な く, 縦隔方向への進展が認められた例は非常に貴重と えられた. 3.皮膚筋炎を合併した肺大細胞癌の1例 小 恵,塩澤 裕行,吉見 誠至 原田 孝,富岡 眞一 (利根中央病院・内科) 内藤 雅仁,郡 隆之 (同・外科) 症例は 70歳女性. 平成 19 年 5月頃, 検診にて右上肺 異常陰影を指摘され医療機関を受診したが, 確定診断に 至らず受診を中断していた. 平成 20年 4月頃より被髪 部と項部の皮疹および四肢近位筋の筋力低下と筋肉痛が 出現し, 入院となった. 精査の結果, 皮膚筋炎を合併した 右上葉原発の大細胞神経内 泌癌 cT2N2M0 stageⅢ A と診断した. 皮膚筋炎に対し, ステロイドパルス療法と ステロイド内服を行い, 大細胞神経内 泌癌に対し, 術 前・術後化学療法 (CBDCA+PAC)と手術療法を行なっ た. 皮膚筋炎に内臓悪性腫瘍合併率が高いことは良く知 られているが, 本症例は肺癌が皮膚筋炎に先行していた 点, ステロイド療法と肺癌に対する治療の両者により皮 膚筋炎が改善した点において比較的稀な経過であり報告 した. 4.両肺野にびまん性スリガラス陰影を呈した成人 T細 胞白血病の1例 下山 大輔,石原 真一,佐藤 浩央 口 清一,小林 裕幸,荒井 泰道 (伊勢崎市民病院・内科) 鈴木 豊 (同・病理) 【症 例】 71歳 男 性 【主 訴】 皮 疹, 血 痰 【既 往 歴】 肺結核 (23歳, 10ヶ月間治療), 慢性 C 型肝炎 【喫 煙 歴】 60本/日×5年 BI :=300 【出 身 地】 福 岡 県 【家族歴・アレルギー歴】 特記すべきこと無し 【職業 歴】 アスベスト噴霧されたボイラー室の仕事 (15年) 【現病歴】 2007年頃より上下肢に皮疹出現し, 近医皮膚 科受診していたが, 改善は認められなかった. 2008年 10 月上旬より血痰が出現. 近医受診し投薬を受けたが血痰 が持続するため, 11月 4日精査目的に当院紹介受診と なった. 【検 査 所 見】 WBC34000/μl (Lymph25.0%, Eosio14.0%, 異型 Lymph26.0%), LDH466IU/L, 可溶性 IL-2R20000U/ml,HTLV-1抗体 (EIA 法)陽性,HTLV-1抗体 (west-blot法) 陽性 【末梢血像】 核に切れ込み のある異常リンパ球が散見 【胸部単純写真・胸部 CT】 両下肺野にスリガラス陰影あり. 両肺野にびまん性に 布する小粒状影を認めた. 気管支血管束に連続する浸潤 影も散見された. 【肺生検像】 肺胞組織で間質に水腫 とリンパ球や形質細胞浸潤を主体とする炎症細胞浸潤あ り. T 細胞優位のリンパ球浸潤が認められた. 【 察】 ATL に合併する肺病変には HTLV-1関連肺病変, 腫瘍 細胞の浸潤, ニューモシスチス肺炎やサイトメガロウィ ル ス 肺 炎 な ど 日 和 見 感 染 に よ る 肺 炎 が 挙 げ ら れ る. HTLV-1関連肺病変は細気管支肺胞領域に特異的な病 態像を形成する概念であり,この HTLV-1関連肺病変は 1988年木村らの提 唱 し た HTLV-1 associated bron-chiolo-alveolar disorderや丸山らの提唱した HTLV-1 -associated bronchopneumopathyなどが挙げられる. い ずれも肺内に浸潤した HTLV-1陽性リンパ球が IL-2 などの液性因子に活性化され増殖した結果, 肺病変を惹 起すると えられている. HTLV-1関連肺病変の臨床症 状は無症状から呼吸不全に至るまで多彩であり, 画像の パターンとして木村らは間質性肺炎型と DPB型の 2病 型に 類し, 丸山らはびまん性網状影, 気管支拡張所見, 線維化像などを挙げている. 本症例では詳細な検討は 行っていないため確定診断には至らなかったが, 血清学 的検査および病理所見より日和見感染については否定的 と えられ,腫瘍細胞の浸潤もしくはこの HTLV-1関連 肺病変を合併した可能性が えられる. 5.ゲフィチニブ奏効中に腎機能障害が出現した肺線癌 の1例 土屋 卓磨,遠藤 克明,矢富 正清 堀江 夫,滝瀬 淳,稲沢 正士 (前橋赤十字病院・呼吸器内科) 【症 例】 77歳, 女性 【主 訴】 顔面浮腫, 尿量減少 【現病歴】 平成 19 年 5月頃より右胸痛及び背部痛を自 覚. 同年 7月に右 S8原発の肺腺癌 c-T4 N3 M1 stageⅣ と診断. 脳転移に対して γナイフ施行し, 8月 29 日より CBDCA+GEM による化学療法を 4サイクル施行.平成 第 31回北関東胸部疾患研究会 376

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