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Phos-tag 解析から見えてきた新しい EGFR 活性化機構

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Academic year: 2021

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Phos-tag 解析から見えてきた新しい EGFR 活性化機構

(富山大学・大学院医学薬学研究部(薬学)1) ○ 櫻 井 さくらい 宏 明 ひろあき 1・田中 た な か 智大 ともひろ 1・ 周 しゅう 越 えつ 1

A new mechanism of EGFR activation based on Phos-tag analysis

(Graduate School of Medicine and Pharmaceutical Sciences, University of Toyama1)

○H. Sakurai1, T. Tanaka1, Y. Zhou 1

Short Abstract: Ligand-binding to EGFR triggers homodimerization and subsequent canonical activation of

intracellular tyrosine kinase domain. It has recently become evident that EGFR is also regulated by non-canonical tyrosine kinase-independent mechanisms via phosphorylation of its serine/threonine residues. This non-canonical, p38-mediated phosphorylation of the C-tail of EGFR induces the clathrin-mediated endocytosis of the unliganded EGFR monomers, which occurs slightly later than the canonical endocytosis of ligand-bound EGFR dimers via tyrosine autophosphorylation. EGFR endocytosed via the non-canonical pathway is largely recycled back to the plasma membrane as functional receptors, whereas p38-independent populations are mainly sorted for lysosomal degradation. In this symposium, I mainly introduce our recent findings based on Phos-tag analysis, and discuss current model of ligand-induced EGFR trafficking.

Keywords: EGFR, Phos-tag, Phosphorylation, Endocytosis, Recycling, p38

チロシンキナーゼ型受容体(RTK)は、がん悪性化進展を制御する最も重要な分子である。RTK は 細胞外に増殖因子が結合することで活性化され、下流の基質タンパク質のチロシンリン酸化を介して 細胞内にシグナルを伝える。この定型的な活性化機構の解明は、細胞増殖シグナルの理解とがん分子 標的薬開発に大きく貢献した。最も解析が進んでいるのはepidermal growth factor receptor (EGFR)であ り、その阻害剤は肺がんや大腸がんの分子標的薬として臨床応用されている。一方、チロシンキナー ゼ活性に依存しない新たなRTK 活性化機構が注目されている。セリン/スレオニン残基のリン酸化を 介する非定型的な活性化制御機構であり、がん病態制御における次なる標的として解析が進んできた。 本シンポジウムでは、がん進展制御におけるRTK の非定型的活性化機構の果たす役割について、我々 の研究成果を中心に紹介する。 我々は、炎症性サイトカインTNF-が p38 を介して EGFR を非定型的にリン酸化し、クラスリン介 在性にエンドサイトーシスした後に細胞膜にリサイクリングする新しい細胞内輸送機構を解明した 1)。 一方、EGF による EGFR の細胞内輸送機構は長年解析行われてきた。EGF 結合により EGFR のホモ二 量体が形成され、チロシンキナーゼ活性依存的にエンドサイトーシスし、後期エンドソームを経て最 終的にはリソソームで分解を受ける。この時、一部のEGFR は細胞膜へリサイクルされることもわか っていたが、リソソーム経路とリサイクリング経路への振り分け機構は不明なままであった。また、 不思議なことに、刺激するEGF 濃度によってエンドサイトーシス後の細胞内挙動が異なっていること も知られていた。低濃度EGF ではリサイクリングが優位に、逆に高濃度 EGF ではリソソーム経路が 優位となるが、なぜこのような違いが生じるのかについても未解明であった。そこで、我々はTNF- によるEGFR 制御機構を参考にして、新しい EGFR 制御モデルを確立した2)。これまでは、EGF が結 合した活性型EGFR 二量体のみがエンドサイトーシスしていると考えられていたが、それに並行して p38 によるセリン/スレオニン残基のリン酸化を介した非定型的な EGFR エンドサイトーシスが起こ っていることを見出した。この非定型的なエンドサイトーシスは、EGF が結合していないチロシンキ ナーゼ不活性型単量体EGFR によるものであり、エンドサイトーシス後は脱リン酸化され細胞膜へリ サイクルされることがわかった。つまり、EGF による EGFR のエンドサイトーシスは、定型的なリガ ンド結合型と非定型的なリガンド非結合型のものがほぼ同時に起こっており、前者はリソソーム経路 へ、後者はリサイクリング経路へと運ばれていることがわかった。また、リガンド濃度が高いとリガ ンド結合型が多くなるためリソソーム経路へ、逆にリガンド濃度が低い場合はリガンド非結合型のリ サイクリング経路が優位となることもわかった。 新しい EGFR 細胞内輸送モデルの確立にあたっては、Phos-tag 解析により大変重要な情報が得られ た。本講演では、Phos-tag 解析の有用性を交えて上記モデル確立に至った結果を紹介する予定である。 参考文献

1) M. Nishimura et al., Mol. Cell. Biol., 29, 5529-5539 (2009).

2) T. Tanaka et al., J. Biol. Chem, 293, 2288-2301 (2018).

2S4-4

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参照

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