氷粒の昇華による変形について
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(2) . 第20巻. 第1号. 4年9月 昭和4. 北海道教育大学紀要 (第2部A). , .. 氷粒の昇華による変形について 佐 々 木 一 郎・矢. 作. 裕. 北海道教育大学釧路分校物理学教室. lchi roshi YAHAG1 rO SASAK1 , Hi i i t i do Uni t on i s ver y ofEduca r o Br anch The Depar tmentof phys c s , Hokka , Kushi. imat on nqeta1morphosis by Subl ・ on of lce Particle. Sum mary ine i 20mm ce ( indsofsamples were used: plates of polycrystall 工n d i s experiment two k , d i k i 2 4 h i ) 2 l 5 0 7 u s - r a 0 t i mm n ike ice par c, t ces (.-. mm . At ensl thi ck,12cm in area) andl h f l i t f b ton rom e surface f h f h th rate o su ima 8% R.H. 7-4 -100C, 1 , . , in t e case o t e ormer e fi 8m/s ty wi he wind veloci thi ional to t n the range ofo-3 , ,and the rate o ncrease was ro ort p p ing ions except t th the same condi ln ・g/cm2hrfor l m/s of wind velocity, Wi was about o , h i h f b l i i t f t es e r cal h r o n ・ l t n h o t u n ・ a t t f s p r e h e a e r t i d o a i e the inHuence of ra iaton, n t e case o f h i h h l t t t ce t o e i a b a n r the radi us of curvatures: lcm) was a out two t mes arge surface ( b h f l i th theincrease of wind o ve octy,t erate ecame s of wind velocity, and wi plates under l m/ l he rate of sublimation f rom an ice sphere under f T h f h e s r s a n ・ d t i h o rme i t t i a o e p , co ns e wt 2 d h h h l l h t i t h h e experimentai value we t t e a n o o t e 17n eore ca y, n imn ・g/cm r r i s o. ・ovable ai. 19 mg/cm2hr ined was o obt a . .. 1. ま. え. が. き. )によれば,雪の内部およ び表面での昇華に関する理論的研究をお i ソ ビエトの Dyun n 教授の論文1 こなった結果, 両者は相互に 密接な関連をも った興味ある問 題であり, 外部表面での昇華の影響が 班細であるとす る見解は当を得ていないと記されている. 例証として, 雪の消失量が ブリ ザー ドに. よる雪の移動 の過程で急激に増 加することをあげ, このこ とは粉末物質の溶解のさいの撹件の効果 に 相当すると説明 している. そ して従来のこの種の理論 が水表面からの蒸 発に基礎を置いているの が難点であると している. この論文では雪片を微細な氷粒とみたて, 回転楕円体と して, 粒子の相 互作用の項を実験か ら求めていくつかの結論を得ている. われわれはこの論文にヒントを得て, レ ・の, 特定の曲率をもっ た氷粒の風速と 昇華速度の関係を求める実験を試 みた. ンズ状 をした数 mn 当教室では通 常の湿度の下で氷盤からの昇華 速度を求める実験を行なってきたが, 今回の試みはこ れに連なるものでもある. 実験は -1ooC の低温室内で吸湿フィ ルターを備えた 低湿度の循環 気流を氷盤にあて, 試料の重 量変化と吸湿剤の重量変化とからまず風速と昇華速度の関係を得た. 続いて Cds を要素とする ブ n の レンズ状氷粒にあてた光の変化を電圧 リ ッ ジを組みたて, 上と同様の 装置によ って直径数 ml 変化として取り出して記録することによって, 試料の変形, 消失までの時間を測定した. またこの (34).
(3) . 氷粒の昇華による変形について. とき, 試料を上方側方より間欠的に撮影して, 形状の変化を調べる一方 記録のための光源と して ,. 用 い た パ イ ロ ッ トラ ン プに よ る 幅 射 の 影 響 も 調 べ た. 以 下 は そ の 報 告 で あ る ,. 1 1 実験 装置と実験 方法. 「 ー il i. 1 ( ) 装置と方法 第1図は, この実験の装 置全体の模式図である. 低. 温室 (図で 点線は低温室を 示 して い る) に 入 れ た こ の. 」. 装置 は エ ア ポ ン プ, 2 個 の 吸湿フィ ル タ ー を 備 え て. おり, 乾燥空気が矢印に沿 っ て 循 環 す る. 中 央容器. i t emom e e ump a n ra rp. E P) は ア ク ア リ ウ ム を 利. 用 し, この内部は温. 第 1 図. ↓. 度 -looC に 固定 し,. . 相対湿度は風速に比. 、 P .」 , \. ↓. 7~4 8% で 例 して 1 , , あ っ た,. ′ ′ ′ ノ. 第2図(写真1 )は,. 第1図のアク アリウ ム. 1 1 1 1 1 ÷→-. ノ. - 叔 獅P e. . . ′ P」 / .. /. 、 \. Re d c o e r r. ↓. 印) 内に置か. れる装置であり, 一 定の風速を氷盤にあ. →. → 1 e. て昇華速度を調べる. 雷. も の で あ る, こ の さ. い天秤で直接試料を 計量して重量の減少を求 め る と と も に, 第 1 図 に. 示 さ れ て い る 2個の吸湿 フィ ル タ ー の 増 加 分 を 調. べて昇華量を知ることが できた, このとき試料な しで乾燥空気を循環させ. 第 2 図. 第 3 園. 一一榊1 小 - - ----’ -榊“ 鴫“--- 叫“榊“. - -鱈一州M+■ -- ” ---“情- ---冊榊----情----”冊↑「 I. ← ‐キ ′. ー ・ ◎. た場合でも風速が増すに. P ,L ,. つ れ て, フ ィ ル タ ー の 重. 量 が増してい ったので,. ー. 手 ・. I. ⑩ P,L.. ‐■--増-’→→【扉.掛---’--冊“… ----‐”…・一‐ -----“-- r --“” ‐ ‐---“冊------J. この原因が水蒸気を含ん だ空気が外部から浸入す. t e an emome r a t 「P Um P ,. る もの と み て, そ の 絶 対. 第 4 図. (35).
(4) . 佐 々 木 一 郎・矢. 作. 格. ・ 7~4 8% R,H. の湿度を得た. 写真1は氷盤の実験に用いられた装置である, 湿度から前述の 1 / 第3図は氷粒の実験に用いられた 装置の回路図である. 図に (写真 2参照) 示されるように, 2 個の 光電 素 子 (Cds) を 要 素 と す る ブ リ ッ ジ を 組 み, そ れ に パイ ロ ッ トラ ン プ に よ っ て 光 を 照 射 し. た状態でバ ランスを保って記録計に接続する. 2個の光源が電源電圧の変化等によって同時に変化 1の した場合, 2個の Cds が同時に抵抗値を変えて出力の変化を制限する. しかし, 図中の Cds- 光源と素子の間に, あらか じめサンプルが置かれた状態でバラ ンスされていたとすると, 昇華によ ・即 ってサ ンプルが消え、 光量が変化すると, その変化が電圧の変化として記録されることになる. ち, Cds-1は 光 源 の 光 量 変 化 の モ ニ タ ー用 の 働 き を して, しか も ブ リ ッ ジの 要 素 と な っ て い るわ け. である, サ ンプルが消失したとき, 記録計は一定値を示し, それによって消失時刻を知ることがで き る,. P) に 納 め られ て い る. サ 第 4 図 は こ の 装 置 の 模 式 図 で あ る. 装 置 は ア ク ア リ ウ ム 内 (第 1 図 *E. 5度に煩射 したカバ ー グラスを透過 して Cds に達 し, 残りは ンプルを通 った光は, その一部分が4 反射 してカメラに達する. 実際にはカメラは図の手前に置かれており, 試料の上方か らと側面か ら 同 時 に 捉 え る こ と に な る,. 2 ( ) 試. 料. 0mm, 半径 20mm) であり, 他は半径数 mm の レンズ状氷粒 (厚さ 一つは円盤状の氷 (厚さ 2 5~0 7 mm, 半 径 2~4mm) である. いずれも, 水道水を用い沸騰させて空気を十分に追い出し 0 . . l mm 厚 の ビ ニ ー ル シー トを 敷 き水 滴 を て, 凍 結 さ せ て 用 い た, 氷 粒 は, プ レバ ラ トに透明な 0 , h 置 い て, 低 温 室 で 凍 結 さ せ た も の で 「 ’㈲ あ る (写 真 3, A, B 参 照) .. 1 1 1 実験結果と考察 前述の写真による方法により, レ ンズ状の氷粒の半径rcm,厚さ hcm. ・図であ を測定し て 画 い た の が 第5 る. 図 の 上 の カ ー ブは 半 径, 下 の カ. ー ブは厚さが時間の経過と共に変化 して い く 様 子 を 示 した も の で あ る. 07cm 36cmの 半 径 と 0 即 ち,試 料 は 0 . .. 4 0 .. W. Y 6m/ s . .=-. .. 2. 0 2. \ R=09 。 ,4m. . 96hrで 消 失 した 6 m/s) の 下 で 0 (1 . .. . [. 6 mg が 最 初 よ っ て お り, 実 測 値 13 .. の値である, 機軸上の2重丸は消失 した点で, 写真または目視できなく. . . て も Lr ,4m (氷 粒 の 重 量)は 必 ず ,h. この点に到る筈である, 更に図中の Rは, レンズ状氷粒の曲率半径で,. 〆 ′ ′ ′ ′”′. 、、 、、 、、 、 、 、 、 、 、 、 ・ 、 、 、 、 ・ 、 、 、 、 ・ 、 \ . \. :. た カ ー ブ で, 目 盛 り は 中 央の も の に. h r 0 5 .. 1 で. の厚さをも って始まり, 乾燥空気流. ことが示されている. 中央の一点鎖 線は試料の氷粒の重量の変化を示し. . 甘 ーo \ t 3 1 6m g . R=09 “ ,6G. 0 I .. D 2 .. 3 0 .. 0 4 .. 0 5 .. 0 6 .. 第 5 図 36. 0 7 .. 0 8 .. 0 9 .. 1 oh r ..
(5) . 氷粒の昇華による変形について. 消失時間の半 ままで曲率半径がわず かずつ減少 しているが,ほぼlcm を 保 っ て い る こ と が わ か る. 同 図 は 風. V V ′ , .二oms. 6 m/s に つ い て の 図 で あ る. 速 1 .. 第6 図は第5図と同様の カー ブで. o \. / ア7777 ////〃. ある. 中央の レンズ状の 図は試料の 変化を示′したもので, この場合は写 . ・ ‐ ′. 一1. -- r一 計 1. い る. そ れ ぞ れ は,: ・4 枚 の 写 真 か ら . . . . 半径と高さを求め て得た図であり,. 6 同様 の も の が 風 速 011 sの . ,38m/. i 写真 3 も の に つ い て 得 られ て い る.. の A’B は最初の2葉 (Bーは約 1 0 分後) である. Rの球形の氷粒 一方孤立. した半径.. 、 、 、 、 、 、 、. o、 、、 0 \. さ. 真を ,撮影するときだけ光を照射して. - , .. \\. て, 水蒸気が氷粒面を離れて次第に そ の 半径を減少しつつあって, 十分 離れている点での温度と蒸気圧が一. 、o \ o\ . 定であり水蒸気の拡散が定常的に進. . 0 4 ,. 05. …. が無限大気中に静 止 して い る と し. 行 して い る と す れ ば. 1 oh r .. 第 6 図. 半. 柳 RD( 1 . .…( ) p- ◎ ・. の 拡 散 の 式 が 適 用 し得 る, た だ し, PR ,p はそれぞれ球表面, 球か ら十分離れた点での水蒸気密度. であり, D は水蒸気拡散係数である. 昇華が起こるとき昇華熱(L)×質量の割合いで, 熱がまわり の空気を通 じて主と して伝導によ って消費されるとすれば L 薯 =ー”R 噂 を ・ ・……--… - ……….……….--…. ,. が得られる. ただし K は空気の熱伝導率である. 更に, ( 1 2 ) )式を表面と周囲のガス温度, 蒸気 ,( iuss 圧により書き替え氷粒面での蒸気圧を表面温度に対する飽和蒸気圧に等 しいと仮定 して, C1as 2 ) l C1 apeyon の関係式を用いて次の近似式が導かれる ,. .- --……” .- 慕蝋詩キ素 三 読. る. -. .. ただし, S は飽和比, R は気体定数, M はモル数, P閃 は蒸気圧 (十分離れた点における) であ. o 3)式の 4冗R を除く部分を (A) 8%, 7~4 ( , oであ らわし, 実験の条 F , 気温 -1o C, 相 対 温度 1, 17mg/cm2h そ の 他定 数 の 値 を 実 際 に 代 入 して (A)。=0 rを得る, ただし,これは球の曲率半径 lcm .. の表面. 2 に 対 す る 値で あ る と こ ろ で dM/d lcn ・ t=4ズR(A)o か ら, RdRんむ=(A)。 . , , した が っ て. 2-2(A)o R2=Ro t を 得て, Ro=lcm として曲率年径の 2乗は時間に比例して一定の割合で減少 す る. 2十h2 第 7 図 は R=(r )/2h の 関 係 に 実 測 に よ る r ,h の値の直線的に変 化している 部分について.
(6) . o ・ ′ ′. 岨‐4 R 一 … L一 顧, A ) ( , F. . ー ー. ノ三ぶ. . ′ メ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′. へ 関節 J. 0. 1 0 .. 0 2 .. 0 3 .. 0 4 .. 0 5 .. 第 7 園. 6 0 .. 7 0 .. 8 0 .. 0 9 .. r 1 oh .. 0. 5 0 .. 1 0 .. 1 5 .. 2 0 2 5 ; . W1 ND VELOC I TY. 第 8 図. 3 0 .. 35. r.
(7) . . 氷粒の昇華による変形について 17 を得 画 い た も の で あ る. 得 られ た カ ー ブの 番 号に 従 っ て 説 明す る と, (1) 理 論 式 か ら (A)。=0 .. るが, 湿度が変化するに応 じて若干その値が変化する. 斜線部はその変動をあ らわ し, これは風速. o m/s の理論的値とみることがで きる ( 9 であ 1 )は実験か ら得られた風速om/ sに おける値で 0 . , 2. 1 り, ( )との差が先の照射ヤこよるものと推定される.. 43 で あ る. (3), (4) は そ れ ぞ れ風 速 1 6 m/s 23 8m/s の も の で (A), . . . . 8=0 6=0 , (A)3 ,3 . .. 第8図は, 直線が氷盤からの昇華速度を示したもので, 機軸は風速である, これによると, 風速 がl m/s 増 す ごと に 0 l mg/cm2hr の割合で昇華の速さが増 している, これに対して曲率半径lcm ,. の氷粒の球表面. lcm2. からの昇華速度は大略図の 点線 (下方) のように 変化するものと思われる, 即ち, 球状の氷の場合は風速が l m/s で氷盤か らの 昇華速度のほぼ2倍の値を示している. そ し て, 風速が 4 m/s に近 づくにつれてその差が減少して, 氷粒, 氷盤ともほとんど同 じ値となる, 17 mg/cm2hr に 対して, 実測値が 0 19 mg/cm2hr と な っ て いる が, こ の 差 が 理 論 値が (A)。=0 . . パ イ ロ ッ トラ ン プ に よる 照 射 の 影 響 と み な す と LX0 l 02 mg/cm2hr=0 08ca /m2min と な り一 こ , , ,. の値は幅射計による測定値にほぼ等 しい.. 以上を要約すれば, 8m/s における氷盤か らの昇華速度は直線的に増し, 風速 1 7~4 8% R.H, ) の o m/s~3 ①低湿度( . . . l m/s の 増 加 に 対 して 昇 華 速 度 は0 lmg/cm2hr の割合で増加する, .. 付近で氷盤の場合の約2 ②曲率半径 lcm の レンズ状氷粒の球表面からの昇華速度は, 風速 lm/s′ 倍となり, 風速が 4 m/s に接近 するにつれて, 両者の昇華速度はほとんど一致する. 19mg/cm2hr で あ っ 7mg/ 1 ③氷粒からの昇華の理論値は 0 cm2hr であるのに対 して, 実測値は 0. .. A. 写 真 1. 1i -. 等 1. B. 写 真 3. 写 真 2 .
(8) . 佐 々 木 一 郎・矢 \ 作. 格. た, こ の 差 は 記 録 に用 い た パ イ ロ ッ トラ ン プ か らの 幅 射 の影 響 と み られ る.. IV. あ. と. カミ き. 数 mm 程度の氷粒の昇華のさいの変形を調べ, 同じ条件の下で氷盤か らの昇華速度を測定し, 特 に レンズ状の氷粒の曲率半径lcm における昇華速度との比較を行なっ たが, 後者の方が低風速(約. l m/s)に お い て 約 2 倍 の 昇 華 速 度 を 示 した. こォ蝕ま, 氷 粒 が あ る 曲 率 を も っ て い る ため と は 必 ず し. も言えず, 曲率の異なる他の場合も曲率との関連は特 に見られなか った, 原因と して, 風速を測定 するさいに試料に接近 した部分で測定 したが, 氷粒の表面を通過する風速がこの値より実際 には大 きく見かけの風速と異なることも考えられ, 幅射の問題と共に今後の課題と したい.. おわりに実験にあたって終始熱心に協力 してくれた教室の4年目の学生岡田・藤田両君に謝意を 表する. 参. 考. 文. 献. 1 i l ) ,A. K. Dyunin:Snow EvaPo i f snow t i r t at on and l slhf uence on Snow st ormsand Phys caI Proper e so Cover (1967 ).. 2 ) B ) .J . メインソ: 雲と雨の物理 (総合図書, 1968 , 3 956 ) 関根幸四郎: 表面張力測定法 (理工図書, 1 ) . 1(低温科学, 9 3 4 5 ) 小島賢治: 雪の結晶の変形 1 ) , , 16.
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