高等学校国語科における古典教材の開発:―近代以降の文章を用いて古典に親しむ態度を育てる―
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(2) E【自己を早っめ直し、表現に生かす】生徒の. に感じることは、/近代以降の文章の必要性に関. 古典を読む意欲をまず高めることが何より大切. する観点〉を満たしていることから、古典教材. であり日常生活において古典や古典に関連する. として適切であると考え、どこに着目し、どの. 文章奉読むことを通して、古典g中の人間の生. ような働きかけができるかにっいて考察を行っ. 活や人生を知り、自らの生き方を見つめ直すと. た。これらの働きかけによって、生徒を古典の. ともに進むべき方向を模索しようとする態度、. 世界に導き、興味・関心を抱かせ、古典に親し. また、古典などの表現から自らの思考や感情を. む態度を育てることができることを論じた。. 表現する様々な方法を見いだし、表現に生かそ. 〔第三節〕近代の文語文『遠野物語』を古典教. 材として用いて、古典への興味・関心を広げる. うとする態度などを育成する。. 新学習指導要領に示された「近代以降の文語. 【第二章】. 第一章において導き出したく近代以降の文章. 文」に相当する『遠野物語』を古典教材として. の必要性に関する観点〉に基づき、「古典A」に. 用いての学習指導の考察を行った。学習プリン. おいて、近代以降の文章を扱い、どのような学 習活動が可能であるかについて考察した。. トの問いかけに答えることによって、古典への 興味・関心を促したり、当時のものの見方・感. 〔第一節〕『文革日記一私の古典散歩一』を古典. じ方について考えさせたりするなど、く近代以降. 教材として用いて、古典への理解を深め古典に. の文章の必要性に関する観点〉にっなげるため. 親しむ態度を育てる. の学習活動について考察を行った。これらを通. 古典に関連する近代以降の文章として、『文革. して、古典への興味・関心を広げることができ. 日記一私の古典散歩一』(日ヨ辺聖子著)を挙げた。. まず、『文車目記一私の古典散歩一』が古典教材. ることを論じた。 【第三章】. として適切であることを述べた。〈近代以降の文. 近代以降の文章を古典教材として用いて学習. 章の必要性に関する観点〉を活かしながら、古. 活動を行うことが有効であることの確認を総合. 典への理解と古典に親しむ態度にっなげるため. 的に行い、今後の課題について述べた。近代以. の学習活動のあり方(特に学習プリント例)に. 降の文章は、〈近代以降の文章の必要性に関する. ついての提案を行った。学習プリントを通して、. 観点〉を満たし、r古典A」の目標の実現が可能. 自分の感想や思考を整理し認識することにより、. であることから、古典教材として適切であるこ. 近代以降の文章を用いることの有効性を確認し、. とを確認した。. 古典への理解を深め、古典の世界に導き、古典. 〈今後の課題〉. に親しむ態度を育てることができることを論じ. ○近代以降の文章とは、どういった文章が考え. た。. られるのか、さらに検討していく必要がある。. 〔第二節〕『恋する伊勢物語』を古典教材として. ○近代以降の文章を用いてさらに学習効果をあ. 用いて、古典に興味・関心を抱き、親しむ態度. げるワークシートや学習展開の工夫を行う必. を育てる. 要がある。. 『恋する伊勢物語』(俵万智著)を読むことを. 主任指導教官 堀江祐爾. 通し、古典の知識を得、普遍的な人間性を身近. 指導教官 堀江祐面. 一247一.
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所属: 鶴岡工業高等専門学校 創造工学科 基盤教育グループ 研究タイトル: 日本古典文学研究/AL・IDによる教育法研究 氏名: 森木 三穂 / MORIKI Miho E-mail: miho-moriki@tsuruoka-nct.ac.jp 職名: 助教 学位: 修士(国文学) 所属学会・協会: 中古文学会,同志社国文学会,日本高専学会