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T リンパ芽球性白血病 / リンパ腫 T lymphoblastic leukemia / lymphoblastic lymphoma

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Academic year: 2021

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T リンパ芽球性白血病 / リンパ腫

T lymphoblastic leukemia / lymphoblastic lymphoma

昭和大学医学部第二病理学教室

塩沢 英輔  本間まゆみ  矢持 淑子

瀧本 雅文  太田 秀一

図  説 悪性リンパ腫組織アトラス【 21

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T リンパ芽球性白血病 / リンパ腫

T lymphoblastic leukemia / lymphoblastic lymphoma

昭和大学医学部第二病理学教室

塩沢 英輔  本間まゆみ  矢持 淑子 瀧本 雅文  太田 秀一

症 例

 70 代女性.頸部および腋窩リンパ節腫大が出現 した.全身症状なし.頸部リンパ節生検施行.

 〔WHO 分類第 4 版(2008)における診断名〕T

リ ン パ 芽 球 性 白 血 病/リ ン パ 腫 T lymphoblastic  leukemia/lymphoblastic  lymphoma(T-ALL/

LBL).

 〔概念〕T リンパ球の前駆細胞(T リンパ芽球)

由来の腫瘍で,B リンパ芽球性白血病/リンパ腫 昭和医会誌 第71巻 第6号〔585‑587頁,2011〕

図  説 悪性リンパ腫組織アトラス【 21

図 2 TdT 陽性.腫瘍細胞の核に陽性を示す. 図 4 CD7 陽性.T 細胞性増殖を表す.

図 1 HE 染色.リンパ節生検.小型〜中型の均一な

芽球が,びまん性に増殖する. 図 3 CD3 弱陽性.介在する正常 T 細胞には濃く染 まっているが,腫瘍細胞には弱い陽性シグナル を示す.

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T リンパ芽球性リンパ腫

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(B-ALL/LBL)とともに前駆(未熟)細胞腫瘍に分 類される.B-LBL 同様,急性 T 細胞リンパ芽球性 白血病(T-ALL)を包含し,診断時に骨髄(有核 細胞の 25%以上)および末梢血に腫瘍細胞が存在 する症例を ALL,それ以外を LBL とする.

 〔発生頻度〕T-ALL は小児 ALL の 15%であり,

成人 ALL においては 25%程度である.リンパ腫型 LBL においてはその 85 〜 90%が T 細胞性である.

しかし LBL の正確な発症頻度を示すことは難しく WHO 分類にも記載がない.病理診断統計調査にお いて,白血病型(ALL)が全例網羅されていると は考えにくく,相当数の症例が病理診断ではなく,

臨床医(小児科医>血液内科医)による骨髄穿刺塗 沫標本で診断されていると考えられる.

 〔組織形態学〕B 細胞性と同様の所見であり,形 態学的に鑑別できない.びまん性浸潤が目立ち,増 殖が強い症例では多数の tingible body macrophage の出現によって,いわゆる starry sky 像を呈する ことがある.腫瘍細胞(芽球)は正常リンパ球より やや大きく,均一な円形〜楕円形,一部に不整や切 れ込みを伴う核を持つ.核クロマチンは繊細で,核 小体は通常目立たない.核分裂像は数多くみられ る.

 〔免疫組織化学〕前駆細胞腫瘍の前提として terminal deoxynucleotidyl transferase(TdT) 陽 性所見が必須である. CD3 および CD7 が最もよく 陽性を示し,T 細胞性判断の鍵となる.CD4,CD8 もしばしば陽性となる.未熟な骨髄系マーカーであ る CD34 の発現もときにみられるため注意が必要で ある.

 〔腫瘍遺伝学〕サザンブロッティングで T 細胞受 容体β鎖遺伝子再構成を認め,T 細胞腫瘍性増殖 を確認できる.しかし B 細胞性クロナリティーを 表す免疫グロブリン重鎖遺伝子再構成を検出する例 が 20%程度報告されるため,注意が必要である.

 〔臨床との関連〕10 〜 20 代の若年男性に多い.

皮膚,軟部組織などに浸潤がみられる B-LBL とは 異なり,リンパ節やリンパ節外に腫瘤を形成するこ とが多い.最も頻度が高いのは前縦隔腫瘤(胸腺)

であり,T-LBL のおよそ 50%を占める.縦隔腫瘍 は鑑別診断が多く(胚細胞性腫瘍,上皮性腫瘍な ど),検体の採取が難しいこと(CT 下針生検,縦 隔鏡生検)などから診断に難渋することも多い.し かし重要臓器が密集する部位だけに,腫瘍増殖に随 伴する圧迫症状や大血管浸潤などがみられることも 多く,慎重かつ迅速な病理診断が要求されている.

限局例では CHOP 療法が奏功するとされるが,大 部分を占める進行例では ALL に準じた強力な化学 療法が施行される.放射線療法は呼吸困難などを伴 う前縦隔病変への局所コントロールとして有効であ る.

 〔WHO 分類以前の診断との整合性〕REAL 分類 から precursor T ALL/LBL として記載されてい る.FAB 分類においては L1 ないし L2 に相当する.

 〔鑑別診断〕B-ALL と同様であり,他の急性白血 病と鑑別する.LBL の診断は TdT の免疫染色を実 施すればそれほど困難ではないが,組織像が類似す る Burkitt lymphoma には注意が必要である.縦隔 壁発症のリンパ腫としては古典的ホジキンリンパ 腫,結節硬化型や縦隔大細胞型 B 細胞リンパ腫が 鑑別として挙げられ,条件の悪い検体(挫滅,極小 検体)では鑑別に苦慮する.

 〔血液病理医の立場から〕迅速な診断確定を求め られる病態であることは病理医も承知しているが,

診断には詳細な免疫染色が必須であり,診断確定ま で相応の時間を要する場合が多い.

文 献

1.Borowitz MJ and Chan JKC : T lymphoblastic  leukemia/lymphoma. In 

.  (Ed by Swerdlow SH, et al), 4th ed, pp. 

176‑178, International Agency for Research on  Cancer, Lyon, 2008. (World Health Organization  classification of tumours)

2.脇本直樹,陣内逸郎:T リンパ芽球性白血病/リ ンパ腫.WHO 分類第 4 版による白血病・リン パ系腫瘍の病態学(木崎昌弘,田丸淳一編),

pp. 177‑180,中外医学社,東京,2009.

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