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白 血 病 性 淋 巴 細 網 肉腫 症 の 剖 見 例

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Academic year: 2022

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(1)65. 白 血 病 性 淋 巴 細 網 肉腫 症 の 剖 見 例 岡 山 大 學 醫 學 部 病 理 學敎 室. 助敎 授. 那. 須. 學. 生. 大. 西. 則. 之. 津山保健所. 貫. 名. 嘉. 枝. (昭 和24年8月27日. 毅. 受 稿). 淋 巴 性 細 網 肉 腫(症)の 際 に淋 巴 性 白 血 病 像. 認 め られ る もの もあ り,核 形 も卵 圓 形 よ り腎. を伴 う もの が あ る こ と を緒 方敎 授 は そ の 造 血. 形 に至 る まで種 々で單 球樣 細胞 へ の移 行 型 と. 型 と して,赤 崎敎 授 は 白 血 病 と の 混 合 型 と し. もゆ う よ う な もの が 多 數 存 在 して い る.此 の. て 理 論 的 に 解 釋 して い るが,日. 樣 な細 胞 は 後 述 の 腫 瘍 組 織 内 第2種. 本 で は 吾 々の. 知 る範 圍 で ぼ そ の 症 例 と して 淺 見,浦 1例 が あ る の み で あ る.吾. 上氏 の. 々 は 茲 に そ の 第2. 例 を 追 加 す る と共 に 白 血 病 性 淋 巴 腺 症,淋. 巴. 小型實質. 細 胞 に 一 致 す る もの で あ る.9月11日 時 死.5時. 午 後3. 解 體.. 剖 檢 所 見: 一 般 に 貧 血 性 で 前 額,口. 唇 に小. 肉 腫 症 及 び 淋 巴口 細 網 肉 腫 症 の 間 に 密 接 な 關. 溢 血 斑 が あ り,齒 齦,口 腔 底 に は 潰 瘍 が 多 發,. 聯 性 の あ る こ と に 就 い て 論 及 を 試 み た い.. 表 在淋 巴腺 は全 身 に亘 つ て小指 頭 大 に まで腫. 患者. 高 ○ 重○. 8歳 男 兒.臨 床 診 斷:急. 口 淋 巴 性 僞 白血 病.略. リー.抗 血淸 注 射.9月. 斷 ジ フテ. 初 め よ り約38℃. に は 肝 脾 を觸 知,發. に發. 熱40℃. 位. に な り6日 に 岡 大 耳 鼻 科 に 入 院.臨. 床上 壞 死. 性 口峽 炎 の 所 見 を 呈 し,扁 桃 腺,懸. 壅 垂の 兩. 側 は 潰 瘍 性 に 崩 壞 して 汚. 穢 暗 褐 色 苔 を 附 着,. 惡 臭 は な い.兩 側 頸 部,腋. 窩,鼠. 蹊部 淋 巴腺. も腫 脹 し,肝 脾 を觸 知 して い る.注. 目す べ き. は血 液 像 で,他 病 院 で 白 血 球 數9月1日 17. 200,. 9月3日22,000と. 淋 巴 球50%,淋 單 球1%で. 9月9月6,450と 53%,單. 球2%,淋. 球17,400で. 巴 芽 球 樣 細 胞49%,定. あ る.白. に. され,入 院 時9月. 6日 の 所 見 は 赤 球430萬,白. 内 型的. ど顆 粒 細 胞 を見 な い.こ. 殆. の淋 巴芽球 樣 の 細胞. は オ キ シ ダ ー ゼ(ー)で,胞. 體 は稍 々大,一. 梯 形 を 呈 し,下 縁 に腫 大 した 淋 巴 腺 が 葡 萄 状 に 累 々 と現 わ れ,後 離 し難 い.大. は 氣 管 枝 等 と癒 着 して 剥. さ16.5×6.5×3.0(上. ×5.5×2.2(下. 部).全. 身 淋巴腺は 米 粒 大. よ り指 頭 大 に 亘 つ て 多 數 腫 脹(顎 左 鎖 骨 下,鼠 肺 門部,腎. 蹊 部,大. 門 部,膵. 及 び 舌 根 部,腸. 部)‑. 網,腸. 頭 部,胃. 下,頸. 間 膜,後. 部, 腹 膜,. 小轡 等 の淋 巴腺. 壁 の孤 立 及 び集 合 淋 巴 結 節. て 後 に 述 べ る よ うに 腫 瘍 口增 殖 を示 し. た.心 臟 で は 右 室 及 び 右 房 の 前 後 面 に 外 膜 下 小 溢 血 斑 數 個 を認 め る他,右. 室 前 面,底. 部表. 面 に 指 頭 大 及 び 小 指 頭 大 夫 々1個 の 腫 瘤 が あ. 然 淋 巴球. 巴 芽 球 樣 細 胞45%で. 亘 つ て の 淡 黄 白 色 で 固 い 腫 瘍 が增 殖 して 大 體. 等)し. 球 數 は9月7日10,400,. 減 つ て い るが,依. 側面 は. 心 嚢 と癒 着 し 上 は 頸 部 に 瓦 ぶ 前 縦 隔 竇 全 般 に. 病 歴:22年8月14日. 兩 側 頸 部 淋 巴 腺 腫 脹 の た め 受 診,診. 熱,9月4日. 脹 して い る.胸 腔 で は 前 は 胸 骨 に,左. 般. り,左 右 兩 房 間 に は 梅 實 大 の 硬 い 塊 が あ つ た.頸. 部 諸 臟 器 で は舌 根 部 淋 巴装 置 は 出血 性. に 腫 脹,口. 蓋 扁 桃 腺 よ り咽 頭,喉. 頭 に及ぶ廣. 汎 な 壊 死 性 口峡 炎 が あ り扁 桃 腺 は 潰 瘍 性 に 崩. に 圓 形 の もの が 多 い が 紡 錘 型 や 不 規 則 形 の も. 壊,聲. 門 は 水腫 口 で 更 に 會厭 蓋 は 下 面 潰 瘍. の もあ る.塗 抹 標 本 を作 る時 頗 る壤 れ 易 く,. 口,齒. 齦,口. 核 だ け 殘 つ て い る もの,核. 兩肺 とも貧血 が強 く諸處に大小の 出 血 斑 を. る もの が 多 い.核. も崩 壞 に 瀕 して い. も大 き く色 質 貧 で 核 小 體 の. 腔 底 に も潰 瘍 が 多 發 して い た.. 見,肺 門淋巴腺 は腫脹 して集塊 を形成 し,殊.

(2) 66. 那. 須. 毅,大. 西. 則 之,貫. 名. 嘉枝. に 左 肺 胸 膜 下 に 梅 實 大 の 腫 瘤 を形 成 し て い. 邊 に著明 な腫瘍細胞增 殖 を認 める他,赤 髓 内. る.肝 臟 は 細 葉 像 不 明 で あ る他,肉. 眼 的 に著. 細網細胞 も增殖性であ る.消 化 器系統 の 中,. 變 は な い.脾 臟 の 硬 度 は 稍 々增 加 して 割 面 で. 特 に腫瘍浸潤の著明 な十二指腸,空 腸 につい. は 濾 胞 及 び 灰 白 色 斑 が 著 明 に 見 られ,脾. 材 も. ては,孤 立濾胞 と考 え られ る部 や,粘 膜下組. 増 殖 性 で あ る.空 腸 部 漿 膜,右 腎 盂 粘 膜 に も. 織 に著 しい腫瘍細 胞浸 潤 を見,更 に一部 は筋. 溢 血 斑 が 認 め られ た.. 層内へ も浸潤 して粘膜表 面 を膨隆 させ,中 に. 尚 小 腸 は 全 長 に 亘 り粘 膜 面 に 大 豆 大,小 指 頭 大 灰 白 色 の 腫 瘍 を 認 め,弧 エ ル 」 氏 斑 も強 く腫 脹 し,特. 立 濾 胞,「. パイ. に 「パ イ エ ル 」. な絨 毛表層 まで侵 して腺組織 を破 壞 している の もあ る.實 質細胞は大部分淋巴芽球樣細胞 で,核 變 化像 は著 しい.濃. 縮,染. 色體破壞,. 氏斑 は小判状に隆起 して恰 も腸「チ フス」の髓. 多極性 分剖等が見 られ る.大 型の細網 細胞形. 樣腫脹 を思わせ る.大 腸で も盲腸 より上行結. の ものは變 性核,赤 血 球,「 ヘモ ジデ リン」 等 を貧喰 してい る.虫 垂,大 腸の一部 に も粘膜. 腸 にか け淋 巴濾胞が強 く腫脹 してい る. 鏡檢所見: 縦隔竇 主腫瘍 では實質 は之 と移. 下 腫瘍浸潤が見 られ る.諸 淋巴腺 の鏡像 は腫. 行的關係にある間質索 に依つて小葉 状に區切. 瘍細胞 を以て埋め盡 され,寳,芽. 中心等 は認. られ,實 質細胞の大部分 を占める2種 の細胞 の他,尚 數種の細胞 を辨 別出來 る.即 ち橢 圓. め得ない.中 には周邊脂肪組織 内に迄侵襲 し てい る もの もあ る.特 に腸間膜淋 巴腺 で は,. 形 又 は圓形で 色質少 く,淡 明で且色質塊の明. 巨大核 を有 し胞體僅 少なる細胞多 く,細 網 々. か な稍 々大 きな核 を有す る第一種 の細胞 はそ. 眼 中に存 して之 よ り單球 大實質細胞 に至 る迄. の形態細網細胞に酷似 し,格 子纎維 に依つて. 多樣 な移行像 が認め られた.又 頸 部淋 巴腺 で. 連 繋,細 網構造 を呈 している.第2の. 主要細. は寳 中に退行性 變化 を伴 う多數 の 大型 細 胞. 胞 は格子纎維の網眼 に錨置 又は纏絡 されて多. が,'又 腎門部淋 巴線 の寳 中には腫瘍 細胞 の流. 數 密集 し,核 は色質に富む濃染圓形核で,胞. 入 しているのが見 られ る.. 體 は一般 に少 く類淋巴芽球 と も言ふべ き もの. 總括: 本例 は前縦隔寳に大 きな梯形腫瘍塊. で,中 に或は上述兩者の移行型 と も言ふべ き. を形成 し,尚 腫瘍は全身淋 巴組織 を系統 的に. 單球樣細胞 も見 られ る.腫 瘍の周邊部附近 で. 侵襲 して,血 液像 に急性淋 巴白血 病像 を呈 し. は腫瘍細胞 は組織球樣 又は纎維芽細胞樣 を呈. て來 た例 である.組 織 學的には多數 を占める. し,漸 次間質結締織 に移行 している.細 網 を. 淋 巴芽球樣細 胞の他,細 網細胞樣細胞や兩者 の 中間的 な形 を呈 するも の,更 に遊離組織球. 形成 する腫瘍細胞や組織球樣 細胞 に は 變 性 核,赤 血球 及び淋巴球樣 實質細胞 を貧喰 して い る像が明かに見 られ,核 變性像 は概 して第. 型,例 えぼ組織 圓球(濱 口)樣 の もの等種 々 の形態の實質細胞が,格 子纎維 に よつ て部位. 2種 小型腫瘍細胞 に強い.心 臟 では右室外膜. に よ り種 々な状態に連繋又は纏絡 さ れ て い. 下脂肪組織 に浸潤 した腫瘍細胞 は更 に一部 心. る.即 ち鍍銀 染色に よ り格子纎維 は部位 に依. 筋纎維間,左 右兩房間 々質 に も浸潤 し,爲 に. つ ては增加 して網 眼は狹少 とな り極 く少數の. 心筋 纎維 は壓迫 され て萎縮性 であ る.大 動脈. 細網細胞樣細 胞の みを圍み,又 他の部位 では. 殊 に起首部外膜 に も一部腫瘍浸潤 を見た.肝. 鍍銀纎維の增 殖が割合 に少 く,淋 巴芽球樣細. に於ては グ リソン氏鞘は增 殖 し,そ の部 に著 しい脹瘍細胞浸潤が見 られ る.細 胞種は殆 ど. 胞 の增殖が著明に見 える.從 つて組織的 には Kundratの 言ふLymphosarkomと 細網 肉. が淋 巴芽球樣細胞で,そ の間に細網細胞 らし. 腫 との混合例 と考へ られ,此 の點 では 淺 見,. い もの少數 散在 し,之 は所謂淋巴性白血病性. 浦上例 と一致 する.同 人等 は細網細胞 の腫瘍. 浸潤 に略一致 するが核分剖像 は著 しい.星 芒. 性增 殖 を分 化形 と未分化形 に分類 して,そ の. 細胞 は腫大增殖 し,腫 瘍細 胞,核 破壞物等 も. 報告例では細網細胞は主 と して分化形纎維性. 可成多數に貧喰 している.脾 では主に灘胞周. 細胞である と言つている. 吾 々の例で も縦隔.

(3) 白血病性淋巴細網肉腫症 の剖見例. 67. 竇 腫 瘍 の 實 質 性 細 胞 の 一 部 は細 網 細 胞 → 組 織. 示 して い る よ う に 白 血 病 性 淋 巴 腺 症,淋. 球 → 纎 維 芽 細 胞 と 言 う よ うな 形 態 的 經 路 を經. 腫 症 及 び淋 巴性 細網 肉腫 症 の 間 に は種 々の 段. て漸 次 結 締 織 化 して 腫 瘍 基 質 に 移 行 す る 像 を. 階 の 移 行 型(fliessende. 示 して い る.こ れ は 又 腫 瘍 基 質 が 實 質 細 胞 成. こ と を實 證 す る 示 唆 深 い1例. 分 か ら移 行 形 成 され る と 言 ふ 點 で 腫 瘍 基 質 の. Rouletの. 問 題 に 於 て も興 味 が あ る が,兎. と して い るが,本. に角 細 網 細胞. Ubergange)の. 巴肉. ある. で あ る と 思 う.. 報 告 例 も主 腫 瘍 塊 が 縦 隔 竇 に あ る 例 で も縦 隔 竇 に梯 形 扁 平 な. に は 分 化 形 乃 至 纎 維 化 した もの が 可 成 り見 ら. 主 腫 瘍 を 形 成 し,そ の 周 圍 に 腫 瘍 性 侵 襲 を受. れ る.然. し同 時 に そ の よ う な もの と 淋 巴 芽 球. け た 淋 巴 腺 が 累 々 と腫 脹 し て い る.こ の 例 は. 樣 細 胞 との 移 行 型 と思 わ れ る 單 球 樣 未 分 化 細. 8歳 の男兒であ り腫 瘍 塊の形態が胸腺 の擴 大. 胞 も多 數 見 られ る.只 未 分 化 形 細 網 肉 腫 と異. 形 を呈 してい るので胸腺 に關係のあ る構造 を. る の は,そ れ 等 が 遊 離 散 在 して い て,又. その. 腫瘍塊 中に探 したが,腫 瘍細 胞浸潤 の爲見出. 多 樣 性 が 多 分 化 能 を有 す る間 葉 性 退 形 成 を思 わ せ,こ の 樣 な 點 よ り見 れ ば 天 野 氏 の 所 謂 「間. ,し 得 なかつ た.安 保敎 授 も慢性淋 巴性 白血病 に際 して胸腺腫瘍並 に全身淋 巴組織の腫脹 を. 葉 戚 族 性 細 網 肉 腫 」 の 性 格 を示 して い る と言. 來 し,又 胸腺の格子纎維の異常增 殖 を認 めた. え よ う.そ れ と 共 に 注 目 す べ き は 白 血 球 數 が. 例 を報告 し,細 網細胞の增殖が見 られないた. 最 高22,000,そ. の 中 淋 巴 芽 球 樣 細 胞,.淋 巴 球. め格子纎維 は淋 巴性細胞に由來す ると言 つて. 占 め急性 淋 巴性 白血 病 の 臨 床. い る.本 例 で も矢張 り胸腺の關與 を考 へざる. が 夫 々50%を. 像 を 呈 して い る こ とで あ る.淋. 巴 性 白血 病 後. に 細 網 肉 腫 を 發 生 した 例 はRouletが. 報告 し. を得 ないが,鍍 銀纎維 は明かに細網細 胞に由 來 している事が分 る.. て い る し,又 白 血 病 と 淋 巴 肉 腫 症 の 混 合 例 の. 兎に角, 本例では淋 巴芽球樣細胞,細 網 肉. 存 在 す る事 はSternbergのLeukoaarkoma. 腫細胞 及び それ に由來 する格 子纎維が發生學. toseやApitzが. 的に密接 な聯 關のあ るこ とを示 していると言. 白 血 病 を腫 瘍 と して 考 え. た 點 よ り見 て も明 か で あ る.. える.. 以 上 の 點 を 綜 合 考 案 す る時,本 腫 症 にSternbergの. 例 は細 網 肉. 所 謂Leukosarkoma. 御 校 閲 を賜 わ つ た濱 崎敎 授 に 深 謝 の 意 を表 す.. toreを 合 併 した よ うな 例 で あ り,Rouletも. 暗. 文 1) 田:日. 緒 方:日. 内 雜, 26(昭13).. 本 病 理 學 會 會 誌,. 血 液 學 の 墓 礎(1948). (昭16).. 5). 31(昭16). 4). 赤 崎,黑. 岩:癌,. 理 學 雜 誌, 2巻,. 浦 上:京. 都 醫 學 雜 誌, 39(昭17). Frankf.. Z.. 天 野.永 3). 天 野:診. 赤 崎:病. Roman:. 2). 天 野:. 療 と 趣 驗, 5. 36(昭17).. 5號(昭18).. path.. 7) 8). Anat.,. 献. 141. Ghon. 9) Roulet: Roulet: veira:. 6). Virch.. 淺 見,. Beitr.. u.. (1916).. Virch.. Arch.,. 277 (1930).. Virch. Arch., 286 (1932). Virch.. Arch.,. Arch., path.. 299 Anat.. 14). MacCallum:. 40).. 15). Ewing:. 11) Oli 12) Apitz:. 298 (1936). (1937). u.. allg.. Textbook Neoplastic. 13). 安 保,中. Path., of. 10). 103 Pathology. Digeasea. 村:. (1939). (19 (1940)..

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