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子どもの誤嚥と窒息 〜嚥下の発達と嚥下障害・誤嚥 5

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シンポジウム

85

The 67th Annual Meeting of the Japanese Society of Child Health

S5-1

子どもの誤嚥と窒息 〜嚥下の発達と嚥下障害・誤嚥

鈴木 英明

東京慈恵会医科大学 教育センター 医学教育研究室

 子どもの食べ物による窒息事故は、あめ玉やピーナッツなどの丸く滑りやすい食べ物の問題として、

また主として 3 歳以下の乳幼児に起こる問題として捉えられがちである。しかし、乳歯が生え揃う年 齢以降でも「丸飲み」「よく噛まない」「詰め込み食べ」などをする子どもに窒息事故が起こりやすい ことや、学齢期でも乳歯から永久歯への交換期にうまく噛めずに丸のみしようとして生じることなど がある。

 厚生労働省の人口動態調査によると、2010 〜 2014 年の 14 歳以下の子どもの窒息による死亡事故 623 件のうち、食品による窒息事故は 103 件(16.5%)で第 3 位となっている。そのなかでも 6 歳以 下の子どもが 87 件と大半を占めていることが報告されている。9 か月から 5 歳までの子どもを対象と した別の調査では、「誤嚥した、しそうになった」子どもの割合は、9 〜 11 か月の 29.5%が最も高く、

年齢が上がるとともに減少したが、5 歳でも 4.5%であった。これらの報告から、子どもの食べ物によ る窒息事故はかなりの頻度で起こっており、救急搬送例や死亡例もみられる。また、低年齢児ほど窒 息のリスクは高いが、年長児でも窒息は生じており、食品の種類だけでなく、食事の際の状況、とく に「食べ方」と深く関連していると考えられた。

 嚥下の発達について整理すると、新生児の哺乳は、索乳・吸啜など原始反射によるもので、不随意 に行われる。それでも誤嚥しないのは、咽頭が呼吸と食べ物の経路が重ならない特有の構造をしてい るためである。乳児期前期には原始反射の消失とともに、口腔・咽頭の構造も変化し、離乳食、幼児 食を通して、口腔や舌の感覚と舌や下顎の使い方が訓練され、食物の形態にあわせて咀嚼・嚥下でき るようになる。

 小児の嚥下障害は、先天的な形態・機能障害や、発達障害によって生じることが多い。また、直接 嚥下機能には関与していないが誤嚥のリスクを高める因子として、嘔吐、胃食道逆流などの消化器疾患、

喘息やクループなどの呼吸器疾患、強い吸気を伴う状態としてしゃっくり、大泣きしている時などが あげられる。

 食に関連する窒息事故予防は、子どもの歯や口の発育・発達に応じた捉え方が重要であり、予防策 としても食べ物に対する注意ばかりでなく、食べ方へのアプローチが必要である。窒息事故は少なか らず予防できるものであるため、すべての支援者が理解し、保護者に伝えていくことが大切である。

 シンポジウム5 座長:田中英一(田中歯科クリニック)

三牧正和(帝京大学医学部小児科)

食に関する子どもの窒息事故

Presented by Medical*Online

参照

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