• 検索結果がありません。

描画行動分析によるインタフェース評価と混色作成システムの提案

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "描画行動分析によるインタフェース評価と混色作成システムの提案 "

Copied!
99
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

コンピュータ創作システムにおける ユーザインタフェースの研究

描画行動分析によるインタフェース評価と混色作成システムの提案

千川 文子

電気通信大学

2008 年 3 月

(2)

コンピュータ創作システムにおける ユーザインタフェースの研究

描画行動分析によるインタフェース評価と混色作成システムの提案

千川 文子

電気通信大学大学院情報システム学研究科 博士(工学)の学位申請論文

2008 年 3 月

(3)

コンピュータ創作システムにおける ユーザインタフェースの研究

描画行動分析によるインタフェース評価と混色作成システムの提案

博 士 論 文 審 査 委 員

主査 多田 好克 教授

委員 星 守 教授

委員 渡辺 俊典 教授

委員 出澤 正徳 教授

委員 小池 英樹 教授

委員 比留間 伸行 博士

(4)

著 作 権 所 有 者

千川 文子

2008

(5)

Study of User Interface for Creative Work:

Evaluation of Drawing Interfaces by User's Behavior and Proposal of a Color Mixing Tool

Ayako Chikawa Abstract

Computer techniques have changed environment of creative work. The present study has been focused on their effects on users.

Firstly, differences between computer-supported and conventional drawing were studied quantitatively with infants participating in drawing experiment. Analysis was carried out by combining the well-known “Time Sampling Observation method” and “Event Sampling Observation method,” and led to the following results: (1) In computer drawing, infants are able to produce the environment similar to drawing on paper, (2) Infants show different manners in changing color pens depending upon the kinds of drawing tools, (3) Depending on characteristics of drawing software, infants show unnatural manners such as clicking frequently a color icon selected already; This becomes a serious problem on the infant’s cognitive property. These results are useful for developing infant’s drawing interfaces.

Next, it is found that the existing creation systems of color have some problems.

To solve them, a new palette named “Tile Palette (TP)” is proposed. TP enabled individual users to mix colors freely on a display like mixing paints in the real

(6)

foster their understanding how to use the system and recognizing visually both the quantity of the color displayed for mixing and the mixing process by the tile interface, without any special knowledge about color. By employing some general users, the TP was compared with the Windows System used widely. In conclusion, TP users can mix colors easily as they wish and create a new color without numeric input. The concept of TP may be applied widely for digitalization of human feeling.

(7)

コンピュータ創作システムにおける ユーザインタフェースの研究

描画行動分析によるインタフェース評価と混色作成システムの提案

千川 文子

概 要

創作作業におけるコンピュータの利用は,以前では,高度な専門技術や知識を持つ専 門家が主なユーザであった.しかし,グラフィックスを用い視覚的に操作イメージを表 現する GUI,情報に物理的な実体を与え直接触れて操作できる TUI(Tangible User Interface)など,使いやすさ,誰でも使えるシステムを目的としたユーザインタフェ ースに関する研究が盛んに行なわれ,コンピュータ操作を習熟していないユーザでも扱 えるようになった.これにより,対象ユーザを限定することなく,我々の創作環境は,

紙と鉛筆といった従来の創作道具からコンピュータへと移り変わってきている.しか し,この様な創作環境の変化が,ユーザにどのような影響を与えるのか,また,現状の 創作システムがユーザにとって使い易く十分な創作支援が行なわれているかは定かで ない.本研究では,これらの問題に取り組むことより,創作システムのインタフェース に関する新しい知見やシステムを導き出す.

まず,創作環境の変化が,ユーザにどのような影響を与えるのかを調査するため,環 境の変化を受けやすく早急な調査が必要な子供の創作環境に着目した.子供の身近な創 作活動の一つである描画を対象に,従来の紙とクレヨンによる描画行動とコンピュータ を用いた描画行動を比較分析し,両描画活動の相違点・類似点を調査した.自然な描画 活動による描画ツールの純粋な比較を行なうため,描画に対する苦手意識がなく,実験 上の指示を与える等の意思の疎通が可能な,5歳の幼児を対象とした.分析方法には,

幼児を対象とでき,定量的な分析が可能な時間見本法と質的な分析が可能な事象見本法

(8)

を連携して適用するハイブリッドな手法を提案し,描画実験・分析を行なった.その結 果,幼児の描画行動を詳細に分析し,重要な知見を得ることが出来た.

一般的な描画特性として,描画時間や描画中の注目点などはツールによらないことが 確認でき,コンピュータ上の描画システムでも幼児にとって馴染みやすい環境を構築で きる可能性を確認した.また,ツールの種類による異なる行動としては,色の変更時に おいて違いが定量的に示され,各描画ツール環境に特有の行動を抽出する事ができた.

さらに,すでに選択されているアイコンをもう一度クリックする,描画ソフトの特性に よる不自然な行動が判明し,その程度を定量的に測定することができた.これらの分析 結果は,幼児のための描画インタフェースを開発する際に有益であると考える.

次に,コンテンツ制作において重要な役割を持つ色に着目した.デザイナーなどの専 門家は作品作りにおいて長時間かけてイメージに合う色を作り出し一つの色を選択す る.先の幼児の描画行動調査においても,色の選択行動に描画時間の3割を費やす傾向 が見られた.コンテンツ制作においては,対象ユーザを限定することなく色彩を扱う作 業は多く,頻繁に色選択作業が要求される.しかし,現状の色選択システムは,ユーザ が所望する色を選択するには様々な色彩を表示する方式やカラーモデルといった各シ ステムのメカニズムを知る必要があり,色彩に関する学習が要求される.

そこで,本研究では,これらの問題を解決するため,各ユーザが持つ色彩感覚を活か すことで個々のシステムを理解する必要をなくし,色彩の専門知識を要する色の数値表 現を用いずに色を表現するよう設定した.そして,ユーザが所望する色を作り出す作業 支援システム“Tile Palette”(以下“TP”と略す)を提案した.TP では,各ユーザが 持っている色空間のイメージや知識に合わせてユーザ自身が色空間を設定でき,タイル をピクセルのメタファとするタイル状のインタフェースを操作することより,視覚的に 混色した色の量や作成過程を表現することを可能にした.

TP の有効性は,評価実験より示された.ディスプレイ上で実用的に使用できるレベル のパフォーマンスが得られ,また,視覚的に混色した色の量や作成過程を表現すること でシステム理解を促進させ,さらに,ディスプレイ上で容易に混色でき,混色が作りや すいシステムであることが確認できた.このような結果より,TP の混色作業を通じて 色彩感覚を高めたりユーザの感性に適した色の創作を支援する創造支援や,教育ツール への活用などの可能性が考えられる.色作り作業支援により,コンテンツ制作・創作作 業の促進だけでなく,TP の概念は,人間の感覚や感性のデジタル化へと幅広い応用に 期待できる.

(9)

目 次

1章 序章--- 1

1.1 研究の背景--- 1

1.2 本論文の構成--- 3

2章 紙とコンピュータによる幼児の描画行動の比較分析--- 6

2.1 子供の創作環境の変化--- 6

2.2 従来研究と目的--- 7

2.2.1. 従来研究--- 7

2.2.2. 目的--- 8

2.3 予備実験と問題点--- 9

2.3.1. 実験対象の選択--- 9

2.3.2. 予備実験方法--- 9

2.3.3. 実験結果--- 10

2.3.4. 実験における問題点--- 13

2.4 定量的分析法--- 14

2.4.1. 分析方法の検討--- 14

2.4.2. 提案手法--- 16

2.5 描画実験--- 17

2.5.1. 実験ツールの選択--- 17

2.5.2. 実験--- 18

2.6 分析結果--- 23

2.6.1. 一般的な描画特性--- 23

2.6.2. 紙と描画ソフトの相違点--- 26

2.6.3. 描画ソフトにおける不自然な行動・操作--- 27

2.7 考察--- 31

2.8 まとめ--- 32

(10)

3.1 創作活動における色の重要性--- 34

3.2 色選択ツールの現状調査--- 35

3.2.1. 現状システムの調査--- 35

3.2.2. ユーザへのインタビュー調査--- 36

3.2.3. 問題点の分析--- 36

3.3 アプローチ--- 37

3.3.1. 色作り作業支援の重要性--- 38

3.3.2. 従来研究--- 38

3.3.3. 提案システムの設計方針--- 39

3.4 色混パレットの提案--- 40

3.4.1. ターゲットユーザ--- 40

3.4.2. 混色システムの検討--- 40

3.4.3. インタフェース--- 41

3.5 まとめ--- 42

4TILE PALETTE --- 43

4.1 Tile Paletteの概要--- 43

4.2 Tile Paletteの基本操作--- 45

4.3 色の混色--- 46

4.3.1. 隣接するタイルによる混色--- 46

4.3.2. 離れているタイルによる混色--- 50

4.3.3. 混色の有効順位--- 52

4.4 作成した色の保存と削除--- 53

4.5 まとめ--- 54

5TILE PALETTEの評価--- 55

5.1 評価実験--- 55

5.1.1. 評価方法--- 55

5.1.2. 環境設定と実験装置--- 56

5.1.3. 実験対象の選択--- 56

5.2 実験--- 58

5.3 実験結果--- 59

5.3.1. パフォーマンス評価--- 60

5.3.1.1 タスク達成評価--- 60

5.3.1.2 タイルインタフェースの評価--- 62

5.3.1.3 システム特性の調査--- 63

(11)

5.3.2. システムの印象評価--- 65

5.3.3. インタビューによる評価--- 66

5.4 考察--- 67

5.5 今後期待できるTPの支援効果--- 68

5.6 今後の課題--- 69

5.7 まとめ--- 69

6TILE PALETTEの応用--- 70

6.1 ターゲットユーザの拡張--- 70

6.1.1. 専門家におけるTPの活用--- 70

6.1.2. 幼児におけるTPの活用--- 71

6.2 教育ツールへの転用--- 72

6.2.1. 色彩学習支援--- 72

6.2.2. プログラミングへの応用--- 73

6.3 まとめ--- 73

7章 結論--- 75

7.1 まとめ--- 75

7.2 創作システムの未来像--- 77

謝 辞--- 79

参考文献--- 80

本研究に関する発表論文等--- 83

(12)

図目次

1.1 論文の構成 --- 5

2.1 従来のツールでの描画(クレヨン・B5サイズ画用紙)---12

2.2 基本機能を持つ描画ソフトでの描画(Art Dabbler)---12

2.3 多機能を持つ描画ソフトでの描画(キッドピクス)---12

2.4 提案手法の分析手順 ---16

2.5 被験者Dの描画の様子 ---19

2.6 筆圧による失敗の測定方法(被験者C:T1の例)---28

2.7 変更の不確実性による失敗の測定方法(被験者D:T3の例)---29

2.8 記憶による失敗の測定方法(被験者B:T2の例)---30

3.1 色選択ツール例(Windows OS 標準装備)---35

4.1 Tile Palette (TP) ---44

4.2 タイルインタフェースの拡大図 ---44

4.3 混色範囲の設定 ---45

4.4 設定した混色範囲内での混色実行 ---45

4.5 混色した色とその混色過程の表示---46

4.6 「隣接するタイルによる混色」における各混色方式の混色例 ---47

4.7 減法混色の説明図 ---49

4.8 「離れているタイルによる混色」の計算例 ---50

4.9 離れているタイルによる混色 ---51

4.10 ユーザが設定した色空間内のグラデーション作成例 ---51

4.11 隣接する・離れたタイルによる混色が混在する作成例 ---52

4.12 作成した色の保存と再利用 ---53

4.13 タイルの削除 ---54

(13)

5.1 「色の設定」(Windows OS標準装備)---56

5.2 評価実験 ---58

5.3 u'v'色度図(総平均値)---60

5.4 色差と作成時間の総平均と標準偏差 ---61

5.5 セットごとの色差と作成時間の平均(色番号順)---62

5.6 色差・時間・満足度の相関図(総平均:30data = 1色×10人×3セット)---64

(14)

表目次

2.1 記録用紙の例 ---15

2.2 事象見本法のチェックリスト(被験者D: Pの例)---20

2.3 時間見本法のチェックリスト(被験者D: T1の例)---21

2.4 被験者4人の平均測定回数 ---22

2.5 各実験ツールでの描画時間(分)---23

2.6 使用した色の数(使用色数/各ツールの提供色数)---24

2.7 描画行動の割合 ---24

2.8 描画中の注目点 ---25

2.9 注目点がパレット等にある時の変更操作の割合 ---26

2.10 アイコン選択の失敗(失敗回数/総変更回数)---30

5.1 被験者に関する情報 ---57

5.2 Set1,Set3後の印象評価 ---65

5.3 実験終了後の印象評価 ---66

(15)

第 1 章 序章

1.1 研究の背景

コンピュータやコンピュータを取り巻く技術の進歩,普及により,コンピュータを用 いた活動が身近なものになって来ている.その用途は,手紙を書く,計算をするといっ た日常的な活動にはじまり,音や画像の編集,描画,CG制作などと,広がりを見せて いる.つまり,創作活動の場でコンピュータを使う機会が飛躍的に多くなってきたので ある.

創作作業におけるコンピュータの利用は,以前では,高度な専門技術や知識を持つ専 門家が中心になされていた.しかし,グラフィックスを用い視覚的に操作イメージを表 現する GUI[1](グラフィカル・ユーザ・インタフェース),情報に物理的な実体を与え 直接触れて操作できるTUI[2](タンジブル・ユーザ・インタフェース)など,使いやす さ,誰でも使えるシステムを目的としたユーザインタフェースに関する研究が盛んに行 なわれ,コンピュータ操作を習熟していないユーザでも扱えるようになった.これによ り,対象ユーザを限定することなく,我々の創作環境は,紙と鉛筆といった従来の創作 道具からコンピュータへと移り変わってきている.しかし,この様な創作環境の変化が,

ユーザにどのような影響を与えるのか,また,現状の創作システムがユーザにとって使 い易く十分な創作支援を行なっているかは定かでない.本研究では,これらの問題に取 り組むことより,創作システムのユーザインタフェースに関する新しい知見やシステム を導き出す.

まず,創作環境の変化が,ユーザにどのような影響を与えるのかを調査するため,環 境の変化を受けやすく早急な調査が必要な子供の創作環境に着目した.近年,小中学校 におけるメディア教育が活発になり,幼稚園でもパソコンが導入されはじめ,創造性や 知育発達の道具としてコンピュータが注目されている.市場では,幼児向けの知育ソフ

(16)

ータゲームだけでなく,絵を描くといった今まで紙とクレヨンにより行なわれていた創 作作業も,コンピュータによりディスプレイとマウス,または,電子ペンというように,

創作環境が変化している.そのため,インタフェース,ユーザビリティの研究分野にお いて,子供を対象とした創作システムの研究が行なわれている[3,4].しかし,一方で,

子供の発達環境の視点より,若年齢からのデジタルメディアとの接触が問題視されてい る[5].子供の健全な発達・成長にとって,彼らを取り巻く環境は重要な役割を果たして いるからである.創作活動は,子供の身近な活動であり,感性や創造性の育成にも影響 を及ぼす.取り巻く環境による影響を受けやすい子供において,コンピュータを用いた 創作活動が,子供の創作活動にどのような影響を及ぼすかを確認・理解した上で,コン ピュータ支援を設計することが重要であると考える.

本研究では,子供の身近な創作活動の一つである描画を対象に,従来の紙とクレヨン による描画行動とコンピュータを用いた描画行動を比較分析し,両描画行動の相違点・

類似点を調査した.自然な描画活動による描画ツールの純粋な比較を行なうため,描画 に対する苦手意識がなく,実験上の指示を与える等意思の疎通が可能な,5歳の幼児を 対象とした.そして,幼児を対象とした定量的なインタフェース評価方法を検討し,分 析を行なった.分析方法には,定量的な分析が可能な時間見本法と質的な分析が可能な 事象見本法を連携して適用するハイブリッドな手法を提案した.描画実験・分析を行な った結果,幼児の描画行動を詳細に分析し,重要な知見を得ることが出来た.

まず,一般的な描画特性として描画時間や描画中の注目点などはツールによらないこ とが確認でき,コンピュータ上の描画システムでも幼児にとって馴染みやすい環境を構 築できる可能性を確認した.また,ツールの種類による異なる行動としては,色の変更 時において違いが定量的に示され,各描画ツール環境に特有の行動を抽出する事ができ た.さらに,すでに選択されているアイコンをもう一度クリックする,描画ソフトの特 性による不自然な行動が判明し,その程度を定量的に測定することができた.これらの 分析結果は,幼児のための描画インタフェースを開発する際に有益であると考える.

次に,創作活動において顕著に見られる色選択作業に着目し,現状システムにおける 問題点を分析し,ユーザにとって使いやすく,十分な創作支援が行なわれているか調査 した.効果的なコンテンツ制作において色彩の役割は大きく重要である.デザイナーな どの専門家は,作品作りにおいて長時間かけてイメージに合う色を作り出し,一つの色 を選択する.先の幼児の描画行動調査においても,色の選択行動に描画時間の3割を費 やす傾向が見られた.コンテンツ制作においては,対象ユーザを限定することなく色彩

(17)

を扱う作業は多く,頻繁に色選択作業が要求される.しかし,現状の色選択システムで は,ユーザが所望の色を選択するには,様々な色彩を表示する方式やカラーモデルとい った各システムのメカニズムを知る必要があり,色彩に関する学習が要求される.

そこで,本研究では,これらの問題を解決するため,各ユーザが持つ色彩感覚を活か すことで個々のシステムを理解する必要をなくし,色彩の専門知識を要する色の数値表 現を用いずに色を表現するよう設定した.そして,ユーザが所望する色を作り出す作業 支援システム“Tile Palette”(以下“TP”と略す)を提案した.TP では,各ユーザが 持っている色空間のイメージや知識に合わせてユーザ自身が色空間を設定でき,タイル をピクセルのメタファとするタイル状のインタフェースを操作することより,視覚的に 混色した色の量や作成過程を表現することを可能にした.

TPの有効性は,評価実験より確認した.色見本として提示される色を,一般的に使 用されており,評価の基準となる Windows OS に常備されている「色の設定」と TP を用いて作成する色あわせ実験を実施した.その結果,ディスプレイ上で実用的に使用 できるレベルのパフォーマンスが得られ,また,視覚的に混色した色の量や作成過程を 表現することでシステム理解を促進させ,さらに,ディスプレイ上で容易に混色でき,

混色が作りやすいシステムである事が確認できた.TPの有効性を示すことができ,TP の実用的な使用の可能性を見出した.

1.2 本論文の構成

本論文は,以下のように構成される.図1.1は,本論文の構成を示す.

第2章では,環境変化の影響を受けやすい子供を対象に,創作活動におけるツールに よる影響を調査する.子供の身近な創作活動の一つである描画に着目し,より純粋な描 画行動データを採取するため,描画にまだ苦手意識を抱いていない 5 歳の幼児を対象 に,従来の紙とクレヨンによる描画行動とコンピュータを用いた描画行動を比較し,両 描画行動の相違点・類似点を分析する.まず,5歳の幼児に対し予備描画実験を実施し,

実験や分析方法を検討する.次に,予備実験で指摘した,プロトコル分析やインタビュ ー等の主観評価に頼らない分析方法を検討し,幼児の描画行動を客観的に分析可能な,

定量的な分析が可能な時間見本法と質的な分析が可能な事象見本法を連携して適用す る提案手法について説明する.そして,提案手法を用いた描画実験を4人の幼児に対し

(18)

を定量的に示す.定量データを基に両描画行動について考察し,幼児の描画インタフェ ースやコンピュータでの描画環境を考える上での重要な知見と,提案手法の有効性につ いてまとめる.

第3章では,創作活動において顕著に見られる色選択作業に着目し,新しい色選択ツ ールを提案する.まず,創作における色の重要性を検討し,効果的なコンテンツ作りに おける色の役割とその効果を確認する.次に,コンピュータの色選択ツールの現状と従 来研究の問題点を分析し,新しい色選択ツール(カラーパレット)の所要条件をまとめ る.設定した所要条件に基づき,ユーザが頭にイメージする色の再現を支援する,ディ スプレイ上で自由に混色可能な混色作成支援システムを提案する.提案システムでは,

ユーザのシステム理解を促進させるため,各ユーザが持っている色空間のイメージや知 識に合わせて,ユーザ自身が混色範囲の設定を可能にする.また,専門知識を要する色 の数値表現を使用せず,混色した色の量とその作成過程を視覚的に表現する.実現方法 として,提案したタイル状のインタフェース(タイルインタフェース)について説明す る.

第4章では,第3章において検討した混色作成支援システムの実現方法に従い,提案 システム“TP”を実装した.TPの基本構造と,タイルインタフェースの操作方法を説 明し,混色範囲の設定や混色の実行方法など,具体例を示し詳説する.また,混色を作 り出すシステム内部の混色計算法も示す.

第5章では,実装したTPの有効性を確認する.Windows OSに常備され一般的に利 用されている色選択ツール「色の設定」を基準とし,「色の設定」と TP の両パフォー マンスを測定,その結果を比較分析する.提示された色見本と同じ色を「色の設定」と TPを用いて作成する色あわせ実験より,各システムで作成した色を測色し,色見本と の差より両システムを比較する.さらに,システムに対する印象や作成した色に対する 満足感などの主観的評価も行い,どの程度目的の色が作成できるか,使い易さ,実用性 といった各システムの効果・効率・満足度を比較し,TPの有効性を示す.また,今後 のTPに期待できる効果や課題についてまとめる.

第6章では,TPの応用活用について検討し,ターゲットユーザの拡張と教育ツール への転用に関して議論する.新たなターゲットユーザとして,色彩の知識を持つ専門家 や,ツールが提供する色数の中から使用する色を選択する傾向にある色彩の知識を持た ない就学前の幼児について検討し,その可能性についてまとめる.次に,TP のタイル インタフェースが持つ表現力や操作性より,教育的ツールへの転用を検討する.TPの

(19)

色を作り出す方法や理論を体得し学べる特徴を利用した色彩学習支援,混色ルールに従 い混色結果を表示するTPのプログラミングの要素を適用し,色彩の知識を持つ専門家 の色彩感覚や感性に適した色作成支援や子供の創造性を促進する創作ツールとしての 可能性についてまとめる.

第7章では,本研究のまとめとして,まず,従来のツールとコンピュータによる幼児 の描画行動の比較分析結果について述べる.実験結果より判明した,幼児の認知特性に よるインタフェースの問題点,そして,幼児の描画インタフェースや描画環境を考える 上で,重要となる知見についてまとめる.次に,創作作業の促進を目指し,創作活動に おいて重要な役割を持つ「色」の選択活動を支援する,提案システムTP のシステム概 要,及び,その評価結果について述べる.評価実験より確認できたTPの支援効果,そ して,今後のTPに期待できる効果や課題についてまとめる.最後に,筆者の考える創 作システムの未来像についてまとめる.

創作環境の変化

従来の創作道具(紙・ペン)⇒ コンピュータ

ユーザの創作活動に影響があるか? 現創作システムは十分な 創作支援を提供しているか?

第3章 混色作成システムの提案

第4章 Tile Palette

第5章 Tile Paletteの評価

第6章 Tile Paletteの応用

第7章 結論

図1.1 論文の構成 第2章 紙とコンピュータによる

幼児の描画行動の比較分析

(20)

第 2 章 紙とコンピュータによる 幼児の描画行動の比較分析

本章では,子供の創作活動の一つである描画に着目し,子供たちが慣れ親しんでいる 紙とクレヨンといった従来のツールによる描画行動と,コンピュータによる描画行動を 比較分析し,両描画行動の相違点・類似点を調査する.各ツールを使用した描画行動の 特徴を抽出するため,苦手意識を持たない就学前の幼児を対象とできるインタフェース 評価方法を検討・提案し,分析を行なう.そして,分析結果と,それより導くことの出 来た幼児のための描画インタフェースにおける知見について議論する.

2.1 子供の創作環境の変化

技術の向上によりコンピュータの利用環境は整い,充実した機能により表現力が拡大 し,リッチコンテンツが容易に作れるようになった.これに伴い,我々の創作環境が,

紙と鉛筆といった従来の創作道具からコンピュータへと変化している.この環境の変化 は,大人だけではなく子供の創作環境にも及び,子供達がコンピュータに触れる機会が 急速に増大している.

近年では子供を対象としたコンピュータソフトが出現し始め,ゲームをしたり絵を描 いたりと,コンピュータを用いた創作活動が広がりつつある.これに伴い,子供のユー ザインタフェースデザインの研究[4, 6]や,子供達のコンピュータ利用をサポートするエ ージェント構築のために必要なデータ収集など[7],子供を対象としたインタフェース・

ユーザビリティの研究が行なわれている.また,コンピュータ特有の創作活動であるプ ログラミングに関しては,子供の創造性の促進を目的とし,子供を対象にしたプログラ ミング言語の開発が数多く行われている[3,8-9].簡単な操作によってプログラムを組み,

(21)

自作したルールにそってキャラクターを動作させることで,子供は想像する世界を簡単 に創作・表現することができ,空想の世界を広げ,想像力を刺激すると考えられている.

しかし,このようなコンピュータを用いた創作活動は,子供の創作活動にどのような 影響を与え,従来子供が使用してきた創作道具よりも,より効果的な支援が行われてい るかは疑問である.取り巻く環境による影響を受けやすい子供において,コンピュータ を用いた創作活動が子供の創作活動にどのような影響を及ぼすかを確認・理解した上で コンピュータ支援をすることが重要であると考える.

本研究では,子供の創作活動の一つである描画に着目した.子供たちが慣れ親しんで いる紙とクレヨンといった従来のツールによる描画行動と,コンピュータによる描画行 動を比較し,両描画行動の相違点・類似点を調査する.そして,幼児のための描画イン タフェースにおける知見を導き出す.

2.2 従来研究と目的

2.2.1. 従来研究

コンピュータの使用による子供の描画活動への影響調査を行った先行研究には次の ようなものがある.

降簱[10]は,コンピュータを用いることで小学生の子供たちの描画表現にどのような影 響を及ぼすかを調査している.コンピュータで作成した作品の分析とアンケートより調 査を行い,コンピュータの描画機能を用いることで得られた抽象的表現方法を,紙への 描画に反映するという表現方法の拡張が確認されている.また,紙への描画と異なる点 として,描きたいイメージが浮かばない子供がスタンプ機能の組み合わせで作品を完成 させてしまう例が報告されている.

浅井ら[11]は,描画が苦手な小学1年生の子供を対象に,手書きによる描画と描画ソフ ト(タブレット・電子ペン)による描画の創作活動を比較調査している.各ツールを用 い作成した作品,インタビューそしてアンケート調査の分析より,描画が苦手な児童に おいて,描画ソフトの修正機能により失敗を恐れず描画することが出来るようになる が,機能に助けられ自己表現が乏しくなる可能性も指摘している.

上記の2つの研究報告では,従来の紙への描画とコンピュータを用いた描画を比較し

(22)

イメージが浮かばないという特定条件下にある子供についての報告結果であり,苦手意 識を持たない子供についての比較報告はされていない.一般的な知見を得るためにも,

苦手意識を持たない子供の描画活動を比較分析することには意義がある.小学児童の場 合,苦手意識の有無は児童の自己判断に依存し,客観的な判断を下すことが難しい.そ こで,描画ツールの純粋な比較を行なうためにも,苦手意識やまだ自分の絵に上手・下 手の感覚を持たない年齢を対象とするのが適当と考える.

日頃お絵描きの指導をしている保育士にインタビューを行なったところ,就学直前に は苦手意識の萌芽がみられるとの知見を得た.就学前の幼児を対象に従来の紙への描画 とコンピュータを用いた描画の比較調査を行う必要性がある.

就学前の幼児を対象に描画実験を行なった先行研究には,1~3 歳の描画を習得する 前の幼児に対して描画ソフト(マウス操作)・従来のメディア(鉛筆・サインペン)を用 い描画比較実験を行い,両描画活動における動作とその結果の因果関係習得について詳 細に調査した報告がある[12].描画方法の習得や動作とその結果の因果関係の習得過程に おいては,両描画間に差は見られないという結果が得られている.しかし,文献[12]は,

マウスと従来のメディアとの比較調査であり,従来のメディア(鉛筆・サインペン)と,

それに近似した実験環境(電子ペンなど)を備えたシステムとを比較して創作活動への 影響を調査したものではない.近年では,一般ユーザも創作活動において,特に描画の 際に電子ペンを用い作業を行なう傾向にある.市場では幼児から使用できる描画ソフト が数多く登場しており,今後,子供も電子ペンを用い創作活動を行なうと考えられる.

そのため,従来のメディアと従来のメディアに近似したシステムにどのような創作活動 差があるかを明らかにする必要性がある.両創作環境の特徴を知ることは,今後の子供 の創作インタフェースを考える上で重要な知見となる.

2.2.2. 目的

子供の創作活動の一つである描画に着目し,子供たちが慣れ親しんでいる紙とクレヨ ンといった従来のツールと,従来のツールに出来るだけ近似した環境を提供するコンピ ュータによる描画活動の類似点・相違点を比較調査する.自然な描画活動による描画ツ ールの純粋な比較を行なうため,苦手意識を持たない就学前の幼児を対象とする.両描 画活動を比較する分析手法を検討し,分析を行なう.そして,分析結果と,それより導 くことの出来た幼児のための描画インタフェースにおける知見を報告する.

(23)

2.3 予備実験と問題点

苦手意識を持たない年齢を調査し,紙とクレヨンの従来のツールと,コンピュータに よる従来のツールに出来るだけ近似した環境の設定,そして,描画活動を比較する描画 比較実験の方法や問題点を検討する.

2.3.1. 実験対象の選択

自然な描画活動による描画ツールの純粋な比較を行なうためにも,描画に対する苦手 意識やまだ自分の絵に上手・下手の感覚を持たない年齢の幼児を対象とするのが適当と 考えられる.

実験の対象年齢を検討するため,日頃幼児にお絵かきの指導をしている保育士にイン タビューを行った.それによると,年長になるにつれ描画に苦手意識を持つことがある との知見を得た.一方,実験上の指示を与える等意思の疎通が可能なことが必要であま り低年齢では実験が成立しない.両者の兼ね合いから,4歳後半から5歳の幼児を対象 に実験を行う事が適当と判明した.

2.3.2. 予備実験方法

実験上の問題点を明らかにするため,2.3.1で定めた対象年齢4 歳後半~5 歳の幼児 に対し予備実験を行なう.

「好きな動物」を題材とし,次の3つのツール,従来のツール(画用紙,クレヨン)と2 種類の描画ソフトを用いて絵を描く実験を行なう.描画ソフトによる描画では,従来の ツールに近似した環境を提供するペンパッド・電子ペンを用いる.描画の様子はビデオ に収める.行動分析にビデオを見ながら質問を行い,その時に思考した事を発話しても らうプロトコル分析[13]を用いる.描画終了後,ビデオを見ながら質問を行い,各ツール での特徴的な操作を抽出する.

①従来のツール

広く普及し,普段幼児が使用している12色程度のクレヨンとB5サイズの画用紙 を用いる.

②基本機能を持つ描画ソフト

(24)

③多機能を持つ描画ソフト

四角や丸等が描ける描画ツールや動物等のスタンプを持つ描画ソフトを使用する.

2.3.3. 実験結果

設定した実験方法に従い,描画実験を行なった.5 歳の幼児 1 名に,「好きな動物」

を題材に,従来のツール(B5サイズの画用紙,12色クレヨン)と2種類の描画ソフトを 用いて描画してもらった.本実験では,設定した描画ソフトの基準にあてはまる描画ソ フトを検討し,②の描画ソフトはArt Dabbler,③の描画ソフトはキッドピクスを使用

した.Art Dabblerは,実際にクレヨンでキャンパスに描いたような雰囲気が得られる

のが特徴である.キッドピクスは,子供向けグラフィックソフトで,描画ツールやスタ ンプを持つ描画ソフトである.

描画ソフトによる描画では,従来のツールに近似した環境を提供するペンパッド・電 子ペンを用いた.また,操作方法に関しては,簡単な操作説明を行い,何枚か絵を描く ことで操作に慣れてもらった(約10分程度).

一通り操作が可能になり,被験者に操作に対する不安がないことを確認した後,実験 を始めた.絵を描く様子を,描画全体と手もとをビデオに収めた.ビデオは1人×3ツ ール×2シーン(全体・手もと)で合計6本になる.

描画終了後,ビデオを見ながら質問を行い,描画中に考えていることを調査する予定 であった.しかし,幼児の集中力が続かないため直接的な意見を得ることが出来なかっ た.そこで,実験者がビデオを繰り返し観察し,各ツールにおける特徴的な操作や描画 行動を抽出した.

(25)

【各ツールにおける特徴的な操作・描画行動】

①従来のツール:紙とクレヨン(図2.1)

・色の選択・描画に迷いがなく,2,3分程度で1枚を描き終える

・描きやすいように紙を動かす

・描きたいものを順番に考え,紙に描いている

・書き上げたデザインに満足した様子

②基本機能を持つ描画ソフト:Art Dabbler(図2.2)

・1枚を約4分程度で描き終える

・色のアイコンが小さいため,簡単に思った色を選択する事が出来ない

・色の識別,特に同系色の識別が難しい

・選択しようと思っていた色と実際に選択した色が異なる

・色を塗りつぶす行動をしない

③多機能を持つ描画ソフト:キッドピクス(図2.3)

・1枚を約5分程度で描き終える

・ペンのアイコンを選択せず図形描画ツール・スタンプだけでデザインを描く

・図形ツールアイコンを選択し四角や丸の描画を試みるが,大きさなどの設定操 作が難しく,思い通りの図形を描画する事が出来ない.何度も描きなおすため,

1つの部分に取りかかる時間が長い

・描画ツール・スタンプを見て,使用したいツール・スタンプを選んでから何を描く かを決めている様子

(26)

描画全体の様子 作 品 (ライオン)

図2.1 従来のツールでの描画(クレヨン・B5サイズ画用紙)

描画全体の様子 作 品(ライオン)

図2.2 基本機能を持つ描画ソフトでの描画(Art Dabbler)

手もとの様子 作 品

*スタンプ:アザラシ・カメ・カンガルー 図形描画:○・□

図2.3 多機能を持つ描画ソフトでの描画(キッドピクス)

(27)

2.3.4. 実験における問題点

実験より,実験設定において次のような問題点が明らかになった.幼児を対象とする 描画実験の設定では,下記の二つの問題点について検討する必要がある.

(1) 実験で使用する描画ソフトについて

【問題点】

今回の実験で用いた描画ソフトでは,色アイコンのサイズか小さく,5歳児の幼児 には選択が困難であることが判明した.

【検討事項】

色アイコンの大きさを考慮し,実験に用いる描画ソフトを選定する必要がある.

(2) 分析方法について

【問題点】

・ 描画終了後,描画の様子を収めたビデオを見ながら幼児にインタビューを行い,

描画中に考えていたことを調査する予定であった.しかし,幼児の集中力が続 かないため,直接的な意見を収集する事が困難であることが判明した.

・ 本実験では,描画の様子を収めたビデオより,実験者の主観に基づき,特徴的 であると判断した操作・行動を抽出した.しかし,より客観的かつ明瞭に各ツ ールにおける特徴を調査するには定量データによる分析が必要である.

【検討事項】

幼児を対象にするには,プロトコル分析やインタビュー等の主観評価に頼らない分 析方法が必要である.

(2)で問題点として指摘した分析方法について,従来研究を調査した.文献[10-12]お いても,その分析方法は,主観的観察に基づいた定性分析を行っている.

文献[12]は,本研究同様,就学前の幼児を実験対象としており,その分析法は作品と 実験者の主観的観察による定性分析が中心である.そのため,実験者の主観が混入する 可能性が指摘される.文献[10] [11]でも,作品の分析やビデオ観察より,特徴的な行動 を抽出するという主観的観察を行なっているが,対象が小学生であるためにインタビュ ーやアンケートの分析が中心となっている.

(28)

一般的に主観評価による定性分析は有効であるが,子供を対象とする時,特に就学前 の年齢の子供においては,口答やアンケートの場合,子供の意思に反するような答えを 誘導してしまう可能性もあり純粋な意見・感想を聞くことは難しい.子供を実験対象と する場合は,より客観的に評価できる定量的手法が適していると考える.しかし,子供 のユーザビリティ評価の研究は始められたばかりであり,有効的な分析法はまだ提案さ れていない.

本研究では,就学前の幼児を対象とできる,主観評価に頼らない定量的な行動分析手 法の提案を行う.

2.4 定量的分析法

2.4.1. 分析方法の検討

5歳児では,ユーザインタフェースの評価について首尾一貫したインタビューを得る ことは困難であることが判明した.このように,インタビューが得られない条件下でユ ーザビリティの分析を行うには,通常,観察法[14]が用いられる.観察法は,言語的理解 力や表現力が不十分でも対象にできる.人間や動物の行動を自然な状況,また,実験的 な状況のもとで観察・記録し,行動の特徴や法則性を分析する手法である.

観察法で懸念されるのは,要点の見落としや,観察者の主観による恣意的な解釈の混 入である.これを避けるため,事象見本法,時間見本法などの分析法が知られている[14]. 事象見本法とは,ある特定の行動に焦点をあて,実際に観察しながら,その行動の生起,

経過,結果の状況を記録し,特定行動の生起要因を分析することが可能な手法である.

観察方法は,観察する行動(事象)をカテゴリー分けしたチェックリストを作成し,連 続的に時刻・現象を記述する(表 2.1(a)).ただし,この手法では,行動を文脈よりとら えるため,定性的なデータ収集に威力を発揮するが,行動の生起頻度といった量的な分 析には弱い.

一方で,時間見本法とは,行動を適宜の一定時間間隔で区切り(これを観察単位と呼 ぶ),観察対象となる行動の生起頻度や持続時間を記録することで,定量的な分析が可 能な手法である.観察方法は,観察する行動をカテゴリー分けしたチェックリストを作 成し,観察単位内に観察した行動の該当個所にチェックを記入する(表2.1(b)).

(29)

通常のユーザビリティ分析に時間見本法を適用する場合には,被験者への教示やシス テムの要件から,着目すべき事象と時間間隔が決定される.しかしながら,本報のよう な幼児を対象とした実験では,行動を想定できず,要件の設定が難しい.したがって,

着目すべき事象や時間間隔の選択を事前に決定することは困難である.

そこで,本実験では,これらの2つの手法を複合して適用することにより,これらの 課題を解決した.事象見本法と時間見本法の二つの手法は,研究の目的により使い分け る必要があるが,また,同時に用いることにより行動の事象の特性を多面的に検討する ことが出来る.ひとつのシステム評価にあたって,両者を同時に使用しその結果を併用 し分析した報告がある[15].しかし,本実験では,両者を単に併用するのではなく,重点 を定量的に分析が可能な時間見本法におき,この時間見本法において重要となる着目す べき事象や時間間隔の設定を導きだすために事象見本法を用いる.

このような,両者を連携して適用する事により幼児の行動を詳細に分析する.提案手 法により,幼児の描画特性を客観的に定量分析することを可能にする.

表2.1 記録用紙の例 (a) 事象見本法の記入例

時刻 行動 情緒 備考

11:00 傍観している 寂しそう

11:18 皆と遊ぶ 楽しそう

11:48 遊ぶのをやめる 残念そう

(b) 時間見本法の記入例

行動 情緒

観察単位

S C O Po Ne

1 ✔ ✔

2 ✔ ✔

: : :

合計 5 7 6 9 5

S :孤立遊び C :協同遊び O :傍観 Po:ポジティブ Ne:ネガティブ

*確認された事象に「✔」を記入

(30)

2.4.2. 提案手法

幼児の描画行動を客観的に定量分析する,事象見本法と時間見本法の具体的な併用の 手順を図2.4に示す.

図2.4 提案手法の分析手順

(31)

2.5 描画実験

実験で用いる実験ツールを選定し,提案手法の分析手順(図 2.4)に従い,描画実験を 行なう.

2.5.1. 実験ツールの選択

予備実験の定性分析より,色アイコンの大きさを考慮し,実験に用いる描画ソフトを 選定する必要があると判明した.そこで,色のアイコンサイズを考慮し,また,いくつ か子供向け描画ソフトを使ってみた結果から,ツールアイコン(色アイコンも含む)のサ イズが大きいもの,そして必要なツールがすべて初期画面に表示可能で複雑な操作を必 要としないソフトを採用した.また,描画機能の使用に制限を与える事でレベル分けし,

各レベルの描画ソフトと,従来のツールとの描画行動を比較する.本実験では下記のよ うに従来の紙・クレヨンの描画Pと3段階の描画ソフトT1からT3を選んだ.

本実験では,従来のツールに出来るだけ近似した状況での類似・相違点を調査するた め,描画ソフトでの描画には,予備実験と同様にペンパッド,電子ペンを用いた.

P: 従来のツール (紙・クレヨン, 色数:12)

普段幼児が使用している12色のクレヨンとB5サイズの画用紙を用いる.

T1: 基本機能だけを持つ描画ソフト (描画ソフト:“描こう絵”, 色数:14) 従来のツールと同等な機能しか持たない.

クレヨンと同程度の色数と線描画機能のみ持つ.

T2: 図形描画機能を持つ描画ソフト (描画ソフト:“Oekaki”, 色数:8)

パレットと線描画機能に加え,四角や丸等の基本的な図形描画ツールと図形スタン プを持つ.

T3: イメージスタンプを持つ描画ソフト (描画ソフト:“Oekaki”, 色数:8) T2 と同じソフトを用いる.機能は同じだが,動物の具体的なイメージのスタンプ を持つ.

(32)

2.5.2. 実験

提案手法の分析手順(図2.4)に従い,描画実験を行なった.

【Step1】描画実験

4人の5歳児に対し,4種類のツール(P,T1,T2,T3)で絵を描く実験を行った.「好きな 動物」というテーマだけを提供し,後は自由に描画してもらった.描画ソフトの操作方 法に関しては,簡単な操作説明を行い,何枚か絵を描くことで操作に慣れてもらった.

一通り操作が可能になり,操作に対する不安がないことを被験者に確認した後,実験を 始めた.一通りの教示で使用できた子もおり,練習が必要だった子も10分未満で実験 に入れた.絵を描く様子を,表情・体の動きを調査できるよう描画全体と手もとをビデ オに撮った(図2.5).ビデオは4人×4ツール×2シーン(全体・手もと)で合計32本に なる.

【Step2】注目すべき事象の抽出

ビデオを観察し,事象見本法の描画行動を大きく分類するカテゴリーを選定,そして チェックリストを作成した(表2.2).カテゴリーは,「ツール・色の変更」「描画」「道具 移動」「体の位置」「顔の表情」「その他」の6項目となった.

【Step3】事象見本法を用いた観察

事象見本法を用いビデオを繰り返し観察.カテゴリー分けしたチェックリストに,時 刻・現象を連続的に記入した(表 2.2).そして,時間見本法で用いる細かく分類した描 画行動の種類「カテゴリー」を選び出した.カテゴリーの選定においては,各行動がそ の他の行動とどのような関係があるのかを分析できるようにした.カテゴリーは「描画 時間」「ツールの選択」「線を引く」など表2.3に示すように合計36項目になった.36 項目の中には直接描画に関係しない行動,主に実験中に被験者が実験者に対して描画に 関係ないことを話しかけるといった行動を測定する「その他」カテゴリーも設けた.カ テゴリーの多くは各ツールに共通であるが,描画ソフトでの描画には,使用描画ツール の種類と使用回数,操作ミスが含まれている.

次に,一つの行動から別の行動に移る時間間隔を測定し,観察単位を検討した.行動 の変化が速かったため,単位時間を5秒と短く設定した.

36項目のカテゴリーと観察単位時間5秒としたチェックリストを作成した(表2.3).

(33)

(b) 描画ソフト

図2.5 被験者Dの描画の様子

表情・描画全体の様子:T3 手もとの様子:T3 表情・描画全体の様子:T1

(a) 従来のツール

表情・描画全体の様子:P 手もとの様子:P

表情・描画全体の様子:T2

(34)

表2.2 事象見本法のチェックリスト (被験者D: Pの例)

(35)

表2.3時間見本法のチェックリスト(被験者D: T1の例)

(36)

【Step4】 時間見本法を用いた観察

事象見本法より選定された「カテゴリー」と観察単位より,時間見本法のチェックリ ストを作成した.描画時間経過を単位時間で区切り,その時間内に生起した行動のカテ ゴリーをマークした(表2.3).

【Step5】 定量的なデータの抽出

ツールごとに各カテゴリーのマーク数や行動の継続時間を測定し,被験者4人の平均 値を求め表2.4に示した.例えば,カテゴリーの「総観察単位数(総描画時間)」をみる と,ツールPでは平均66単位時間,すなわち66単位×5秒=330秒間を描画に要した ことになる.

表2.4 被験者4人の平均測定回数

カテゴリー P T1 T2 T3

総観察単位数(総描画時間) 66.0 57.0 68.9 74.5

枚数 1.0 1.0 1.5 2.3

ペン 1.5 3.3

0.5 0.0

図形

ツール 1.0 0.0

図形 1.0 0.0

動物 2.0

ツール 選択

スタンプ

種類 1.0 1.3

変更 8.8 11.5 11.0 13.0 色の

選択 選択色数 3.8 5.0 4.5 3.5

新たな対象 4.5 2.8 5.8 6.0

描画

対象 過去の対象 0.3 0.0 0.0 0.0

19.3 19.3 24.3 32.8

実際の色数 3.8 4.8 4.0 3.5

ペン

塗る 19.8 18.3 12.8 14.0

1.3 0.0

図形ツール

1.3 0.0

図形 4.3 0.0

動物 3.8

スタンプ

種類 1.5 1.0

操作に対する想定外の失敗 0.0 2.0 4.5 5.3 Object

の描画 描画

失敗 意図しない操作による失敗 0.0 0.8 1.8 1.8

実行 2.0

消し

ゴム 失敗 0.0

紙/パッド 8.0 0.0 0.0 0.0

道具の

移動 クレヨンの箱 2.0 0.0 0.0 0.0

他の動作と同時 5.5 0.8 0.3 0.0

パレット/クレヨン 19.0 15.5 20.8 27.5 49.0 40.8 48.0 53.5 注目点

その他 7.3 4.0 5.0 3.5

のりだす 0.0 7.5 12.0 24.5

体の

位置 その他の動き 5.5 1.3 6.0 4.8

思考中 11.5 9.5 9.3 10.5

その他 7.0 3.3 8.8 6.5

ネガティブ 0.0 0.8 2.3 0.5

表情 1.8 1.5 0.8 0.8

(37)

2.6 分析結果

実験結果の定量データより両描画活動を客観的に比較分析する.本分析においては,

一般的な描画特性,紙と描画ソフトの相違点,描画ソフトにおける不自然な行動・操作 についてそれぞれ調査した.また,本分析では主観が混入する可能性があるので,作成 された作品の比較評価にはふれない.

表2.4では,各ツールを使った場合の被験者4人の平均値を示している.被験者が少 ないので,その平均値の有意性の吟味が必要である.そこで重要なカテゴリーについて 4人の被験者 A,B,C,D の個々の値を示す.また,統計的な検定分析では,分布に よらない検定が可能なノンパラメトリック分散分析[16]を用いる.ノンパラメトリック分 散分析は,母集団の分布の型を仮定することなしに適応できるため,本例のデータ数で も適用可能である.

2.6.1. 一般的な描画特性

実験結果より,以下の各描画特性は,ツールの種類に依存しないことが確認できた.

すなわち,これらの項目に関しては,幼児が従来から馴染んだ紙とクレヨンによる描画 特性を損なうことなく,描画ソフトでも幼児の馴染みやすい環境が構築できることが本 分析より示唆される.

【描画時間と使用した色数】

表 2.5 に,「総観察単位数」から「その他」を差し引いた時間,つまり,実験ツール ごとに描画に要した時間(以下「描画時間」)を被験者4人分それぞれ示す.描画時間の 長短は被験者の個性によるもので,ツールの種類に大きく依存しないことがわかる.ま た,ツールごとに使用した色数(色の数)も表2.6よりツールの種類やツールが提供する 色数に関係ないことがわかる.つまり,描画時間,使用する色数は被験者の個々の創作 挙動によるものと考えられる.平均値もツールの種類によらないことを示している.

表2.5 各実験ツールでの描画時間 (分) ツール

被験者 P T1 T2 T3

A 7.9 4.9 4.8 8.3

B 5.3 2.5 3.7 2.6

C 1.0 2.3 3.9 3.1

D 5.5 8.2 7.8 8.8

(38)

表2.6 使用した色の数 (使用色数/各ツールの提供色数) ツール

被験者 P T1 T2 T3

A 5/12 4/14 2/8 3/8

B 3/12 2/14 4/8 2/8

C 2/12 5/14 4/8 4/8

D 5/12 9/14 8/8 5/8

平 均 3.8/12 5.0/14 4.5/8 3.5/8

【実描画行動の時間】

描画時間内に,線を描く,色を塗る,スタンプを押すなど,実際に手を動かして描画 している時間(表 2.4 の「Object の描画」の「描画」カテゴリーの結果)の割合を表

2.7(a)に示した.ツールによる有意差は認められず,3 割の時間が描画以外の行動に費

やされている.

また,注目点が描画画面上にある時に,実際に描画を行っていた割合を調べた.表

2.4の「Objectの描画」の「描画」と「注目点」の「絵」の結果を対応させ,その割合

を表2.7(b)に示した.やはりツールの種類による差はなく,ノンパラメトリック検定法

の一つであり,2つの水準差を検定する手法のウィルコクスン検定[16]の結果からも有意 差は認められなかった.

表2.7 描画行動の割合

(a) 描画時間内の描画行動の割合 ツール

被験者 P T1 T2 T3

A 55% (52/95) 66% (39/59) 70% (40/57) 70% (69/99) B 70% (44/63) 70% (21/30) 64% (28/44) 55% (17/31) C 75% (9/12) 75% (21/28) 81% (38/47) 70% (26/37) D 65% (43/66) 58% (57/98) 69% (64/93) 71% (75/105)

* [ 「Objectの描画」カテゴリーにチェックがあった回数 / (描画時間) ]

(b) 注目点が描画画面にある時の描画活動の割合 ツール

被験者 P T1 T2 T3

A 69% (52/75) 89% (39/44) 91% (40/44) 84% (69/82) B 85% (44/52) 88% (21/24) 80% (28/35) 85% (17/20) C 82% (9/11) 88% (21/24) 97% (38/39) 81% (26/32) D 74% (43/58) 80% (57/71) 88% (64/73) 95% (75/79)

* [ 「Objectの描画」カテゴリーにチェックがある回数 / 注目点が描画画面にある回数 ]

(39)

【過去のObjectに対して追加描画】

表 2.4の「描画対象」の「過去の対象」のカテゴリーは,過去に描いた絵(Object)に 対して追加描画をした回数を示す.ここで,「Object」とは,描画対象を意味し,一つ の集合で意味を持つ場合を1Object とする.例えば,ウサギを2匹描画した場合は,

2Objectとなる.分析結果より,過去のObjectに対して追加描画を行ったのは被験者A

の紙での描画における1回しか観察されなかった.小学児童や大人においては,過去の 対象への追加描画行動が顕著に見られている[11, 17].更なる調査が必要であるが,これら の先行研究との比較より,幼児の描画では,用いた実験ツールや描いた Object数に関 係なく,過去の対象へ追加描画するという行動は,比較的行なわないと考えられる.

【注目点:絵 vs. パレット/クレヨン】

描画時間内に,ツールアイコン,色アイコンまたはクレヨン(以後,この3つをまと めて「パレット等」と記述する)に注目があった時間,描画画面 (絵)に注目があった時 間の割合(%)を表 2.8 に示した.本実験では幼児の注目点の移動が速く,一つの観察単 位内に「クレヨン」から「絵」というように二つの領域を移動する傾向が頻繁に見られ た.そこで,注目点に関しては観察単位内に「クレヨン」,「絵」,「その他」に重複して チェックをした.そのため,「描画時間=パレット等+描画画面(絵)+それ以外」と いう式には当てはまらず,表では平均値の和が100%を超える場合もある.

表から,ツール・個人に関係なく,パレット等より描画画面を長く見ていることがわ かる.この注目点の時間割合は,ウィルコクスン検定の結果より,有意差が認められた.

パレット等より描画画面を長く見ることは,当然の結果と思われるが,パレット等を見

表2.8 描画中の注目点

パレット等を見ていた時間の割合(%) 描画画面を見ていた時間の割合(%)

P T1 T2 T3 P T1 T2 T3

A 39 (37/95)

14 (8/59)

23 (13/57)

28

(28/99) A 79 (75/95)

75 (44/59)

79 (45/57)

84 (83/99) B 27

(17/63)

33 (10/30)

48 (21/44)

61

(19/31) B 83 (52/63)

80 (24/30)

80 (35/44)

65 (20/31) C 17

(2/12)

29 (8/28)

32 (15/47)

41

(15/37) C 92 (11/12)

86 (24/28)

83 (39/47)

86 (32/37) D 30

(20/66)

37 (36/98)

37 (34/93)

46

(48/105) D 88 (58/66)

72 (71/98)

78 (73/93)

75 (79/105)

平均 34% 平均 80%

(各注目点の回数 / 描画時間)

(40)

ている時間は30%にもなる.T2,T3では図形ツールやスタンプも含まれるが,図形ツ ール等の使用頻度は少なく,また,クレヨンやペンツールしか持たないT1においても,

3割近くに達している.幼児の描画活動において,色の選択は重要な活動であると考え られる.

2.6.2. 紙と描画ソフトの相違点

以下の点では紙(P)と描画ソフト(T1,T2,T3)との間で相違点が観察された.

【注目点がツールバー上にある時の行動】

パレット等を見つめていても必ずしも色やツールの変更操作をするとはかぎらない.

そこで,注目点がパレット等にあった単位時間内で,実際に変更をした単位時間の割合 を求め表2.9に示した.表から,描画ソフト(T1,T2,T3)を用いた場合は平均75%と,紙 での描画P の平均 44%より色変更や描画ツールの選択をする割合が高い.ウィルコク スン検定の結果からも,有意差が認められた.但し,被験者CのP のデータは,グラ ブス・スミルノフ棄却検定より異常値の可能性が高いため使用しなかた.グラブス・ス ミルノフ棄却検定とは,母集団よりとび離れたデータを取り除くかどうかを検定する手 法である.

描画ソフトの場合,ペン以外のツールの使用による影響もあり割合が高くなった可能 性もあるが,図形ツールの使用は平均約1回程度と低頻度であり,変更操作は主に色の 選択であった.また,ペンツールしか持たないT1とT2・T3を比較してもその差は見 られない(表2.9).図形ツール使用による影響は小さいものと判断する.

以上より,描画ソフトではツールバーを見てすぐ色変更を実行する傾向があるのに対 し,紙・クレヨンでは,クレヨンを見ながら使用する色を考えるなど,色変更以外の行 動時間が長いという,ツールの種類による相違点が確認できた.

表2.9 注目点がパレット等にある時の変更操作の割合

ツール

被験者 P T1 T2 T3

A 46% (17/37) 75% (6/8) 69% (9/13) 75% (21/28) B 41% (7/17) 60% (6/10) 86% (18/21) 68% (13/19) C 100% (2/2) 88% (7/8) 87% (13/15) 80% (12/15) D 45% (9/20) 75% (27/36) 71% (24/34) 67% (32/48)

* [ ツールの変更回数 / 注目点がパレットにある回数 ]

図 2.4   提案手法の分析手順
表 2.6   使用した色の数   ( 使用色数 / 各ツールの提供色数 )          ツール 被験者 P  T1 T2 T3  A 5/12  4/14  2/8  3/8  B 3/12  2/14  4/8  2/8  C 2/12  5/14  4/8  4/8  D 5/12  9/14  8/8  5/8  平  均 3.8/12 5.0/14  4.5/8  3.5/8  【実描画行動の時間】 描画時間内に,線を描く,色を塗る,スタンプを押すなど,実際に手を動かして描画 している時間(
図 2.8 記憶による失敗の測定方法(被験者 B : T2 の例) 表 2.10  アイコン選択の失敗   ( 失敗回数  /  総変更回数 )  要因 被験者 筆圧 不確実性 記憶 合計回数 A  1/36 2/36 0/36 3/36  B  1/37 1/37 4/37 6/37  C  3/32 0/32 2/32 5/32  D  3/83 12/83 4/83 19/83  ある課題を実行するために必要な情報を,必要な期間能動的に保持する脳内プロセス を行う作業記憶がある.作業記憶では,一時的に
図 4.6 「隣接するタイルによる混色」における各混色方式の混色例
+6

参照

関連したドキュメント