3 次元流動モデルを用いた嘉瀬川・石井樋周辺の流れ特性の検討
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(2) II‑004. 土木学会西部支部研究発表会 (2016.3). 5.まとめ 石井樋付近の流れ解析により,石井樋の全体として の機能を定量的に明らかにすることができた.. 図-3 準 3 次元解析使用地形データ 4.計算結果および考察 4.1 1 次元流れ解析による水位の推定 図-4 に池森観測所における水位の実測値と計算値の 比 較 を 示 す . 全 体 の 評 価 方 法 と し て Nash-Sutcliffe Efficiency(NSE)を用いた結果 0.87 となり再現性はそ れほど高くなかった.しかしながら,平水時のみを対 象に NSE を求めたところ 0.96 と比較的高く,本研究で は平水時のみを考えることから,計算の精度は十分な ものと判断し,ここでの 1 次元解析の結果を利用する.. 図-4 4.2. 図-5. 1 次元解析での流速の絶対値の分布(平水 時). 図-6. 準三次元解析で得られた水深平均流速の絶 対値(平水時). 図-7. 準三次元解析で得られた河床近傍における 流速の絶対値(平水時). 実測値と計算値の比較(池森観測所水位) 1 次元解析での流速分布. 平水時における,1 次元流れ解析の結果を図-5 に示 す.天狗の鼻の水制機能はあまり見られなかったが, 象の鼻での水制機能,石井樋からの取水直前での流速 の減少に取る沈砂機能など石井樋システムの特徴が見 られた.. 4.3. 準 3 次元解析による流れ解析. 準 3 次元流れ解析の結果,平水時の水深平均流速は, 図-6 のようになった.石井樋付近における流速の絶対 値が大きい場所は,導水路の細くなっている箇所であ った.反対に,流速の絶対値が小さくなっている箇所 は,象の鼻・天狗の鼻,井樋の入り口付近であった. 井樋の入り口付近で特に流速が落ちていることが分か った.理由としては河道の広さと水深の深さが考えら れる.図-5 における 1 次元計算の結果と同様にここで も象の鼻・天狗の鼻の水制機能,石井樋の入り口付近 での流速の減少を見られた. また図-7 に河床近傍における流速の絶対値を示す. 石井樋の取水口付近での,流速の絶対値が非常に小さ いことから,せん断応力の絶対値も小さくなると言え, 土砂の動きも小さくなり,石井樋に流れ込む土砂の量 が軽減されることが考えられる.. ‑110‑. 参考文献 1)吉村伸一ほか:嘉瀬川・石井樋の水システムに関す る考察, 土木史研究講演集 Vol. 28,2008. 2) 大 波 修 二 : 現 存 す る 日 本 最 古 の 取 水 施 設 ,Civil Engineering Consultant, VOL.254,January,2012. 3)水文水質データベース.
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