• 検索結果がありません。

河川表流水のクロスフロー膜ろ過の特性評価

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "河川表流水のクロスフロー膜ろ過の特性評価"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)Ⅶ-20. 第37回土木学会関東支部技術研究発表会. 河川表流水のクロスフロー膜ろ過の特性評価 東京都市大学 学生会員 ○鈴木 慧 東京都市大学 正会員 1.はじめに. 長岡 裕. ングを未然に防ぐことが望ましい.そこで,クロス. 河川を浄化する方法として砂ろ過がある.砂ろ過. フロー方式によるろ過が有望であるが,クロスフロ. は施工段階における工事費はかかるものの,低ラン. ー流速を発生させるためのポンプ稼動が不可欠であ. ニングコストで安定した処理能力を持つ.しかし,. り,それによるポンプ動力が大きくなってしまう.. この砂ろ過では小さな細菌類まで取り除くことはで. このポンプ稼動こそがクロスフローろ過方式の最大. きない.そこで細菌類をはじめ,微小な物質を取り. の欠点であり,優れたろ過法であるにも関わらず普. 除くことができる次世代型のろ過法として注目され. 及していない原因となっている.. ているのが膜ろ過である.日本における歴史は浅い. ポンプ稼働によるコストを削減する方法として,. が,膜ろ過は現在では工業,産業,食品,医療分野. 自然エネルギーを利用する方法がある.例えば原水. をはじめ,飲料水など,我々の生活には欠かすこと. の取水口が処理場よりも高所に存在する場合,そこ. のできない技術になっている.. には位置エネルギーが発生する.発生した位置エネ. 膜ろ過には全量ろ過方式とクロスフロー方式の 2. ルギーを速度エネルギーに変換し,クロスフロー流. 種類の方法がある.この 2 つのろ過法の概念図を図-. 速を発生させる方法.または河川の流れが持つ速度. 1に示す.全量ろ過方式は井戸水や水道水などの低. エネルギーをクロスフロー流速にする方法である.. 濁度水を膜でそのままろ過する方法である.一方,. このことからも,効率的なクロスフローろ過法の設. クロスフローろ過方式は膜表面に流速を与え,物理. 計が必要となる.. 的せん断力により膜面への物質の沈着を防ぎながら. 本研究では水槽で丸子川の表流水を用いたクロス. ろ過を行う方法である.この方法は特に河川水など. フローろ過実験により,ある膜面流速での高効率な. の高有機物質含有量・高濁度水の浄化に用いられる.. 膜ろ過システム構築のための基礎的知見を得ること. 膜ろ過はこれらの処理法にて,非常に優れた処理能. を目的とする.. 力を省スペースで行えることから,先に述べたよう. 2.実験方法. に次世代型のろ過法として注目されている.. 2.1.実験装置 図-2に本実験で使用する実験装置の概要図を示 す.膜浸漬層は塩化ビニール製で,寸法は奥行き 420mm×横 420mm×高さ 710mm(図-2は内径)であ る.厚さは 10mm で,有効容積は 0.112m3である. 床から高さ 200mm の地点から床の中央部(奥行き. (a) 全量ろ過 図-1. (b) クロスフローろ過. 200mm,横 200mm 地点)までホースを通した.この 循環ラインによりクロスフロー流速を発生させる. 循環流量はバルブで調節し,一定量が循環ラインを. 2つのろ過法の概念. 流れ,ポンプにて水を送る.そしてクロスフロー流 膜を用いた水のろ過にはファウリング対策が必要 になる.ファウリングは処理水量の減少,処理水質. 速は T 字管に直径 4mm の穴を 5 つ開け,ポンプによ り送られてきた水を出す仕組みになっている.. の悪化を引き起こす原因となる.そのためファウリ キーワード 連絡先. 河川,クロスフロー,精密ろ過膜(MF 膜),中空糸膜,ファウリング. 〒158-8557. 東京都世田谷区玉堤 1-28-1. 東京都市大学. 水圏環境工学研究室. E-mail:[email protected].

(2) Ⅶ-20. 第37回土木学会関東支部技術研究発表会. 真空計 配給ポンプ. 膜浸漬槽. 70cm 膜モジュール. 処理水. 17cm バルブ 18cm 送水ポンプ 20cm. 4mm@5. 処理水槽 20cm. 水道メーター. 40cm. 図-2 実験装置概要図. 2.2.膜モジュール1) 膜の種類は,精密ろ過膜(MF 膜),限外ろ過膜(UF 膜),ナノろ過膜(NF 膜),逆浸透膜(RO 膜)に分 類され,これらは分離対象物の大きさ,操作圧力に より分類される.本研究では原水中の微生物,微粒 子を除去対象とする MF 膜を使用する.MF 膜は除去 対象物質の粒径が 0.01μm より大きい膜であり,膜表 面の孔径は 0.01μm から 10μm 程度である. 本研究で使用する膜の概要及び膜モジュールの写 真を表-1,図-3に示す.本研究では中空糸膜を用 いる.中空糸膜は膜面積当りの通水性能は低いが, 膜モジュールの単位容積当りのろ過流量を大きくで きる特徴を持つ.中空糸膜モジュールを用いて外圧 式浸漬型ろ過を行う.材質は優れた強靭性,耐薬品. 図-3 膜モジュールの写真. 性を持つポリエチレンである.公称孔径は 0.4μm で 2. あり,膜面積は 0.2m である. 表-1 膜モジュールの概要. 概要 分類 精密ろ過膜(MF膜) 形状 中空糸膜 材質 ポリエチレン 公称孔径 0.4μm 膜面積 0.2㎡. 2.3.実験方法及び実験条件 本実験では,吸引ろ過のみをファウリングが発生 するまで連続して行っていき,処理水は排水するも のとする.ろ過の速度は配給ポンプで調節する.循 環流量及び膜面流速はバルブの開閉で調節する.膜 面流速の算定は紙を使い,膜面を通る時間を計測し た.膜は次亜塩素酸ナトリウムを 0.5%に希釈した水.

(3) Ⅶ-20. 第37回土木学会関東支部技術研究発表会. 溶液にて洗浄を行った.今回の実験条件を表-2に示. に設定したものの,ろ過を開始すると共に膜透過流. す.. 束は低下することがわかる.. 実験は 2009 年 12 月 22 日に RUN1,2010 年 1 月 9 日に RUN2 にて実験を開始した.. 膜間差圧とほぼ同様の変化が見られた.膜透過流量 の影響により多少の違いはあるものの,膜間差圧が. 表-2 実験条件. RUN1 透過流束(m/day) 循環流量(L/min) 膜面流速(cm/sec). 0.5 5.0 33.0. ろ過抵抗は膜間差圧と比例関係にあることからも,. 上昇するにつれてろ過が行われにくいということが. RUN2. 示唆される.. 0 0. 35 30. 2.4.原水 は 2009 年 12 月 23 日,2010 年 1 月 8 日に丸子川から それぞれ 120L 程取水し,膜浸漬槽に入れてろ過を行. 膜間差圧(kPa). 25. 本研究では丸子川の表流水を使用した.本報告で. 20. 10. った.その測定に用いた原水の水質を表-3に示す.. 5 0. 表-3 原水質. pH TOC(mg/L) 紫外線吸光度(mg/L) 濁度(NTU). RUN 1 7.65 1.958 0.0515 3.64. RUN1 RUN2. 15. 0. 5. 10. 15. 20. 25. 30. 35. 40. 45. 50. 時間(h). RUN 2 7.02 1.258 0.0345 1.30. 図-4 膜間差圧の変化 0.55 0.5. 3.測定項目 ・水温 ・粘性係数. 膜透過流束(m/day). 0.45. ・膜間差圧. 0.4 RUN1 RUN2. 0.35 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05. ・膜透過流量. 0 0. ・透過流速. 5. 10. 15. 20. 25. 30. 35. 40. 45. 50. 時間(h). 図-5 膜透過流量の変化. ・ろ過抵抗 ・pH 6E+12. ・紫外線吸光度(260nm). 5E+12. ・濁度 以上の 10 項目を測定した. 4.実験結果. ろ過抵抗(m^-1). ・TOC. 4E+12 RUN1 RUN2. 3E+12 2E+12. 図-4から図-6に実験期間中の膜間差圧,膜透過 流束とろ過抵抗の変化を示す. 膜間差圧は膜の状態を考慮して 30kPa を基準とし てファウリングを判定した.RUN1 では実験開始か ら 46 時間,RUN2 では 38 時間経過してファウリン グを起こした. 膜透過流束は RUN1,RUN2 どちらも 0.45 から 0.52m/day の間を推移していた.開始時に 0.5m/day. 1E+12 0 0. 5. 10. 15. 20. 25. 30. 35. 時間(h). 図-6 ろ過抵抗の変化. 40. 45. 50.

(4) Ⅶ-20. 第37回土木学会関東支部技術研究発表会. のみであり,RUN1 での条件が効果的な膜面流速と そして,実験中に測定したその他の測定項目の RUN1,RUN2 それぞれの結果を表-4,表-5に示す.. は言い難い.今後実験を重ね,評価をしていくこと が必要となってくる. 0.9. れなかった.これより原水中に存在する有機物は溶. 0.8. 解状態であったと考えられる. 紫外線吸光度は微量ではるが,処理後に低下が見 られた.わずかながら,汚濁状況が改善されている 結果となった. 濁度は最も変化が見られた.MF 膜の特性から溶解. 膜間差圧上昇速度(kPa/h). TOC は RUN1,RUN2 いずれもさほど変化は見ら. 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0. 物質は補修できなかったものの,懸濁物質はうまく. 0. 5. 10. 15. 20. 25. 30. 35. 膜面流速(cm/sec). 捕集していた.. 図-7 膜面流速毎の膜間差圧上昇速度 表-4. RUN1 での測定結果 原水. 膜浸漬槽 処理水 17.4 0.001076036 7.65 7.96 8.05 1.958 2.203 1.979 0.0515 0.0605 0.0284 3.644 4.344 0.224. 200 180 160 140. 処理水量(L). 水温(℃) 粘性係数 pH TOC(mg/L) 紫外線吸光度(mg/L) 濁度(NTU). 120 100 80 60 40. 表-5. RUN2 での測定結果 原水. 温度(℃) 粘性係数 pH TOC(mg/L) 紫外線吸光度(mg/L) 濁度(NTU). 7.02 1.258 0.0345 1.243. 膜浸漬槽 14.1 0.001171 6.95 1.209 0.0235 0.790. 20. 処理水. 0 0. 33.0. 膜面流速(cm/sec). 7.00 1.148 0.0136 0.088. 図-8 膜面流速毎の処理水量. 参考文献 1)竹内弘ら:浄水膜,技報堂,p.55-80,2003.6. 5.考察 本報告では RUN1(5L/min),RUN2(0L/min)について. 2)財団法人. 水道技術研究センターHP,http://ww. w.jwrc-net.or.jp/index.html,2009.7.25. 実験を行った.実験時間は RUN1 が 46 時間,RUN2. 3)膜の基礎知識 旭化成ケミカルズ株式会社 HP,. が 38 時間であった.. http://www.asahi-kasei.co.jp/membrane/microza/jp/kiso/i. RUN1 と RUN2 における実験期間中の膜面流速毎 の膜間差圧上昇速度と処理水量のグラフを図-7,図 -8に示す.図-7では,膜面流速が 0cm/sec (RUN1) の状態より 33cm/sec(RUN2)のほうが膜間差圧上昇速 度は低いことを表している.つまり,膜面流速によ ってファウリングの発生を遅らせていることが示唆 される.また,処理水量も RUN2 のほうが多いこと からもクロスフローろ過の有効性も伺える. しかしながら,膜面流速発生させた実験は RUN1. ndex.html,2009.10.28.

(5)

参照

関連したドキュメント

図 3は SHG干渉法による bR薄膜中の bRの絶対的 な配向評価を行うための光学系を示している。絶対的 配向(極性配向の方向性)が既に明らかになっている ヘミシアニン色素(C 22

な くとも河川管理者 の手で行われなか った類のもの ,の 以上二種類に大別できるであろう。筆者は ,前 者のよう

1.流域の概要と河川の現状と課題 (2) 動植物

本水路の上流から5m付近の地点において,PTV法に よる流速計測および内部流況の可視化を行った.流速 計測には,トレーサーとして微細粒子(平均粒径

評価に用いた混合物は,水に起因する損傷が確認された空港舗装の基層を想定して,粗粒度アスファルト混合物 (20)とした.本検討では,表-1 に示す 8

  

次に、 MgB 2 薄膜の作製手法について述べる。主な MgB 2 薄膜の成膜手法には Molecular Beam Epitaxy (MBE) [50–54] 、 Sputting [55] 、 Chemical Vapor Deposition (CVD)

Beck and