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高解像度衛星画像を用いた簡易な河川モニタリング手法の検討

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Academic year: 2022

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(1)II-232. 高解像度衛星画像を用いた簡易な河川モニタリング手法の検討 国土交通省土木研究所 正会員 廣瀬葉子 国土交通省土木研究所 正会員 深見和彦 国土交通省土木研究所 正会員 金木. 誠. 1.はじめに 河川内の植生や砂州の分布、河道の状況やその変化状況等の調査は、河川管理や流域特性の把握を行う上 で、重要な資料を提供するものである。河川水辺の国勢調査は、植生調査等を含めた多面的な調査の代表的 なもので、うち河川調査は毎年実施されるものであるが、その対象は全国の 109 の1級水系の国土交通省直 轄管理河川に限られている。流域を基本とした国土マネジメントが叫ばれている今日、その他の河川におい ても河川内の状況を把握しておくことが望ましい。また、河川内の状況は出水ごとに大きく変化することか ら、河川水辺の国勢調査の対象になっている河川においても、従来の調査を補足する意味でも迅速で容易に 現況を把握する手法が必要と考えられる。本研究は、高分解能衛星画像を用いて、河川内における河道及び 植生モニタリングの迅速かつ簡易な把握手法を検討したものである。 2.対象地域と使用データ 対象地域は、ある程度の幅を有し、自然的・人工的双方の土地被覆からなり、かつ夏季の IKONOS 画像が 存在する箇所を条件に検索した結果、埼玉県熊谷市付近の荒川を選定した。経年変化の比較には、1998 年に 国土地理院が撮影したカラー航空写真を用いた。使用したデータの諸元は、IKONOS 画像(デジタルジオ画 像、マルチスペクトル、2000.8.11 撮影)とカラー航空写真(縮尺約 1/30,000、1998.10.4 撮影)である。 3.研究方法 (1)データの前処理 : 研究の手順は図−1に示すとおりであ る。IKONOS 画像は、4mの空間分解能をもつマルチスペクトル (可視〜近赤外、4バンド)データを用いた。現在提供されてい. IKONOS (2000.8.11). 画像判読. 自動分類による 土地被覆区分. る「デジタルジオ画像」は、平坦地では地形図にほぼ整合するよ うな幾何補正が施されており、本研究の対象地域では十分な位置 精度を持つものとしてそのまま用いることとした。航空写真は、. 分類結果の検証. 新時期土地被覆区 分画像. スキャナを用いてデジタル画像に変換した後正射投影を行い、. 航空写真 (1998.10.4) デジタル正射 写真画像作成 デジタル正射写真 画像の自動分類 (旧時期土地被覆 区分の作成). IKONOS 画像と位置的に整合する航空写真画像とした。空間分解 能は、IKONOS 画像、航空写真画像ともに4mとした。. 画像同士の重ね合 わせ. (2)画像の判読と自動分類による河道及び植生の把握 : 河川 内における河道及び植生を迅速かつ客観的に把握する手法として、 IKONOS 画像の自動分類を検討した。自動分類の手法には、クラ. 経年変化抽出. 図−1 研究の手順. スタリング(ISODATA 法)を採用した。クラスタリングは、教師となるデータがない場合に画像分類に利用 される一般的な手法である。分類クラスは 30 クラスとした。一方、同じ画像を用いて画像判読を行い、土地 被覆の区分項目を検討した。また画像判読の結果を用いて、自動分類結果の検証を行った。 (3)複数年の画像同士の重ね合わせによる河道変化抽出 : ここでは、IKONOS 画像と航空写真画像の土 地被覆分類結果を用いた画像同士の重ね合わせによる河道変化の自動抽出を試みた。航空写真画像は、写真 をスキャナで取り込んだ際の青、緑、赤の3バンドを用い、IKONOS 画像は、可視域3バンドと、可視〜近 キーワード 衛星リモートセンシング、高分解能衛星画像、モニタリング、土地被覆分類 連絡先 〒305-0804 つくば市旭1番地 国土交通省土木研究所 河川部水文研究室 TEL 0298-64-2211 FAX 0298-64-1168. -464-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) II-232. 赤外4バンドの2通りの組合せで自動分類を行った。分類には、クラスタリング(ISODATA 法)を用いた。 分類項目は、(2)で検証した分類結果を参照して設定した。次に、IKONOS 画像と航空写真画像から得ら れた 2000 年と 1998 年の土地被覆及び河道画像を用いて、画像同士の重ね合わせ解析を行い、この2時期の 河道及び植生変化を抽出した。 4.IKONOS 画像による河道及び植生変化モニタリング (1)IKONOS 画像の河道及び植生判読:ここでは、空間分解能1mのカラー合成画像を用いた。河川内に 見られる一般的な土地被覆について判読を行った結果、形状と大きさ、色調、きめ、陰影などを手がかりに、 次のような項目が区分できた。樹木は、樹冠の形状が判別可能な場合には、広葉樹・針葉樹の区分が可能で ある。単木で存在し影が判別可能ならば、相対的な樹高の推定も可能と考えられる。草地は、色調ときめ等 を基に芝地と雑草地は概ね区分可能である。グラウンド・公園の裸地、高水敷の道路、ワンド、人工護岸等 は形状と色調から容易に区分することができた。 (2)自動分類による河道及び植生区分:IKONOS の可視〜 近赤外4バンド(空間分解能4m)による自動分類では、樹 木、芝地、雑草、畑、水面は、概ね区分された(図−2)。し かしながら、芝地と雑草、樹木と芝地または雑草、裸地と道 路の間では、相互の区分が困難という結果となった。これは. 樹木 芝地. 概ね区分されたもの. 雑草 畑 水面. 芝地または雑草. 両者の分光特性が似通っていることが原因であり、今回のよ. 樹木または芝地または雑草. 相互の区分が難しいもの. 裸地・道路. うな1時期の衛星画像の自動分類のみでは解決は困難である。. 図−2. IKONOS 画像の自動分類結果. IKONOS の可視域3バンド(空間分解能4m)による自動分類では、植生や裸地が水域に誤分類されている 箇所が見られた。近赤外域は、植生と水の分光特性が顕著に現れる波長帯であることから、このような結果 になったものと考えられる。航空写真画像の自動分 類では、それぞれの被覆の形状や位置は概ね抽出さ れているが、IKONOS 画像に比べて誤分類が多い。. 水域(変化なし) 水域→植生域. 航空写真では、地表の詳細な色彩や陰影を捉えてい. 水域→裸地 植生域→水域 植生域→植生域(変化なし). ることから、同じ被覆物であってもデジタル値に大. 植生域→裸地 裸地→水域. きなばらつきが現れることによると考えられる。. 裸地→植生域 裸地→裸地(変化なし). (3)河道及び植生変化モニタリング: 1998 年の 航空写真による分類結果と、2000 年の IKONOS 画像(可視 〜近赤外域4バンド)による分類結果を重ね合わせて、2時期 の経年変化を抽出した(図−3、表−1)。土地被覆項目は、相 互に誤分類の少ない水域、 植生域、 裸地等の3区分に統合した。. 図−3 2時期の河道及び植生の比較画 表−1 2時期の土地被覆面積の比較 1998 年 の 土地被覆 水域. 図−3では、河道の変遷の様子が明確に捉えられている。 5.おわりに 本研究は、河川内を対象に高分解能衛星を用いて河道及び植. 植生域. 生のモニタリング手法の検討を行ったものである。過去の航空 写真と高分解能衛星を用いて、簡易ながら経年変化状況が容易 に把握できることを検証した。今後とも高分解能衛星画像が蓄 積されることにより、より一定の精度で情報が得られるものと 期待される。. 裸地等. 変化項目別の2000年の. 2000 年 の 土地被覆面積と比率 土地被覆 2 % km 水域 0.24 51.1 → 植生域 0.06 12.8 裸地等 0.17 36.2 1998年の水域面積 0.47 100.0 2000年の水域面積 0.40 水域 0.01 3.7 → 植生域 0.23 85.2 裸地等 0.03 11.1 1998年の植生域面積 0.27 100.0 2000年の植生域面積 0.89 水域 0.15 9.7 → 植生域 0.60 39.0 裸地等 0.79 51.3 1998年の裸地等面積 1.54 100.0 2000年の裸地等面積 0.99 計 2.28. 参考文献:廣瀬葉子・深見和彦・金木誠:リモートセンシングを活用した河川流域情報収集、土木技術資料、 第 43 巻第1号、pp.14-19、2001 日本リモートセンシング研究会:リモートセンシング通論、日本リモートセンシング研究会、2000. -465-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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