• 検索結果がありません。

でん粉誘導体の分析法

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "でん粉誘導体の分析法"

Copied!
38
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

でん粉誘導体の分析法 

  この分析法は、でん粉誘導体(エステル化でん粉、カオチン化でん粉等)か否かを確認する必要がある場 合に適用する。 

 

1.  試験方法の概略   この分析法は、「エステル化でん粉その他のでん粉誘導体」と「他の変性でん粉及び 未処理でん粉」との判別のため、次の手順にしたがって行う。 

(1)  一般分析 

(2)  試料の精製 

(3)  でん粉誘導体各論に基づく分析   

2.  試薬及び器具 

(1)0.1N よう素溶液 

よう素 1.3g、よう化カリウム 4g を水に溶かし、希塩酸 1 滴を加え、水で 100ml とする(遮光保 存)。 

(2)フェーリング溶液 

税関分析法 No.102「はちみつの分析試験法」に定めるところによる。 

(3)グルコアミラーゼ溶液 

グルコアミラーゼ(1,4-α-Glucan glucohydrolase EC 3.2.1.3)を力価が1ml 当たり7ユニット(1)

になるように 0.2M 酢酸緩衝液(pH 4.8)を用いて溶解する。 

   注1)  1ユニットは可溶性でん粉を基質として、pH 4.5、40℃で 30 分間に 10mg のグルコース を生成する酵素量である。 

(4)ハーネス法用試薬 

税関分析法 No.108「菓子類のしょ糖分の定量分析法」に定めるところによる。 

(5)1%エオシンY溶液 

エオシンY1gを水に溶かし 100ml とする。 

(6)0.1 %エオシンY溶液 

1%エオシンY溶液 10ml に水を加えて 100ml とする。 

(7)0.1N 水酸化ナトリウム溶液 

水酸化ナトリウム 4.5g を水に溶かし 1000ml とする。 

(8)0.45N 水酸化ナトリウム溶液 

水酸化ナトリウム 20g を水に溶かし 1000ml とする。 

(9)2N 水酸化ナトリウム溶液 

水酸化ナトリウム 8 g を水に溶かし 100 ml とする。 

(10)0.2N 塩酸 

塩酸 18ml に水を加えて 1000ml とする。 

(11)0.1N 酢酸規定液 

酢酸 6.0g に水を加えて 1000ml とする。 

(12)酢酸測定用 F-キット 

ロシュ・ダイアグノスティックス社製 

(2)

(13)アミドール溶液 

アミドール 0.5g、NaHSO10g を水に溶かし 50ml とする。   

(14)モリブデン酸アンモニウム溶液 

モリブデン酸アンモニウム 8.3g を水に溶かし 100ml とする。 

(15)りん標準原液 

KH2PO4.393g(りん含有量 1.0g)を水に溶かし 1000ml とする。 

(16)りん標準液 

りん標準原液 10ml に水を加えて 1000ml とする。 

 

3.  一般分析法 

3.1  よう素呈色反応  試料 0.5g を試験管にとり、5ml の水に分散させ溶解の状態を観察する。カルボキシ メチル化でん粉(CMS)は水に溶解、りん酸エステル化でん粉は膨潤又は溶解する。次に、これによう素溶液 を 1〜2 滴添加し、よく振とうして呈色の状態を観察する。 

  呈色の例を次に示す(〔  〕は 5〜10 分後の呈色の状態)。 

 

タピオカ  青紫 

小麦  紫    〔褐色〕 

可溶性でん粉  青紫  〔青〕 

デキストリン  赤紫 

アルファー化でん粉  青 

とうもろこし  紫 

とうもろこし(ハイアミロース・タイプ)  赤紫 

とうもろこし(ワキシー・タイプ)  褐色 

とうもろこし、りん酸エステル架橋化  紫 

とうもろこし、りん酸モノエステル化  青紫  〔紫〕 

とうもろこし、酢酸エステル化  紫    〔褐色〕 

とうもろこし、ヒドロキシプロピルエーテル化  紫    〔褐色〕 

ばれいしょ  青紫  〔青〕 

(タピオカでん粉より青味が強い。)

ばれいしょ、カチオン化  青紫  〔青〕 

ばれいしょ、酢酸エステル化  青紫  〔青〕 

ばれいしょ、ヒドロキシプロピルエーテル化  青紫  〔青〕 

ばれいしょ、シアノエチル化  青紫  〔青〕 

 

3.2  フェーリング溶液の還元性   試料 1g を試験管にとり、5ml の水に分散させる。これにフェーリング溶 液を 2〜3ml 添加し、よく混合してガスバーナーで徐々に加熱する。試料が極端に膨張ゲル化し、均一に加熱 されないと思われる時は、ガラス棒でかくはんし突沸に注意しながら加熱する。 

  3分間ほど加熱して、還元された銅が存在するか否かを確認する。 

3.3   水分  試料の状態及び添加物の有無を確認し、例えば、次のような方法で測定する。 

(1)試料量  2〜3g、  105 〜110 ℃(恒量になるまで乾燥) 

(3)

(2)試料量  2〜3g、  135 ℃(1時間乾燥) 

(3)試料量  2〜3g、  100 ℃、減圧(恒量になるまで乾燥) 

3.4   灰分   あらかじめ恒量にした磁製るつぼに試料約5gを正確に量り取り、ガスバーナーで黒化したの ち、電気炉(温度 550〜 600℃)で灰化する。 

  残存炭素のため黒化して灰化が進まない時は、いったんるつぼを冷却したのち、水あるいは硝酸(1+1)を 数滴添加して、灰を湿らせ再加熱する。 

3.5   顕微鏡によるでん粉粒子の観察  少量の試料をスライドグラスの上にとり、1滴の水を落とし、その 上にカバーグラスを密着させて観察する。標準のでん粉と比較しながら観察し、でん粉粒子を確認する。 

  このとき偏光装置を用いて、でん粉粒子が偏光十字を示すか否かを確認することが必要である。偏光性の 有無は、でん粉の加工程度を判断するうえで重要な目安となる。 

3.6   赤外吸収スペクトルの測定   試料の赤外吸収スペクトルを KBr 錠剤法等により測定し、標準スペクト ルと比較してでん粉及び添加物の有無等について確認する。 

  エステル化でん粉では 1730cm-1付近に吸収が認められる場合がある。 

3.7   有機溶剤抽出   エチルエ−テル、エタノール及び 80%メタノールで順次抽出し、各抽出分は定量し たのち、赤外吸収スペクトル等で定性分析を行う 。 

  抽出物及びその量は、でん粉誘導体の種類を判断するうえで重要な目安となる。 

3.8   ブラベンダービスコグラフィー   ブラベンダービスコグラフを用い、乾燥した試料を 450ml の水で測 定容器に流し込み、液温が 30℃の定温になってから 5 分間保持したのち、毎分 1.5℃の速さで 92.0℃まで昇 温し、92.0℃で 15 分間保持した時のブラベンダービスコグラムを同様に操作した原料でん粉(同種の未処理 でん粉)のビスコグラムと比較する。 

  なお、回転速度、試料採取量等測定条件は 7.を参照すること。 

3.9   加水分解酵素による分解挙動   精製(精製法は後述。)した試料 0.3g を三角フラスコにとり、水 50 ml を加えて沸騰水浴中で 30 分間加熱しアルファー化したのち、100 ml に定容する。その 20ml を分取して、

グルコアミラーゼ溶液1ml を加え 37℃の恒温槽で 2.5 時間反応させる。反応液1ml をとり、グルコアミラ ーゼの作用により生成した還元糖量をハーネス法により測定する。同様の操作を精製した原料でん粉(同種 の未処理でん粉)についても行う。 

  でん粉誘導体における N/100 チオ硫酸ナトリウムの消費量は、原料でん粉(同種の未処理でん粉)の消費 量より少ない場合がある。 

(4)

  〔例〕りん酸エステル化でん粉   

                     

図  結合りん含有量と N/100 チオ硫酸ナトリウムの消費量との関係  相関係数:r=−0.997 

 

4.  試料の精製 

4.1   半透膜による方法   3.7 の抽出操作を行ったのちの試料をチューブ形状の半透膜(試料量に応じて適 当な長さに切断する。)に入れ、流水中で3日間透析する。透析後の試料は、ろ紙上に取り出し水分をある 程度吸収・除去させたのち、室温で一昼夜乾燥する(乾燥後の水分を測定しておく。) 。 

4.2   多量の水による方法   試料を共栓付三角フラスコにとり、試料量に対して 50 倍量以上の水を加え、6 0 分間時々振とうしながら洗浄し、ブフナー漏斗を用いて減圧ろ過する。乾燥を速めるため必要ならば、減 圧を弱め漏斗に多量のメタノールを加え、弱くかくはん後減圧を強める。この操作を2回繰り返すことによ り水分を減少させる。試料をろ紙上に取り出し水分をある程度吸収・除去させたのち、室温で一昼夜乾燥す る(乾燥後の水分を測定しておく。)。 

  小麦でん粉等比較的でん粉粒子が小さいものについては、ろ紙が目詰まりし、ろ過が困難な場合もあるの で、このような場合には、遠心分離等の操作を行いでん粉粒子を分離する。 

 

5.  でん粉誘導体各論 

5.1   架橋でん粉[沈降性の確認]  塩化亜鉛 10g、塩化アンモニウム 26g 及び水 64ml からなる溶液を調製 する。この溶液 15ml を内径約 30mm の試験管にとり、精製した試料 150mg(ドライベース)を加え、沸とう 水浴中で 10 分間加熱し、直ちに流水で冷却し、その 10ml を 10ml 容メスシリンダーに移し入れ静置する。12 時間後、溶液が透明な上澄み層と半透明な層の二層に分離した場合、沈降性を有するものとする(この時の メスシリンダーの読みを沈降積とする。)。 

  同様の操作を精製した原料でん粉(同種の未処理でん粉)についても行い比較する。 

  架橋でん粉は一般に沈降性を示すが、ばれいしょでん粉は架橋されたものでも、溶液中に浮遊して沈降性 を示さない場合があるので注意が必要である。 

5.2  アルキルエーテル化でん粉  [よう化水素酸分解]   精製した試料約 100mg を分解管に入れ、寒剤(ア セトン−氷系)で冷却しながらよう化水素酸 2ml を加え、真空ポンプで減圧後密栓し、振とうして溶解させ る。この分解管を 140℃に加熱したオイルバス等に入れ 20 分間加熱する。分解管を放冷後、寒剤で冷却しな

(5)

がら四塩化炭素 1.5ml を分解管の真空ポンプ吸入口から注入し、栓を緩めて四塩化炭素を分解管に導入する。

再び密栓・振とうして、分解生成物を四塩化炭素に吸収させる。この四塩化炭素溶液をガスクロマトグラフ に注入する(四塩化炭素抽出操作をすばやく行えば、首長の重合アンプルを用いることができる。) 

分解管   

               

〔ガスクロマトグラフィーの一例〕 

分離カラム  ①〜④:5% シリコーン OV−101/クロモソルブ DMC(80〜100 メッシュ) 

3mmφ × 4m  ガラスカラム 

⑤〜⑥:DB-WAX 30m × 0.25mmI.D. × 0.25μmFILM  オーブン温度   50℃一定 

注入口及び検出器温度  200℃、FID 200℃ 

キャリアガス流速  ①〜④:ヘリウム 20ml/min 定流量 

⑤〜⑥:ヘリウム 1ml/min 定流量   

                   

  ① 未処理でん粉  ② ヒドロキシエチル化でん粉

(6)

                           

 

なお、ヒドロキシプロピル化でん粉の場合は、次の方法を用いてもよい。 

分解瓶(2)に試料約 60mg を正確に量り取り、アジピン酸約 80mg、ヨウ化水素酸 2.0ml を順に加え、密 栓し、更にテープでシールする。分解瓶を 30 秒間振り混ぜた後、加熱器(3)を用い 150℃で 5 分ごとに振り 混ぜながら、60 分間反応させる。加熱後、流水で室温程度に冷却し、上層をガスクロマトグラフに注入 する。 

注2)  5ml のガラス耐熱圧ねじ口瓶で、底部の内側が円すい状となっており、外径 20mm、首部までの 高さが 50mm、高さ約 30mm までの容積が 2ml で、栓は耐熱性樹脂製、内栓又はシールはフッ素樹 脂製のもの。 

注3)  厚さ 60〜80mm の角型金属アルミニウム製ブロックに直径 20.6mm、深さ 32mm の穴をあけたも ので、ブロック内部の温度を±1℃の範囲で調節できる構造を有するもの。なお、スターラー付 きのものを用いる場合は、分解瓶にアジピン酸を添加後、攪拌子を加える。 

⑤ 未処理でん粉 

④ ヒドロキシプロピル化でん粉 

③ カルボキシメチル化でん粉 

⑥ ヒドロキシプロピル化でん粉 CHCH3=CH-CH3=CHCH33  

(7)

〔ガスクロマトグラフィーの一例〕 

分離カラム  HP-5 30m × 0.32mmI.D. × 0.25μmFILM  オーブン温度  40℃(8min)→30℃/min→320℃(5min)  注入口及び検出器温度  320℃、FID 320℃ 

キャリアガス流速  ヘリウム 1ml/min 定流量   

 

未処理でん粉  ヒドロキシプロピル化でん粉 

  5.3   カチオン化でん粉 

(1)エオシンY(アニオン性染料)の吸着試験 

精製した試料約 0.5g を試験管にとり、1%エオシンY溶液を2〜3ml 添加してよく分散させる。

次に、この分散液をろ紙の上に少量流し、吸着状態を観察する。カチオン化でん粉の場合には、染料 が吸着される。 

あるいは、精製した試料約 0.5g を試験管にとり、 0.1%エオシンY溶液を 2〜3ml 添加してよく分 散させ、静置後沈降したでん粉層の着色状態を観察する。水で洗浄すると容易に着色状態が観察でき る。 

同様の操作を精製した原料でん粉(又は、同種の未処理でん粉)についても行い比較する。 

(2)電導度の測定 

カチオン化でん粉は電導度の測定によって判別することも可能である。 

精製した試料1gをビーカーに取り、水(4)100ml に分散させ、沸とう水浴上で加熱して糊状にし、

放冷後電導度を測定する。 

同様の操作を精製した原料でん粉(又は、同種の未処理でん粉)についても行い比較する。 

  注4)  使用する水の電導度は 1.6μS/cm 程度でなければならない。  

 

(8)

表      1%でん粉糊液の電導度 

でん粉 

  電導度 

(μS/cm、25℃) 

   

未処理でん粉(じゃがいも) 

 

6.5 

(小麦)  5.0 

(とうもろこし)  6.7 

カチオン化でん粉  34.0 

  20.3 

  27.5 

  60.7 

シアノエチル化でん粉  70.7 

りん酸カルバミン酸でん粉  237 

アセチル化でん粉  7.3 

ヒドロキシエチル化でん粉  5.2 

ヒドロキシプロピル化でん粉  14.9 

  10.8 

カルボキシメチル化でん粉  1888 

りん酸エステル化でん粉  295 

可溶性でん粉   

65.2   

   

5.4   アセチル化でん粉 

(1)赤外吸収スペクトルの測定 

精製した試料の赤外吸収スペクトルを測定し、アセチル化の有無を確認する。アセチル化でん粉は 通常 1730cm-1付近に吸収を示す(6.アセチル化でん粉の赤外吸収スペクトル参照)が、吸収がほと んど認められない場合であってもアセチル化されていることがあるので注意を要する。 

また、精製前試料のメタノール抽出物又は水抽出物の赤外吸収スペクトルは、一般に、酢酸ナトリ ウムによる吸収が認められる。 

(2)アセチル化度の測定[滴定法] 

精製した試料約5gを 500ml 容の共栓付三角フラスコに正確に量り取り、水 100ml を加え振とうし て分散させる。フェノールフタレインを指示薬として、わずかに、赤色に着色するまで、0.1N 水酸化 ナトリウム溶液を滴下する。次に、0.45N 水酸化ナトリウム溶液 25ml を加え、栓をして、室温で 30 分間振とうする。過剰のアルカリをフェノールフタレインの色が消失するまで、0.2N 塩酸(5)で滴定す る。 

同様の操作を精製した原料でん粉(又は、同種の未処理でん粉)についても行いブランクとする。 

ただし、採取量は試料(でん粉誘導体)の採取量(ドライべース)に極近似量とする。 

(9)

                (V−V)×F×N×0.043 × 100        A(%)=       

                      S×(100−M)/100         ただし、 

      A(%):アセチル基の含有量(ドライべース) 

      V    :ブランクの滴定値(ml) 

      V      :試料の滴定値(ml) 

      F      :塩酸の力価        N      :塩酸の規定度 

      S      :精製した試料の採取量(g) 

      M      :精製した試料の水分(%) 

 

                        162 A            置換度(ds)=       

                    4300−42A   

注5)  0.2N 塩酸で滴定を行うとブランクの滴定値は 50ml を超えるので、50ml 容ビュレット を用いても滴定液を追加しなければならないが、0.25N 塩酸を使用すると滴定液を追 加しなくてもよい。 

(3)アセチル化度の測定[酵素法] 

1.検量線用標準溶液の作成 

0.1N 酢酸規定液 10.0ml を 100ml 容メスフラスコにホールピペットで量り取り、水を加えて定 容する。この水溶液 5.0、10.0 及び 15.0ml を 100ml 容メスフラスコ 3 本にホールピペットでそれ ぞれ量り取り、水を加えて定容する(各標準溶液の濃度は 0.03、0.06、0.09 g/l となる。) 。こ れらを検量線用標準溶液とする。 

2.全酢酸量測定検液の調製 

精製した試料約 1.2g を 100 ml 容三角フラスコに正確に量り取り、水 50 ml を加え振とうして 分散させる。よくかき混ぜながら、2N 水酸化ナトリウム溶液 5ml を加える。空気冷却管をつけ、

時々攪拌しながら沸騰湯浴中で 30 分間加熱する。放冷後、フェノールフタレインを指示薬として、

赤色が無色になるまで、2N 硫酸を滴下する。この溶液を 100 ml 容メスフラスコに移し、水を加 えて定容し、これを測定検液とする。 

3.遊離酢酸量測定検液の調製 

精製した試料約 1.2g を 100ml 容の三角フラスコに正確に量り取り、水 50ml を加え振とうして 分散させる。この溶液を 100ml 容メスフラスコに移し、水を加えて定容し、ろ過する。ろ液を測 定検液とする。 

4.検量線の作成 

1.で調製した検量線用標準溶液を酢酸測定用 F-キットの操作手順に従い、340nm で吸光度を 測定する。検量線用標準溶液の濃度と吸光度から酢酸の検量線を作成する。 

5.試料検液中の酢酸の定量 

2.及び 3.で調製した測定検液を酢酸測定用 F-キットの操作手順に従い、340nm で吸光度を測 定する。4.で作成した検量線から検液中の酢酸量 (g/l) を求める。なお、4.及び 5.の吸光度

(10)

の測定は、同時に行なうこと。 

6.DS 値の算出 

試料の DS 値は、以下の式を用いて算出する。 

 

100      1 

As(%)=Xs×0.7169×      ×      ×100  1000      (100−M)/100×Ws 

 

100      1 

Ab(%)=Xb×0.7169×      ×      ×100  1000      (100−M)/100×Wb 

ただし、 

As(%):全アセチル基の含有量(ドライべース) 

Ab(%):遊離アセチル基の含有量(ドライべース) 

Xs      :全酢酸量(g/l) 

Xb      :遊離酢酸量(g/l) 

M        :精製した試料の水分(%) 

Ws      :精製した全酢酸量測定用試料の採取量(g) 

Wb      :精製した遊離酢酸量測定用試料の採取量(g) 

 

CHCO  0.7169=       

CHCOOH   

162×(As−Ab) 

置換度(ds)=       

4300−42×(As−Ab) 

 

5.5   りん酸エステル化でん粉 [アレン法によるりんの定量]  試料がりん酸エステル化でん粉と推定され る場合には、りんの定量が必要である。りんの定量は次の手順によって行う。 

  同様の操作を半透膜により精製した原料でん粉(又は、同種の未処理でん粉)についても行い比較する。 

(1)半透膜により精製した試料1〜2gを精ひょうし分解管に入れる。 

(2)過塩素酸 10ml を添加し、 250℃で加熱する。 

(3)分解が始まったら、硝酸を3滴添加する。 

(4)液が無色透明になるまで加熱を続ける。 

(5)冷却して 25ml 容メスフラスコに定容する。 

(6)2ml を他の 25ml 容メスフラスコにとる。 

(7)過塩素酸2ml を添加する。 

(8)アミドール溶液2ml を添加する。 

(9)モリブデン酸アンモニウム溶液1ml を添加する。 

(10)25ml に定容する。 

(11)20 分間放置し、発色させる。 

(11)

(12)530nm で吸光度を測定する。 

(13)ブランクは水2ml を用いて同様に操作する。 

(14)りん標準液1〜10ml を用いて、検量線を作成する。 

 

              Pm 

      P(%)=     ×100  

                  S×(100 −M)/100 ×1000×2/25   

  ただし、 

      P(%):りん含有量 

      Pm    :検量線から求めた検液中のりんの重量(mg) 

      S      :精製した試料の採取量(g) 

      M      :精製した試料の水分(%) 

 

(12)

6.  アセチル化でん粉の赤外吸収スペクトル   

         

(13)

7.  ブラベンダービスコグラム 

      −索      引− 

 

           品      名                 番  号 

タピオカでん粉(THAILAND)  ···    1 

タピオカアセチル化でん粉(THAILAND)  ···    2 

タピオカカチオン化でん粉(THAILAND)  ···    3 

タピオカ酸化でん粉(THAILAND)  ···    4 

ばれいしょでん粉(試薬:関東化学製)  ···    5 

ばれいしょでん粉(片栗粉:北海道産)  ···    6 

ばれいしょアセチル化でん粉(GERMANY)  ···    7 

ばれいしょカチオン化でん粉(松谷化学工業製)  ···    8 

ばれいしょカルボキシメチル化でん粉(松谷化学工業製)  ···    9 

ばれいしょ酢酸化でん粉(松谷化学工業製)  ···   10 

ばれいしょシアノエチル化でん粉(松谷化学工業製)  ···   11   

ばれいしょ尿素りん酸でん粉(松谷化学工業製)  ···   12  

ばれいしょりん酸エステル化でん粉(DENMARK)  ···   13 

とうもろこしでん粉(試薬:関東化学製)  ···   14 

とうもろこしアセチル化でん粉(AUSTRALIA)  ···   15  

とうもろこしアセチル化でん粉(AUSTRALIA)  ···   16 

とうもろこしヒドロキシアルキルエーテル化でん粉(U.S.A)  ···   17 

とうもろこしヒドロキシアルキルエーテル化でん粉(U.S.A)  ···   18 

とうもろこしヒドロキシプロピル化でん粉(U.S.A)  ···   19 

とうもろこしヒドロキシプロピルエーテルりん酸架橋でん粉(U.S.A)  ···   20    

小麦でん粉(試薬:和光純薬製)  ···   21 

小麦アセチル化でん粉(AUSTRALIA)  ···   22 

さつまいもでん粉(試薬:和光純薬製)  ···   23 

  測定方法(1〜23)    機種:ブラベンダービスコグラフ(ブラベンダー社)    乾燥試料をビーカーに採取し、イオン交換水ででい状としたのちイオン交換水で測定容器に流しこむ(使 用するイオン交換水は全量で 450ml とする)。回転数を 150rpm とし、液温が 30℃の定温になってから5分 間保持したのち、毎分 1.5℃の速さで 92.5℃まで昇温する。92.5℃で 15 分間保持した時のビスコグラムを 記録した。      タピオカでん粉(THAILAND)  ···   24 

タピオカカチオン化でん粉(THAILAND)  ···   25 

タピオカ酸化でん粉(THAILAND)  ···   26 

(14)

タピオカ酸化でん粉(THAILAND)  ···   27 

タピオカ酸化でん粉:次亜塩素酸処理したもの(THAILAND) ···   28 

ばれいしょでん粉(試薬:関東化学製)  ···   29 

ばれいしょアセチル化でん粉(GERMANY)  ···   30 

ばれいしょカチオン化でん粉(GERMANY)  ···   31 

とうもろこしでん粉(試薬:関東化学製)  ···   32 

とうもろこしアセチル化でん粉(AUSTRALIA)  ···   33 

小麦でん粉(試薬:和光純薬製)  ···   34 

小麦アセチル化でん粉(AUSTRALIA)    ···   35 

小麦カチオン化でん粉(AUSTRALIA)  ···   36  

  測定方法(24〜36)    機種:ブラベンダービスコグラフ(ブラベンダー社)    乾燥試料をビーカーに採取し、イオン交換水ででい状としたのちイオン交換水で測定容器に流しこむ(使 用するイオン交換水は全量で 450ml とする)。回転数を 75rpm とし、液温が 30℃の定温になってから  5分間保持したのち、毎分 1.5 ℃の速さで 92.0℃まで昇温する。92.0℃で 15 分間保持した時のビスコグラ ムを記録した。      ばれいしょでん粉に酸化チタンを添加  ···   37 

ばれいしょでん粉に塩化カルシウムを添加  ···   38  

ばれいしょでん粉に水酸化カルシウムを添加   ···   39  

ばれいしょでん粉に酸化チタン、塩化カルシウム及び水酸化カルシウムをそれぞれ添加  ···   40  

タピオカでん粉に酸化チタン、塩化カルシウム及び水酸化カルシウムをそれぞれ添加  ···   41 

とうもろこしでん粉に酸化チタン、塩化カルシウム及び水酸化カルシウムをそれぞれ添加  ···   42  

トラガカントガム、カラヤガム、ガッティガム、アラビアガム  ···   43 

ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドガム  ···   44 

寒天、カラゲナン、アルギン酸ソーダ  ···   45 

微生物粘質物、C.M.C、ペクチン  ···   46 

グアーガム誘導体  ···   47 

グアーガムに酸化チタン、塩化カルシウム及び水酸化カルシウムをそれぞれ添加  ···   48   

測定方法(37〜48) 

  機種:ブラベンダービスコグラフ(ブラベンダー社) 

  乾燥試料をビーカーに採取し、イオン交換水ででい状としたのちイオン交換水で測定容器に流しこむ(使 用するイオン交換水は全量で 450ml とする)。回転数を 75rpm とし、液温が 25℃の定温になってから、毎 分 1.5 ℃の速さで 92.5℃まで昇温する。92.5℃で 10 分間保持したのち、毎分 1.5℃の速さで 80.0℃まで降 温した時のビスコグラムを記録した。 

   詳細は所報第 17 号ノート「ビスコグラフィーによる多糖質の粘度曲線」参照。

(15)

 

(1)  品      名  タピオカでん粉       生産国、その他  THAILAND   

                               

(2)  品      名  タピオカアセチル化でん粉 

     生産国、その他  THAILAND、アセチル化度:0.018 

(16)

 

(3)  品      名  タピオカカチオン化でん粉       生産国、その他  THAILAND 

                                 

(4)  品      名  タピオカ酸化でん粉       生産国、その他  THAILAND   

                                 

(17)

 

(5)  品      名  ばれいしょでん粉       生産国、その他  試薬:関東化学製   

                               

(6)  品      名  ばれいしょでん粉(片栗粉) 

     生産国、その他  北海道 

(18)

 

(7)  品      名  ばれいしょアセチル化でん粉 

     生産国、その他  GERMANY、アセチル化度:0.010   

                               

(8)  品      名  ばれいしょカチオン化でん粉       生産国、その他  松谷化学工業製、N:0.15% 

 

(19)

 

(9)  品      名  ばれいしょカルボキシメチル化でん粉       生産国、その他  松谷化学工業製、置換化度:0.04   

                               

(10)  品      名  ばれいしょ酢酸化でん粉 

      生産国、その他  松谷化学工業製、アセチル化度:0.04 

(20)

 

(11)  品      名  ばれいしょシアノエチル化でん粉        生産国、その他  松谷化学工業製、置換化度:0.04   

                               

(12)  品      名  ばれいしょ尿素りん酸でん粉        生産国、その他  松谷化学工業製 

(21)

 

(13)  品      名  ばれいしょりん酸エステル化でん粉        生産国、その他  DENMARK、P:0.09% 

                                 

(14)  品      名  とうもろこしでん粉        生産国、その他  試薬:関東化学製 

(22)

 

(15)  品      名  とうもろこしアセチル化でん粉 

      生産国、その他  AUSTRALIA、アセチル化度:0.019   

                               

(16)  品      名  とうもろこしアセチル化でん粉 

      生産国、その他  AUSTRALIA、アセチル化度:0.270 

(23)

 

(17)  品      名  とうもろこしヒドロキシアルキルエーテル化でん粉        生産国、その他  U.S.A 

                                 

(18)  品      名  とうもろこしヒドロキシアルキルエーテル化でん粉        生産国、その他  U.S.A 

(24)

 

(19)  品      名  とうもろこしヒドロキシプロピル化でん粉        生産国、その他  U.S.A 

                                 

(20)  品      名  とうもろこしヒドロキシプロピルエーテルりん酸架橋でん粉        生産国、その他  U.S.A 

(25)

 

(21)  品      名  小麦でん粉        生産国、その他  試薬:和光純薬製   

                               

(22)  品      名  小麦アセチル化でん粉 

      生産国、その他  AUSTRALIA、アセチル化度:0.012 

(26)

 

(23)  品      名  さつまいもでん粉        生産国、その他  試薬:和光純薬製   

                               

(24)  品      名  タピオカでん粉        生産国、その他  THAILAND 

(27)

 

(25)  品      名  タピオカカチオン化でん粉        生産国、その他  THAILAND 

                                 

(26)  品      名  タピオカ酸化でん粉        生産国、その他  THAILAND 

(28)

 

(27)  品      名  タピオカ酸化でん粉        生産国、その他  THAILAND   

                               

(28)  品      名  タピオカ酸化でん粉 

      生産国、その他  THAILAND、次亜塩素酸処理したもの 

(29)

 

(29)  品      名  ばれいしょでん粉        生産国、その他  試薬:関東化学製   

                               

(30)  品      名  ばれいしょアセチル化でん粉 

      生産国、その他  GERMANY、アセチル化度:0.020 

(30)

 

(31)  品      名  ばれいしょカチオン化でん粉        生産国、その他  GERMANY 

                                 

(32)  品      名  とうもろこしでん粉        生産国、その他  試薬:関東化学製 

(31)

 

(33)  品      名  とうもろこしアセチル化でん粉        生産国、その他  AUSTRALIA 

                                 

(34)  品      名  小麦でん粉        生産国、その他  試薬:和光純薬製 

(32)

 

(35)  品      名  小麦アセチル化でん粉 

      生産国、その他  AUSTRALIA、アセチル化度:0.019   

                               

(36)  品      名  小麦カチオン化でん粉        生産国、その他  AUSTRALIA 

(33)

 

(37)  品      名  ばれいしょでん粉に酸化チタンを添加 

      生産国、その他  (A) Potato starch 20g       (B) Potato starch 20g + TiO1g        (C) Potato starch 20g + TiO2.5g  (D) Potato starch 20g + TiO5g   

                               

(38)  品      名  ばれいしょでん粉に塩化カルシウムを添加 

      生産国、その他  (A) Potato starch 20g       (B) Potato starch 20g +CaCl1g        (C) Potato starch 20g +CaCl2.5g  (D) Potato starch 20g +CaCl5g   

(34)

 

(39)  品      名  ばれいしょでん粉に水酸化カルシウムを添加 

      生産国、その他  (A) Potato starch 20g       (B) Potato starch 20g +Ca(OH)1g        (C) Potato starch 20g +Ca(OH)2.5g  (D) Potato starch 20g +Ca(OH)5g   

                                   

(40)  品      名  ばれいしょでん粉に酸化チタン、塩化カルシウム及び水酸化カルシウムをそれぞれ         添加 

      生産国、その他  (A) Potato starch 20g       (B) Potato starch 15g + TiO5g        (C) Potato starch 15g +CaCl5g  (D) Potato starch 15g +Ca(OH)5g   

(35)

 

(41)  品      名  タピオカでん粉に酸化チタン、塩化カルシウム及び水酸化カルシウムをそれぞれ        添加 

      生産国、その他  (A) Tapioka starch 30g      (B) Tapioka starch 25g + TiO5g        (C) Tapioka starch 25g+CaCl5g  (D) Tapioka starch 25g+Ca(OH)5g   

                                

(42)  品      名  とうもろこしでん粉に酸化チタン、塩化カルシウム及び水酸化カルシウムをそれ        ぞれ添加 

      生産国、その他  (A) Corn starch 50g      (B) Corn starch 40g + TiO10g        (C) Corn starch 40g +CaCl10g  (D) Corn starch 40g +Ca(OH)10g   

(36)

 

(43)  品      名  トラガカントガム、カラヤガム、ガッティガム、アラビアガム 

      生産国、その他  (A) Tragacanth 15g  (B) Karaya 15g  (C) Ghatti 20g  (D) Arabic 40g   

                                 

(44)  品      名  ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドガム        生産国、その他  (A) Locu st bean 7g  (B) Guar 10g  (C) Tamarind 20g 

(37)

 

(45)  品      名  寒天、カラゲナン、アルギン酸ソーダ 

      生産国、その他  (A) Agar-agar 20g  (B) Carragheenan 7g  (C) Sodium alginate 10g   

                               

(46)  品      名  微生物粘質物、C.M.C、ペクチン 

      生産国、その他  (A) Xanthan 7g  (B) Kelzane 10g  (C) C.M.C 10g  (D) Pectin 30g 

(38)

 

(47)  品      名  グアーガム誘導体 

      生産国、その他  (A) Cationic 10g  (B) Guar 10 g   (C) Carboxy methyl (Ⅰ) 10g        (D) Carboxy methyl (Ⅱ)10g  (E) High carboxy methyl 10g        (F) Hydroxy propyl 10g 

                                   

(48)  品      名  グアーガムに酸化チタン、塩化カルシウム及び水酸化カルシウムをそれぞれ添加   

      生産国、その他  (A) Guar 10g  (B) Guar 7g+ TiO3g  (C) Guar 7g+CaCl3g        (D) Guar 7g +Ca(OH)3g 

 

                             

参照

関連したドキュメント

測定結果より、凝縮器の冷却水に低温のブライン −5℃ を使用し、さらに凝縮温度 を下げて、圧縮比を小さくしていくことで、測定値ハ(凝縮温度 10.6℃ 、圧縮比

・性能評価試験における生活排水の流入パターンでのピーク流入は 250L が 59L/min (お風呂の

海なし県なので海の仕事についてよく知らなかったけど、この体験を通して海で楽しむ人のかげで、海を

A.原子炉圧力容器底 部温度又は格納容器内 温度が運転上の制限を 満足していないと判断 した場合.

1地点当たり数箇所から採取した 試料を混合し、さらに、その試料か ら均等に分取している。(インクリメ

格納容器圧力は、 RCIC の排気蒸気が S/C に流入するのに伴い上昇するが、仮 定したトーラス室に浸水した海水による除熱の影響で、計測値と同様に地震発

 分析実施の際にバックグラウンド( BG )として既知の Al 板を用 いている。 Al 板には微量の Fe と Cu が含まれている。.  測定で得られる

自分ではおかしいと思って も、「自分の体は汚れてい るのではないか」「ひどい ことを周りの人にしたので