腹腔内腫瘍の 1 例
<外科> 氷 室 貴 規、宗 像 慎 也 塚 田 暁、奥 村 全 史 武 井 雅 彦、行 方 浩 二 三 上 陽 史、松 本 文 夫 【症例】 71 歳、女性 (現病歴)頻尿を主訴に当院泌尿器科を受診し た。腎膀胱エコー、尿細胞診で異常を認めず、 腹部エコーで左腹腔内を占める腫瘍を認めたた め、消化器内科紹介となった。 腹部 CT 検査、腹部 MRI 検査で腹腔内腫瘍、著 明なリンパ節腫大を認め、可溶性 IL-2 レセプタ ー高値のため悪性リンパ腫疑いの診断で生検目 的に当科紹介となった。 (既往歴)特記事項なし 【入院時現症】 身長 149cm、体重 54kg、 体温 36.1℃、脈拍 77 回/分、 血圧 127/75mmHg (腹部所見)平坦、軟 左側腹部に弾性硬、手拳大の腫瘤触知 6900 333万 8.3 27.7 54.6万 7.5 2.0 22 9 372 190 68 39 0.4 μl μl g/dl % μl g/dl g/dl IU/l IU/l IU/l IU/l IU/l IU/l mg/dl WBC RBC Hb Ht Plt TP Alb AST ALT ALP LDH CPK Amy T-Bil UN Cre Na K Cl Ca CRP HbA1c T-cho TG mg/dl mg/dl mEq/l mEq/l mEq/l mg/dl mg/dl % mg/dl mg/dl 8.4 0.56 135 4.5 8.0 7.0 24.52 5.5 170 75 CA19-9 CEA CA125 可溶性IL-2 <2 1.3 91 1855 U/ml ng/ml U/ml U/ml 入院時血液生化学検査 腹部エコー 腹部 CT 検査腹部 MRI 検査(T1 強調画像) 腹部 MRI 検査(T2 強調画像) 腹部 MRI 検査(造影)
←
上部消化管造影 上部消化管内視鏡 下部消化管内視鏡Ga
シンチ
Ga シンチ手術所見 摘出検体 摘出検体(ホルマリン固定後) 病理組織検査(HE 染色×200) 病理組織検査(Calretininx200) 病理組織検査(Cytokeratinx200) 病理組織検査(Vimentinx200)
-CD34
-c-kit
-CEA
+
vimentin
+
cytokeratin
+
carletinin
染色
マーカー
【腹膜中皮腫について】 (頻度)悪性が 95%以上、全中皮腫の約 10%、全 悪性腫瘍の約 0.2% (肉眼分類)びまん型(約 85%)、限局型 (臨床病型分類)腹水型、腫瘍形成型、混合型 (病理組織分類) 良性:腺腫様中皮腫 境界領域:多胞性中皮腫、乳頭上中皮腫 悪性:上皮型、線維型(肉腫型)、二相型 (臨床検査)赤沈亢進、CRP、LDH 上昇、血小板 増加、CA125、シフラ、PIVKA-Ⅱ上昇、腹水中の ヒアルロン酸高値 (治療)外科的切除、全身化学療法、腹腔内化 学療法、放射線療法 (予後)65%が 1 年以内に死亡。平均生存期間 12.3 ヶ月 【結語】 今回我々は、悪性腹膜中皮腫の1例を経験し た。足底線維腫症と PIP 関節背側に knuckle pad を伴った
Dupuytren 拘縮の 1 例
<整形外科> 岸 義 真、大 野 隆 一 二 村 謙太郎、向井原 健 太 【Key words】 Dupuytren’s contracture(デュピュイトラ ン 拘 縮 )、 plantar fibromatosis ( 足 底 線 維 腫 症)、knuckle pad(指背線維腫症) われわれは足底線維腫と近位指節間(PIP)関節背側にknuckle padを合併したDupuytren 拘
縮の 1 例を経験した。Knuckle pad まで合併し た比較的若年齢のDupuytren拘縮例は稀なので 報告する。 【症例】 患者:36 歳、男性 主訴:両手、左足底部の腫瘤 既往歴、家族歴:特記すべきことはなし 職業歴:工務店勤務 生活習慣:機会飲酒 現病歴:2005 年ごろより両手掌の腫瘤を自覚 した。近医を受診するも原因不明にて経過観察 されていた。2009 年 5 月、両手指の背側にも腫 瘤が出現したため、膠原病内科を受診し、リウ マチ性疾患を否定され当科を受診となった。 現症:身長 165 ㎝、体重 68 ㎏。両手の掌側に 陥凹、結節を認めた(図 1)。右手の示指・中指・ 環指及び左手の中指PIP関節背側部に小結節を 認めた(図 2)。右小指の関節可動域は、他動に て遠位指節間(DIP)関節が0°から90°、PIP 関節は-30°から 90°で屈曲拘縮を認めた。左 足 底筋膜の 中央 に 2 ㎝大 の皮下腫 瘤を認め た (図 3)。陰茎やその他部位には硬結は認めなか った。 血液生化学検査:特記すべきことはなし 単純 X 線所見:特記すべきことはなし(図 4) MRI 所見:T1 強調画像では、中手指節(MP) 関節掌側に高信号を呈する結節像を認めた(図 5)。 当初、診断が不確定であったため、精査目的 にて右中指の PIP関節部の小結節より切開生検 行った。 病理所見:線維芽細胞と膠原線維の増殖が主 体 で 、 巨 細 胞 は 認 め な か っ た 。 病 理 診 断 は fibromatosis であった(図 6)。 5 ヵ月の経過観察後、右小指の屈曲拘縮が進 行し、日常生活にも支障が出たため、部分腱膜 切除術を行った。 手術所見:周囲の組織と癒着する spiral cord と pretendinous cord を認めた(図 7)。肥厚短 縮した手掌腱膜と、周囲との癒着を剥離し、同 時に部分腱膜切除を行った(図 8)。 病理組織学的所見:前回の切開生検と同様に 線維芽 細胞と膠原 線維の増殖を 認め fibromatosis の診断であった。 術後経過:右小指のPIP 関節の屈曲拘縮は術 前の伸展不足角30°から術後伸展 0°へと改善 した。他指も含め症状の進行は認めていない。 結果:PIP 関節背側の小結節は病理診断にて 図 1 両手掌側に陥凹、結節を認める
(a)右手第 2、3、4 指 PIP 関節背側部に小結節を認めた (b)左手第 3 指の PIP 関節背側部に小結節を認めた 図 2 両手背側 図 3 左足底筋膜の中央に 2 ㎝大の皮下腫瘤を認めた 図 4 単純 X 線。特記すべきことはなし Fibromatosis と診断された。右小指から手掌の 病変も同様に fibromatosis の病理診断であっ た。以上の経過から、総合的に判断し、右小指 はDupuytren 拘縮、手指PIP 関節背側の小結節 図 5 T1 強調 MR 画像(axial 像)。MP 関節掌側に高信号を 呈する結節像が見られた(矢印) 図 6 H-E 染色(400 倍)。線維芽細胞と膠原線維の増殖を 認め、巨細胞は認めなかった はknuckle padであり、病理診断は行っていな いが足底部の皮下腫瘤は plantar fibromatosis であると診断した。本症例は、これら3 病態を 合併した比較的若年齢の症例であった。陰茎や
図 7 周囲の組織と癒着する spiral cord と pretendinous cord を認めた(矢印) 図 8 神経、血管を損傷しないように周囲との癒着を 剥離していった その他の部位には硬結は認めなかった。 【考察】 Dupuytren 拘縮は、手掌の FIbromatosis であ り 、 他 に 足 底 腱 膜 に 発 生 す る plantar
fibro-matosis ( Ledderhose 病 )、 PIP 関 節 背 側 部 の
knuckle pad、陰茎に硬結形成Peyronie病など
がある。これらの合併症は皮膚科領域や泌尿器
科にて診断加療されることがあり、注意が必要
である。
1.合併頻度:Dupuytren 拘縮に plantar
fi-bromatosis と knuckle pad の 3 病変を同時に合
併した症例の報告は極めて稀である。合併頻度 については plantar fibromatosis の報告から検 討する。Plantar fibromatosis は、1897 年に Ledderhose がこの疾患を詳細に報告したが、近 年では冠名は避ける傾向ににあり、Ledderhose 病を plantar fibromatosis として報告されてい る場合が多い。本邦では 1959 年、田島(達也) ら 8)
がDupuytren拘縮に合併したplantar
fi-bromatosis を報告したのが初報である。Plantar fibromatosis のまとまった報告は、田島(克己) ら 7) の 67 例と、渋谷ら 6) の皮膚科領域の20例 などである。田島(克己)ら 7) は報告の中で、 plantar fibromatosis の 51 例 中 28 例 が Dupuytren 拘 縮 を 合 併 し て い た が 、 そ の 中 に
Peyronie 病や knuckle pad を合併するものは 1
例もなかったとしている。 江川ら 2)、3) の本邦における Dupuytren 拘縮の 2 度に亘る報告では、Dupuytren 拘縮の患者 194 例中 1 例と、74 例中 3 例に plantar fibromatosis を認めたと報告している。その合併率は 0.5% と 4%である一方で、本症例のような指背側の knuckle pad まで合併する報告は見当たらなか った。 欧米での合併頻度を見てみると、Larsen ら 4)
は、Dupuytren 拘縮の 5%に plantar
fibroma-tosis がみられたと報告しており、江川らの本 邦における報告より若干頻度が高い傾向にある のかもしれない。逆に plantar fibromatosis と 他の fibromatosis との合併頻度を調べた Allen ら 1) の報告によると、Dupuytren拘縮が約65%
と多くを占め、他のPeyronie 病、knuckle pad
などはごく少数であったと報告している。 以 上 の よ う に Dupuytren 拘 縮 に 合 併 し た plantar fibromatosis の報告も稀であるが、本 症例のように knuckle padまで合併した例はほ とんどみられない。われわれの渉猟し得た範囲 では和田ら 9) の報告の中にある 1例のみであっ た。さらに本症例は肝障害や糖尿病などの基礎 疾患の合併症もなく、他に同様の報告例は認め られなかった。 2.病理組織像:病理組織像についてLuck 5) は そ の 進 行 の 度 合 い に より 以 下 の 3 病 期 に 分け た。その詳細は、線維芽細胞からなる細胞成分 が主体で膠原線維がほとんどみられない第1 期 の proliferative stage、細胞が成熟するにつ れその数が減少し、膠原線維成分の占める割合 が増加した第 2 期の involutional stage、細胞 成分がほとんど消失して膠原線維が密になる第 3 期の residual stage の 3 病期に分類している。 本症例は膠原線維成分の占める割合が増加して いるため、第 2 期の involutional stage に相当
すると考えた。 現在の病期分類からは、活動性が低く、再発 の可能性は低いと思われるが、今後、症状の進 行や再発も踏まえ経過観察する必要がある。 3.治療:Dupuytren 拘縮の外科的治療法は、 その適応や病期によって、皮下腱膜切開術、部 分腱膜切除術、全腱膜切除術、皮膚移植を伴っ た腱膜切除術、指切断術などがある。本症例で は、1 指のみに拘縮、手掌の陥凹、結節の範囲 など考慮し、部分腱膜切除術にとどめた。術後 は皮膚の緊張もなく、皮膚壊死などの合併症も 見られなかった。 Plantar fibromatosis の治療としては保存療 法と手術療法がある。保存療法にはステロイド 局所注入やビタミンE内服などが報告されてい るが、その効果は不確定である。手術適応は腫 瘤部の圧痛や歩行時痛、足趾の屈曲拘縮が出現 した場合である。Allen ら 1) によると腫瘤部の 足底腱膜切除のみを行った場合、その2/3が再 発したと報告している。他方、本疾患は進行が 緩徐で足趾の拘縮をほとんど起こさない例もあ ることから、症状がなければ経過観察が一般的 であるとの意見も多い。本症例においても、歩 行時の疼痛や、母趾の屈曲拘縮などの症状はな く、日常生活に支障ないため放置した。 Knuckle pad は通常痛みを伴わないため、治 療の対象となるのは、その外表上の問題だけで ある。ステロイドの局所注射や放射線療法など の治療も散見されるが、根治的な治療方法は見 当たらない。本症例においては、日常生活にお いて不都合はなく、痛みも初診時よりなく、大 きな変化もないため、経過観察中である。 【結語】
Dupuytren 拘縮に plantar fibromatosis と
knuckle pad を合併した稀な 1 例を経験したの
で報告した。(患者や得られた写真やデータが掲
載されることについて説明を受け、その内容に
ついて同意した。)
【文献】
1) Allen RA et al : Soft-tissue tumors of the sole
with special reference to plantar fibromatosis.
J Bone Joint Surg 37:14-26,1955.
2) 江川常一ほか:日本における Dupuytren 拘 縮 の 発 生 頻 度 - 老 人 ホ ー ム 健 診 結 果 に つ いて.中部整災誌 19:984-986,1976. 3) 江川常一:日本における Dupuytren 拘縮- 整形外科一般外来患者における Dupuytren 拘縮発生頻度.日手会誌 2:536-539,1985.
4) Larsen RD et al : Dupuytren’s contracture with
special reference to pathology. J Bone Joint
Surg 40-A : 773-832,1958.
5) Luck JV : Dupuytren’s contracture : A new
concept of the pathogenesis correlated with
surgical management. J Bone Joint Surg 41-A :
635-664,1959. 6) 渋谷博文ほか:Plantar Fibromatosis の 1 例.西 日皮膚 62:489-492,2000. 7) 田島克己ほか:足底腱膜の疾患-腱鞘炎、 Ledderhose 病.MB Orthop 8 : 55-61,1995. 8) 田島達也ほか:Dupuytren 拘縮の治療経験. 整形外科 10 : 523-529,1959. 9) 和田恭子ほか:Dupuytren 拘縮の治療経験. 西日皮膚 49 : 79-87,1987.
抗血栓療法を安全に行うために
<脳神経外科> 丸 木 親 抗血栓療法には、抗血小板療法と抗凝固療法 がある。抗血小板剤として本邦にて承認されて いるのは、アスピリン(バイアスピリン)、チク ロピジン(パナルジン)、シロスタゾール(プレ タール)、クロピドグレル(プラビックス)であ り、抗凝固剤はワルファリン(ワルファリン) とダビガトラン(プラザキサ)である。このよ うな薬剤を飲んでいる患者はしばしば、歯科医 や消化器内視鏡医、眼科医、さらには婦人科や 外科医などから検査、手術にあたり服薬中止可 能かのコンサルトを受ける。もちろん原則とし て抗血栓療法中止可能な患者など存在しない。 最近では、歯科医からの抜歯に先立ち中止可 能かという問い合わせはあまりなくなった。歯 科医に行ったアンケートによれば:抗血小板剤 服用中の患者の対応として、循環器系の先生は 休薬に厳しく、脳外科や脳神経内科の先生は甘 かったが最近は厳しく、仕方がないので中止せ ずにやっているとの回答であり、歯科医でも口 腔外科医はあまり気にせず服薬のままという。 抜歯と言っても程度はまちまちだが、事前の抗 生剤投与、縫合する、テーラーメードの歯科用 シーネ圧迫など工夫で乗り切っているとのこと だが、抗凝固剤ワルファリン服用者や危なそう なものは大学病院に送るという回答を得た。 眼 科 医 の た め に も ガ イ ド ラ イ ン が 存 在 し た (図 1)。白内障など一般クリニックレベルの手 術なら中止せずに行い、硝子体手術などは難し いようである。 消化器内視鏡医へのアンケートからは、検査ophthalmologist
図 1時には、原則中止とするし、どうしてもと言わ れれば視るだけで生検は避けるとの事である。 ワルファリン服用患者は、本音はやりたくない という答えも得た。さらには消化性潰瘍の原因 が、最近では低用量アスピリンなどの NSAIDs が 増えて困っているという。消化器内視鏡ガイド ラインにも抗血栓療法中の患者への対処が明記 されている(図 2)。 まずは抗血小板剤について考察をしてみる。 脳 卒 中ガ イド ラ イン から は 抗 血 小板 剤服 用 な しでは、脳梗塞は 1 年で 10%、5 年で 50%が再 発、アスピリンを服用中の患者が4週間休薬し た場合、脳梗塞、一過性脳虚血発作を起こすオ ッズ比は 3.29,中断の 4 週間以内が多いという 調査結果があり、休薬に関連した脳卒中は 4.49% で 6-10 日以内に発症するという記載がある。ま た抗血小板剤による心血管イベントの再発予防 効果を図3 に示した。驚いたことに、各学会の 間には共通のコンセンサスがないということも 判明した。そこで独自に消化器内視鏡学会のガ イ ド ラ イ ン と 脳 卒 中 ガ イ ド ラ イ ン の 共 通 の落としどころと考えられる図4 を示す。シロ スタゾールに関する記載は消化器内視鏡学会に はみられないが、この薬剤は効果消失が早く、2 日前で差し支えないと思われた。以上から現時 点での抗血小板剤中止のおおよその目安として 図 5 を示す。 次に抗凝固薬、現時点では主としてワルファ リンについて考察してみる。 脳卒中ガイドラインでは 大腸内視鏡、歯科、 眼科といった外来手術手技に際して、ワルファ リンが休薬された 1293 例の検討では、5 日以内 の血栓発症率は0.4%であったが、7日以上の休 薬では 2.2%であったとされている。ワルファリ ン服用時のリスクマネジメントとして文献的に は、出血時の対処が容易な処置、抜歯などの小 手術の場合は内服続行が望ましいとある。消化 管内視鏡検査、治療施行時は3-4 日休薬。血栓 塞栓のリスクが低い症例における4-5日以内の ワルファリン休薬では、ヘパリン投与などの橋 渡し治療は通常行わないが、リスクが高い場合、 脱水回避のための輸液、ヘパリン投与(橋渡し) 図 2
図 3 抗血小板剤による脳、心血管イベントの再発予防効果 消化器内視鏡学会リスクマネージメント委員会05の指 針と脳卒中ガイドライン09の比較 生検を含む消化器内視鏡検査を行う場合: アスピリンは3日前(3) クロピドグレルやチクロピジン5日前(5) シロスタゾールは2日前(なし) 図 4 低リスク手技 高リスク手技 アスピリン 3日前中止 7日前中止 チ クロピジン 5日前中止 14日前中止 クロピドグレル 5日前中止 14日前中止 シロスタゾール 2日前中止 3日前中止 図 5
ワルファリン中断の原則
3~5日前に服薬中止、ヘパリン置換
*ヘパリン置換の方法 ヘパリン静注によりAPTTを1.5~2.5倍に調節する。 術前4~6時間で中止(またはプロタミンで中和) 術後から適量のヘパリン開始、ワルファリンに移行。Circulation J 68(Suppl IV): 1153-1219, 2004 Gastroenterol Endosc. 47: 2691-2695, 2005 監修:長谷川泰弘先生 ワルファリン療法中の出血性合併 症への対応 重症度に応じて以下を施行 ・ワルファリンの減量~中止 ・ビタミンK投与 ・新鮮凍結血漿 ・乾燥人血液凝固第Ⅸ因子複合体 製剤PPSB-HT(保険適応外)
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大手術
大手術
大手術
大手術
消化管内視鏡検査
消化管内視鏡検査
消化管内視鏡検査
消化管内視鏡検査
(
生検
生検・
生検
生検
・
・
・切除
切除
切除
切除
)
ペースメーカー
ペースメーカー
ペースメーカー
ペースメーカー植
植
植
植え
え
え込
え
込
込
込み
み
み術
み
術
術
術
体表
体表
体表
体表の
の
の
の小手術
小手術
小手術でも
小手術
でも
でも、
でも
、
、出血性合併症
、
出血性合併症
出血性合併症
出血性合併症
の
の
の
の対処
対処
対処
対処が
が
が
が困難
困難
困難な
困難
な
な場合
な
場合
場合
場合
注意 ・ ・ 抜歯は治療域のワルファリ 内服継続下で施行可能。 白内障は内服継続下で行わ れることが望ましい。 図 6などを症例に応じて考慮する(グレード C1)と されている。図 6 にまとめてみた。 循環器内科医、心臓血管外科医、血管内治療 医、脳卒中外科医などにとっては、上記薬剤服 用中の患者でも、緊急手術やカテーテル治療を 緊急で行わなければならない状況があるが、私 見でも適切な止血処置やリバースによって、コ ントロールが可能な症例がほとんどであると感 じている。高齢者の患者さんで抗血小板剤を 2 剤、場合により3剤などステント後に長期服用 する患者が増え、ますますこのような患者の管 理は複雑となるが、なぜ中止が必要で危険性よ りもメリットが勝る、という十分な情報提供と 同意の上の慎重な対処が望まれよう。少なくと も長時間の水分制限は禁忌で、脱水だけは避け る、術後は可及的速やかに服用を再会するとい った基本は遵守することが大切と考える。抗凝 固療法に関しては、これからは非専門医にも投 与しやすい、半減期の短いダビガトラン、リバ ロキサバンなどが登場しつつあり、心房細動患 者の塞栓管理が簡単になる事から、ますます抗 血栓症法中の患者の治療機会は増加するものと 思われる。 上記内容は平成 22 年 8 月 5 日与野市三師会学 術講演の要旨である。