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IL-6により分化、活性が制御されるFoxP3+CD8+T細胞の解析

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Academic year: 2021

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Title

IL-6により分化、活性が制御されるFoxP3+CD8+T細胞

の解析

Author(s)

中川, 貴之

Citation

Issue Date

Text Version ETD

URL

http://hdl.handle.net/11094/49290

DOI

rights

Note

Osaka University Knowledge Archive : OUKA

Osaka University Knowledge Archive : OUKA

https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/

(2)

― 883 ― 氏 名 中なか 川がわ 貴たか 之ゆき 博士の専攻分野の名称 博 士(生命機能学) 学 位 記 番 号 第 22178 号 学 位 授 与 年 月 日 平 成 20 年 3 月 25 日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 生命機能研究科生命機能専攻 学 位 論 文 名 lL-6 により分化、活性が制御される FoxP3+CD8T 細胞の解析 論 文 審 査 委 員 (主査) 教 授 平野 俊夫 (副査) 教 授 宮坂 昌之 教 授 菊谷 仁 准教授 村上 正晃 論 文 内 容 の 要 旨 [目的] FoxP3+CD4CD25T 細胞として知られる制御性 T 細胞は生体内にて自己に対する免疫寛容を誘導し、自己免疫 疾患の発症を阻止する重要な細胞である。最近の研究によりFoxP3+CD8T 細胞も試験管内と生体内で制御性 T 細 胞活性を持つことが明らかになってきている。しかし、この細胞の生理的な機能や生体内での発生については未だ不 明な点が多く、本研究においてはこの細胞の生体内での分化と、自己免疫疾患への関与を明らかにすることを目的に した。 [方法ならびに成績] FoxP3+CD4T 細胞を試験管内でナイーブ CD4T 細胞から誘導する方法は以前より確立されており、T 細胞レセ プター刺激と共にTGFβで刺激することにより FoxP3+CD4T 細胞へと分化する。本研究においては CD8T 細胞 もT 細胞レセプター刺激と TGFβ刺激により FoxP3 陽性 T 細胞へと分化し、さらに IL-6 を培養液中に添加するこ とによりFoxP3+T 細胞の細胞数が増加することを明らかにした。このように IL-6 で誘導された FoxP3CD8T 細

胞にFoxP3+CD4T 細胞と同様の制御性 T 細胞活性があることを検討するため、試験管内における T 細胞抑制活性

を検討したところ、FoxP3+CD8T 細胞は制御性 T 細胞活性を有することが明らかとなり、さらに、IL-6 により誘

導したFoxP3+CD8T 細胞はその制御性 T 細胞活性が IL-6 非添加で誘導した FoxP3CD8T 細胞よりも高く、IL-6

がFoxP3+CD8T 細胞の制御性 T 細胞活性をも制御していることを明らかにした。 次に、生体内でもFoxP3+CD8T 細胞が制御性 T 細胞活性を有するかを検討するため、CD4T 細胞依存性の自己 免疫性腸炎モデルに関してIL-6 により誘導された FoxP3+CD8T 細胞が抑制的に働くことができるかどうかを検討 した。その結果、FoxP3+CD8T 細胞は CD4T 細胞依存性の自己免疫疾患を抑制できることが明らかになり、生体内 でもIL-6 により誘導された FoxP3+CD8T 細胞は制御性 T 細胞活性を持つことが明らかになった。 FoxP3+CD8T 細胞が生体内で誘導され、自己免疫疾患の発症に関与している可能性を検討するため、我々の研究 室で樹立した自己免疫性関節炎を発症するIL-6 シグナル伝達分子ノックインマウスである F759 マウスに関して検討 を行った。このF759 マウスにおいては、CD8+T 細胞がその関節炎の発症を抑制していることが以前に明らかになっ ており、その原因がFoxP3+CD8T 細胞にあるのではないかという仮説を立てて検討を行った。加齢した F759 マウ

【4】

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― 884 ― スにおいてはFoxP3+CD8T 細胞が増加しており、この細胞が自己免疫性関節炎の発症に関与している可能性が示唆 された。さらに、FoxP3+CD8T 細胞が自己免疫性関節炎の発症を抑制することを示すため、FoxP3CD8T 細胞の みを欠損するF759 骨髄移植キメラマウスを作製し、このキメラマウスにおいて自己免疫性関節炎の発症が亢進する ことを明らかにした。 [総括] 以上の結果よりFoxP3+CD8T 細胞は試験管内、生体内において IL-6 によりその分化が正に制御され、自己免疫 疾患の発症を抑制している細胞であることが明らかになった。この現象はこれまでよく知られた炎症性サイトカイン としてのIL-6 の機能に加えて、制御性 T 細胞活性をもつ FoxP3+CD8T 細胞を誘導することによる炎症反応のフィ ードバックというIL-6 の新たな機能を示すものである。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 インターロイキン(IL)6はこれまでの研究から炎症反応を誘導するサイトカインであると考えられている。自己 免疫疾患の誘導に対してもIL-6 は最近話題の炎症性 T 細胞サブセットである Th17 を誘導する必須のサイトカイン であることがわかってきており、IL-6 の主な作用は炎症反応や自己免疫反応の惹起であると考えられてきた。しかし、 本論文においてはIL-6 が FoxP3+CD8T 細胞を誘導し、T 細胞免疫反応を抑制することにより自己免疫疾患の発症 を抑制することを明らかにしており、これはIL-6 の新たなフィードバック機構を示すものであると考えられる。この FoxP3+CD8T 細胞は未だ生体内におけるその分化、機能がよくわかっておらず、本論文では FoxP3CD8T 細胞 の分化とその機能を明らかにしたことにより十分な学術的意義を有すると考えられる。 以上により本申請者は博士(生命機能学)の学位に値するものと認める。

参照

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