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(1)

2011年1月

NO.80

3Rs Promotion Forum

巻頭言 ………伊藤 哲夫 1         特集「廃棄物処理法の改正について」   改正廃棄物処理法の概要 ………湯本  淳  3  改正廃棄物処理法について ∼産業界の立場から∼……福島 秀男 10  「改正廃棄物処理法、許可権限者たる行政の立場からの視点」…長岡 文明 14 3 R推進全国大会・地方大会  第 5 回 3R推進全国大会 開催報告 ………古谷  宏 18  特別講演について「3R が拓く地域の未来∼資源循環と自然共生を目指して∼」 ………武内 和彦 23  第5回3 R 推進全国大会記念式典及び3 R 促進ポスターコンクール等について ………藤本  正 32 3 R推進地方大会 開催報告 ………各地方環境事務所 42 自治体を訪ねて  仙台市環境局廃棄物事業部リサイクル推進課 …遠藤 守也 69  佐賀市循環型社会推進課 ………鷲崎 ゆみ子 73  静岡県くらし・環境部環境局 ………廃棄物リサイクル課 77 環境省等国のうごき ……… 80 財団のうごき ……… 90 3R活動推進フォーラムのうごき ……… 95 全国を歩く(7) ……… 八木 美雄 99 帰ってきた「いつでも食べある記」∼新春特別編∼ …… 町田 直美 102 私の趣味(14)落 語 ……… 山本 耕平 106 編集後記 大都市のごみ焼却施設  大阪市 環境局東淀工場  裏表紙裏

財団法人 廃棄物研究財団

廃棄物研究

(2)

2011年(平成23年)

ウ 嬉しいことがいっぱいの

サ 幸多き年になりますよう

ギ 暁鐘高く鳴らしましょう

(3)

皆様には、日頃より廃棄物・3R行政の推進に、多大なご理解とご尽力を賜り、厚く御礼申し上げます。循環型社会 の構築は、低炭素社会づくり及び自然共生社会づくりと併せて環境対策の重要な3本柱の一つであります。国の取組の みならず、地方公共団体や産業界、NGO/NPO、研究機関のそれぞれの取組が緊密に連携して、これまでのビジネス スタイル・ライフスタイルを見直し、経済社会システムを持続可能なものに変革することが必要不可欠です。このた め、環境省では、循環型社会形成推進基本法及び関係の諸法令に基づき、各種取組を進めています。 昨年は廃棄物処理法の改正が成立し、廃棄物処理体制の強化と共に、廃棄物の適正な循環的利用の確保や廃棄物焼 却時の熱利用の促進等を進めることとしました。 さらに、環境省では、平成23年度より海外進出を視野に入れている静脈産業を支援するプロジェクトを開始します。 現在、開発途上国、特にアジアの途上国は急激な経済成長の中にあり、それに伴う廃棄物の排出も多くなっています。 2050年には世界の廃棄物排出量は約270億トンとなり、その大部分はアジアから排出されると予測されています。この ような中、アジアの途上国では、急速な経済発展に廃棄物の適正処理が追いつかず、環境汚染が懸念される状況にあ ります。また、経済のグローバル化、資源・エネルギー価格の高騰、需給のひっ迫が経済活動に大きな影響を及ぼし ており、廃棄物を含めた循環資源が国境を越えて移動し、途上国の一部において不適切なリサイクルや処理が行われ ている例が報告されています。こうした課題に対処するために、アジア各国で3Rや廃棄物の適正処理の推進を通じ、 資源効率とエネルギー効率の向上を図り、環境負荷を低減させることが必要です。我が国の静脈産業は、これまでの 廃棄物処理の経験から環境保全及び循環資源において先進的な技術を有しています。こうした先進的な静脈産業を、 今後廃棄物の排出の急増が見込まれるアジアにおいて展開することは、途上国の求める廃棄物処理、3Rの実施を効率 的に進め、世界の環境負荷を低減することとなるとともに、我が国経済の活性化にもつながるものです。 一方で、廃棄物処理・3Rを円滑に進めるためには技術に加え、3Rの制度化及びその具体的な実施体制の整備を進め る必要があります。このため、政府、自治体、事業者等が相互に連携しながら、廃棄物・リサイクルに関する制度と 技術を廃棄物処理システムとしてパッケージ化し、アジアへの展開を進めます。まずは海外展開を目指す先行静脈産 業グループに対して事業展開のFS調査等の支援により、我が国静脈産業の海外展開経験を積み上げ、将来の海外市場 展開の実績づくりを進めていきたいと考えています。さらに、次世代の静脈産業を育成するために企業の新たな循環 ビジネスモデルの確立支援を行い、静脈産業が継続的に海外に展開し、アジアでの循環型社会づくりに貢献するとと もに我が国の成長を牽引するように取り組んでいきたいと考えております。ぜひ、関係の皆様方の御支援をよろしく お願いいたします。

「3Rが拓く未来、静脈産業

メジャーの海外展開促進について」

環境省 廃棄物・リサイクル対策部長

伊藤 哲夫

(4)

「廃棄物処理法の改正について」

平成9年に「廃棄物処理法」の大改正が行われましたが、その時に施行から10年を経過したときに、 状況を点検した上で必要な措置を取りなさいということが法の附則に書かれました。今回10年が経過 したことから、中央環境審議会の報告を受けて、昨年5月に「廃棄物処理法の一部を改正する法律」 が公布されました。特集では、その概要について、ご寄稿を頂きました。

特 集

改正廃棄物処理法の概要 ………環境省 廃棄物・リサイクル対策部 湯本  淳  3 改正廃棄物処理法について ∼産業界の立場から∼ ………社団法人日本経済団体連合会 福島 秀男 10 改正廃棄物処理法、許可権限者たる行政の立場からの視点 ………BUN環境課題研修事務所 長岡 文明 14

(5)

1.法改正の経緯

我が国における廃棄物の適正処理を確保し、循環型 社会を形成していくため、廃棄物の処理及び清掃に関 する法律(昭和45年法律第137号。以下「法」という。) については、これまで不適正処理対策を内容とする規 制の強化を行ってきたところである。しかしながら、 巧妙かつ悪質な不適正処理は依然として後を絶たず、 廃棄物処理に対する不信感から廃棄物処理施設の立地 が進まないといった悪循環が根強く残っている状況に ある。また、廃棄物の再生利用が進んできている一方 で、排出抑制や焼却する際の熱回収がなかなか促進さ れない状況にある。 このような状況の中、平成9年に改正された廃棄物処 理法が施行されてから10年が経過し、平成9年改正法の 附則及び平成12年以降の累次の改正法の附則に基づき、 政府において施行状況について検討を加えることとさ れる時期を迎えた。これを踏まえ、中央環境審議会廃 棄物・リサイクル部会に廃棄物処理制度専門委員会を 設置し、平成20年9月から平成21年12月まで、12回の委 員会が開催され、廃棄物処理法に基づく廃棄物の排出 抑制、適正な処理等に関する施行状況について点検、 評価及び論点の整理を実施し、制度見直しの方向性に ついて審議いただいた。ここで取りまとめられた報告 書の内容を踏まえ、平成22年1月に中央環境審議会から 「廃棄物処理制度の見直しの方向性」について意見具申 がなされたところである。 環境省では、この意見具申を踏まえ、法改正をもっ て対応すべき事項について検討を進め、平成22年3月5 日に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改 正する法律案」が閣議決定、同日国会に提出され、衆 議院、参議院とも全会一致で可決・成立し、同年5月19 日に公布された。 また、同年8月3日には法律よりも詳細な制度内容を 定めるため同法施行令及び施行規則の内容が、第13回 目の廃棄物処理制度専門委員会において議論された。 同委員会の議論の内容を踏まえ、政府において検討が なされた結果、同年12月17日には「廃棄物の処理及び 清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令」(以下 「改正令」という。)が閣議決定、同月22日に公布平成 23年1月末には「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施 行規則等の一部を改正する省令」が公布された。 本稿ではこれらの内容のうち、改正法及び改正令で 改正された産業廃棄物収集運搬業の許可制度の合理化 の概要について述べていく。

2.主な改正の内容

1.廃棄物を排出する事業者による適正な処理を確保す るための対策の強化 ①排出事業者が産業廃棄物を保管する場合の事前届 出制度の創設 廃棄物処理法においては、事業者が事業活動に伴 って産業廃棄物を生じたときは自ら処理することが 原則とされており、処理に当たっては処理基準や保 管基準の遵守が義務付けられている。しかし、都道 府県知事の許可を受けて他人の産業廃棄物を処理す る処理業者とは異なり、事業者が自ら処理を行う場 合は許可等の行政手続が不要であり、特に保管行為 については、保管に関する基準を遵守せずに大規模 な不適正保管を行っていても、行政が把握すること ができず、結果として大規模な不法投棄事案に発展 してしまう事例が多く見受けられる。 そこで、事業者が自ら保管行為を行う際の事前届 出制度を新たに創設し、環境省令で定める一定規模 以上の保管行為については行政があらかじめ把握す ることにより、迅速に指導を行えるよう措置するこ ととした。また、非常災害の場合等に行う一定の保 管行為については、14日以内の事後届出を行うこと を義務づけることとした。 ②建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理に関する例外 建設工事に伴い生ずる産業廃棄物の排出事業者と しては、これまで、原則として当該建設工事を発注 者から直接請け負った建設業者(以下「元請業者」

改正廃棄物処理法の概要

環境省 廃棄物・リサイクル対策部 企画課 廃棄物・リサイクル制度企画室課長補佐 

湯本 淳

(6)

という。)が排出事業者に該当するが、例外として元 請業者が他の建設業者に請け負わせる場合(元請業 者から工事の全部又は一部を請け負う業者を「下請 負人」という。)であっても一定の場合には下請負人 が排出事業者となり得ることと解釈されている。 しかしながら、建設業における契約はメモや口頭 により行われることも多く、結果として、排出事業 者に該当する者が外形的に不明確となっており、こ れが、今なお多く発生している建設系廃棄物の不法 投棄(平成20年度の不法投棄の新規発覚事案のうち、 建設系廃棄物が約7、8割を占める。)の一つの大きな 要因となっている。同じことは、建設資材の再資源 化等に関する法律(平成12年法律第104号)の施行後 5年の見直しの際にも指摘されている。 建設工事については、発注者から直接当該工事を 請け負った元請業者がその全体について総括的に指 揮監督すべき立場にあり、また当該工事全体を請け 負っていることから発注者との関係で全責任を負う べき立場にある。そのため今般の法改正により、建 設系廃棄物については、解体工事等の個々の部分の 作業を担当している下請負人ではなく、当該工事の 全体を掌握し総括的に指揮監督・管理している元請 業者が、排出事業者として処理責任を負うことと法 律上明示的に規定することにより、排出事業者の明 確化を図った。改正後の法第21条の3は、建設業が複 雑な重層下請構造にあり、請負形態によっては排出 事業者の特定が困難であるといった問題に対処する ため、建設工事から出る廃棄物の排出事業者を元請 業者に一元化する規定である。一方で、取締りを徹 底するといった観点や、実態との乖離が生じないよ うに配慮するといった観点から、一定の例外的規定 も盛り込んでいる。 第1項では、建設工事から出る廃棄物についてはそ の工事の元請業者を排出事業者とすると定めており、 元請業者がその廃棄物について排出事業者責任を負 うことになる。 第2項は、下請負人が保管行為を行う場合に対応す るものである。実際の建設工事においては、元請業 者だけでなく、下請負人も工事現場内で廃棄物を保 管することはあり得ることから、その保管の適正化 を図るため、下請負人にも元請業者にも保管基準を 適用するものである。 第3項は、下請負人が一定の廃棄物を自ら運搬する 場合のものである。現行法上、排出事業者として下 請負人が自ら運搬をしてきた場合もあるが、今後は 収集運搬業の許可がなければ運搬はできなくなる。 しかし、極めて少量の廃棄物を運搬するような場合 にまで収集運搬業の許可の取得を求めるのは厳しす ぎるのではないかとの意見があり、元請業者との一 定の契約があれば下請負人も許可をとらずに一定の 廃棄物を運搬できることとし、その場合には処理基 準に従わなければならないこととした。ただし、対 象とする廃棄物は施行規則において限定的に定めら れており、この規定が適用されるのは例外的な場面 であると想定される。 第4項は、廃棄物の処理の委託を受けていない下請 負人が元請業者に無断で委託をするという、極めて 例外的な場合に対応するものであり、このような場 合に、当該下請負人に委託基準などを適用するもの である。通常は、元請業者から処理業許可を持つ下 請負人や他の処理業者に廃棄物処理の委託がされて いるため、元請業者が排出事業者となる。また、元 請業者と下請負人との間に文書による委託契約がな くとも、実質的に元請業者が下請負人に処理や委託 をさせている場合には、元請業者から下請負人への 処理の委託があるものと解される。第4項によって元 請業者の責任が免除されるわけではない。 さらに、元請業者が、排出事業者責任に基づき自 ら又は他人に委託してその産業廃棄物を適正に処理 しなければならないにもかかわらずこれを行なわず、 下請負人が、当該産業廃棄物の処理を自ら又は他人 に委託して行った結果、生活環境保全上の支障等が 生じた場合には、元請業者が本来行うべき行為を行 わなかったという事実によって、元請業者に過失が あるものと考えられる。このため、建設工事に伴い 生ずる産業廃棄物について、下請負人により不適正 処理が行われた場合であって、元請業者が適正にそ の処分を委託していなかったときは、当該元請業者 は、当該支障等を除去する責任を、下請負人に連帯 して負うこととした。他人に適正に処理を委託して いた元請業者は支障等を除去する責任を負わないが、 元請業者が委託基準に違反した不適正な委託を行っ た場合には、排出事業者責任を果たしたものとは考 えられないため、連帯責任は免除されない。 これらの規定は、建設系廃棄物の不法投棄の根絶 に向けて、非常に重要なものと考えている。 ③排出事業者による処理の状況に関する確認の努力 義務の明確化 廃棄物処理法では事業者が自ら産業廃棄物の処理 を行うことを原則としつつも、廃棄物処理業の許可 を受けた業者にその処理を委託することも可能であ るとされている。その場合であっても、発生から最 終処分までの一連の処理行程における処理が適正に 行われるために必要な措置を講じるよう努めること が義務づけられている。今回の改正では、この必要 な措置を講じるための前提として、産業廃棄物の処 理を委託する場合に、当該産業廃棄物の処理の状況 に関する確認を行うように努めなければならないこ ととした。

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④産業廃棄物管理票制度の強化 事業者が産業廃棄物の処理を委託する場合には、 その処理が適正に行われることを確認するため、産 業廃棄物管理票(以下「マニフェスト」という。)を、 産業廃棄物の引渡しと同時に交付する義務が課され ている(電子情報処理組織(いわゆる電子マニフェ スト)を利用する方法もあるが、ここでは省略する。)。 このとき、処理業者が虚偽の事項をマニフェストに 記載しないよう、事業者は自らが交付したマニフェ ストの写しを保存し、返送されたマニフェストと照 合する必要があるが、現行法においては処理業者か ら返送されたマニフェストの保存義務はあるものの、

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自らが交付したマニフェストの写しの保存は義務付 けられていない。自らが交付したマニフェストの写 しと回付されたマニフェストを照合し、排出事業者 が適正処理を確認するため、自らが交付したマニフ ェストの写しを、交付した日から5年間保存しなけれ ばならないこととした。 さらに、現行法においては、受託者である産業廃 棄物処理業者がマニフェストの交付を受けずに産業 廃棄物を引き受ける行為そのものは禁止されていな いが、近年、受託者がマニフェスト交付義務に違反 している委託者と共謀し、あるいは委託者に強要さ れ、マニフェストの交付を受けずに産業廃棄物の処 理を引き受けている事例が見られる。こうした行為 は、マニフェスト制度の外で産業廃棄物の処理が行 われる事態を引き起こし、マニフェスト制度に期待 される産業廃棄物の適正処理を確保するという効果 を損なうばかりでなく、その産業廃棄物に処理責任 を負う者が誰であるかを不明確とするものであり、 正に不適正処理を助長する行為であることから、産 業廃棄物の運搬受託者又は処分受託者は、マニフェ ストの交付を受けていない場合には産業廃棄物の引 渡しを受けてはならないこととした。 ⑤産業廃棄物処理業者による委託者への通知 前述のとおり、排出事業者は産業廃棄物の処理を 処理業者に委託する場合であっても、最終処分まで 適正に行われることにつき一定の責任を有するが、 処理業者が委託を受けた産業廃棄物の処理が困難と なったにもかかわらず、事業者から処理業者への産 業廃棄物の処理委託及び搬出が継続されることによ り、不適正処理が拡大する事例が少なくない。その ため処理業者は、受託している産業廃棄物の処理を 適正に行うことが困難となったときは、その旨を事 業者(委託者)に通知することを義務付け、事業者 が受託者の産業廃棄物の処理の状況を迅速に把握で きるような仕組みを設けた。また、事業者はこの通 知を受けたときは、適切な措置を講じなければなら ないこととした。 ⑥土地所有者等に係る努力義務の創設 不法投棄、不法焼却等の不適正処理が行われた場 合には、その旨の情報を入手した都道府県又は都道 府県警が情報収集を行い、当該不適正処理に責任を 有する処分者、帰責性がある排出事業者又は関与者 に対して行政処分又は摘発を行うことになる。これ らの情報については、できる限り速やかに得られる ことが望ましいことから、土地の所有者又は占有者 は、その所有等をする土地において、不適正に処理 された廃棄物と認められるものを発見したときは、 速やかに、都道府県知事又は市町村長に通報するよ う努めなければならないこととした。 ⑦罰則の強化 廃棄物処理法の罰則は、不法投棄の頻発やその社 会問題化を受けた累次の改正において強化され(不 法投棄については、五年以下の懲役若しくは1,000万 円以下の罰金又はこれらの併科。法人重課1億円以下 の罰金)、不法投棄の件数・量の減少などに一定の成 果を挙げてきたところである。一方で、依然として 多くの不法投棄が行われているほか、罰則の上限を 超えて不当利得を得る事案が存在するなど、廃棄物 の処理をめぐる法違反は未だ跡を絶たない状況にあ る。 そのため、廃棄物処理法と同様に暴力団等の悪質 業者が介入し不当利得を得やすい業態を持つ貸金業 法(昭和58年法律第32号)や、出資の受入れ、預り 金及び金利等の取締りに関する法律等の法律におい ては廃棄物処理法よりも法人重課の量刑が厳しいも のとなっていることも踏まえ、廃棄物処理法におい ても罰則の強化を行い、不法投棄等の違反行為に係 る法人重課の量刑を3億円以下の罰金に引き上げると ともに、無許可営業、不法投棄等の違反行為につき、 法人又は人に罰金を科する場合の時効の期間を、5年 とすることとした。

2.廃棄物処理施設の維持管理対策の強化

①廃棄物処理施設に係る定期検査の創設 廃棄物処理施設設置許可の手続においては、新規 許可取得時は生活環境影響調査書の作成及び告示・ 縦覧等の厳重な手続が用意されているが、更新手続 は不要(許可申請書記載事項に係る変更があれば変 更手続は必要)とされており、設備の老朽化等に伴 って構造面の安全性及び維持管理の確実性が保たれ ているかについて都道府県知事等が定期的に確認す る機会は設けられていない。このため、当該施設か ら生じる生活環境保全上の支障の発生を未然防止又 は拡大防止ができない場合がある。そこで、廃棄物 処理施設の設置の許可を受けた者は、5年3月ごとに、 当該廃棄物処理施設が施設の技術上の基準に適合す るかどうかについて、都道府県知事の検査を受けな ければならないこととした。 ②維持管理情報の公開の義務づけ 産業廃棄物処理施設の設置者は、その維持管理に 関する記録を事業場に備え置き、生活環境保全上の 利害関係者の求めに応じ、閲覧させなければならな いという義務を負っている。しかし、この閲覧対象 は生活環境保全上の利害関係者に限られているうえ、 直接事業場へ行かなければ見ることができないなど、 必ずしも情報公開が適正になされているとはいえな

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い場合がある。事業者がその産業廃棄物の処理を委 託する場合であっても、適正な処理業者を選択する ために、維持管理に関する記録が広く公表されてい ることは非常に重要である。そこで、廃棄物処理施 設を設置している者に対し、当該廃棄物処理施設の 維持管理に関する計画及び維持管理の情報について、 インターネットの利用その他の適切な方法により公 表しなければならないこととした。 ③維持管理積立金に係る規定の整備 廃棄物の最終処分場は、埋め立てた廃棄物によっ て環境汚染が生ずる危険性があるため、その危険性 が低減するまでの間は、廃棄物の埋立処分を終えた 後も含め長期間にわたって浸出水の処理等の維持管 理を行わなければならないという特性がある。この ため法では、最終処分場の設置にあたっては都道府 県知事の許可を受けなければならないこととし、埋 立処分中は廃棄物処理基準・維持管理基準の遵守及 び維持管理積立金の積立てを義務付け、埋立処分が 終了した後も、維持管理積立金の取戻しを認めた上 で、都道府県知事が廃止基準に適合していることを 確認するまでは維持管理基準の遵守を義務付けてい る。 しかし、何らかの原因で最終処分場の設置許可が 取り消された場合には、これらの義務の対象となる 者が法律上存在しなくなることとなるため、水質モ ニタリング等の管理が義務付けられている者が存在 しない最終処分場が近年急増している。また、維持 管理積立金は、埋立終了後の維持管理を行う上で必 要不可欠であるが、法律上取り戻しができる場合を 限定しているため、最終処分場の設置許可が取り消 された場合には、取り戻すことができる者がいなく なるという事態が生じている。 そこで、最終処分場の設置許可が取り消されたと きは、当該許可を取り消された者又はその承継人は、 都道府県知事の廃止確認を受けるまでの間は、引き 続き維持管理等の義務を課すこととする一方で、当 該最終処分場について積み立てられた維持管理積立 金については取戻しを認めることとした。 また、維持管理積立金を積み立てない場合には都 道府県知事が最終処分場の設置許可を取り消すこと ができることとして、積立ての徹底を図るとともに、 不適正処理がなされた後の最終処分場について、管 理者が不在となってしまった場合に、行政がその維 持管理を代執行したときについては維持管理積立金 を充てることができることとした。

3.産業廃棄物収集運搬業の許可制度の合理

化と産業廃棄物処理業の優良化の推進

①産業廃棄物収集運搬業の許可制度の合理化 従来、産業廃棄物の収集運搬を業として行うには、 産業廃棄物の積込みと取卸しを行う区域それぞれの 都道府県知事又は政令市長の許可を受けなければな らないこととされてきた。しかし、近年、政令市の 増加により、受けなければならない許可の数が増加 し、収集運搬を行う業者にとって大きな負担になっ てきている。不適正処理を誘発しないよう配慮しつ つ、産業廃棄物収集運搬業に係る許可手続を、申請 者側、審査側の双方にとって合理的・効率的なもの としていくことが必要とされていたことから、都道 府県知事の管轄区域のうち、一の政令市の区域内の みにおいて産業廃棄物の収集又は運搬を業として行 おうとする者に係るもの以外の許可については、当 該都道府県知事が一括して許可することとした。 ただし、事業の用に供する施設として地域に固定 されている積替施設を設置して収集運搬を行おうと する場合については、地域の生活環境に責任を有す る主体が許可することが望ましいため、積替施設を 設置して収集運搬を行おうとする場合については、 現行どおり当該区域を管轄する政令市長の許可を受 けなければならないこととした。 ②産業廃棄物処理業の許可の有効期間に係る特例度 の創設 過去の廃棄物処理法の改正においては、欠格要件 の拡充や、その厳格な運用を図るなど、これまで 「悪貨が良貨を駆逐する」と例えられてきた産業廃棄 物処理業界から悪質な業者を一掃するための規制強 化が図られてきた。しかし近年、適切な産業廃棄物 の処理を推進するためには、より信頼できる産業廃 棄物処理業者を選別できるようにすることで、産業 廃棄物を排出する事業者による排出事業者責任の履 行を補完するだけでなく、処理業者による情報公開 の推進による相互比較を可能とし、処理業者の優良 化を進めることが不可欠であるといった意見が排出 事業者、処理業者の双方から聞かれるようになって いる。 以上のことから、事業の実施に関する能力や実績 に応じて産業廃棄物処理等の許可の有効期間の特例 を認めるという法令上のインセンティブを設けるこ とにより、より信頼できる産業廃棄物処理業者の育 成を進めていくことが適当であるとの考えのもと、 優良で信頼できる処理業者を育成するため、現在は 一律に5年とされている産業廃棄物処理業の許可の有 効期間について、環境省令で定める基準に適合する 者については、7年とすることとした。 ③許可の欠格要件に係る規定の合理化 廃棄物処理業等の許可の欠格要件については、か

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ねてよりいわゆる「無限連鎖」が生じ、優良な廃棄 物処理業者までが排除される可能性が指摘されてい たところであるが、廃棄物処理業等の許可を取り消 されて欠格要件に該当する場合を、特に悪質な違反 を犯して許可を取り消された場合に限定し、取消し が連鎖する場合でも一次連鎖に限定することにより、 連鎖的な許可の取消しに対する手当てを行った。

4.排出抑制の徹底

事業活動に伴って多量の産業廃棄物を排出する事業 場を設置している事業者(以下「多量排出事業者」と いう。)は、産業廃棄物の減量その他の処理に関する計 画を作成し、都道府県知事に提出しなければならない こととされている。 しかしながら、現行の制度では、多量排出事業者の 処理計画の作成・提出に法的な担保措置がない。都道 府県は、現行制度に基づいて提出された処理計画を公 表するだけでなく、必要に応じて分析して事業者に提 供して更なる取組に役立てているが、処理計画の作成 及び提出並びに当該計画の実施状況に係る報告に法的 な担保措置がないことから、これらの取組の効果も限 定的なものにとどまっている。 そこで、多量排出事業者の処理計画提出手続につい て過料により担保し、もって公表による透明化や適切 な評価の実施等により排出事業者の自主的な取組を促 進することとした。具体的には、多量排出事業者減量 計画を提出せず、又は計画の実施の状況を報告をしな かった者は20万円以下の過料に処することとした。

5.適正な循環的利用の確保

廃棄物処理法においては、国外廃棄物の輸入は我が 国で適正に処理されることが確認できた場合にのみ認 めることとされている。また、現行法上、輸入の許可 を申請できる者は、産業廃棄物処分業者等、当該廃棄 物を自ら処理できる者に限られている。 一方、近年の我が国における廃棄物処理技術の向上、 我が国企業の国際展開及び企業の社会的責任の高まり を受け、途上国では適正な処理が困難だが我が国では 処理可能な廃棄物を対応能力の範囲内で受け入れて適 正に処理する取組が検討されている。具体的には、① 自社の海外事業所で発生した廃棄物を我が国に輸入し て処理を行う、②海外において販売された自社製品を 海外で回収し、我が国に輸入して処理を行う等、我が 国の優れた処理技術を用いることでより高度な処理・ 再生利用等が可能となる廃棄物を輸入する取組がある が、現行法では「自ら処理できる者」に該当しない者 が輸入許可申請を行うことはできないことから、廃棄 物の輸入手続が障害となり、取組が進みにくい現状が 欠格要件に係る規定の合理化の概要(無限連鎖への手当)

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ある。しかし、このような活動は、国内における適正 処理が確保される限りにおいては、法の趣旨である排 出事業者責任の徹底といった概念と矛盾せず、また、 輸入相手国の環境負荷を低減させるものであることか ら、むしろ国際貢献の観点から積極的に推進していく べきものである。 このような状況の変化に対応するため、廃棄物を輸 入できる者として、国外廃棄物を他人に委託して適正 に処理することができ、当該国外廃棄物を国内におい て処分することに相当の理由があると認められる者を 追加することとした。

6.焼却時の熱利用の促進

我が国では、諸外国に比べ廃棄物の中間処理方法と して、焼却処理が多く行われており、平成18年度末現 在で全国において民間により設置されている焼却炉が 2,431炉存在する。しかし、処理費用を低く抑えるため、 大量に発生する焼却熱を回収せずに処分する「単純焼 却」が太宗を占めており、民間設置の焼却炉に係る熱 回収設備の普及状況は、平成18年度末現在で28%にと どまっている。 熱回収については、廃棄物の処理も含めた基本法で ある循環型社会形成推進基本法(平成12年法律第110号) において、循環資源の再使用及び再生利用がなされな いものであって熱回収できるものは熱回収がなされな ければならないとされている。 我が国の焼却施設で熱回収が進まない主な要因とし て、設備投資に多額の費用を要すること、熱回収を行 っている処理業者に対し排出事業者が委託しやすい環 境が整備されていないことなどが挙げられる。以上の ことから、排出事業者等が熱回収を十分に行っている 者に対して優先的に処理を委託することを可能とし、 熱回収事業への新規参入を促進するため、廃棄物焼却 時に熱回収を行っている者について、一定の基準に適 合するときは、都道府県知事の認定を受けることがで きることとした。

7.その他

1∼6までの内容以外にも、大臣認定制度に係る監督 規定等の整備や報告徴収及び立入検査の対象の拡充、 措置命令の対象の拡充等が行われた。

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1. はじめに

産業界は、廃棄物最終処分場の逼迫問題の克服や不 法投棄の解消にとどまらず、資源制約への対応という 観点から、廃棄物の適正処理やリサイクルなど、循環 型社会の構築に向けてさまざまな取組みを進めてきた。 その結果、従来廃棄物として処理されていたものを原 燃料として生産プロセスに投入し再利用する大規模素 材産業や、産業廃棄物の自己処理を手がける製造事業 者等も増えている。 廃棄物処理業の許可を取得する事業者がこのように 多様化する中、法令違反をする一部の悪質な事業者を 取り締まるために、排出事業者責任等を一律に強化す れば、循環型社会の構築に向けた事業者の取組みを阻 害することにもつながりかねない。不法投棄をはじめ とする不適正処理の取り締まり強化や、不適正処理を 行う悪質な事業者の排除の徹底が重要であることは言 うまでもない。これに加え、いま求められているのは、 循環型社会の構築に向けた事業者の取組み、すなわち 3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進であ る。 適正処理と3Rの両立に向け、経団連は、今回の廃掃 法改正に向けた検討の過程において、①担い手の多様 化を考慮した法規制のあり方、②広域的かつ効率的な 処理の推進、③許可手続きや行政報告の簡素化・電子 化、④循環型社会の構築に向けた事業者の努力を阻害 しないような不法投棄対策の強化、⑤国際的な資源循 環の推進などを主張してきた。 以下、今回の廃掃法改正の主な論点について、その 評価と今後の課題等について整理したい。

2. 適正処理を確保するための対策の強化

今回の改正のポイントは、「適正処理の確保」と「適 正な循環利用の推進」の二点である。このうち「適正 処理の確保」については、一定の強化が図られたと評 価できる。ただし、留意すべき点も多くある。 (排出事業者による適正処理を確保) 排出事業者による適正処理を確保するための対策と して、まず、産業廃棄物を事業所の外で保管する際の 事前届出制度が創設される。これにより、排出事業者 による不適正処理の早期発見が可能となる。ただし、 排出するものの特性に応じて、事業所間を移動して廃 棄物を再利用するケースもあるので、こうした取組み を阻害しないような配慮が求められる。 また、今回の改正により、建設工事に伴い発生する 廃棄物の処理責任が工事を受注する元請業者に一元化 される。元請業者、下請業者、孫請業者等が存在し、 事業形態が多層化・複雑化している建設工事における 廃棄物の処理責任が明確になるため、適正処理がいっ そう進むことが期待される。ただし、廃棄物を資源と して有効利用する観点からは、大規模な工場内での建 設工事では、工事の発注者が自らの工場の中で再利用 等を行ったほうが効率的な場合もある。同様に、施工 区間を区切って発注される大規模な道路工事やシール ド工事等の公共工事においても、発注者が施工区間を 越えて廃棄物の再利用等を行ったほうが効率的である。 このため、元請業者が排出事業者責任を負う原則は変 えずに、発注者がその一部を分担できる例外を設ける ことを今後の検討課題とすべきである。 (廃棄物処理施設の維持管理対策) さらに、都道府県知事による廃棄物処理施設の定期 検査が義務付けられる。これは、不適正処理の抑止や 生活環境の保全の観点から有効な措置である。ただし、 生産設備の活用など廃棄物処理の実態は多様化してい る。実際の定期検査の実施にあたっては、施設の稼働 状況などの実態を考慮して受検期間を設定するなど、 生産活動に支障を来すことのないような配慮が求めら れる。また、国がガイドラインを示し、定期検査の内 容を統一する必要もある。 (廃棄物処理業の優良化の推進等) 廃棄物処理業の優良化推進は、適正処理の確保の重 要な方策である。今回の改正で、一定の要件を満たす 産業廃棄物処理業について、許可の有効期間を5年から 7年に延長する特例が創設される。産業廃棄物処理の委 託が、優良な事業者に集中することになれば、結果的

改正廃棄物処理法について

社団法人日本経済団体連合会 環境安全委員会廃棄物・リサイクル部会長代行 

福島 秀男

∼産業界の立場から∼

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に不適正処理を行う悪質な事業者は排除される。その 上、産業廃棄物処理に対する国民の安心感・信頼感も 高まる。ただし、優良化推進策が、許可の有効期間の 延長にとどまっていることは残念である。処理業者へ のインセンティブだけでなく、優良な処理業者に委託 した排出事業者にもメリットがある制度とするべく、 引き続き検討が必要である。 また、廃棄物処理業等の許可の欠格要件が見直され、 廃掃法上特に悪質な違反を犯して許可を取り消された 場合を除いて、役員を兼務する他の業者への連鎖的な 許可の取消しにつながらなくなった。これは、産業界 のかねてからの要望の実現であり、評価したい。ただ し、依然として、廃棄物処理とは直接関係のない環境 法令の過失違反は、欠格要件に該当する。近年では、 廃棄物処理業の許可を取得する事業者は、廃棄物の自 己処理やリサイクル事業等を手がける大規模製造事業 者など、いわゆる動脈企業にも拡大している。複数の 工場での事業展開や、廃棄物処理業以外の事業も手掛 ける複合経営にとって、欠格要件は経営上の大きな制 約となる。悪質な廃棄物処理業者の排除という本来の 目的を担保しつつ、実態を踏まえた欠格要件の在り方 について、引き続き検討を深めていくべきである。

3. 適正な循環利用の推進

今回の改正のもう一つのポイントである「適正な循 環利用の推進」については、廃棄物を輸入できる者の 拡充のみにとどまり、今後、検討を深めていくべき課 題は残されている。 (特例制度の拡充) 廃棄物の循環利用を推進していく観点から、廃掃法 の特例制度を拡充してくことは有効である。 産業界は、中環審の専門委員会の審議過程において、 「広域認定制度1」における製造事業者等の回収対象とな る廃棄物を、同一性状の他社製品にも広げるべきであ ると主張してきた。例えば、情報通信機器は、世界的 に機器の標準化・規格化が進んでおり、ハードウエア についてはメーカーによる相違はほとんどない。広域 認定制度の拡充により、効率の高い適正処理と資源の 有効利用をより進めていくべきである。 また、「再生利用認定制度2」の拡充も検討を深めてい くべきである。現行制度の下では、認定を得るための 基準として、①受け入れる廃棄物を再生品の原料とし て使用、②再生品の性状がJIS規格等に適合、③再生品 の販売実績−−などが求められている。再生利用の用 途が生活環境の保全上支障がないものであれば、再生 品としての規格や販売実績を問わずに、再生利用認定 制度の活用を可能とし、資源循環を促進すべきである。 (広域的・効率的な処理の実現) 積極的な資源循環の推進には、再利用可能な資源の 効率的な収集運搬が不可欠である。今回の改正におい て、一の政令市の区域を越えて産業廃棄物の収集運搬 を行う場合には、産業廃棄物収集運搬業許可の主体が 都道府県に集約される。この合理化は、広域的な処理 の実現に向けて、一歩前進と評価できる。しかし、全 国で収集運搬を行うためには依然として47都道府県の 許可が必要で、許可更新や役員の異動に係る変更手続 等の事務負担は大きい。例えば、産業廃棄物収集運搬 業を営む事業者の主たる事務所の所在地を管轄する都 道府県による許可で、全国的な収集運搬が可能となれ ば、業務の効率化はさらに進むので、今後の課題とし ていくべきである。 また、わが国全体での資源循環の推進という観点か らは、産業廃棄物だけではなく、一般廃棄物の有効利 用にも焦点を当てる必要がある。自治体が集めた一般 廃棄物には、国内の資源戦略に資する資源物のほか、 有害な化学品(薬品類等)など、廃掃法の制定時には 想定されていない廃棄物も増えている。優れた技術を 有する民間企業の既存の専門施設を積極的に利用すれ ば、こうした廃棄物からも効率的に資源が回収でき、 有害物処理も適切に進めることができる。しかしなが ら、自治体が集めた一般廃棄物は、各自治体の一般廃 棄物処理計画に基づき、各自治体の区域内で処理を行 うことが原則とされている。区域外にある処理施設に 処理を委託するためには、各自治体の一般廃棄物処理 計画を自治体同士で合意を得る必要がある。優れた処 理施設が所在する一つの自治体が、全国から一般廃棄 物を受け入れるためには、全国の全ての自治体と個別 合意を行わなければならない。そこで、自治体が集め た一般廃棄物のうち、有害な化学品等の処理困難物や 循環利用が必要とされる資源を含む廃棄物については、 特例制度を設け、自治体間での合意を得ずに、広域で の廃棄物の収集運搬・処分を可能とするべきである。 これにより、自治体が集めた一般廃棄物から安全性を 確保しつつ資源を回収することができる。

4. 循環型社会のさらなる進展に向けた今後

の課題

以上、今回の主な法改正の論点に沿って整理してき たが、産業界は、これまで循環型社会の構築に向けて さまざまな取組みを進め、産業廃棄物の最終処分量の 大幅な削減など、成果も現れている(詳細は後掲の 「循環型社会の構築に向けた産業界の取組み」参照)。 1 製品が廃棄物となったものであって、当該廃棄物の処理を当該製品の製造、加工、販売等の事業を行う者が広域的に行うことにより、当該廃棄物の減量その 他の適正な処理が確保されることを目的として、廃棄物処理業に関する法制度の基本である地方公共団体ごとの許可を不要とする特例制度。 2 環境省令で定める廃棄物の再生利用を行い、又は行おうとする者は、当該再生利用の内容が生活環境の保全上支障がないものとして環境省令及び告示で定め る基準に適合している場合に環境大臣の認定を受けることができるものとし、この認定を受けた者については、処理業の許可を受けずに当該認定に係る廃棄 物の処理を業として行い、かつ、施設設置の許可を受けずに当該認定に係る廃棄物の処理施設を設置することができる制度。

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今後も主体的に3Rを推進していかなければならないが、 現行の法制度での最終処分量のさらなる削減は限界に 近い。したがって、さらなる循環型社会の進展に向け、 民間企業が取組みやすい条件を整備することを今後の 課題とし、検討を深めていくべきである。 (廃棄物該当性判断基準の柔軟運用) 例えば、生産工程で発生する副産物を資源として有 効利用する場合には、企業間での連携が必須となる。 その際には当然、企業間での取引が行われるが、現行 の廃棄物該当性の判断指針によると、引渡しに係る事 業全体において引渡し側に経済的損失が生じている場 合、その取引は廃棄物処理と位置付けられる運用がな されていることが多い。それゆえ、資源としての利用 価値があるにもかかわらず、市場価格の変動や輸送コ ストの多寡により、廃棄物とみなされる場合がある。 廃棄物とみなされれば、廃掃法に基づき、引渡し側に は委託基準順守、受け入れ側には処理業の許可、輸送 には産業廃棄物収集運搬業の許可と許可車両が必要と なり、円滑な取引が進まない。 そもそも少しでも資源としての価値があり有償売却 しうる副産物については、輸送先までの距離にかかわ らず、安定的に有効利用することができるようにする のが望ましい。そこで、廃棄物か否かを決めるにあた っては、少なくとも輸送コストを含めずに取引価値の 有無を判断するように、廃棄物の定義に関する廃掃法 の解釈を見直すべきである。 (自ら利用の促進と企業間連携による資源循環) また、生産工程で発生する多種多様な副産物につい ては、企業努力により、工場等の生産工程において原 料としての再利用も進んでいる。副産物を「自ら利用」 する場合には、廃掃法は適用されない。しかしながら、 「自ら利用」のために新たな設備投資をする場合、その 設備で利用する副産物を産業廃棄物とみなし、廃掃法 の許可施設とするように指導をする自治体がある。仮 に、ある副産物が産業廃棄物と位置付けられると、生 産拡大に伴い、「自ら利用」量を増やす際に、設備の改 造や能力の変更等に許可が必要となる。本来原料であ る副産物の保管に廃棄物処理基準も適用され、生産活 動そのものが大きな制約を受ける。副産物の「自ら利 用」拡大のためには、同一の事業所において副産物を 原料として使用する行為は、前処理工程も含めて廃掃 法の適用とならないことを通達等により国が明確に示 すべきである。地理的に離れた事業所間で副産物を原 料として利用しあう場合も、同様の扱いとする必要が ある。 さらに、昨今、企業経営の多様化が進んでおり、例 えば、商品を製造する部門と副産物を利用する部門が 分社化されているケースもある。こうした中、グルー プ内で連携して、同一性状の製品等を有効利用する際、 法人が異なることにより、廃掃法上の産業廃棄物処理 業の許可を取得しているケースがある。事務手続きも 煩雑となり、柔軟に資源循環を進めることができない。 したがって、グループの範囲を明確にした上で、同一 敷地内のグループ内企業間で中間処理をしたり、滞留 品・損傷品をグループ企業間で再生利用をしたりする 場合は、グループを同一法人とみなし、「自ら処理」と 位置づけることができるような選択肢を用意すべきで ある。 【参考】循環型社会の構築に向けた産業界の取組み 経団連では、環境問題への取組みにあたって、いち 早く、産業界自らの意識改革の必要性と、自らの意思 に基づく環境行動の実践の重要性を訴えてきた。自ら の業を最もよく知る事業者が、技術動向等を総合的に 勘案して、費用対効果の高い環境対策を自ら立案・実 施することは、環境問題への取組みとして極めて有効 な手段である。そこで、経団連では、循環型社会の形 成に向けた産業界の主体的な取組みを推進するため、 図1

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1997年に「環境自主行動計画〔廃棄物対策編〕」を策定 した。同計画は、毎年度フォローアップ調査を実施し、 数値目標(産業廃棄物最終処分量の削減など)の着実 な達成を目指すとともに、産業界の取組みをわかりや すく開示している。また、2007年には、同計画を「環 境自主行動計画〔循環型社会形成編〕」に拡充し、産業 廃棄物最終処分量に係る「産業界全体の目標(第二次 目標)」と、業種ごとの特性・事情等に応じた「業種別 独自目標」により、産業界(41業種)は循環型社会の 構築に取り組んでいる。その結果、産業廃棄物最終処 分量は、1990年度からなだらかな弧を描きながら大幅 に減少してきた(図1)。2008年度の産業廃棄物最終処 分量は、景気後退の影響も一部あったが、1990年度比 89.1%減(約644万トン)となり、現行の目標(2010年 度に1990年度比86%減)を二年前倒しで達成した。 また、経団連は、2010年12月に「2011年度以降の環 境自主行動計画〔循環型社会形成編〕」をとりまとめた。 2011年度以降も、産業界は引き続き主体的かつ積極的 な3R推進に努めていくべく、①2015年度を「目標年度」 とする産業界全体の産業廃棄物の最終処分量削減の目 標の設定、②業種ごとの特性に応じた独自目標に係る 設定――を2つの柱とする計画を策定し、そのフォロー アップ調査を行う。

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一昨年(2009年)の中央環境審議会廃棄物リサイク ル部会のパブリックコメントから始まり、昨年5月の法 律、12月の政令、そして2011年1月の省令の公布を経て、 ようやく改正の詳細が見えてきた感がある。 改正の大きな事項として、(結果として、いつも廃棄 物処理法の改正は、大くくりとしてはこの事項になっ てしまうのだが)、適正処理の分野では1.排出事業者 対策、2.処理業者対策、3.処理施設対策、資源循環 の分野では1.発生抑制、2.再利用、3.再生利用とな っている。 さらに、各事項毎にいくつかの具体的制度改正が行 われたが、この誌上では私が長らく携わってきた、第 一線の行政担当者の視点で「大きい」と感じられる事 項についてコメントしてみたい。

1.政令市の許可

今回の一連の改正で、なんといっても、現実的に影 響が大きいのは、産業廃棄物処理業の許可権限者が変 わってしまうことだと思う。 まず、誤解覚悟で概要を書けば、「政令市で行ってい た許可を都道府県に吸い上げた」ということである。 平成17年以前も「保健所設置市」という制度があり、 実質的に指定都市等規模の大きい市(その他戦前から の特殊事情等もあり、比較的小規模の市もあったが) では、産業廃棄物処理業の許可を行っていたが、それ ほど多くなかった。しかし、地方分権の流れに乗り、 中核市となるとオートマチックに「廃棄物処理法政令 市」としたことから、現在では全国に廃棄物処理法政 令市が62あり、そのため「日本全国で産業廃棄物の収 集運搬ができます」と言うためには、109もの許可を取 らなければならなくなってしまった。 これは、排出事業者、処理業者ともに事務量が増加 し、煩雑となったことから、前述のように、「政令市で 行っていた許可を都道府県に吸い上げた」改正を行っ たものである。 しかし、ここで注意しなければならないのは、全て の産業廃棄物処理業にかかわる業務が「全て政令市か ら離れるということではない」。これを勘違いすると、 廃棄物処理法では最も重い違反の一つである「無許可」 行為に繋がることから、特に注意が必要である。 4月以降も政令市の許可が継続するパターンを整理す ると次のようになるようである。 (1)政令市のエリア内で積替保管を行う。 (2)一つの政令市のエリア内だけで収集運搬が完結 する。 (3)政令市のエリア内で中間処分、最終処分業を行 う。 これについて、栃木県と栃木県内の政令市である宇 都宮市を例に取り、具体的に説明してみる。 現行は、産業廃棄物の収集運搬に関しては、廃棄物 処理法政令市は、いわば「都道府県から独立した」形 となっていたので、いくら栃木県の許可を取っていて も、宇都宮市内では効力が無く、したがって、別途、 宇都宮市の許可が必要であった。 これが4月からは「原則」栃木県の許可だけで宇都宮 市内でも産業廃棄物の収集運搬が行えることになる。 しかし・・・ (1)政令市のエリア内で積替保管を行う。

「改正廃棄物処理法、許可権限者たる行

政の立場からの視点」

BUN環境課題研修事務所主宰 

長岡 文明

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宇都宮市内に 積替保管施設を 収集運搬業者が 設置していた場 合は、引き続き 宇都宮市の許可 が必要、という ことである。 ここで、重箱 の隅をつつくよ うな話ではある が、現実的に非 常に煩雑なケースも発生する。 収集運搬業者A社は、がれき類と汚泥を扱うが、宇都 宮市内ではがれき類だけ積替保管を行い、汚泥は積替 保管は行わない。この時、宇都宮市内で行う汚泥の収 集運搬に関しては、宇都宮市の許可で行うのか、栃木 県の許可で行うのか? これはおそらくは、宇都宮市の許可だと思われるが、 一方、排出事業者B社が他県にあり、宇都宮市内へ汚泥 の収集運搬を委託する場合、委託契約書に添付すべき 許可証の写しが、妥当なものかの判断はB社は自分では、 つきかねることになる。 今までは、「宇都宮市内へ汚泥を運ぶ」というのであ れば、宇都宮市の許可が必要である、ということはす ぐわかった。 しかし、前述の例では、B社の汚泥は積替保管を行わ ずに収集運搬されるわけであるから、A社の栃木県の許 可証が提示されれば、当然、それでよいものと思って しまう。許可証の様式により、市の積替保管の許可の 状況を記載することになるようではあるが、収集運搬 業者A社が宇都宮市内でがれき類の積替保管をするかど うかということは、排出事業者B社にとっては、まった く関係のない話なのに、それを知らないと、B社が委託 契約書に添付すべき許可証の判断が付かない、などと いうことも生じる。 (2)一つの政令市のエリア内だけで収集運搬が完結す る。 この単純なパターンは、「排出事業者は宇都宮市にあ り、処分業者も宇都宮市にある。収集運搬業者C社は、 この業務しか行わない。」という地域密着の業者である。 もちろん、将来的(許可更新等の機会が到来したと きなど)には、誰も好きこのんで「宇都宮市内でしか 仕事はしないから宇都宮市の許可を取得したい。」など と自らで制限する人は少なく「他の市町村でも商売を する<かもしれない>ので、栃木県の許可を取る。」と の人が大多数と思われる。 (3)政令市のエリア内で中間処分、最終処分業を行う。 宇都宮市内では収集運搬の積替保管は行っていない が、中間処分業の許可E社(たとえば、がれき類の破砕) を行っていて、そこにE社が運び込む時の許可は、 収集運搬については、栃木県の許可、中間処分業に ついては宇都宮市の許可となる。 以上、「一例」を挙げてみた。 環境省は、22年12月17日付で事務連絡を発出してい る。既に政令市の許可を取得している業者の許可であ っても、県の許可が重複する範囲は4月1日をもって 「失効」するとしているが、今後、種々のバリエーショ ンがでないとも限らない。 自社が関係する産業廃棄物処理業の許可については、 引き続き注意していく必要がある。冒頭で書いたとお り、短絡的に「もう、政令市の許可は不要」という判 断は極めて危険である。 許可権限者である自治体にとっては、直接的に業務 量、ひいては、職員数にも直結する課題である。

2.ギブアップの通知のあり方

正式な呼称は「処理困難通知」であり、処理業者側 は第14条第13項等(新規条文、最高刑懲役6月)、排出 事業者側は第12条の3第8項(第12条の3第7項改正、直 接的罰則は無いが措置命令の対象になりうる)で規定 された制度である。 当初、法律の規定として提示された時は、画期的な 制度であり、行政側にとっては強力な武器になるので はないかと思われたが、省令の規定をみると、どうも 今までの制度と大差ないようにも感じられる。 と、言うのは、省令では「マニフェストの写しを受 けていない処理業者から処理困難通知を受けたとき」

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と規定している。 これでは、この条文を新たに作った意味がない。 なぜなら、排出事業者は今まででも「マニフェスト の写しが返ってきていない」「虚偽のマニフェストが返 ってきた」時は、「適切な措置(規定としてはギブアッ プ通知を受けた時と同じ)」をしなければならないこと は規定されていたのであるから。 すなわち、「処理が困難」であれば、処理は済んでお らず、したがって、マニフェストは期日まで返送でき ないこととなり、今までの規定でも排出事業者は「適 切な措置」を講じなければならない。 一方、実際は処理が済んでいないにもかかわらず、 マニフェストを返送していれば、それは「虚偽のマニ フェスト」となることから、やはり、排出事業者は 「適切な措置」を講じなければならない。結局、現実に 「処理が困難」という状況では、どちらかのケースにな ってしまっていただろう。 さらに、改めて考えると、「では、マニフェストの写 しが返ってきていたら、処理業者が処理困難になって いても排出事業者は何もする必要は無いのか?」とい う根本の問題に突き当たる。 一方で、環境省がこのような表現を取らざるを得な かったのだろうという推測もできる。それは次のよう な要因である。 「処理困難となったからと言って、では、どの程度前 までの排出事業者に通知しなければならないのか?」 受託業者が、処理が困難となった未処理の産業廃棄 物の排出事業者については、「適切な措置」を取らなけ ればならないことは理屈が通る。しかし、ギブアップ してしまう業者の多くはルーズな管理が多く、積み上 げられた産業廃棄物の「底の方の物」は何ヶ月前の誰 のものかもわからなくなってしまっている。 では、契約書が有効な排出事業者には全員通知しな ければならないのか?1週間前、1ヶ月前程度ならまだ わかる。しかし、まともに運営していた1年前、2年前 に受け入れた排出事業者にもギブアップ通知は出さな ければならないのか? それを受けた排出事業者としても困惑するだろう。 「契約は継続していたものの、現実には3年前に1トン 程度委託しただけであり、その時はマニフェストも返 ってきていた。」このような排出事業者にも第12条の3 第8項の規定を適用していくのか、たしかにこれでは、 排出事業者はいつまでたっても安心できない。 前述、後述どちらも矛盾無く、しかも、折角作った 新制度が制度設計者の意図する方向に、また、善良な 排出事業者への過度な負担無く運用されるよう、今後 の対応に注目していく必要がある。

3.定期検査

処理施設の5年ごとの定期検査も規定されたが、現実 的な内容等については、施行日までに「マニュアル」 等が提示されるものと思われ、まだ、不明な点も多い。 現在、定期検査の対象となる最終処分場と焼却施設 は全国に6,000ほどある。(産業廃棄物はPCB処理施設と 石綿溶融施設も該当するが数的にはほとんどない。) これをざっと計算すれば1自治体あたり、1ヶ月に1施 設は検査して行かなくてはならない。 6,000施設÷5年÷12ヶ月÷100自治体=1 全ての施設が「検査、即、合格」とはならず、中に は不適合な箇所、施設も出てこよう。 これらについては、当然ながら改善指導や指導に従 わない施設については、行政処分を視野においた業務 が発生する。 自治体によっては定期検査について、手数料等の徴 収も検討しているところもあると聞く。前述のような 業務量を推察すると、検査手数料は数万円などと言う レベルではなく、何百万、何千万でもおかしい額では ない。 それを全て検査手数料で賄うのが妥当とは思わない が、検査を行う自治体にとっても相当の新たな業務が 追加されることは確実である。制度が作られた限りは、 人員や財政上のバックがなければ実効性が疑問視され る。 一方、設置者側としては、検査が義務づけられるだ けでも新たな負担であるのに加えて、直接金銭的負担 まで強いられてはたまらない、という思いも理解でき る。 検査を行う行政側は、人材面の負担も相当なもので ある。最終処分場や焼却施設を現場検査できる知識技 能は一朝一夕で培えるものではない。 おそらく、経験年数3年以上の理系の技術職員が担当 することとなろうが、今後継続してこの制度を維持す るためには、定期的な研修等を行い、常に人材を養成 していく必要があろう。 さらに、経過措置的な課題であるが、使用前検査か ら5年以上経過している処理施設の検査の時期は、どう やって決めていくのかが当面の課題として存在するよ うに思える。 処理施設の許可制度がスタートしたのが、平成4年7 月、しかし、その前の届出は「みなし許可」となって いたことから、理屈的には汚泥や廃油、廃プラスチッ ク類の焼却施設では古くは昭和46年頃に設置されたも のまで、定期検査の対象になる。 ちなみに、最終処分場は昭和52年までは届出も不要 施設、その後も規模によっては「みなし許可」とはな らない施設もあったが、前述の通り、古いものでは30 年以上前に許可を受けたとみなされている施設もある。 実質的にはこれほど持ちこたえている処理施設はあま りないかもしれないが、5年スパンとすれば、2スパン (10年)、3スパン(15年)はざらにあると思われる。

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これらの既存の最終処分場、焼却施設について、ど ういう順番で定期検査の対象にするのか? 既存の処理施設も「使用前検査から5年3ヶ月以内」 に定期検査の対象とするようであるから、23年4月−5 年=18年4月以降に使用前検査した「新しい施設」の検 査時期は、ほぼ決まると思われるが、それ以前に使用 前検査を受けている処理施設の最初の「定期検査」は どうやって決めるのか? 「新しい施設」より遅くなるというのも筋が合わない ような気もするし、かといって、23年4月+5年3ヶ月= 28年7月に検査が集中するというのもいかがなものかと 思われる。 今後、附則により経過措置が示されるのかもしれな いが(既に示されているのかもしれないが、筆者は読 み解けない。)、検査を受ける設置者、検査を行う行政 側にとっても、さしあたっての大きな課題ではあろう。

4.建設系廃棄物の取扱い

建設系廃棄物について、新たに事業者による「保管 届出」が規定された。 既に条例や指導要綱により義務づけをおこなってい た自治体も多いと聞くが、そうでない自治体にとって は、全く新しく発生する業務である。 省令を見ると、この保管届出は事業者の届出であり、 事業場ごとの届出ではないように読める。よって、保 管場所を別の場所に移すことは「変更届」と規定して いるように見れるが、いずれにしても300m2以上の建設 系産業廃棄物の保管場所は、相応に存在しているもの と思われる。 「許可ではなく届出」とは言うものの、法律で規定さ れた限りは、それを受理する行政側としては「受理し ておわり」という訳には行かない。 おそらく、全ての自治体で台帳を起こし、管理して いくこととなろう。この規定は、罰則の対象にもなる 事項であり、大変な業務量であることが想定される。 「下請の許可不要でやれる範囲」等については、私個 人としては、法令の条文の書きぶりと22年5月20日付で 環境省から発出された事務連絡の齟齬が解決できずに いる。 また、現実にも多くの建設工事においては、下請と して入っている電気工事、内装工事等は「自分が出し た廃棄物」として自社に持ち帰り、その後改めて自分 の廃棄物として、まとめて処理委託しているケースも 多い。 今までは、平成6年の通知により「区分一括下請」は 「下請も排出事業者」として扱ってきており、これら慣 習として行われてきている行為を無許可収集運搬業と して、是正指導していくことも相当の業務量となろう。 一般的に「一塊、一括の仕事を管理できる存在が排 出事業者」との概念もあることから、裁判になるよう な事案でも、法律第21条の3の規定と省令第18条の2の 規定の組合せにより、前述事務連絡の運用でいけるの か、不謹慎な言い方ではあるが、個人的には興味のあ る制度改正である。

5.欠格者の取扱い

平成15年の法改正により問題となった「欠格要件の 連鎖」については、今回の法律第7条第5項第4号と第7 条の4第1項各号の改正により、是正されたと言われて いる。 しかしながら、この条文の書きぶりは、誠に複雑怪 奇であり、加えて産業廃棄物の14条はこれらを準用し ている箇所もあり、極めて難解である。 また、新制度では連鎖が適用されず欠格者にならず に済むケースで、過去において欠格者となってしまい、 それが継続している人物の救済の対応等もあろう。 たとえば、19年に水質汚濁防止法で役員Aが罰金とな ったことから、Aが役員をしている甲会社が取り消しと なり、この会社の役員Bが乙会社の役員も兼務していた ことから乙会社も取り消しになり、乙会社の役員Cも欠 格者となっていたとする。 これと同様の事案は、23年4月以降は役員Cはもちろ ん、役員Bも欠格者にはならないのであるが、では、19 年にこのパターンにより既に欠格者となっている役員 B、Cは23年4月1日をもって欠格者でなくなるのか?そ の根拠はどこにあるのか?等不明な点も多い。 この他にも、廃棄物の輸入、多量排出計画、維持管 理情報の開示、産業廃棄物処理業者の優良化、熱利用 施設の認定等、今回の改正は現場にかかわる事項が数 多い。 4月からの施行に向け、排出事業所、許可業者、現場 の行政担当者に不安、混乱が出ないよう、今後の更な る説明、運用通知が待たれるところである。

参照

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