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肝臓迷走神経は非アルコール性脂肪性肝炎においてα7ニコチン性アセチルコリン受容体を介してKupffer細胞の活性化を制御する

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Academic year: 2021

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Title Hepatic vagus nerve regulates Kupffer cell activation via α7nicotinic acetylcholine receptor in nonalcoholic steatohepatitis( Abstract_要旨 )

Author(s) Nishio, Takahiro

Citation Kyoto University (京都大学)

Issue Date 2017-05-23

URL https://doi.org/10.14989/doctor.k20560

Right The final publication is available at link.springer.com.http://link.springer.com/article/10.1007/s00535-016-1304-z; 許 諾条件により本文は2018-02-01に公開

Type Thesis or Dissertation

Textversion ETD

(2)

京都大学 博士( 医 学) 氏 名 西 尾 太 宏

論文題目

Hepatic vagus nerve regulates Kupffer cell activation via α7 nicotinic acetylcholine receptor in nonalcoholic steatohepatitis

(肝臓迷走神経は非アルコール性脂肪性肝炎においてα7 ニコチン性アセチル コリン受容体を介してKupffer 細胞の活性化を制御する) (論文内容の要旨) 【 背 景 と 目 的 】 非 ア ル コ ー ル 性 脂 肪 性 肝 炎 (nonalcoholic steatohepatitis; NASH)において,Kupffer 細胞の活性化による肝臓の炎症惹起がその病態の進 展に中心的な役割を担う.一方,迷走神経の遠心性シグナルが,免疫細胞に対し てα7 ニコチン性アセチルコリン受容体(α7nAChR)を介した抗炎症作用を持つ ことが知られている.本研究では,肝臓迷走神経がα7nAChR を介して Kupffer 細胞の活性化を制御し,NASH の進展に対して抑制的に働くという仮説に基づ き,動物実験による検証を行った. 【方法】C57BL/6 野生型(WT)マウスに対して,迷走神経肝枝切離(HV)ま たは sham 手術を行い,メチオニン・コリン欠損(MCD)食を 1 週間給餌する ことによって早期の NASH を誘発した.また,クロドロン酸リポソームの投与 によりKupffer 細胞を除去した WT のレシピエントに,ドナーとして α7nAChR 欠損(α7KO)マウスの骨髄細胞を移植することで,Kupffer 細胞を特異的に α7KO に置換したキメラマウスを作成し,MCD 食による NASH への影響を検証した. in vitro において,WT マウスの肝臓から分離した Kupffer 細胞に対して,リポ 多糖とパルミチン酸を用いてNASH を再現した炎症を誘発し,α7nAChR 作動薬 の投与による抗炎症作用を評価した. 【結果】HV 群のマウスは,sham 手術群に比較して,肝臓の脂質沈着と炎症の 両側面において NASH の増悪をきたした.HV 群の肝臓において TNFα,IL-12, MCP-1 に代表される炎症性サイトカインの発現が亢進し,PPARα 経路に関連す る脂質代謝制御因子の発現低下を認めた.同群ではKupffer 細胞における NF-κB のリン酸化と核内移行が亢進し,Kupffer 細胞の高度な活性化を認めた.初代培 養 Kupffer 細 胞 に 対 し て , リ ポ 多 糖 と パ ル ミ チ ン 酸 に よ る 炎 症 誘 発 下 に α7nAChR 作動薬を投与すると,NF-κB のリン酸化の抑制とともに炎症性サイ トカインの発現の抑制を認めた.α7KO キメラマウスは,対象の WT キメラマウ スに比較して,組織学的に高度に進展した NASH をきたした.同マウスの Kupffer 細胞は,NF-κB のリン酸化亢進を伴う活性化の増強を認めた.その肝臓 ではTNFα,IL-12,MCP-1 の発現が亢進し,一方で SREBF-1c の発現亢進に代 表される脂質代謝異常の増悪を認めた. 【考察】肝臓迷走神経の離断により,MCD 食で誘発した早期の NASH が増悪し, それは NF-κB のリン酸化を介した Kupffer 細胞の活性化と炎症性サイトカイン 発現の亢進を伴った.in vitro において,Kupffer 細胞に対する α7nAChR への 刺激が,炎症誘発下の NF-κB のリン酸化および炎症性サイトカインの発現を抑 制し,抗炎症作用を有することを確認した.さらに,キメラマウスの手法を用い て,in vivo において Kupffer 細胞特異的に α7nAChR を欠損させたうえで NASH を誘発した結果,NF-κB のリン酸化を介した Kupffer 細胞の活性化増強による NASH の増悪を認めた.また,Kupffer 細胞特異的な α7nAChR の欠損が,NASH

における炎症の進展だけでなく肝臓の脂質代謝異常の修飾も伴うことが明らか となった.以上より,肝臓迷走神経は,Kupffer 細胞に対して α7nAChR を介 した炎症制御を行い,炎症惹起が誘因となる早期の NASH において,その進展 の抑制に関与する可能性が示唆された. (論文審査の結果の要旨) 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、脂肪肝を背景とした肝臓の炎症像 を特徴とする慢性肝疾患である。Kupffer 細胞による免疫応答が、NASH の炎 症進展において中心的な役割を担うことが知られており、Kupffer 細胞の活性 化を制御する機序を解明することは重要な課題である。 申請者は、迷走神経の活動が、免疫細胞において α7 ニコチン性アセチルコリ ン受容体(α7nAChR)を介して抗炎症作用を持つことに着目し、肝臓への特異 的な迷走神経シグナルが、Kupffer 細胞の炎症性活動を制御することにより、 NASH に対して抑制的な効果を持つことを検証した。まず、NASH の動物実験 モデルにおいて、肝臓迷走神経を選択的に切離することにより、NASH の組織 像が増悪し、Kupffer 細胞の活性化がそれに影響することを確認した。次に、 初代 Kupffer 細胞を用いて、α7nAChR 作動薬が同細胞に対して抗炎症作用を 持つことを実証した。さらに、骨髄キメラマウスの手法により Kupffer 細胞特 異的に α7nAChR を欠損させたモデルにおいて、Kupffer 細胞が高度な活性化 をきたし、NASH における肝臓の炎症および脂質代謝異常の増悪をもたらすこ とを明らかにした。 以上の研究は、NASH における迷走神経による炎症制御の機序の解明に貢献し、NASH の予防および治療への発展に寄与するところが多い。 したがって、本論文は博士( 医学 )の学位論文として価値あるものと認める。 なお、本学位授与申請者は,平成 29 年 3 月 15 日実施の論文内容とそれに関連した 試問を受け、合格と認められたものである。 要旨公開可能日: 年 月 日 以降

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