Title
微生物のチトクロームρ-450型水酸化酵素反応を利用した
医薬代謝化合物の合成に関する研究( 内容の要旨 )
Author(s)
佐々木, 冗二
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(農学) 乙第020号
Issue Date
1998-03-13
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/2265
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏 名(本籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 学 位 論 文 題 目 審 査 委 旦 佐々 木冗二 (埼玉県) 博士(農学) 農博乙第20号 平成10年3月13日 学位規則第4粂第2項該当 教生物のチトクロ「ムj>-450型水酸化酵素反応を 利用した医薬代謝化合物の合成に関する研究 主査 静 岡 大 学 教 授 田 原 康 孝 副査 信 州 大学 教 授 寄 藤 高 光 副査 岐 阜 大 学 教 授 河 合 啓 一 副査 静 岡 大 学 助教授 徳 山 真 治 論 文 の 内 容 の 要 旨 医薬化合物の薬効を評価する上で、その代謝化合物の構造、薬効、毒性、体内動態お よび分布を知ることは重要である。哺乳動物のチトクロームP-450型の水酸化反応は薬 物代謝の主要な位置を占めており、この水酎ヒ反応をモデルにした微生物変換による医 薬代謝化合物の合成は、動物試料からの代謝物の採取や有機化学合成法に代わる有用な 手段と考えられている。本論文は、チトクロームP-450型水酸化反応を微生物にスクリー ニングし、その水酸イヒ反応を利用して種々の医薬化合物を微生物変換して、医薬代謝化 合物の合成について論述したものである。 (第1章)仙COrC行CJ僧侶odosIFO4563はマクロライド抗生物質クラリスロマイシ ンのC-14位を水酸化して、ヒト代謝産物の(14尺)-14-ヒドロキシクラリスロマイシン に変換した。本菌は、また6-αメチルエリスロマイシンBを水酸化して(14尺ト14-ヒ ドロキシー6-メチルエリスロマイシンBに変換した。これらのC-14位水醸イヒ変換化合物 のノ∩Vftro抗菌活性のMICは、基質の抗生物箕のそれとほぼ同じであった。この水醸イヒ 反応はチトクロームP-450の特異的阻害剤であるSKF-525-Aおよびメチラボンによっ て著しく阻害されることから、この水醸イヒ反応へのチトクロームP-450の関与が示唆さ れた。 (第2章)M.circine//iodesIFO4563およびStreptorTVCeSViolensIFO13486を 用いて、(-)-エブルナモニンを微生物変換して(6の-6-ヒドロキシ、(65)一6-ヒドロキ シおよび(185)-18一ヒドロキシエブルナモニンの水酸化化合物を得た。このうち (6町6-ヒドロキシエブルナモニンは(-)-エブルナモニンのと卜代謝産物と同一であっ た。(-)一エブルナモニンおよびこれらの水酎ヒ化合物はシアン化中毒マウスに対する脳 保護作用を示した。 (第3章)紬z叩USSP.TFOO40の立体選択的水酸化反応を利用して、合成基質
KE-748から抗リウマチ剤KE-298の代謝産物(-)-M-4を得た。この水酸化反応は SKト525-Aで顕著に阻害されることからチトクロームP-450型の反応であることが示 唆された。Rhodococcussp.TAO250を用いて上記代謝産物(-)-M-4から同代謝産物 (-)-M-6に微生物変換した。(一)-M-4および(-)-M-6を化学的に酸イヒして同代謝産物の
(-)-M一畠と(-)一M-7を得た。
(第4章)5亡reノブ拍叩γCeS属放線菌の500株をスクリーニングして、5・SCJe「otJ∂Jus FERMBP-1370とS.roseosporusFERMBP-1574は25-ヒドロキシおよび1α-ヒド ロキシビタミンD3をともに1α,25一ジヒドロキシビタミンD3に変換することを見出した。 両株のlα一水酸イヒ速度はそれぞれ6.9および7.OFLg/liter/minであった。このC-1位 およびC-25位の水較化反応はともにチトクロームP-450の特異的阻害剤で顕著に阻害 され、両菌の還元型CO差スペクトルによるチトクロームP-450をともに検出したことから、本水鹿化反応へのチトクロームP-450の関与が示唆された。
(第5章)微生物の950株をスクリーニングして、A〝ツCOJ∂t∂属細菌12株にどタミン D3から25-ヒドロキシビタミンD3を経由して1α,25-ジヒドロキシビタミンD3を合成す る酵素活性を見出した。そのうちA.auto打甲山c∂FERMBP-1573を用いたどタミン D3の微生物変換より、25一ヒドロキシビタミンD3および1α,25-ジヒドロキシビタミン D3を単離精製した。本菌の還元型CO差スペクトルは、この水酸化反応へのチトクロー ムP-450の関与を示唆された。(第6章)ポリエーテル抗生物質キャリオマイシン生産面のStreptomγCeS巾γ9rOSCO
picusATCC31080から調製した菌体抽出液に、マクロライド抗生物質のエリスルマイ シンA、Aオキシム、BおよびアジスロマイシンとUDP-グルコースを添加してMg+存在 下で反応させて、これらマクロライド抗生物質のデソサミンC-2'位が配糖化した抗菌不 活性化合物を合成した。この転移反応は、その反応様式からマクロライドグリコシルト ランスフエラーゼ(MGT)反応であることが示唆された。32株のポリケタイド生産菌放線 菌のなかからStreptorwces属の12株にMGT活性を検出してポリケタイド生産菌放線 菌におけるMGT活性の分布を考察した。 審 査 結 果 の 要 旨 本論文は、チトクロームP-450型水酸化反応を微生物にスクリーニングし、そ の水酸化反応を利用して種々の医薬化合物を微生物変換して、医薬代謝化合物の 合成について論述したものである。1)〃ucorc行cfneJ〃odosけ04563はマクロライド抗生物質クラリスロマイシ
ンのC-14位を水酸化して、ヒト代謝産物の(14尺)-14-ヒドロキシクラリスロマ
イシンに変換した。本菌は、また6-αメチルエリスロマイシンBを水酸化して(14尺)-14-ヒドロキシー6-メチルエリスロマイシンBに変換した。この水酸化反
応はチトクロームP-450の特異的阻害剤によって著しく阻害されることから、こ の7k酸化反応へのチトクロームP-450の関与が示唆された。2)M.circine//iodesIFO4563およびStreptomyces
vio/ensIFO13486を用いて、(-)-エブルナモニンを微生物変換して(6尺ト6-ヒドロキシ、(65)-6
-ヒドロキシおよび(185)一18-ヒドロキシエブルナモニンの水酸化化合物を得た。
(-)-エブルナモニンおよびこれらの水酸化化合物はシアン化中毒マウスに対する
脳保護作用を示した。3)肋Jzopus
sp.TFOO40の立体選択的水酸化反応を利用して、合成基質KE-748から抗リウマチ剤KE-298の代謝産物(-)-M-4を得た。Rhodococcu
SP.TAO250を用いて上記代謝産物(-)-M-4から同代謝産物(一)-M-6に微生物変
換した。(-)-M-4および(-)一M-6を化学的に酸化して同代謝産物の(-)-M-5と
(一)-M-7を得た。4)5tre〆0叩γCeS属放線菌の500株をスクリーニングして、5.sc/erotJ∂Jus
FERMBP-1370とS.roseosporusFERM BP-1574は25-ヒドロキシおよびlα -ヒドロキシビタミンD3をともに1α,25-ジヒドロキシビタミンD3に変換すること を見出した。5)微生物の950株をスクリーニングして、A〝ツCO/∂ね属細菌12株にどタミン
D3から25-ヒドロキシビタミンD3を経由して1α,25-ジヒドロキシビタミンD3を 合成する酵素活性を見出した。そのうちA.autotrqphicaFERMBP-1573を用 いたどタミンD3の微生物変換より、25-ヒドロキシビタミンD3および1α,25-ジ ヒドロキシビタミンD3を単離精製した。6)ポリエーテル抗生物質キャリオマイシン生産菌の5tre卯0叩yCeS
hy9rOSCqPicusATCC31080から調製した菌体抽出液に、マクロライド抗生物
質のエリスルマイシンAとUDP-グルコースを添加してM9十十存在下で反応させて、 これらマクロライド抗生物質のデソサミンC-2一位が配糖化した抗菌不活性化合物 を合成した。この転移反応は、その反応様式からマクロライドグリコシルトランスフエラーゼ(MGT)反応であることが示唆された。32株のポリケタイド生産菌放
線菌のなかからS打甲tO叩yCeS属の12株にMGT活性を検出してポリケタイド生産 菌放線菌におけるMGT活性の分布を考察した。 このように本論文の内容は、微生物チトクロームP-450型水酸化酵素反応の研 究に新しい知見を与えるものであり、微生物変換による医薬代謝化合物の合成の 基礎研究と応用開発の発展に大きく貢献するものと評価された。本審査委員会は 論文の構成、内容ならびに下記に示す学位論文の基礎となる学術論文等について慎重に審査し、審査委長の全員一致をもって本論文が博士(農学)の学位を授与さ
れるに値すると判定した。 <学位論文の基礎となる学術論文>1)Sasaki・J・,Mizoue,K・,Morimoto,S・,Adachi,T・and
Omura,S・: Microbia暮 transformation of6-C>methylerythromycLn derivatives.J.Antibiotics,生色908-915(1988).
2)Sa?やki.J.,Mikami,A.,Mizoue,K.and Omura,S.:Transformtion of 25-andlα-hyroxyvitamin轟節㍗CeSSP・Strains・
25-dihydrox‰許
1E筈J.子喜こPi長治嵩慧i.f琶
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3)皇a$aki・J・・㌣aZaki・A・・Saito・M・・Adachi・T"Mizoue;K・,Hanada,K・
and Omura, Transformatiop of vitarQin_D3 tO lα,
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Strains,AMi忠霊言穐よ茸㌫許(筆紋嘉。E詣言S訂㌫uよr等号。霊甑。誓去
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J.1)J?nZd㌔eこ,S芳浩一J:・よア鵠F・・。吉窟篭エFilミ激慧aPた訂a禁
き昌三芳P芸讐gヲ7ミ2描轟粁TeS
Nema亡OSPOra COry/i・Agric-Bio-1。詰詔誤盈,鵠埼.幣紙射光㍊諜崇昔乱闘,呈ミW
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生色110
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andrecognition完買顎詰寄ラ認諾簸き軍芭慧呂器裟享璧語監丈慧;;t:
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S鴎…㌔C
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and Omu筑豊豊ぷ1芯洗う●.笠豊謂吉と?
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restriction endonLjcIease AgrlC.Bio】.Chem.,生乳 t 11 一 ■ l鞘
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Wα14 脚3710)Kawauchi,H.,!?寧?ki._ムAdachi,T.,Hanada,
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eppu,T.andHorin9uChi,S.:Cloning and nucleotide sequenc冒 Of i▼bact9ria[ Vitamih D-3 25-hydroxyIase,
994).
11)Tak6d云,K・,Asou,T・,Matsudi,A・,▼Kimura,K・,Okamura,K・,
Okamoto,R.,Sasaki.J..Adachj,T.and Omura,S.:AppIicat10n Of CyCIodextrin.to.mitFbbiaItransformation of.vitamin D3 to 25-hydroxyvltamJn D3andlα,25-dihydroxyvitamln D3,J.Ferment・