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慢性関節リウマチ罹患関節近傍の骨髄における骨髄球系前駆細胞(CFU-GM)の検出

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Academic year: 2021

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(1)

142 (55) 氏名(生年月日) 本     籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

コ     タケ      シゲル

.小竹 茂(昭和3

博士(医学) 乙第1401号

平成5年11月19日

学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)

Detection of myeloid precursors(granulocyte/macrophage colony form.  ing units)in the bone marrow adjacent to rheumatoid arthritis joints   (慢性関節リウマチ罹患関節近傍の骨髄における骨髄球系前駆細胞(CFU・

  GM)の検出)

(主査)教授 内山 竹彦 (副査)教授 溝口 秀昭,白坂 龍血

中 文 内 容 の 要 旨

 目的  慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis, RA)で は滑膜細胞及びマクロファージの産生するサイトカイ ンが病態形成に大きく関与していることが,近年明ら かにされつつある.しかし,罹患関節近傍の骨髄中の 細胞成分と液性因子に関しては,いまだ不明な点が多 い.そこで,RAの病態形成への骨髄成分の役割を明ら かにするため,罹患関節近傍の脛骨骨髄における granulocyte/macrophage colony forming units (CFU-GM:単球,マクロファージ,好中球の前駆細 胞),飾roblast CFU(CFU-F:造血微小環境を形成す る間質細胞の前駆細胞)を定量し,同一患者の滑膜器 宮培養上清中のサイトカイン濃度との関運を検討し た.  対象と方法  RA 21例,変形性関節症(osteoarthritis, OA)10例, 関節外傷2例を対象とし,人工膝関節置換術施行時に 採取した脛骨骨髄及び末梢血より分離した単核球につ いて,recombinant human granulocyte/macrophage colony stimulating factor(GM-CSF)の存在下にメ チルセルロース法で培養しCFU-GMを算定した.同 時に患者の滑膜器官培養上清,血漿及び骨髄血上清の interleukin(IL)一1β, IL6, GM-CSFをELISAで測 定した.また,液体培養法にてCFU君を算定した.  結果

 1)OAの脛骨骨髄では非常にわずかのCFU-GM

が認められ,関節外傷では全く検出されなかった.RA

では21例中8例に,OAの場合より多くのCFU-GM

が検出され,その中の3例では,単核性105個あたり10 個以上と比較的多くCFU-GMが検出された. CFU- GMの多少と,臨床症状や検査所見との間には明らか な関連性は観察されなかった.

 2)RAの脛骨骨髄中のCFU-GM数は,末梢血中の

CFU-GM数より多かった.

 3)RAの脛骨骨髄中のCFU-GM数は,滑膜器官培

養上清のIL1β濃度と有意に正の相関を示した. IL-6

やGM・CSFの濃度とは有意な相関関係は見られな

かった.  4)RAの脛骨骨髄にはCFU-Fの存在が認められ, その数はCFU-GM数と有意に正の相関を示した.し かし,OA及び関節外傷ではCFU-Fの存在はほとんど 認められなかった.  考察  造血幹細胞は骨髄の造血微小環境において分化,増 殖している.健康な成人では,大腿骨または上腕骨よ り遠位の骨髄には造血組織は存在しないとされてい る.今回の我々の検討でも,関節外傷及びOA患者の 脛骨骨髄には造血組織は検出されなかった.しかし, RA患者では,造血微小環境を形成する問質細胞の前 駆細胞,及びマクロファージや好中球の前駆細胞から 一748一

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143 なる,異所性の造血組織が検出され,この形成に,滑 膜で産生されるサイトカインが寄与していると考えら れた.そして,この異所性の造血組織がRAの病態形 成に関与していると我々は考えている. 結語 慢性関節リウマチ患者の罹患膝関節近傍の脛骨骨髄 には異所性の造血組織が存在し,病態への関与が示唆 された.

論 文 審 査 の 要 旨

 本論文で著者は,慢性関節リウマチ(RA)について,罹患関節近傍の骨髄におけるCFU-GMやCFU-Fら 各種前駆細胞の出現と,同一RA患者由来滑膜器官培養上清,血漿,および骨髄血上清に含まれる各種サイト カイン(IL1β, IL-6, GM-CSF, CFU-Fら)を測定した.その結果, RA罹患関節近傍には, IL-1β値と正の 相関をしめすCFU-GMのCFU-F数の増加と,異所性の造血組織の形成を見いだした.これらの所見はRAの 病態形成を考える上で大きな手がかりとなり,学術上価値あるものと判断される. 主論文公表誌 Detection of myeloid precursors(granulocyte/  macrophage colony forming units)in the bone  marrow adjacent to rheumatoid arthritis loints  (慢性関節リウマチ罹患関節近傍の骨髄における  骨髄球系前駆細胞(CFU-GM)の検出)   Journal of Rheumatology Vol.19. No 10   1511-1516(1992年発行)Kotake S, Higaki M,   Sato K, Himeno S, Morita H, KIM K-J, Nara   N,Miyasaka N, Nishioka K, Kashiwazaki S 副論文公表誌 1)慢性関節リウマチとCD44.臨免疫 25(3)   339-345(1993)小竹 茂

2)好酸球,増多筋痛症候群.日臨50(7)

  1650-1655(1992)小竹 茂,柏崎禎夫

3)好酸球,増多筋痛症候群.呼吸11(8)

  973-978(1992)小竹 茂,柏崎禎夫 一749一

参照

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