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ハロゲン置換トロポロン類の分子内プロトン移動に 関する研究

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

ハロゲン置換トロポロン類の分子内プロトン移動に 関する研究

辻, 剛志

Interdisciplinary Graduate School of Engineering Sciences, Kyushu University

https://doi.org/10.11501/3065547

出版情報:Kyushu University, 1992, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)
(3)

ハロゲン置換トロポロン類の分子内プロトン移動 に関する研究

活性種解析学講座

辻 剛志

(4)

目次

ページ

第2章 理論的背景

2 - 1 プロトントンネリング 2 - 2 トンネリング分裂

2 - 3 トンネリング成分間の選択則 2 - 4 トンネリング成分の帰属

内べU 円、u nべu nHd nJU -- 1i 1A 1i ヮ“

第1章 序論 ・ ・

第3章 実験装置 26

第4章 超音速ジェ ット中の5ーブロモトロポロンおよび 5ークロロトロポロンの電子スペクトル

4 - 1 序論 4 - 2 実験方法 4 - 3 結果

A. 5BTRの蛍光励起および蛍光発光スペクトル B. 5CTRの蛍光励起および蛍光発光スペクトル 4 - 4 考察 ・ ・

nHu nHu nぺυ 内ぺu nべu nfu のfu nべu nぺu nペu nぺu η、u a4A phd

第5章 超音速ジェ ット中の3, 7 - ジクロロトロポロンおよび 3. 7 - ジプロモトロポロンの電子スペクトル

5 - 1 序論 5 - 2 実験方法

n八u nku nHU

「円υ

「円u nhu

(5)

5 -3 結果と考察

A. 37DCTRの蛍光励起および蛍光発光スペクトル B. 37DBTRの蛍光励起および蛍光発光スペクトル

nHu nHu

'EA

nhu nhU 円,e

第6章 超音速ジェ ット中の3ークロロトロポロンおよび 4ークロロトロポロンの電子スペクトル

6 - 1 序論 6 - 2 実験方法 6 -3 結果

A. 3CTRの蛍光励起および蛍光発光スペクトル

B. 4CTRの蛍光励起および蛍光発光スペクトル 6 - 4 考察

B. ν'26プログレ ッシ ョ ン

F円υ Fhd nxu nxu nxu s斗A nHU FhJv 'tA

司''

円te 円,e

司''

円e'e nxu nxu nxu nud A. プロトンの局在化

第7章 半経験的分子軌道計算による

二重極小ポテンシャル面の解析 100

7 - 1 序論 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 100 7 - 2 計算方法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 100 7 -3 計算結果および考察 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 101

第8章 総括 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 112

(6)

第1章 序論

化学における主な関心事の一つは化学反応の制御である。 分子間あるいは分 子内でおこる化学反応を物理化学的に記述した場合、 系を構成する原子の核問 距離の変化と考えることができる。 核問距離の変化には系のポテンシャルエネ ルギーの変化が伴う。 例えば、 二原子分子の原子間距離Rの変化に対するポテン シャルエネルギーVの変化はMorse関数

VCR)=Do{1-exp[-aCRo-R)]}2

で与えられる。 多原子系においてもポテンシャルエネルギ一面は各原子の核問 距離の関数として表すことができる。 したがって、 化学反応がどのような機構 で起こっているかは、 系がポテンシャルエネルギ一面のどの部分をどのように して移動するか、 として記述される。 化学反応の制御のためにはポテンシャル 関数の解析が重要である。

水、 アルコールなどの物質においては、 0-8…Oのように水素原子を挟んだ比 較的弱い静電的な結合が存在する。 これは水素結合と呼ばれ、 一般に08、 問、

X8 C X :ハロゲン原子)と0 、 N、 ハロゲンなどの原子との聞に生じる。 水素結合 は、 化学の分野のみならず、 生物化学など様々な分野においても非常に重要で ある。 例えば、 生体内で重要な役割を果たしている物質、 DNA、 タンパク質など の高次構造は水素結合によって保たれている。

水素結合が一つの分子の内部で形成されている例も数多く存在する。 また、

0-8 …O→0…8-0のように水素結合に沿ったプロトン移動が起こる分子も数多く 存在する。 このような分子内プロトン移動が起こる分子は、 化学反応のモデル として、 また、 分子記憶素子、 プロトン移動レーザ素子等のデバイスとして、

様々な可能性を有し、 これらの分子を分光学的に研究することは興味深い1 )。

(7)

水素結合に沿った分子内プロトン移動に関する ポテンシャル曲面は二重極小 ポテンシャル関数によって表されることが知られている。 プロトン移動は、 ポ テンシャル面の 一方の極小部〈井戸〉からもう一方の極小部への移動として記 述されるが、 系のエネルギーがポテンシャル障壁よりも小さい場合においては プロトンは量子力学的なトンネル効果によりポテンシャル面の障壁を透過して 移行する。 このようなプロトンの移動の機構は、 プロトントンネリングと呼ば れており、 非常に注目されている。

分子内プロトン移動が起こる分子に は大きく分けて2つのタイプの構造が存 在し、 分光学的な測定の方法も異なる。 一つは、 プロトン移動が起こった後の 構造が起こる前と同ーであるタイプである。 この場合、 物理的な性質は全く変

化しない。 9ーヒドロキシフェナレノンC9 HPO, 1 )はその典型的な例である。 一 方、 もう一つのタイプである2一( 2ーヒドロキシフェニル〉ぺンゾチアゾル

CHBT, n )のような分子では、 プロトン移動はエノール付ケト反応であり、 物理 的に 異なった性質の分子が生成される。

H

ぴ '0

H

0/ 、b

4・岳ー

1

(9HPO)

2 -

(8)

Iのタイプの分子では、 プロトン移動に関する二重極小ポテンシャル曲面の

られる。 この場合 、 プロトンの移動は定常的な分光測定によってエネルギー準 形状は対称であり、 プロトンは2つの酸素原子の聞に非局在化していると考え

位の分裂として観測することができる。 プロトンの移動速度は分裂幅から見積 られる。 Bo ndybey等は2)9HPO-hについてネオンマトリックス中の蛍光励起スぺ クトルを 測定し、 S1状態の振動基底準位の分裂幅を 311cm-1 、 S。状態の分裂幅を 69cm-1に見積もった。 さらにRossetti等は、 プロトンを重水素に置換した 9HPO-dの蛍光スペクトルの測定によって、 ポテンシャル障壁の高さは、 S1状態 で1468--3047cm-1 、 S。状態で4950--12520cm-1であると見積もった8 )。

Eのタイプの分子ではポテンシャル面は非対称であり、 プロトンは井戸の深 い方、 すなわち、 エネルギーの低い方の構造をとるように移動する。 このよう

な系では、 多くの場合電子励起状態においてのみプロトン移動の観測が可能で あり、 プロトンの移動速度は時間分解分光法によって直接測定することができ る。 HBTについては吸収帯よりも約150nm低エネルギー側に観測される発光帯 の 立ち上がり時間の測定により、 プロトン移動の速度定数がk>1011S-1と見積もら れている4.5〉O

トロポロン(TRN)は七員環とO-H…Oの分子内水素結合部位を持つ分子であり、

二個の等価な互変異性体構造が存在する。 したがって、 Iのタイプに属する分 子であり、 9HPOやマロンアルデヒド(MA)とと もに分子内水素結合およびプロト ントンネリングのモデルとして分光学的に研究されてきた。

トロポロンにおけるプロトントンネリングによるエネルギー準位の分裂を最 初に観測したのはAlvesとHollasである6)。 彼らは室温における トロポロン蒸気 のSo(

Y

l A 1)-S1(

τ

1 B 2 )吸収スペクトルを解析し、 0-0遷移、 すなわちSo状態の振 動基底準位からS1状態の振動基底準位への遷移によるバンドに分裂幅18.93 cm-1の二重分裂構造が存在することを見いだした。 その分裂幅は、 水酸基の水

(9)

素原子を重水素に置換したとき2. 2cm-1に減少し、 この分裂構造がプロトントン ネリングによるものであることが示された。 その後、 彼らはトンネリング分裂 したバンドを励起して得られた蛍光発光スペクトルの振竜構造が類似している ことから、 0-0バンド以外のいくつかの振電モードのバンドにおいてもトンネリ ング分裂を見いだした1 ) 。

5

44圃, 、・ーー』ー

tropolone (TRN-h)

RossettiとBrusは8 )ネオンマトリックス中の蛍光励起スペクトルを測定し、

0-0バンドのトンネリング分裂騒を測定した。 さらに、 彼らはプロトン移動座標 Rに関するこ重極小ポテンシャル曲線を関数

V(R)=A(R4-BR2)

で近似し、 X線結品解析による水素結合距離の値を基にして励起状態のポテンシ ャル障壁の高さを497-- 1708c皿ー1の範囲に見積もった。

トロポロンのプロトントンネリングを研究するために非常に有力な助けにな ったのは、 超音速ジェ ット分光法の登場である。 超音速分子流は分子の高圧気 体を小径のオリフィスを通して高真空中に噴射することによって形成される。

この過程で分子の振動、 回転温度は断熱冷却される。 さらに、 希ガスマトリッ - 4 -

(10)

クス中に比べて優れている点は、 超音速分子流中では分子の運動方向が揃うこ とにより、 互いに衝突のない孤立分子状態が実現されることである。 このため、

振電準位の自然幅はマトリックス中に比べて非常に狭くなり、 波長分解能のす ぐれたレーザを 励起光源として用いることにより、 溶液中はもちろんのこと、

マトリックス中に比べても非常に分解能の優れた電子スペクトルを測定するこ とが可能である。 Tomioka等9)の測定した超音速ジェ ット中のトロポロンの蛍光 励起スペクトルにおいては、 トンネリング分裂が0-0遷移だけでなく、 その高波 数側に約70cm-1の間隔で続く3本のバンドにおいても観測された。 これらのバ ンドはO-H…0キレート部分を含む面外振動モードに帰属された。 また、 超音速 ジェ ット中で形成したH 20やCH80Hとの分子関水素結合による錯合体ではプロト ントンネリングが起こらないことが明らかになった。 Tomioka等はプロトンの変 位Rに関するポテンシャル関数を

V(R)=1/2えR2+Aexp(-a2R2)

と近似した一次元のモデル計算により、 s 。、 Sl状態のポテンシャル障壁の大き さをそれぞれ5890cm-1 、 4690cm-1に見積り、 So状態の分裂幅は6.2cm-1であると 見積もった。 ただし、 トロポロンのSo状態における零点振動準位の分裂幅は、

最近Tanaka等10)のマイクロ波分光法による測定により、 0.99cm-1と求められて いる。

Redington等は以前から赤外、 ラマンスペクトルによるトロポロンの振動の解 析を行ってきたが11 ) 、 超音速ジェ ット中の蛍光励起スペクトルに観測されるバ ンドについても帰属を行った12)0 Tomioka等により観測された70cm-1の面外振

動モードのバンドは260n(n=2, 4, 6,...)遷移に帰属された。

Sekiya等は18-16)蛍光励起スペクトル中のいくつかのバンドに対しSVLF (Single Vibronic Level Fluorescence;単一振電準位蛍光)スペクトルを測定

し、 多くの振動モードのバンドに対するトンネリング分裂を帰属した。 特に

(11)

ν'18、 ν'14、 ν・26(V' �主8)モードのバンドについてはRedington等による帰属 には誤りが存在することを見いだし、 新たに帰属を行った。 その結果、 ν'ls 、 ν'14モードのバンドにおけるトンネリング分裂幅が0-0遷移やν'26モードのバ ンドに現れる分裂幅よりも大きいことから、 これらの振動がプロトントンネリ ングと強く結合していることを示した。 図1- 1にSekiya等によって測定された超 音速ジェ ット中のトロポロンの蛍光励起スペクトルを示 す。

最近、 Redington等16・1 7 ) 、 Sekiya等1 8・19 )は酸素原子や骨格部の水素原子を

同位体置換したときのスペクトル変化を解析することにより、 どの振動モード がプロトントンネリング過程に影響を与えるかについての議論を行った。 その 結果、 O-H・・・0キレート部分を含む面内振動モードがプロトントンネリングの促

進に重要な役割を果たしていることが示唆された。

このように、 トロポロンに対しては振動基底状態だけではなく、 多くの振動 モードについてプロトントンネリングに関するポテンシャル関数の解析が行わ れている。 これが可能である理由は、 超音速ジェ ット分光法を用いることによ り、 実際にこれらの多くの振動モードにおいてトンネリング分裂が観測される からであり、 9HPOやMAと比べてトロポロンは分子内プロトントンネリングを研 究するために有利な分子であると考えられる。

一方、 トロポロンについての研究は詳細に行われているが、 トロポロンの七 員環部分に置換基を有する誘導体についての分光学的研究報告例は数少ない。

これは9HPOやMAについても同様であり、 これらの分子の水素結合と置換基の影 響について報告された例はわずかである2 0・21 )。

トロポロンの七員環に様々な置換基を導入した場合、 これらの置換基がプロ トントンネリングにどのような影響を与えるかは非常に興味ある問題である。

例えば、 トロポロンはIのタイプの分子であるが、 七貝環の4、 5位にベンゼ ン環を付加した4, 5-べンゾトロポロン(45BETR)では二重極小ポテンシャル

- 6 -

(12)

《?: 22p. ;

-l 11 11

14� 1426;

250260|

4 6 : 2 5 �

i L.

,0

116

V 1 I I � . I1

図1-1 超音速ジェット中のトロポロン(TRN-h)の蛍光励起スペクトル.

(1. Phys. Chem., �, 10311 (1991).)

(13)

面の安定な井戸はSoとS 1状態で逆転し、 溶液中および希ガス低温マトリックス 中で励起状態プロトン移動が観測されるZZ ) 。 すなわち、 Eのタイプに属する (最近の当研究室における解析では3, 4-べンゾトロポロンでも同様の結果 が得られたZ8) ) 。 このような変化を適当な置換基を導入することによって任意 に制御できればトロポロンを分子メモリ、 4準位プロトン移動レーザ色素等に

利用できる可能性が拡がると考えられる。

これまでに、 トロポロンの誘導体で励起状態におけるプロトントンネリング

について報告された45BETR以外の分子は、 当研究室で超音速ジェ ット分光法に よる解析を行った3一、 4-、 および5 -イソプロピルトロポロン(3, 4,

5IPT)Z4)と3ープロモトロポロンC3BTR)25)のみである。 これらの分子に対する 解析の結果、 トロポロンの七員環の非対称位への置換基の導入は0-8・・・0座標に 関するポテンシャル曲線の非対称化をもたらし、 3IPTではポテンシャル面はや や非対称になる、 3BTRではポテンシャル面の非対称性はさらに大きくなり、 超 音速ジェ ット中ではプロトン移動は起こらないという結果が得られた。 一方、

4IPTと5IPTについては明確な結論は得られていない。 また、 これらの置換基の いかなる性質によってポテンシャル面の形状が変化するのかということについ ても不明な点が多い。 最近の大型計算機の発達によりab initio計算等による分 子構造の解析法もかなり発達してきているが26 ) 、 大きな分子に対しては対称性 の良い場合を除いて、 置換基が導入された場合の変化や、 励起状態におけるポ

テンシャル面の解析にはかなりの時間と経費を要する。

このように、 ポテンシャル面の形状変化を理解するためには、 さらに多くの トロポロン類について系統的な解析を行い、 実験結果を集めることが必要 であ ると考えられる。 本研究ではトロポロンの七員環にハロゲン原子を置換したト ロポロン類について超音速ジェ ット分光法を用いた解析を行った。

本論文は以下の8章より構成されている。 第1章では、 序論として本研究の

- 8 -

(14)

5

3CTR-h

Br 5BTR-h

3BTR-h CI

CI

Br

CI

4CTR-h 5CTR・h

CI Br Br

3,7 DCTR-h 3,7DBTR-h

(15)

位置づけと意義を示した。 第2章では、 実験結果から分子内プロトントンネリ ングを解析するために必要な理論を述べた。 第3章では、 本研究で用いた超音

速ジェ ット分光装置について説明した。 第4章では、 七員環のプロトン移動に 関して対称な5位にBrおよびCl原子を置換した5ーブロモトロポロンおよび5 ークロロトロポロンの蛍光スペクトルを解析した。 第5章では、 対称性を保ち ながら置換基の位置の違いによる影響を調べるために3, 7-ジクロロトロポ ロンおよび3, 7ージブロモトロポロンについて解析した。 第6章では、 プロ トン移動に関して非対称な3位および4位にCl原子を置換した3 -クロロトロ ポロン、 3 -ブロモトロポロンについて解析を行った。 第7章では、 ハロゲン置 換トロポロン類の構造およびエネルギーを半経験的分子軌道計算によって求め、

実験値との比較を行った。 第8章では、 総括として、 本研究によって得られた ハロゲン原子の分子内プロトントンネリングに与える影響についてまとめた。

参考文献

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- 10 -

(16)

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(12)R. L. Redington. Y. Chen. G. J. Scherer. R. i. Field. J. Chem.

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(13)H. Sekiya, Y. Nagashima. Y. Nishimura, Bull. Che皿. Soc. J pn.. 62.

3229 (1989).

(14)8. Sekiya. Y. Nagashima. Y. Nishimura. J. Chem. Phys., 92. 5761 (1990).

(15)8. Sekiya. Y. Nagashima. Y. Nishimura. Chem. Phys. Lett. 160.

581 (1989).

(16)R. L. Redington. T. E. Redigton. M. A. Hunter. R. i. Field. J.

Chem. Phys.. 92. 6456 (1990).

(17)R. L. Redington. J. Chem. Phys.. 92. 6463 (1990).

(18)H. Sekiya. K. Sasaki, Y. Nishimura. Z. H. Li, A. Mori, 8. Takeshia.

Chem. Phys. Lett.. 173. 285 (1990).

(17)

(19)H. Sekiya. Y. Nagashima. 1. Tsuji. Y. Nishimura. A. Mori. H.

T a k e s h i t a J. P h y s . C h e m.. 95 1 0 3 1 1 (1 9 9 1 ) .

(20)9HPOについては; (a)R. Rossetti. R. Rayford. R. C. Haddon. L. E.

B r u s , J. A m . C h e m . S 0 C., 103 4 3 0 3 (1 9 8 1 ); (b ) V . E. B 0 n d y b e y , R. C.

Haddon. P. M. Rentzepis, J. Am. Chem. Soc., 106, 5969 (1984); (c) G.

D. Gi11ispie, M. H. Benthem, M. Vangsness, J. Phys. Chem., 90, 2596 (1986).

(21)MAについては; (a)D. W. Schiering J. E. Katon. Appl. Spectrosc.,

40, 1049 (1986); (b)S. F. Tayyari, Th. Zeegers-Huyskens, J. L. Wood,

Spectroshim. Acta. Part A, 35, 1289 (1979).

( 2 2 ) D . J. J a n g , G. A . B r u c k e r D . F . K e 11 e y J. P h y s . C h e m.. 90, 6 8 0 8 (1986).

(23)最近の当研究室の研究成果では超音速ジェ ット中で34BETRおよび45BETRに おける励起状態プロトン移動が観測された。 孤立分子状態では二重蛍光が観測 され、 プロトン移動にはエネルギー障壁が存在すると考えられる。

(24)H. Sekiya. H. Takesue. Y. Nishimura. Z. H. Li, A. Mori, H.

Takeshita, J. Chem. Phys.. 92, 2790 (1990).

(25)H. Sekiya. K. Sasaki, Y. Nishimura, A. Mori. H. Takeshi ta, Chem.

Phys. Lett.. 174. 133 (1990).

(26)例えばTRN-hのSo状態については; R. L. Redington, C. W. Bock, J.

P h y s . C h e m.. 95 , 1 0 2 8 4 (1 9 9 1 ) .

12 -

(18)

第2章 理論的背景1 )

2 - 1 プロトントンネリング

トロポロン、 およびその誘導体の分子内水素結合に沿ったプロトンの移動に 関するポテンシャルエネルギーは、 簡単な一次元のモデルを用いた場合、 図2- lのような二重極小ポテンシャル曲線で表される。 この曲線は、 例えば水素結合 距離の変位Rの関数として

V(R)=A(R4-BR2)tCR

V(R)=aR2tvoexp[-α(R-Ro)2J

( 1 ) (2) などによって近似することができる。 ここで、 A 、 B、 Vo 、 α、 はポテンシャル 障壁の形状を特徴づける定数であり、 c、 Roは非対称項である。 トロポロンのよ うにポテンシャル関数が対称な場合にはC=o、 Ro=Oである。

プロトンが2つの酸素原子の聞を移動するとき、 トロポロンの振電状態を表 す波束は二重極小ポテンシャル面の聞を移動することになる。 この移動は熱的 に極大部分(ポテンシャル障壁)を越えるのではなく、 量子力学的なトンネル効

果によって波束が障壁を透過することによっておこる。 これはプロトンの移動 が超音速ジェ ット中のような冷却された状態で観測されることから明らかであ る。 一般に、 このようなプロトンの移動はプロトントンネリングと呼ばれる。

プロトントンネリングはアンモニア分子における分子内反転モードにおいても 観測されている2 )。

2 -2 トンネリング分裂

トロポロンのプロトンは非常に速い速度で2つの井戸の聞を移動している。

(19)

占R ハU 「巳

E�+

o: 0- 。+ O�

+

E

0-

�II一一

Eo十

O-H-O COORDINATE

図2-1 プロトン移動座標に沿った二重極小ポテンシャル曲線の模式図.

- 14 -

(20)

このようなトンネリングによる速いプロトン移動が起こっているとき、 換言す ればプロトンが非局在化しているとき、 各振電エネルギー準位は二つに分裂す る。 この分裂はトンネリング分裂と呼ばれ、 定常的分光法ではスペクトル中に トンネリング分裂が観測されるかどうかによって、 プロトンが非局在化してい るのか、 局在化しているのかを知ることができる。 さらに、 分裂幅からプロト

ンの移動速度、 ポテンシャル障壁の高さ、 および幅を見積もることができる。

プロトンが二重極小ポテンシャルの一方の井戸に局在化しているとき、 二つ の状態の波動関数とエネルギー固有値が

Hlφ1 = E 1φ1

H2φ2=E2φz (3)

で表されるとする。 次に2つの状態の聞に存在する相互作用J1 2によりプロトン 移動が起こると考えると、 相互作用の存在する状態に対する波動方程式は

(H l+H 2+J12)W =EW W =C 1φ1+C2φ2

(4) (5)

になる。 したがって、 プロトンが非局在化している状態の固有関数およびエネ ルギー固有値は方程式

(E1-E)Cl+J12C2=Q

J12Cl+(E2-E)C2=Q (6)

を解くことによって求められる。 ここで

J 1 2 = <φ1 I J 1 2 Iφ2 > =くφ2 I J 1 2 Iφ1> (7)

である。 また、 プロトンの非局在化によって系が安定化することから

よ以ふ怠

ある。

(6)式においてC1=C2=Q以外の解が存在する条件は (E1-E) J12

J 1 2 (E2-E) 二。 (8)

(21)

であるから

(E1-E)(E2-E)ーJ122=0

.・.E={(E1+E2):t [(EI-E2)2+4JI22] 1/2}/2 したがって、 (9)式からエネルギー準位が

E+={(E1+E2)ー[(EI-E2)2+4JI22] 1/2}/2 E-={(E1+E2)+ [(EI-E2)2+4JI22] 1/2}/2

(9)

( 10)

の2つに分裂することがわかる。 これがトンネリング分裂であり、 分裂騒は

!:1 = 1 E--E+ 1

= [(EI-E2)2+4JI22] 1/2

である。 ポテンシャルが対称であるとき、 すなわち、 E1=E2のときには

E+=E1+JI2 E-=E1-JI2

!:1=21 J12 1

( 11 )

(12)

である。 式(11 )よりトンネリング分裂幅A は2つの局在化した状態のエネルギ

ー差と相互作用の大きさによって決まることがわかる。 ただし、 プロトンが非 局在化する条件は

(EI-E2)2<{4JI22 ( 13)

である。

次に、 プロトンが一方の井戸から他方の井戸へ移動する遷移確率は、 式(4)を 変形した時間依存の波動方程式

(H1+H2+JI2)W=iñ a W /θt (14)

から得られる。 ここで、 Wは式(12)の固有値およびそれらに対応する固有関数 W +, Wーを用いて

W =c+ W +exp( -iE+ t/仇)+c-W -exp(-iE-/れ) ( 15 ) と表される。 ここで、 分裂したエネルギー準位には同確率で分子が存在するこ

16 -

(22)

と から、 c+=c-=I/.r- 2であるから

w =(φ1 +φ2)exp[-i(EtJI2)t/れ]+ (φ1 φ2)exp[-i(E-JI2)t/れ]

=exp(-iEt/ñ ){φlCOS(JI2t/仇)-iφ2sin(J1 2t/仇)}

にな る。 始状態t=Oでw=φ1とすると、 φ2の期待値は p2(t)=sin2(J 12t/れ)

--(JI2t/仇)2

また、 最初にP2(t)=1となる時刻t'は

I J 1 2 I t' / ñ =π/2 より

t' =h/41 J12 I

である。 したがって、 遷移確率kは相互作用ハミルトニアンにより k=P2(t' )/t' =4 I J 12 I /h

で与えら れる。

さらに、 この相互作用がポテンシャル障壁 の高さと幅によってどのように表 されるかを示す。 簡単のために図2-2のような一次元の高さU、 幅aの矩形型の障

( 16)

(1 7)

( 18)

(19)

(20)

壁に換算質量m、 運動エネルギ-E、 の粒子が左から入射する場合を考える。 図 中の各領域における波動方程式は

r. 111) d2φ/ dx 2 =-α2φ, α2=2mE/れ2 À 2=2m(U-E)/ñ 2

、、jvaEA v--&

d2φ/ dx 2 = À 2φ,

であり、 これら の解は

φI=exp(iαx)+Rexp(-iαx) φ1 I二Aexp(À x)tBexp(-À x)

ゆIII=Texp(iαx)

である。 ここで重要なのは粒子が透過する確率、 透過係数 TT*=4E(U-E)/{U2sinh2 À a+E(U-E)}

(21)

(22)

(23)

(23)

11\

1 1 111

、、

11\ ,.

U

E

a

!、d、〆

V 、、

×

図2-2 プロトントンネリングの模式図. 一次元の矩形型ポテンシャル障壁を透 過する粒子.

18

(24)

である。 特に E< Uのとき(23)式 は

TT*,_, exp{ -2a[2m(U-E) ] 1 /2/れ} (24)

になる。 単位時間に 障壁に入射する粒子の数をN 。とすると、 単位時間あた りに 透過する粒子の数、 すなわち、 トンネリングの遷移確率は

k=NoTT・ (25 )

である。 したがって、 式(20)、 (25)から相互作用の大きさ はポテンシャル障壁 の高さ、 および幅によって

I J12 I ""exp{-2a[2m(U-E)]1/2/仇} (26)

と表さ れる。 この式(13)、 (26)からトンネリング分裂幅は、 ポテンシャル障壁 の高さおよび幅が増加するにしたがって減少すること がわかる。 さ ら に 遷移時 間は E1=E2のとき、 分裂幅から式(1 9)より

t' = l/k=h/(2 Ll )

で見積もること ができる。

2 - 3 トンネリング成分間の選択則

(27)

蛍光スペクトル等、 定常的分光法によってトンネリング分裂を観測する場合、

スペクトル中に は基底状態および励起状態でそれぞれ分裂した振電準位聞の電 子遷移が現れる。 図2-1に示したように、 基底状態、 励起状態 における分裂した

零点振動準位をEo+, Eo-、 Eo+*, Eo-*と表し、 これらの準位聞の遷移を0++、

0-ー、 0+-、 0-+と表すと、 これらの遷移が観測されるか否かはポテンシャルの対 称性を知る手がかりになる。

式(10)の固有値Lに 対応する連立方程式(6)は fCl+JI2C2=0

J12Cl+tC2=0 (28)

(25)

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z

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~4-一

~ る

こ E

C

に し

(29)

(CI-JI2C2=0

JI2Cl-fc2=0 (30)

である。

式(28)からは

(f -J12)Cl-( (-J12)C2=0 これとCI2+c22=1より

Cl=(( -JI2)/{( f -JI2)+(( -J1Z)}1/2 C2=( f -JI2)/{( f -JI2)+(( -J1Z)}1/2 が求められる。 ただし、 (13)の条件から

f-JI2>0 (-JI2>0

であるので、 C1とC2の符号は一致する。

一方、 式(30)からは

(( -JI2)Cl+( f -JI2)C2=0 より

(31)

(32)

(33)

(34)

- 20

(26)

c1=(f -J12)/{(f -J12)+(( -J12)}1/2 C2=ー(( -J12)/{(f -J12)+(( -J12)}1/2 が求めら れる。

(35)

したがって、 式(32)を満たすC1、 C2の値をα、 βとおくとE+、 Eーに対応する固 有関数 は

W +=αφ1 +βφ2

w -=βφ1 -αφ2 (36)

になる。 とくにポテンシャルが対称であるときにはα=β=r2-1/2である。

次に励起状態における振電準位の固有関数を w・=Cl・φ1+ C 2・φ2.

(Cl., C2.)=(α 事, β‘), (β$, -α・〉

で表すと、 基底状態からの遷移モーメントは M=くWI er I W. >

=くC1φ1 + C 2φ2lerlcl.φ1.+C2・φ2・〉

である。 ここで固有関数をBorn-Oppenheimer近似により Clφ1+C2φ2

=φ(r,R){Cl X 1(R)+C2 X 2(R)}

C1*φ1.+C2.φJ

(37)

(38)

(39)

=φ*(r.R){Cl. X 1(R)+C2. X 2(R)} (40)

の形に分離する。 式(38)、 (39)、 (40)においてゆ(r,R)は電子状態に対する固有 関数、 χ(R)は振動の固有関数 で基底状態と励起状態で変化しないことを仮定し ている。 これらを式(31)に代入すると

M=くψIer Iψ. >くCIX 1+C2X 21 Cl.X 1+C2*X 2>

=<φI er Iφ.>(CICl・+C2C2.)

ここでくxllX l> =くx21 x2> =1、 くX 1 I X 2 > =0である。

(41 )

(27)

式(42)の第2項はポテンシャルが対称なとき

Cl=Cl*=r2、 C2=C2*=:t r2 (42)

の場合 はゼロにならないが

Cl=Cl*=r2、 (C2・C2・)=( r2,-r2)

または =(-r2,r2) (43)

のときゼロになる。 すなわち、 (+)→(+ )と(-)→(-)の遷移のみが観測される。

別の表現をすれば、 スペクトル中で(+)→(けとし)→(ー)の遷移のみが観測され るならば、 ポテンシャルは 対称であると考えられる(偶然αβ$ーβα*=0となる 場合を除く) 。 この場合、 超音速ジェ ット中の分子のスペクトル中に観測される トンネリング分裂の幅は励起状態のある振電モードにおける分裂幅ムにから基

底状態の零点振動準位における分裂幅D. 0" を引いた量ID.v'-D.o" Iになる。

一方、 それ以外の(+ )→(ー)、 (-)→(+ )の遷移も観測されるならばポテンシャ ルは非対称である。

2 - 4 トンネリング成分の帰属

以上のように、 トンネリング分裂からポテンシャルの形を見積もるためには、

第一に電子スペクトル中に現 れる多くのバンドの中からプロトントンネリング によって分裂した成分を正しく帰属する必要がある。 そのための解析方法を以

下に示す。

①同位体効果

式(19)、 ( 26)で示したようにトンネリング分裂幅は障壁を透過する粒子の換 算質量が増加するにつれて減少する。 トロポロンや9HPOなどのいくつかの分子 内水素結合を有する分子種については、 粒子の換算質量の大部分はプロトンの

- 22 -

(28)

質量であると仮定すると、 プロトンを重水素に置換した場合、 換算質量は約2 倍に増加し分裂幅は減少する。 したがって、 電子スペクトル中のある2本のバ ンドがプロトントンネリングによって2つに分裂した成分間の遷移によるもの であるかどうかを判断するには、 プロトンを重水素に置換し、 それらのバンド 間の間隔が他のバンド間の間隔に比べて大きく減少するかどうかを観察するの が基本的な手段である。

②SVLFスペクトル

超音速ジェ ット中の分子がSI状態のある振電準位に励起された場合、 衝突が 存在しないので励起エネルギーが内部転換する確率は小さい。 したがって、 蛍 光発光スペクトルには励起されたSI状態の振電準位から基底状態の振電準位へ の遷移が観測される。

ここで、 プロトントンネリングによって分裂したSI状怒の振電準位(振動モー ドν y' )の振動の固有関数を

x y' +.. =α ・x y・1 +β‘x y・2

χ v- J=α ‘χ v・1 - ß‘χ v・2 (44)

とする。 これらの準位からS。状態の振電準位(振動モードν v・)への遷移の選択 則は振動の固有関数の重なり積分

S y' . y. =くx y ・I c 1 X y. 1 + c 2 X y. 2 > (45)

がゼロになるかならないかによって決定される。 式(44)の .x y +..に対応する重 なり積分の値は

S y' +. y・=くα ・.x y' 1 +β.. X y・2 I c 1 X y. 1 + c 2 X y. 2 >

= (α "Cl+β・C2)< X y・1 I X y.l > (46) になる。

(29)

ここで

く x v・1 I x v. 2 > = < x v' 2 I x v. 1 > = 0 く x v・1 I x v. 1 > < x v・2 I x v. 2 >

を用いた。 一方、 式(44)のx y' ·に対応する重なり積分の値は S y' - y・=く α ‘x y・1-β• x y' 2 I c 1 X y. 1 + c 2 X v. 2 >

二(α ・Cl-β・C2)くX y' 1 I X y. 1 >

(47) (48)

(49)

である。 式(46)、 (49)の(…)内は一般にゼロでないので、 重なり積分Sv・+.v・、

S y'ー. v.がゼロになるかどうかを決定するのは、 積分くX y・1 I X y.l >であり、

これは式(46)、 (49)に共通である。 すなわち、 プロトントンネリングによって 分裂したSI状態の振電準位から基底状態の振電準位への遷移の選択則は等しく、

励起スペクトル中のプロトントンネリングによって 分裂した2つのバンドをそ れぞれ励起して得られる蛍光発光スペクトルはほぼ等しい振電構造を持つ。 し たがって、 SVLFスペクトルを測定すること により、 それらのバンドがプロトン トンネリングによって分裂したものかどうかを判断すること ができる。

ただし厳密には、 ポテンシャル面の非調和性により分裂した準位の振動に関 する波動関数はわずかに異なり、 Franck-Condon因子の違いによる相対的なバン

ド強度の違いがみられる。

③バンド強度の温度変化

①、 ②の方法によってわかるのこと は、 1対のバンドがSI状態において トン ネリング分裂した準位への遷移であるかどうかである。 次に、 それらのバンド がS。状態のどのような準位からの遷移であるかを帰属しなければならない。 S。

状態においてプロトントンネリングによる零点振動準位の分裂が存在したとす ると、 (一)準位に分布する分子と(+)準位に分布する分子の数の比は、 S。状態の 分裂帽をó. "とすると、 Boltzmann分布 により

24 -

(30)

P-/P+=exp(-ß" /kT) (50) で与えられる。 kはBoltzmann定数、 Tは分子の振動温度である。 したがって、

(-)準位からの遷移のバンドの( + )準位からの選移のバンドに対する相対強度は 分子線の温度が低下するにしたがって低下する。 したがって、 分子線の温度を

低下させた場合、 バンドの強度が低下するかしないかによってそのバンドがれ) 準位からの遷移であるか、 または(-)準位からの遷移であるかが判断できる。

さらに式(50)から、 ポテンシャルが非対称な場合、 基底状態の分裂幅が大き くなることにより、 ジェ ット中の温度での(一)準位における分布が非常に小さく なりスペクトル中には(+)準位からの(+)→(+)遷移、 (+)→(-)遷移のみが観測さ

れることが多い。

参考文献

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〆,‘、

(31)

素原子を重水素に置換したとき2.2cm-1に減少し、 この分裂構造がプロトントン ネリングによるものであることが示された。 その後、 彼らはトンネリング分裂 したバンドを励起して得られた蛍光発光スペクトルの振電構造が類似している ことから、 0-0バンド以外のいくつかの振電モードのバンドにおいてもトンネリ ング分裂を見いだした7 )。

0_" .H 、0

5

H、

Oノ '40_0

咽lIf: 通・・

tropolone (TRN-h)

RossettiとBrusは8)ネオンマトリックス中の蛍光励起スペクトルを測定し、

0-0バンドのトンネリング分裂幅を測定した。 さらに、 彼らはプロトン移動座標 Rに関する二重極小ポテンシャル曲線を関数

VCR)=ACR4-BR2)

で近似し、 X線結品解析による水素結合距離の値を基にして励起状態のポテンシ ャル障壁の高さを497""" 1708cm-1の範囲に見積もった。

トロポロンのプロトントン ネリングを研究するために非常に有力な助けにな ったのは、 超音速ジェ ット分光法の登場である。 超音速分子流は分子の高圧気

体を小径のオリフィスを通して高真空中に噴射することによって形成される。

この過程で分子の振動、 回転温度は断熱冷却される。 さらに、 希ガスマトリッ - 4 -

(32)

第3章 実験装置

蛍光励起、 および蛍光発光スペクトルの測定は、 すべて超音速ジェ ット中の 分子に対して行った。 超音速分子流は図3-1に示すような真空漕中に高圧の分子

気体を噴出させることにより形成され、 分子は孤立かつ振動、 回転冷却された 状態になる1 )。

図3-2 に本研究で用いた超音速ジェ ット分光装置のブロ ック図 を示した。 装置 は分子流を噴出するパルスノズル、 励起用のパルスレーザ一、 および蛍光また はイオンの検出系からなる。

これらはすべてマイクロコンビュータCNEC PC-9801)のプリンタ端子から出力 されるトリガパルスによって同期される。 トリガパルスによってノズル駆動用 のパルス発生器がパルス電圧を発生する。 これは実験条件によって多少変化す るが、 およそ電圧50V 、 パルス幅100μsに調節した。 ノズルは自動車エンジン用 の電気式燃料噴射ノズル(ホンダ16450-PDI-023)を改造したもので、 0.3mmの試 料噴出用のオリフィスを持つ。

図3-1に試料が準備されるノズルハウジングと試料が噴射される真空漕を示し た。 ハウジング内の試料はコイルヒータによって熱せられ、 気化する。 ハウジ

ング内にはHeがキャリアガスとして導入される。 背圧はHe圧によって調節され る。 真空漕は6 、10インチの2つの拡散ポンプで排気され、 ノズルを約3Hzで動作 させた場合の真空漕内の圧力は4---6x 10-6Torrである。 ノズルハウジングは前

後に可動であり、 ノズル先端とレーザ一光の光路との距離を調節することが可 能である。

真空漕内に噴出された試料はN2レーザCMolectron UV2 2)励起の色素レーザ CMolectron DLI4P;FiHM 0.7cm-1)によって励起される。 N2レーザはノ守ルスジェ

(33)

HelNLET

PHOTOMULTIPLlER ION DETECTOR

L,J--:

8

-e ' ' '

aoo, .. ,o''o'

8 6 6 8

1'

o ' i a

o

a t s

DIFFUSION PUMP

超音速分子流を形成するための真空漕とノズルハウジング.

27 図3-1

(34)

0:コ

図3-2 装置のブロック図.

光, 分子線の流れを表す。

実線矢印, 鎖線矢印,

PULSED NOZZLE

治担』 POWER METER

:\

\

宇 、

PHOTOMULTIPLIER,

点線矢印は, それぞれ, 信号,

(35)

ネレータの遅延回路により、 ノズルの開き始めから1---2ms後にレーザ一光が出 力するよう調節する。 この遅延時聞は信号強度に大きく影響する。

レーザ光によって励起された試料の蛍光は、 光電子増倍管〈浜松本トニクスR955) で検出する。 蛍光励起スペクトルを測定する場合には全蛍光を検出しながら色

素レーザを走査する。 一方、 蛍光発光スペクトルを測定する場合には色素レー ザを励起スペクトル中のあるバンドの波長に固定し、 蛍光発光を回折格子分光 器(Spex 1702. O. 75m)を用いて分光し、 光電子増倍管(R955)で検出する。

電子増倍管、 光電子増倍管で検出されたイオン、 蛍光信号パルスはlk Qの終 端抵抗を通して電流から電圧信号に変換され、 デジタルストレージオシロスコ ープ(Philips PM3323)上にモニターされる。 オシロスコープのトリガのタイミ ングはレーザと同時である。 デジタルストレージオシロスコープの画面上に表

示されるパルスは、 デジタル信号に変換され、 メモリに保存される。 信号強度 を最もよく反映しているメモリ区間を選び、 データをコンビュータに転送する。

オシロスコープのコントロ ールおよびオシロスコープからパソコンへのデータ の転送にはGP-IBイ ンターフェイス(IEEE488規格)を用いた。

参考文献

( 1 )土屋荘次編, "レーザー化学\ 学会出版センター, 東京. (1984).

- 29

(36)

4

超音速ジェ ット中の5ーブロモトロポロンおよび5ークロロトロポロンの 電子 スペクトル

~対称的な置換がプロトントンネリングに与える影響~

4 - 1 序論

第1章で述べたように、 トロポロン (TRN-h)のプロトン移動に関するポテンシ

r、� ,、〆

ャル曲面 はSo(X1A1) 、 SI(A1B2)状態で対称二重極小ポテンシャル関数によって 表される。 多くの分光学的研究により、 s。、 SI状態のトンネリング分裂幅はそ

れぞれ0.99cm-1(29292MHz)1ヘ19.92cm-1 1・2 )と求められている。 一方、 単純 な一次元のモデルによると、 s。、 Sl状態のポテンシャル障壁の高さは5890 、 4690cm-1に見積もられている8 )。

TRNの七員環に電子供与性または電子吸引性をもっ置換基を導入した場合、 分 子の幾何学的構造や二重極小ポテンシャル面の形状は変化することが予測され る。 TRNやマロン了肘· tト・(MA)の誘導体において水素結合に対する置換基の影響は赤

外領域に観測されるOHの振動数を解析することにより研究されてきた4-6 )。 し かし、 溶液中の赤外スペクトルでは、 バンド幅が広いことや溶媒による摂動が 存在することから、 プロトントンネリングを観測することは困難である。 これ に対し、 超音速ジェ ット中 では孤立分子 状態が達成される ためトンネリング分 裂に関してより直接的な情報が得られる。 本章では、 七員環のプロトン移動に 関して対称な位置である5位にそれぞれBr原子 、 Cl原子 を導入した5BTR-h と

5CTR-hのスペクトルを測定した結果について述べる。 対称な位置に置換基を導 入した場合、 二重極小ポテンシャル関数は対称に保たれる。 したがって、 トン

(37)

ネリング分裂幅から、 ポテンシャル障壁の高さおよび帽に対して置換基が与え る影響を直接解析することができる。

5位にこれらのハロゲン原子を導入した場合、 水素結合の強度に大き な影響

を与え、 トンネリング分裂幅が大きく変化することが予想されるo MAにCl原子 を導入した誘導体についての実験6)および理論計算7 )は、 Cl原子が電子吸引性 を持つために分子内水素結合の強度が弱まるという結果を与えている。 逆に、

MA 6)や9ーヒドロキシフェナレノン(9HPO)8)に電子供与性のメチル基を置換し た場合には分子内結合が強まると報告されている。 このようなことから、 七員

環に置換されたハロゲン原子が電子を吸引し、 カルボニル酸素原子の電荷密度 を減少させるために水素結合が弱まることが予想される。 その結果、 ポテンシ ャル障壁の高さ、 あるいは幅が増加し、 5BTR-hや5CTR-hのトンネリング分裂幅 は TRN-hに比べて減少することが予想される。 このような予測に反し、 観測さ

れたトンネリング分裂の大きさは、 5BTR-hでは少し減少したが5CTR-hでは逆に 増加した。 これらの結果から、 水素結合強度にはハロゲン原子の持つ電子供与 性による寄与が大きいことが示唆される。

Br 5BTR-h

ー 31 -

CI

5CTR-h

(38)

上下

0二| は

上 !i T O-H-O COORDINATE

図4-1 対称二重極小ポテンシャル曲線, およびSO-Sl電子遷移の模式図.

(39)

4 - 2 実験方法

用いた実験装置は、 第3章で述べたものと同様である。 5BTR-hと5CTR-hは既

知の合成法9 )にしたがって合成を行い、 再結晶および昇華によって精製した。

プロトンを重水素に置換した5BTR-dおよび5CTR-dはノズルハウジング内に数滴 のD20を導入することによって生成した。 これらの試料は130-1400Cに熱して気 化させた。 蛍光励起スペクトルのバンドの位置の補正はホローカソードランプ CL233-26Nu, 浜松ホトニクス)のNe原子線を用いて行った。 ラマンスペクトルは

固体状態でレーザラマン分光器CJOEL JRS-400T; 488nm 励起)を用いて測定した。

4 - 3 結果

A. 5BTRの蛍光励起および蛍光発光スペクトル

図4-2は5BTR-hの蛍光励起スペクトルである。 ここで-hは水酸基のプロトンが 重水素置換されていない分子を示す。 スペクトル中に観測される振電バンドの 波数を5BTR-d Cプロトンが重水素に置換されたもの〉の蛍光励起スペクトル中 のバンドの波数とともに表4-1に示した。 SO-SI電子遷移の0-0バンドの位置は 25975cm-1に同定された。 これは3BTR-h10) 、 およびTRN-h2)の0-0バンドの位置 から、 それぞれ344 、 1043cm-1低エネルギー側にシフトしている。 ムゴプ=0--180 cm-1の領域には特徴的なバンドのプログレ ッシ ョ ンが観測される。 TRN-hの蛍光

励起スペクトル〈図1-1 ) との類似性からこのプログレ ッシ ョ ンは低振動数の面 外振動モードν, 2 6 (対称性はC2v点群のb1既約表現に属する〉のバンドである と考えられる。 したがって、 これらのプログレ ッシ ョ ン中のバンドを260 v Cv=2,

4, 6, 8)遷移に帰属した。 D. V =200-- 400の領域には数多くのバンドが観測され ている。 特にAγ=233cm-1のバンドは強度も比較的強い。 このバンドを励起し

- 33 -

(40)

0: I 0二

26お) 26ぷ二)

l 266C) 26�r;:.)

I 268

Br

o 200 400

ムγ/cd

l

図4-2 超音速ジェット中の5BTR-hの蛍光励起スペクトル. ・は5CTR-hのバンド.

(41)

t必 u"、

otnoご

Br

265

26ð

。 ムγ/crñ1 200

図4-3 超音速ジェット中の5BTR-dの蛍光励起スペクトル. ・, 0は, それぞれ,

5CTR-h, 5BTR-hのバンド.

(42)

表4-1 5BTR-hおよび5BTR-dの蛍光励起スペクトル中の振電ノ〈ンドの波数(cm-1),

および帰属.

Molecule γ ðV Assignments

5BTR-h 2 597 5 G +

+

2 5991 16

26016 41 26

<

!

)

26022 47 26

<二)

260 59 84 26

6

<

!

)

26062 87 26

ð

<二)

26103 128 26

5

26144 169 26

3

26191 216

26196 221

26208 233

26221 246

26238 263

26247 272

26262 287

26286 309

26306 331

26318 343

26342 367

5BTR-d 26024 O�

+

26026 2

260 54 30 26

3

26092 68 26

5

26130 106 26

2

(43)

表4-1 続き

26167 143

oonu rhv 「ノ臼

26214 190

26216 192

- 37 -

(44)

た場合のSVLFスペクトルは蛍光強度 が弱いために振電構造を解析すること がで きなかったが、 TRN-hのスペクトルとの比較から14 01を含む面内振動モードへの 遷移のバンドであると考えられる。

000、 2602、 260"遷移のバンドには二重分裂構造が観測される。 分裂幅はそれ

ぞれ16、 6、 3cm-1である。 これらの分裂 がプロトントンネリングによるもので あるかどうかを調べるために、 水酸基のプロトンを重水素に置換した5BTR-dの 蛍光励起スペクトルを測定した。 第2章で示したように、 トンネリング分裂の 幅はポテンシャル障壁を透過する波束の換算質量が増加すると減少する。

図4-3に示すように図4-2における分裂幅16、 6、 3cm-1は、 それぞれ2 、 く1 、 く1cm-1に減少した。 このような大きなOB/OD同位体効果が観測されることは 5BTRのSl状態の零点振動準位および262、 26"準位でプロトントンネリングが起

こっていることを示している。

次に、 これら分裂したバンドの成分がどのような遷移であるかを調べるため

に、 分子線温度の変化による高波数成分と低波数成分の強度比の変化を観察し た。 超音速ジェ ット中の分子の振動温度は、 Beの背圧とノズル先端からの距離 に比例して低下することが知られている。 図4-4(a)と 図4-4(b)を比較すると、

すべてのトンネリング分裂に おいて低波数成分の高波数成分に対する相対強度 は振動温度の低下とともに低下した。 第2章で示したように、 この結果はSo状 態の零点振動準位においてプロトントンネリングが起こっており、 トンネリン グ分裂の高波数成分は0-準位に熱的に分布した分子からの 遷移であること を示 している。 これらの結果から、 図4-2の0-0バンドおよびß V =41 、 84cm-1のバン ドは、 0++, 2602しつ、 2604(++)遷移に帰属された。 一方、 ム乍=16、 47、

87cm-1のバンドは0- -、 2602(ー一)、 2604(一一)遷移に帰属された。 ここで、 (++)、

( -ー)はそれぞれ第2章で示した対称な固有関数と反対称な固有関数の間の 遷移 を表している。 2602および2604遷移にみられるトンネリング分裂成分において

(45)

(

a

)

c:..o.:>

c.o

llハU

ム17

b

llハU

ムγ

図4-4 トンネリング成分の分子流温度による相対強度変化. He圧, ノズル先端 とレーザ一光路との距離は, (a)O. 2atm ; O.5cm, (b)2. 5atm ; 4cm. ・は5CTR-h のバンド.

(46)

(a)

ハU11 ハ/』 118

ハU414ls

4i』 dBEE- 13�

1200 11 00 1 000 900 800 700 6∞ 500 400 300 200 100 0

(b)

I I I I I ,--,-. I 1- I I I I

1200 1100 10∞ 900 800 700 600 500 ωo 300 200 100 0

ムγ/cm1

図4-5 5BTR-hの(a)O++遷移, および(b)O二遷移のバンドを励起して得られた SVLFスペクトノレ.

(47)

表4-2 5BTR-hの0++遷移, および0--遷移のバンドを励起して得られたSVLFスぺ クトル中のバンドの相対波数(cm-1). および帰属.

ðV

0: 。一 Ramana Assignments

+

( V =25976) ( V =25991)

239 230 243 26

3

367 373 360 13

1

607 607

691 693 703 12

1

740 747 745 11

1

aMeasured in the solid state.

41

(48)

は、 高波数側の成分、 すなわちSo状態の(ー)成分からの遷移のバンドの方が強度 が大きい 。 同様なスペクトルは後述する5CTR-h、 3, 7ージクロロトロポロン の2602遷移においても観測されており、 ハロゲン置換体に共通する特徴である。

これは、 高波数側のバンドには別のモードのバンドが重なるためであると考え られる。

これらの振電バンドに対する帰属 を確定するために、 0++と0--バンドを励起

して蛍光発光スペクトルを測定した。 0++および0-ー遷移を励起して得られた蛍 光発光スペクトルを、 それぞれ図4-5(a)および(b)に示す 。 主なバンドの波数 と 帰属は表4-2に示した。 これらのバンドの帰属は5BTR-hのラマンスペクトル、

TRN-hの蛍光発光スペクトルを参考にして行った。 振電構造、 および主要なバン ドの振動数は、 (a)と(b)とで非常に 類似している。 この結果は 0++および0--遷 移の帰属が正しいことを強く支持している。 さらに、 図4-5には1410遷移が観測 されていない 。 TRN-hや5CTR-h (後述〉の0-0バンドを励起した蛍光発光スペク

トルには 1410遷移は強く観測されている。 したがって、 5BTR-hの1410遷移に関

するFranck-Condon因子はTRN-hや5CTR-hと比べて大きく変化していると考えら れる。

B. 5CTRの蛍光励起および蛍光発光スペクトル

図4-6は超音速ジェ ット中の5CTR-hのSO-SI蛍光励起スペクトルである。 スペ クトル中のバンドの波数は5BTR-dの蛍光励起スペクトルのバンドの波数 と共に 表4-3に示した。 0-0バンドの波数は 26009cm-1で、 TRN-h、 5BTR-hの0-0バンドの 位置よりもそれぞれ、 1009cm-1低波数側、 34cm-1高波数側に存在する。 TRN-hや 5BTR-hの蛍光励起スペクトルとの類似性から、 !:1v=77、 150cm-1のバンドは 2602、 260"遷移に 帰属された。 Aγェ250-- 400cm-1の領域には面内振動モードの 遷移と推測されるバンドが観測される。 293cm-1と314cm-1のバンドに対する

(49)

Ot α グi 、 ヘ。

。 /仏、

0二

時』

26Ô(!) 7630

6 160 200 300 400 500

ム27/cdl

図4-6 超音速ジェット中の5CTR-hの蛍光励起スペクトル.

(50)

0:110二

CI

26ß

o 50

ムγ/crn1

図4-7 超音速ジェット中の5CTR-dの蛍光励起スペクトル. 0は5CTR-hのバンド.

(51)

表4-3 5CTR-hおよび5CTR-dの蛍光励起スペクトル中の振電バンドの波数(cm-1),

および帰属.

Molecule γ �V

5CTR-h 25995 -14

26009

26032 23

26086 77

26090 81

26137 128

26156 147

26253 244

26271 262

26375 266

26302 293

26308 299

26314 305

26323 314

26336 327

26347 338

26369 360

26375 366

26378 369

26396 387

26401 392

26409 400

Assignments Hot band O + +

0

26

ð

<

!

)

26

ð

<二)

4nu rb 内JL

5CTR-d 26064 O + +

26066 2

- 45

(52)

表4-3 続き

26125 61

っLnufo 司JL

参照

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