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ネリング分裂幅から、 ポテンシャル障壁の高さおよび帽に対して置換基が与え る影響を直接解析することができる。

5位にこれらのハロゲン原子を導入した場合、 水素結合の強度に大き な影響

を与え、 トンネリング分裂幅が大きく変化することが予想されるo MAにCl原子 を導入した誘導体についての実験6)および理論計算7 )は、 Cl原子が電子吸引性 を持つために分子内水素結合の強度が弱まるという結果を与えている。 逆に、

MA 6)や9ーヒドロキシフェナレノン(9HPO)8)に電子供与性のメチル基を置換し た場合には分子内結合が強まると報告されている。 このようなことから、 七員

環に置換されたハロゲン原子が電子を吸引し、 カルボニル酸素原子の電荷密度 を減少させるために水素結合が弱まることが予想される。 その結果、 ポテンシ ャル障壁の高さ、 あるいは幅が増加し、 5BTR-hや5CTR-hのトンネリング分裂幅 は TRN-hに比べて減少することが予想される。 このような予測に反し、 観測さ

れたトンネリング分裂の大きさは、 5BTR-hでは少し減少したが5CTR-hでは逆に 増加した。 これらの結果から、 水素結合強度にはハロゲン原子の持つ電子供与 性による寄与が大きいことが示唆される。

Br 5BTR-h

ー 31

-CI

上下

0二| は

上 !i T O-H-O COORDINATE

図4-1 対称二重極小ポテンシャル曲線, およびSO-Sl電子遷移の模式図.

4 - 2 実験方法

用いた実験装置は、 第3章で述べたものと同様である。 5BTR-hと5CTR-hは既

知の合成法9 )にしたがって合成を行い、 再結晶および昇華によって精製した。

プロトンを重水素に置換した5BTR-dおよび5CTR-dはノズルハウジング内に数滴 のD20を導入することによって生成した。 これらの試料は130-1400Cに熱して気 化させた。 蛍光励起スペクトルのバンドの位置の補正はホローカソードランプ CL233-26Nu, 浜松ホトニクス)のNe原子線を用いて行った。 ラマンスペクトルは

固体状態でレーザラマン分光器CJOEL JRS-400T; 488nm 励起)を用いて測定した。

4 - 3 結果

A. 5BTRの蛍光励起および蛍光発光スペクトル

図4-2は5BTR-hの蛍光励起スペクトルである。 ここで-hは水酸基のプロトンが 重水素置換されていない分子を示す。 スペクトル中に観測される振電バンドの 波数を5BTR-d Cプロトンが重水素に置換されたもの〉の蛍光励起スペクトル中 のバンドの波数とともに表4-1に示した。 SO-SI電子遷移の0-0バンドの位置は 25975cm-1に同定された。 これは3BTR-h10) 、 およびTRN-h2)の0-0バンドの位置 から、 それぞれ344 、 1043cm-1低エネルギー側にシフトしている。 ムゴプ=0--180 cm-1の領域には特徴的なバンドのプログレ ッシ ョ ンが観測される。 TRN-hの蛍光

励起スペクトル〈図1-1 ) との類似性からこのプログレ ッシ ョ ンは低振動数の面 外振動モードν, 2 6 (対称性はC2v点群のb1既約表現に属する〉のバンドである と考えられる。 したがって、 これらのプログレ ッシ ョ ン中のバンドを260 v Cv=2,

4, 6, 8)遷移に帰属した。 D. V =200-- 400の領域には数多くのバンドが観測され ている。 特にAγ=233cm-1のバンドは強度も比較的強い。 このバンドを励起し

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