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九州大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

PKCθを標的とした新規免疫抑制剤の合成研究

國川, 茂輝

http://hdl.handle.net/2324/2236341

出版情報:九州大学, 2018, 博士(創薬科学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

(様式9‑ 3) 

氏 名 園 川 茂 輝

論 文 名

PKCe

を標的とした新規免疫抑制剤の合成研究 論文調査委員 主 査 九 州 大 学 薬 学 府 教 授 大 嶋 孝 志

副 査 九 州 大 学 薬 学 府 教 授 佐 々 木 茂 貴 副査、九州大学薬学府教授平井剛 面JI 査九州大学薬学府講師森本浩之

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

臓器移植とは機能不全に陥った臓器を第三者から提供された臓器と入れ替える治療法のことで、臓器 移植の際に起こる拒絶反応が臨床上問題となっている。この拒絶を抑える目的として免疫抑制剤が使わ れており、主剤としてカノレ、ンニューリン阻害剤(CNI)であるタクロリムスを用い、補助剤として MMF 等を用いる併用療法が主流となっている。一方、既存の薬剤の課題として、免疫系細胞以外への作用も あり、安全域が狭く、副作用が起こることが知られており、副作用が低減された免疫抑制剤の開発が望 まれている。

これらの状況を踏まえ、園川氏は新たな免疫抑制剤の標的として

PKCe

に着目した。 PKCはセリン・

スレオニンキナーゼの一つであり、細胞の分化や増殖・細胞死に関与していることが知られている。PKC には11以上のアイソザイムがあり、 3つのサブファミリーに分類され、

PKCe

はnovelPKCに属し、

カルシウムイオンと結合する C2ドメインをもたない。また発現部位がTリンパ球や骨格筋に限局して おり、ノックアウトマウスでの異常も報告されていない。現在主剤として用いられている CNIがCaイ オンが関与する伝達経路を阻害する一方、

PKCe

はCaイオンが関与しない伝達経路にあり、

PKCe

阻 害剤によョて、 T細胞の分化・増殖に関与するIL・2の産生を阻害し拒絶反応を抑制することができると 考えられる。また

PKCe

阻害剤である sotrastau士inがヒト腎移植試験にて有効性を示すことが報告さ れている。以上のことからも

PKCe

は新規免疫抑制剤の標的として有望であると言える。

第一章ではRigel社から報告されている化合物10を出発物質とし、課題である CYP3A4阻害作用及 びP官基質性を改善すべく合成展開を行い、脂溶性低減・極性分子表面積(TPS必を低減ぎせることで、

CYP3A4阻害作用及びP・gp基質性が改善された化合物22fを創出した。

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第二章では自社ライブラリ由来化合物からの合成展開を行い、ドッキング解析を利用するこ占で活 性及び溶解性が向上した化合物43cを見出し、動物モデルであるラット心移植試験において生着延長 作用を確認した。続いて第三章では第一選択薬であるタクロリムス(CYP3A4によって阻害される)との 併用を可能にするために CYP3A4阻害作用改善を目的として、さらなる合成展開を行いかさ高い置換 基の導入及び脂溶性低減によりCYP3A4阻害作用が改善された有望化合物73を見出した。本化合物 はPKプロファイル、アイソザイム及びキナーゼ選択性が良好であり、ラット心移植試験において単

(3)

独及び併用試験において生着延長作用を示した。従来報告があったsotrastaurinが他のアイソザイム に対しても阻害活性を有する非選択的PKC8阻害剤であるのに対して、本化合物はラット,

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移植試験 において生着延長作用を示した初めてのPKC8選択的阻害剤であると言える。

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本研究における活性を向上させる手法、 CYP3A4阻害作用及びP・gp基質性を改善させる分子をデザ インする手法は医薬品創製において有用な知見であるといえ、臨床上の意義も大きく,本研究は創薬科 学に多大な貢献をするものである。

以上のように、園川氏は博士論文にふさわしい研究結果を十分に得ており(筆頭論文 3報)、本審 査における発表・質疑・応答も博士の学位を授与するに十分なものであったため、博士(創薬科学)

の学位に値すると認める。

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