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東京女子医.科大學二会第55回例会
日 時 昭和27年5月23日(金)午後2時
場所東京女子医大臨床講堂
1.インフルエンザ菌性髄膜炎のストレ
プトマイシンに依る治験例
小児科 高 田 恭 子 インフルエンザ菌性髄膜炎の最近の化学療法はサル ファ剤,ペニシリン,ストマイの筋注及び髄注の併用 が推賞されて居るが,私は発熱,嘔吐,嗜眠,攣縮と 大逆門膨隆緊張を主訴とした年齢10ケ月の男子のイ ンフルエンザ菌性髄膜炎に「ストマイ」のみを用いて 著効を認めた。郎ち第6病日より第9病目の最初4日 間ストマイ髄注50mg 1日1回おこない,一般状態の ’良好,髄液所見殊に菌減少を認めたが,第エ0病日か らは髄注の他に筋注1日0.5g分2回を併用した処熱 も聞もなく下降し,第11三日以後髄液内の菌は培養 鏡検共に陰性とな鱈笛13三日より諸症状消失した。 然し,髄液のグロブリン反応及細胞増多が完全治癒に 至らないので,更にストマイ注射を続け総量8.9gを 用い,髄液細胞数14,パンデe(+),ノンネ(一)と なり,臨床的には全く健譲に復した。即ちストマイの みで相当顕著に奏効した1例である。2.電子画派鏡に依る骨壷筋原線維の
構造と伸展性に関する研究
生理 小 林 芳 寿… 骨賂筋の牧縮,伸展に伴って筋原線維の構造の変化 ・が現われる。その最も著しいのは,電子線に対して充 ・罪な透過性を示す明帯,1・bandであって,牧縮,伸 、展に際して此の部分が先づ短縮,伸展する。 1・band と1・bandとを区切っている所の羽帯, A・bandは, 筋が伸展せられても少しも変化せず,筋が,大約80% に牧目しても,その長さを変えないが,それ以上筋の .牧縮が進むと,1・bandと共に門口の過程に入り,同 .時に電子線に対する不透性を減じる。纂の縫匠筋に於 ・けるA・bandの長さは,静止状態では平均1.6μ,1・ bandは大体1μと見散されるから, A−bandが変化 ・するのは,1・bandが立枯の60%程度に短縮してか らである。 以上の結果は纂の筋をブォルマリソ溶液申で牧縮ざ ・せた場合に見られる像であるが,この場合の牧縮像は ・最後まで原線維の各帯の識別が可能であって,この点 .文献に見るATP牧縮豫と著しく異る。 又所謂緊振筋のブォルマリソ国富縁は,非緊張筋の 夫れと相違し,フォルマリン牧縮には豫の上からこ官 命が区別せられる。牧縮伸展に対するA・bandの不変献血に電子線
に対する不透性は,六出筋の室温放置等により失われ る。3.ハムスタ輪を用いて行った日本脳炎
病毒の研究
細菌 (演⊃中西清子 小野修二 私共は嘗て当教室に於て小山が日本月鹸病毒の普遍 性を研究し,病毒は不潔な塵埃と往々共存することを 証明したので乳この実験をハムスタ門に就て行わんと ぼ したが,無菌的飼育に一曲功であったので,普通の方 法で飼育したハムスタPに就て次の二つの実験を行っ た。第一はハムスターに於ける不顕性感染の有無を補 体結合反応で実験し,第二はハムスタF・の腸内容の濾 液をマウス脳内に撲種して病毒の有無を異験したが両 実験共に陰性に終った。 次に塵挨申に病毒が存在するや否やの研究に於ける 予備実験として次の二つの実験を試みた。即ち第一は 乾燥病毒をハムスターの華墨内に吸入させ,第二は本 病毒で発症したマウスの脳乳剤を窺藁に噴霧して其申 でハムスタPを飼育し罹患の有無を実験した。其結果 両実験共多数のハムスターに於て感染が証明された。 本実験は目下猶継続中である。4・精神作業の血液酸素量に及ぼす影響
法医、.(演) 吉 威 京 子 東京医大 米 田 一 男. 教室員其他を被験者とし,毛細管動脈血の酸素量を 精神作業前後に於て測定し,精神作業による血液酸素 量の変化をみた。その結果は,一定時問の精神作業に より血液酸素量は著明に減少する事を認めた。5.急性腹膜炎の治療
外 科 織 畑 秀夫急性腹膜炎に関しては,K6rte, Mikulicz, Kirs.
chnert塩田,河石,横田等の研究によってすべてが 明にされ,治療法も亦明確にざれ,一般医家の熟知し ている所であろう。然し治療法を実際適用する場合, 何時,如何に行うか,その基準を立てるのに甚だ困難 を感ずる。
1848年Hancockが禰蔓性腹膜炎に手術療法を行
・一一 39 ・一一 128 一 って成功し,其後手術療法が確立されて今日に至って いる。 最近化学療法による細菌性炎症の治療が盛んであっ て,急性腹膜炎にもこの傾向の徴がある。しかし急性 腹膜炎の治療にはやはり早期手術は軽視すべきではな い。 最近我々の外科教室で3ケ年聞に行われた開腹患者 390例について急性腹膜炎68例の統計をとり,特に この中,急性腹膜炎にて死亡せる7例プ (全腹膜炎の 10%)について略述し,その治療法について検討を加 R.叉 2,3重症患者の論功例も附加して現在の腹膜炎 手術療法に於ける化学療法②併用の効果についても触 れた。 以上の繕論として,急性腹膜炎の手術療法ICついて は早期診断による早期手術が最も重要である。手術方 法としては原発災の除去が第一である。一次閉鎖をす『 るか主導を設置するかは経験により決すべきものであ るか,大凡縢蔓性腹膜炎では必ず置き,限局性の場合 はその程度に応じて,誘導には腹膜炎を限局し,且つ・ 他の一般腹膣の生物学的防禦機能を充進ずる作用のあ ることを考慮の上,誘導ををく’,をかないを決定すべ きで凌,る。次に化学療法は,単独では治療効果は期待 出来ないが,手術と併用することは合併症を阻止し治 癒を促進する。この点を誤って化学療法剤に頼って手 術の時機を失することは甚だ危険と考えられる。