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実橋における耐候性橋梁の追跡調査計画

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Academic year: 2022

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(1)VI-190. 実橋における耐候性橋梁の追跡調査計画 (財)阪神高速道路管理技術センター. 正 会 員. 石 崎 嘉 明. 阪. 神. 高. 速. 道. 路. 公. 団. 石 井 康 裕. 阪. 神. 高. 速. 道. 路. 公. 団. 南 條 耕 平. (財)阪神高速道路管理技術センター. 荒 川 貴 之. 1.はじめに 都市内高速道路の橋梁や橋脚に使用されている鋼材は、塗装により防錆対策が施工されているが経年劣 化による塗装の塗替えなどが生じ、維持管理上の問題が提起されている。阪神高速道路においても将来の 維持管理を考えた場合、経済性や効率化が必然的となることから、防錆橋梁研究委員会を設置し、耐候性 鋼材の橋梁への適用性に関わる検討および調査を昭和54年から実施され、その成果から「無塗装耐候性 橋梁設計施工指針」 1)が制定された。阪神高速道路北神戸線延伸部(以下「延伸部」という)の建設に当 たっては、建設コスト縮減メニューの中で無塗装耐候性鋼材の使用が採用され、鋼材重量約 13,200ton (約 110径間)を使用して平成10年4月に約12kmが供用された。本論文は、耐候性鋼材を使用した実 橋梁から今後これらの橋梁を維持管理していくために必要な追跡調査計画について報告するものである。 2.調査条件 延伸部の立地条件は六甲山系の北側に位置し箕谷から有馬口を経由して六甲北有料道路と接続している 約12kmの区間で山間部での有料道路である。また、平面線形については箕谷から有馬口間では南北方 向となっており有馬口から左にカーブし、六甲北有料道路間では東西方向となる。一方、上部工の構造形 態では、鋼I桁橋、箱桁橋、鋼床版箱桁橋が建設されている。今回の追跡調査対象橋梁として表−1に示 す。 追跡調査に当たっては海岸. 表−1. 追跡調査橋梁. 地域と違い塩分量が飛来す. 橋 梁 名. 架設場所. る事はないが、風雨の影響. オドロ第1橋. 単純合成I桁橋. 有 0.9KP 付近. 南北. が大きいことが考えられる. 松尾崎橋. 単純合成I桁橋. 有 2.9KP 付近. 東西. ため、橋軸の向きに着目し. オドロ第2橋. 3径間連続非合成鋼箱桁. 有 0.8KP 付近. 南北. その中で上部工形式の特性. 水無橋. 4径間連続非合成鋼箱桁. 有 0.5KP 付近. 南北. の違いについて選定した。. 有野五社橋. 4径間連続鋼床版鋼箱桁. 有 2.6KP 付近. 東西. 上 部 工 形 式. 橋軸の向き. 3.追跡調査計画 本区間に建設された橋梁の仕様は無塗装耐候性橋梁である。工場で製作された橋梁の各部材は、ブラス ト処理され、その後現地にて架設されている。このような状況下の中で今後の維持管理に必要な構造細目 の確認や、さび安定化での評価などについて追跡調査を実施するものである。 1)外観調査 各部材は工場でブラスト処理された後に現地にて架設が実施され、その後床版については、型枠の設置 鉄筋の配筋さらにコンクリートの打設および養生を経て完成するものである。この間における雨水などに よる影響が景観的に大きく左右されることもある。また、各部位の構造細目が水などの処置方法の機能を 有しているかの状況確認が必要である。また、さび進展を把握するために採定標準色板と共に写真撮影を キーワード:耐候性鋼材、点検、維持管理、道路構造物、鋼桁 連絡先:財団法人 阪神高速道路管理技術センター 〒 541-0054. Tel: 06-6244-6055. 大阪市中央区南本町4−5−7. Fax : 06-6244-9612. 東亜ビル内. -380-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) VI-190. 実施し 、さびの状況を観察する 。評価法としては「 さび安定度の総合評価 」2)を使用する 。したがって 、 構造物に接近してこれらの状況を取りまとめる。 2)さび安定化調査. 表−2追跡調査対象部位. さび安定化の評価方法として、. 部. 阪神高速道路公団の過去の追跡 調査. 3). の成果からフェロキシル. 材. 位. 置. 鋼I桁. 箱. 桁. 鋼床版箱桁. 外. 桁. ウェブ、フランジ. ○. ○. ○. 中. 桁. ウェブ. ○. ○. ○. ウェブ. ○. ○. ○. ○. ○. 試験(JIS H8617)方. 端支点横桁. 法を採用した。測定部位として. 分配横桁. ○. は主桁の外桁を中心に考えてい. 中間対傾. ○. るが中桁についても実施し外桁. 下 横 構. ○. との比較を行う。また、端横桁、. 縦. 桁. ○. 分配横桁、縦桁などについても. 横 リ ブ. ○. 実施する。調査測定個所は表−. 鋼 床 版. ○. 2のとおりである。また、定量 的に評価を実施するために腐食電位法についても電位を測定し、フェロキシル試験方法と比較する。 3)鋼材板厚測定 耐候性鋼材の推定腐食代は50年後の片面あたり0.4mm以内となっている。前項のさび安定化と の相関関係から同一箇所での測定を実施する。測定方法としては超音波板厚測定器を用いて5点の平均 値で管理を行う。 4)塩分に関する調査 橋梁の設置個所が山岳部となっているため、海塩粒子の飛来は考えられないが、凍結防止剤散布による 塩化カルシウムの飛散により耐候性鋼材に及ぼす影響も考えられるため、飛来塩分量調査および付着塩分 量調査についても測定を実施する。飛来塩分量および付着塩分量調査については凍結防止剤散布前と散布 後を1ヶ月間づつ実施する。 5)追跡調査計画 延伸部が供用された実橋梁における耐候性橋梁の初期データを収集するために調査を開始した。今後 の予定として以下のとおり実施する予定である。 表−3追跡調査実績と予定 調査項目. H 10. H 11. 外観調査. ●. ●. ○. ○. ○. 鋼材板厚測定. ●. ●. ○. ○. ○. フェロキシル試験. ●. ●. ○. ○. ○. ●. ○. ○. ○. 腐食電位法 塩分量調査. ●. H 12. ●. H 13. ○. H 14. ○. H 15. H 16. ○. ○. H 17. ○. H 18. ○. 4.まとめ 国内においてこのように使用された事例はない。今後の追跡調査を継続的に実施しその結果を整理 して発表したいと考えている。また、その成果が新たに建設される橋梁の参考になれば幸甚である。 参考文献: 1)阪神高速道路公団;無塗装耐候性橋梁設計施工指針,平成4年7月 2)(社)日本橋梁建設協会;無塗装橋梁の手引き( 1998.3) 3 )鈴木巌,南荘淳,徳林宗孝,水谷治弘,石崎嘉明;阪神高速道路における無塗装耐候性橋梁 の調査と適用,橋梁と基礎6月号 PP21 〜 28 ,( 1999.6). -381-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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