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Academic year: 2021

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Title Human monocarboxylate transporter 1, 4 (hMCT1, 4) の基質選択性の違いを決定する分子メカニズムに関する研 究 [論文内容及び審査の要旨]

Author(s) 二木, 悠哉

Citation 北海道大学. 博士(臨床薬学) 甲第13970号

Issue Date 2020-03-25

Doc URL http://hdl.handle.net/2115/77834

Rights(URL) https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/

Type theses (doctoral - abstract and summary of review)

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File Information Yuya̲FUTAGI̲review.pdf (審査の要旨)

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

(2)

学 位 論 文 審 査 の 要 旨

博士の専攻分野の名称 博士(臨床薬学) 氏 名 二 木 悠 哉

主 査 教 授 井 関 健

審査担当者 副 査 教 授 菅 原 満

副 査 准教授 武 隈 洋

副 査 准教授 小 林 正 紀 学 位 論 文 題 名

Human monocarboxylate transporter 1, 4 (hMCT1, 4)

の 基質選択性の違いを決定する分子メカニズムに関する研究

(Molecular determinants of substrate selectivity in human monocarboxylate transporters 1 (hMCT1) and 4 (hMCT4))

博士学位論文審査等の結果について(報告)

hMCTs

は種々のモノカルボン酸化合物の輸送を担う、膜タンパク質の一群である。hMCTs の

うち、hMCT1 と

hMCT4

は種々の細胞に発現し、

L-乳酸を共通の基質としてpH

依存的に輸送す る。hMCT1, 4 の生理学的な役割を明らかにするためには、それぞれのトランスポーターに対す る選択的なリガンドが必須であるが、

hMCT4

選択的リガンドはこれまで同定されていなかった。

hMCT4

選択的リガンドの創製を困難にしている要因として、hMCT1 と比して

hMCT4

の基質に

対する親和性が低いことが挙げられる。著者はこの

hMCT1, 4

の基質親和性および選択性の違い を決定する部位の同定を行うため、hMCT1, 4 の構造と機能に関する検証を行ってきた。そこで 本研究では

hMCT1, 4

の基質選択性の違いを決定する分子メカニズムを解明することを目的とし た。

hMCT1, 4

のリガンド選択性の差異を評価するため、基質類縁体の

hMCT1, 4

介在性

L-乳酸輸送

に対する阻害効果について検証した。種々の化合物による阻害実験により、hMCT1 選択的な阻 害効果を示す骨格を見出した。また、hMCT4 選択的な阻害効果を示す骨格を見出すことはでき なかったが、hMCT1, 4 の両方に阻害効果を示す有用な骨格を見出した。hMCT4 に対して選択的 な阻害活性を示す化合物を探索するにあたり、これらの有用な骨格を有する既存の医薬品を用い ることとした。著者は、イソ酪酸骨格を有するフィブラートに着目し、hMCT1, 4 に対する阻害 効果を検証した。その結果、fenofibrate anion, bezafibrate および

clinofibrate

hMCT4

選択的な阻 害効果を示した。さらに、ベンジルインダゾール骨格とイソ酪酸がリンカーで結合した構造を有

する

bindarit

はフィブラートよりも

hMCT4

選択的かつ強力な阻害効果を示すことが明らかとなっ

た。

次に、hMCT1, 4 間の基質選択性の違いを説明するため、その推定基質輸送経路を構成する

hMCT1, 4

間で保存されていない残基に着目した。これらの残基を置換した変異体を作製し、そ

の基質選択性が変動するか検証した。作製した変異体のうち

hMCT1-M69L, -F367Y

変異体におい て、その

L-OPro

輸送活性が

L-乳酸と比較して低下したため、M69, F367

残基が基質選択性におい て重要であることが示された。この

M69, F367

残基への変異導入がその阻害特性に与える影響に ついて検証するため、これらの変異体を介した

L-[14C]乳酸輸送に対するL-乳酸およびL-OPro

の 阻害能を評価した。基質選択性の変動の指標として阻害定数比および輸送サイクル比を算出した

ところ、

F367Y

変異体の阻害定数比は

hMCT1-WT

と比較して増大し、

M69L

変異体の輸送サイク

ル比は

hMCT1-WT

と比較して低下した。この結果から、hMCT1 の基質選択性が輸送サイクルお

(3)

よび基質親和性に関与する残基によって調節されていることが示された。hMCT1 とそのリガン ド間の相互作用に与える

M69L, F367Y

変異の影響について検証するため、

hMCT1

L-OPro

類縁 体との結合親和性について評価した。

L-OCPC

および

L-OPro

Ki

値の比較により、

L-OPro

1

位の

N

原子がリガンド認識に与える影響について評価した。この

N

原子の

C

原子への置換によ

り、

M69L, F367Y

変異体のリガンドへの親和性が増大することが示された。この結果から、M69,

F367

残基が

L-OPro

の –NH– 構造の認識に関与していることが示唆された。M69, F367 残基のど のような物理化学的性質が

hMCT1

の基質選択性に影響を与えるのか検証するために、これらの 残基に飽和変異を導入しその基質輸送活性を評価した。M69X 変異体については一部に輸送活性 が認められたものの、その

L-OPro

輸送能は

L-乳酸輸送能と比較して減少した。この結果から、

L-OPro

の効率的な輸送には

Met

側鎖の疎水的かつ長い直線構造が必要であることが示された。ま

た、F367X 変異体については活性が残存した全ての変異体において、その

L-OPro

輸送能が

L-乳

酸輸送能と比較して低下したものの、F367L 変異体はその影響が比較的小さかった。これらの結

果から、

L-OPro

の効率的な輸送には

F367

残基の占める位置に

γ

位で分岐した側鎖構造が必要で

あることが示された。

著者が発見したこれらの知見は、機能性タンパク分子の基質認識性を構造認識特異性の観点か

ら理解する重要な基礎的知見となり得るものであり、トランスポーター研究の発展に大きく貢献

したと考えられる。よって著者は、北海道大学博士(臨床薬学)の学位を授与される資格あるも

のと認める。

参照

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