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里川小学校 丹   孝 子

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(1)

幼児の運動能力に関する研究      緊

体育科運動学研究室 野 田 洋 平 里川小学校 丹   孝 子

は じめ に

幼児をとりまく獄的環境として前メ舷、)狭いアパートの鶴,2)テレビ鴨3)街頭あそび

をさける,4)親の期待の4点をあげ,子供の不活動性,自分で事を処理することの困難さ・街頭から子 供とあそびの退却にともなう人間関係技術の消滅,子供への期待があそびの時間をなくしている事実を指

摘した.我。も纈的な漣のあそび礪する研品中で,幼継児の平均で3・%陶ぶ通塾状況,

あそび時間の確保できない様々の理由,更にあそび仲間の少数化傾向とそれに伴うあそび・運動の内容・

      、

ハの変化を把えてきた。子供達の生活圏が非常に狭くなり,移動性を保障できないことは子供達の活動の 豊かさを奪い,運動能の著しい刺戟となりえていない状況と把握できる。あそび,運動という観点からみ

ると,少人数の仲間構成とそれだけの人数で成立する運動と確保できる運動量が減少していることはとり もなおさず運動刺戟の質・量の充分の保障条件となっていないこととみている・

一番ケ瀬らによる「子供の生活圏」,藤本の「子供のあそび空間」,その他の研究にょり子供達の於かれ ている状況とあそび,運動を保障する空間,生活圏の積極的な解明の努力がなされ・あそびや運動を阻害 する実態が明らかにされつ㌧ある。

@      (3)

@更に,それと平行して幼児の運動能力に関する研究も盛んに行われ・松田らによれば・それらの研究は 発達に関するもの,リズム反応に関するもの,運動能力に関するもの・運動能力と知能あるいはパーソナ

リティとの関係を問題にするもの,測定法に関するもの,運動能力の構造に関するものなどが主たる内容 であるとしている。しかしながら,運動能力の発達に影響を与える要因に関しては,幼児を対象としては ほとんど研究がなされていないことを指摘している。その後,生理学的研究,走,跳,投のキネシオロジ 一的研究などが加えられ,関心の深さと研究対象としての幼児期の重要性がとりあげられてきている。

 幼児の運動能力の測定にっいては諸説があり,普偏化されたテストは種々の困難性から完成されていず,

@       (4)いろいろなテストが研究者により,種々の用途で使われている。平田によれば・使われているテスト種目

は数多く,それらが真に体力を測定しているかどうか疑わしいとしながらも猪飼教授の考えを支持して走

・跳・投の行動様式を通じて体力を測定することがのぞましいとし,幼児としては・30m走・立巾跳・ボ 一ル投げを適当としている.江総「運鮪旨力潴観的に把握しその機能発達を確に評価することは

きわめて困難である」との認識にたちながら,テストというより,幼児が積極的に行ないうるような項目 を選定して,その過程で,体力を把握し,また,運動の機会を少しでも豊富で・多様なものとするという 考えを明らかにして猪飼教授らのテスト結果を報告し,幼児の場合には.幼児が興味をもち意欲をもって 実施できるような種目を選ぶことが第一であるとした。しかし,大人のミニ版の体力測定を批判する研究

(2)

(6)

論文も散見され現在まで開発されてきたテストがきめ手を欠いていることも事実であろう。即ち,勝部は,

幼児の運動能力についての12章という論の中で,運動能力イコール走・跳・投能力でなく,それは運動適応 能力と考えており,そこから幼児の運動能力のテスト種目は大人のミニ版であってはいけないし,同じ種 目にする必要がないことを指摘し,テ家卜種目の意味を固定視することは誤ちをおかしやすいと主張して いる。

運動能力燗係する蔽因については,畑9、中牲につい咽子分析をし,知能.経済.栄養.鰍 の性状,遺伝などをあげた.幅肱幼児の運動機能の発達礪係する諸因子の分析をして,性格,憾,

活発さ,身長,乳児期の運動機能,父母の運動機能などの内的因子が最も関係が深く,それらを支持して いる因子は,向胞や友達の有無,幼稚園へ通っているか否かなどの環境的条件がよいか悪いかということ であったとし,先天的内的因子が優先し,それを支持しているものは,後天的環境的因子であるとしてい る。そして,都市部の幼児の運動能力の低下している理由を列挙している。

 ⑨松田らは,幼児の運動能力の発達と居住地区,あそび,養育態度との関係をさぐり,運動遊戯を好むも の,遊び仲間の人数の多いほど運動能力もすぐれているとしている。

エドワー艦運動能力の発達は,生勲たときの状態やその後の生瀕境生活の仕方など燗のあら

ゆる面が影響しあっているといっている。

本研究は,運動能力と関連が深い要因の中から,生活環境をとりあげ,家庭の環境,あそびの環境とに 大別して関係を把えようとした。

1.目  的

本研究では,以下の諸点について運動能力との関係を明らかにしようとしている。

家庭の環境

  、i1)家族構成,状況

(2)住居澄よび地域環境

㈲ 運動に関するもの

(4)親の養育態度

(5)その他 あそびの環境

(1)あそび場

(2)あそび相手,仲間

(3)その他 a 方  法 対 象

水戸市内幼稚園

浜田幼稚園  173名(有効 134)

城東幼稚園  145名(有効 113)

五軒幼稚園  130名(有効  93)

計    448名    340 同上幼稚園父兄(母親)    295名

(3)

測定種目

韻能力を測るテストは凍京教献学体育心理学研究室作成の幼児運動能力テス9騙いた.このテ

ストは,性別,年令(6ケ月区分)を考慮し,運動能力が標準化されているので都合がよい。測定した値 を各種目ごと5段階に評価をし,8種目の合計得点を求める。本研究では,測定結果を評価し,合計得点 を計算し,それをSD法を用いて5段階に分けた。1と2の段階(運動能力の劣るPoorグループ),4 と5の段階(運動能力の優れるGoodグループ)として繰作し,その両グループ間の運動能力の差を環境 側面から比較検討した。種目は下記の8種目である。測定の仕方については省略してある。

長座体前屈    (柔軟性)

伏臥上体反らし  (柔軟性)

体支持々続時間  (筋持久力)

立巾跳      (瞬発力)

両足連続とびこし (敏捷性協応性)

棒上片足立ち   (平衡性)

ソフトボール投げ (協応性)

25m走     (速度)

質問紙調査

幼児の生活環境を調査するために,特に,運動能力の発達に関係すると思われる項目を目的の項で前述 したようにえらび母親に協力をお願いした。

実施期間

測定 昭和48年11月

調査 昭和48年11月から12月初旬

結果と考察

1.運動能力測定の結果と処理

幼児各個の測定値を松田らが作成した幼児運動能力基準表(表1.2)により,各種目を5点法得点に 換算し,さらに8種目の総合得点を算出した。

(4)

表1  幼児運動能力基準(男子)

年令 4才 4才 5才 5才 6才 6才

0〜5月 6〜11月 0〜5月 6〜11月 0〜5月 6〜11月

目 階

5 54秒以上 &1以上 9.1以上 11.9以上 1a7以上 13.6以上

片足立 4 3.9〜5.3 55〜ao 6.0〜9.0 7.7〜11.8 8.3〜1a6 &9〜135

32 2.3〜38 P.0〜22

2.6〜5.4 P.1〜25

29〜5.9

P.5〜2.8

a4〜 犠6 Q.0〜 a3

37〜 &2

≠T〜 a6

41〜 &8 R0〜 40

1 α9以下 1.0以下 L4以下 L9以下 24以下 ag以下

    長 5 15α昆以上 15以上 14以上 14以上 14以上 14以上

4 11〜i4 10〜14 9〜13 9〜13 9〜13 9〜13

3 5〜10 3〜 9 3〜 8 2〜 8 2〜 8 3〜 8

2 0〜 4 一1〜 2 一2〜  2 一3〜  1 一3〜  1 一2〜 2

1 一1以下 一2以下 一3以下 一4以下 一4以下 一3以下

伏臥上

54 35㎝以上

R0〜34

38以上

R2〜37

40以上

R3〜39

43以上

R6〜42

45以上

R8〜44

47以上

S0〜46

3 23〜29 24〜31 26〜32 28〜35 31〜37 32〜39

らし 2曾 17〜22 17〜23 19〜25 22〜27 24〜30 25〜31

1 16以下 16以下 18以下 21以下 23以下 30以下

体支持

54 66秒以上

S3〜65

107以上 U8〜106

128以上 W1〜127

155以上 P06〜154

180以上 P21〜180

194以上 P31〜193

3 18〜42 28〜 67 39〜 80 56〜105 60〜120 68〜130

時間 2 5〜17 8〜 27 12〜 38 15〜 55 20〜 59 30〜 67

1 ・4以下 7以下 11以下 14以下 19以下 29以下

5 100㎝以上 115以上 123以上 130以上 141以上 147以上

4 84〜99 97〜114 106〜122 113〜129 121〜140 127〜146

3 67〜83 78〜 96 88〜105 96〜112 100〜120 105〜126

2 51〜66 60〜 77 72〜 87 79〜 95 81〜 99 85〜104

1 50以下 59以下 71以下 78以下 80以下 84以下

ソ投 5 8m以上 99以上 11以上 13以上 14以上 15以上

4 6〜 7 7〜 8 9〜10 10〜12 11〜13 12〜14

3 3〜  5 4〜 6 5〜 8 6〜 9 7〜10 8〜11

1 2 1〜 2 2〜 3 3〜 4 4〜  5 5〜  6 6〜 7

ルげ 1 0 1以下 2以下 3以下 4以下 5以下

両跳 5 a5秒以下 60以下 40以下 ag以下 a8以下 36以下    駒

足び 4 7.3〜 6.6 α8〜61 5.5〜41 ε0〜40 49〜3.9 4.8〜a7

3 102〜 7.4 乳7〜(Σ9 7.5〜5.6 7.0〜51 6.5〜5.0 5.8〜4.9 連越 2

1a1〜1α3 8.5〜7.8 &0〜7.6 乳9〜7.1 75〜6.6 α9〜59 続し 1 1a2以上 8.6以上 &1以上 8.0以上 乳6以上 7.0以上

5 6.5秒以下 6.2以下 59以下 57以下 54以下 52以下

4 7.6〜a6 7.0〜α3 6.7〜(LO 6.3〜丘8 6.1〜55 5.9〜5.3 3 &7〜7.7 7.9〜7.1 7.5〜6.8 7.1〜α4 6.9〜a2 α6〜ao

2 α7〜&8 &8〜8.0 8.3〜犠6 7.7〜7.2 7.5〜7.0 7.3〜6.7

1 9.8以上 8.9以上 8.4以上 7.8以上 76以上 74以上

(5)

表2  幼児運動能力基準(女子)

年令 4才 4才 5才 5才 6才 6才

目 階 0〜5月 6〜11月 0〜5月 6〜11月 0〜5月 6〜11月

5 7.5秒以上 a8以上 1L8以上 1ao以上 14.1以上 158以上

片足 4 52〜74 64〜97 7.6〜11.7 8.5〜12.9 a1〜14LO 1α3〜157

3 2.7〜5.1 3.0〜6.3 a3〜 7.5 ag〜 &4 41〜 ao ζL7〜10.2

2 1.1〜26 1.5〜2.9 20〜 3.2 25〜 38 30〜 4.0 35〜 4.5

1 1.0以下 1.4以下 13以下 24以下 29以下 3.4以下

5 16㎝以上 16以上 15以上 15以上 15以上 16以上 4 11〜15 10〜15 10〜14 10〜14 10〜14 11〜15

3 6〜10 5〜  9 5〜 9 5〜  9 5〜  9 5〜10

2 2〜 5 0〜 4 一1〜 4 一1〜  4 一1〜 4 0〜 4

1 1以下 一1以下 一2以下 一2以下 一1以下

伏臥

5 37㎝以上 40以上 42以上 44以上 46以上     \ S7以上 4 31〜36 33〜3g 35〜41 37〜43 40〜45 41〜46

3 23〜30 25〜32 27〜34 32〜36 33〜39 33〜40

らし 2 17〜22 19〜24 20〜26 25〜31 26〜32 27〜32

1 16以下 18以下 19以下 24以下 25以下 26以下

体支 5 78秒以上 98以上 126以上 139以上 158以上 176以上 4 52〜77 64〜97 80〜125 94〜138 108〜157 119〜175

3 25〜51 29〜63 34〜 79 48〜 93 56〜107 62〜118

2

5〜24 8〜28 12〜 33 15〜 47 20〜 55 30〜 61

時間

1 4以下 7以下 11以下 14以下 19以下 29以下

5 95απ以上 102以上 112以上 117以上 124以上 127以上

4 79〜94 87〜101 96〜111 101〜116 107〜123 111〜126

3 63〜78 69〜 86 78〜95 85〜110 88〜106 94〜110

2 47〜62 54〜 68 62〜 77 69〜 84 70〜 87 78〜 93

1 46以下 53以下 61以下 68以下 69以下 77以下

ソ投 5 6m以上 7以上 8以上 8以上 9以上 9以上

4 4〜 5 5〜 6 6〜 7 6〜 7 7〜 8 7〜 8

トボ

3 2〜 3 3〜 4 4〜 5 4〜 5 5〜 6 5〜  6

1 2 1 2 3 3 3〜  4 3〜  4

ルげ 1 0 1以下 2以下 2以下 2以下 2以下

両跳 5 47秒以下 44以下 40以下 3.9以下 a8以下 37以下 足び 4 a4〜4.8 5.8〜4.5 5.5〜4L1 51〜4。0 4.9〜ag 4B〜38

3 &3〜6.5 7.7〜5.9 7.2〜5.6 6.6〜52 a2〜50 5.9〜生9

連越 2 10.0〜&4 9.5〜7.8 &8〜7.3 7.8〜e7 7.2〜a3 71〜6.O 続し 1 1α1以上 a6以上 ag以上 7.9以上 73以上 72以上

5 72秒以下 e5以下 α3以下 59以下 丘7以下 56以下

4 &1〜7.3 7.4〜6.6 7.1〜6.4 a6〜α0 6.4〜5.8 a3〜5.7 3 9.0〜&2 &4〜7.5 79〜7.2 7.5〜67 ZO〜6。5 a8〜6.4 2 ag〜9.1 a3〜8.5 8.7〜&0 &2〜7.6 7.9〜7.1 77〜α9

1 10.0以上 94以上 8.8以上 8.3以上 &0以上 78以上

(6)

総合得点の結果は下表の通りである。

表3  運 動 能 力 得 点  得

?g 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 T A 1 1 1 3 2 5 4 11 13 16 10 16 19 15 5 2 6 22 1 1 134 B 2 2 3 4 3 4 7 18 14 10 15 11 7 6 3 2 1 1 93 C 1 2 3 4 9 8 11 9 15 11 11 3 4 1 1 113 T 1 4 3 8 9 18 15 26 29 49 35 37 37 30 12 9 10 4 2 1 1 340

平均得点  23点 標準偏差   4点

この結果をSD法を用い5段階に分け,1と5の段階による比較検討を試みようとしたが,人数が不足 したため,1と2の段階を合せて運動能力の劣るグループ(Poorグループ),4と5の段階を合せて運 動能力に優れるグループ(Goodグループ)とした。

Goodは得点の範囲が26〜35,平均27点,標準偏差が2である。 Poorは,得点の範囲が11〜20,

平均が18点,標準偏差が2である。Good,Poor両グループ間には, Pくα01で差が認められた。

以下ρ考察は,GoodとPoor両グループ間の環境の相違を比較検討しながら,運動能力との関連を みたものである。なお以後,GoodはG, PoorはPと省略する。

2 家庭の環境と運動能力との関係 D家族構成・状況

家族内人数についてみると(表4),G・Pと 表4  家族人数       (%)

もに同傾向である。4人が約半数である。人数に     覧

  人数

N)レープ 3 4 5 6 7 8

よる運動能力との関連はみられない。

同胞の有無にっいてみると,同胞のないもの,  G

氏≠X4 7.4 53.0 27.6110.6 1.1 即ち,1人っ子であるものがGでは乳4%である P

のに対し,Pでは21.8%と高率を示して澄り, n=55 10.9 47.2 2a6 12.7 a6 1.8

Gグループでは,同胞がPより多く有意な差であ       ㈱

驕iP>α05)。 松島らの研究では,同胞の有無と運動機能との関係はα10>P>α05であり有意性 が認められていない。

図1. 同 胞 の 有無

Gn=・94

P [コ有

n嵩55

0       50     ※        100嘱      α5>P

出生順位についてみると,長子であるものがGで5α0%,Pでは655%である。両グループの間には 有意性は認められない(α50>P>0.25)。

(7)

図2  出 生 順 位

 G

浴@n=・94 長子

P []次子以下

n=55

0      50 100%

α5>P>α25

母親の職業の右無をみると,就業している母親がG 表5  親の年令 で27.0%,Pで222%であり差はみられなかった。 ヒ力別年令 30才以下

31〜40 41以上 親の年令については表5の通りである。両親ともに

G 6 71 15

31才〜40才の区間に多く,G・Pとも同傾向であ h=92 (65) (77.2) (163)

P 5 41 10

る。 nニ56 (89) (73.2) (17.9)

両親の健康状態は,父母ともに健康,普通合せて G 22 66 2 n=90 (244) (733) (23)

90%以上を占めている。あまり健康でないの項に関 P 15 36 4 しては,父親より母親に多く,GよりPに多い傾向を n=・55 (273) (655) (7.2)

示している。有意差はみとめられない。

表e  親の健康状態

能力無態 健康な方 ふつう あまり

注Nでない

G 69 22 3

n==94 (734) (2a4) (32)

P 41 15 0

n=56 (732) (26.8)

G 61 28 4

n=93 (6臥6) (30.1) (4.3)

P 31 18 5

n=54 (57.4) (33.3) (93)

lD住居及び地域環境 表犠  住居の種類

 住居の種類を一戸建てと団地,アパートの二種類に分      αのけた。表7の通り差がない。松田らの団地と団地外に住

能力男1種類

1戸建て 団 地Aパート

む幼児の運動能力の比較を男女別,種目別に行なった結  G

氏≠P01

85

i8↓2)  16 i15.8)

果では,男子の立ち巾とび,背筋力の二種目で団地に住 P 46 11

n=57 (80.2) (19.8)

む幼児の方が有意に劣っていることを指摘している。

、究では,総合的な得点で処理したことと,市街地に於

ける一戸建てと団地・アパートの相異がなくなってきていることなどの処理区分で問題があるために差が 出なかったものとみられる。

住居の広さ(あそぶ広さ),家族数に対する広さ,家族一人あたりの畳数・庭の広さについて調査した

(表8,9,10)。 あそぶ広さについてもG,P間には差はない。幼児のあそびの内容が家の中に指向 していることからみて,運動量のあるあそびが可能である筈がなくこの結果は当然である。家族数に対す

(8)

る広さについては主観的な評価になりやすいとい 表8.家の中での遊ぶ広さ う矛盾も内蔵しているが,G・Pともに差がない。

S体的には,狭いと感じている者が30〜40%弱

能力別程度 十分ある あ る あまりない

G 35 36 35

あり,現代の住宅事情を物語っている。家族一人 n=106 (33.0) (340) (3ao)

当りの畳数では,3〜4畳が,G・Pともに40 P 17 21 19

%強を占め,5〜6畳と合せると約80%になる。 n=57 (29.9) (3α8) (33.3)

しかし,幼児の移動空間,運動空間になっているかどうかは検討していない。 これまでの住居に関する三 項目の調査結果では,GとP間で有意差がみられない。

表9.家の家族数に対する広さ 表10. 家族1人あたりの畳数 能力男i程度

十 分 適 当 せまい 能力別畳数

1〜2 3〜4 5〜6 7以上  G氏≠P05

25

i23.9)

41

i390) 39

i37.1)  G

氏=≠P05

14

i133) 51

i4&6) 33

i31.4)

7(6.7)

P 14 27 17 P 7 25 20 5

n=58 (24.1) (4α6) (29.3) n・=57 (12.3) (4a8) (35.1) (88)

庭の瓜さでは・十分あると答えたものが・ Gで638%,Pで56.9%とGの方がわずかに多いが有意差 はみとめられない。あそびや運動が十分に行われているかどうか,また,それらを保障しているかどうか の検討をしなければ庭の広さと運動能力との関係 表11.地 域 別

を論じられない。       へ

c児の住む地域を表11のように分類して調査

倉力男1地域

工場地帯 商店衝 住宅地帯 農村地帯

したが。Pで商店街がや、多く,Gで住宅地帯,     、  G

氏≠P04

1 8(7.7) 82

i7&8) 13 i128)

農村地帯がや㌧多くなっている。しかし,運動能 P 1 7 43 6 n=57 (125) (74.6) (10.7)

力との関連はみられない。

@本研究で調査対象に中心市街地を選んだことが, その差を判然とさせなかった理由かもしれない。特色 のある地域で比較検討すべきであろう。なお家の 表12 周辺の安全

周辺の安全の度合は,表12の通り。あまり安全

ナない(4a7〜55.2%),危険(10.3〜15.4 能斎錘 安 全 タ全でないあまり 危 険

G 43 46 16

%)が非常に高い率を示している。商店街,住宅, n=105 (4α9) (4a7) (15.4)

農村地いずれも住居の周辺の安全が保障されてい P 20 32 6 n=58 (34.5) (55.2) (1α3)

なし(。

ilD運動に関する調査

幼児が運動をする,運動刺戟を享受できるという条件を充たすためには,保護する立場にあ為両親の運 動に対する行動,理解,関心,経験,用具施設,場などが確保され,思考されなければならない。適度な 運動刺戟がどのように選択され,伝えられているか,適度な刺戟となりうるために家庭内の環境,地域,

仲間,行動,関心,理解などとどのように結びっいているか,またはその条件整備をどうすべきかを解明 しながら,子供達の発育発達を見守り,賑し謹動灘の正常的向上を計る腰がある.水縄は,4

才児と5才児の運動能力を比較しているなかで,庭に遊具のない者が運動能力にすぐれ,ある者が低い結 果であることを報告している(男子だけ)。その理由は明確に示されていないが,遊具のあるなしが単純 に運動能力の優劣に結びつかないことを証明している事例である。本回は,種々の条件を調べ運動能力と

(9)

の関係をみている。

       、

@      \

^動することの必要性をGで853%・Pで8&9%でみとめている。幼児にとって,運動が必要であ ると答えたものは,Gで94.2%,Pで96.4%であり,認識の中では,必要性を充分に身にしみている。

普段もっと運動をしたいと感ずることも,Gで5a1%,Pでは741%とPの方が高い率を示してい る(表13)。G, P間に有意差はない(0.10>P>0.05)。

違動する必要性を認め,運動をもつとしたいと望んでいながら,身近かな運動行事への参加志向は表 14の通りである。G,P間で有意差がある程に参加程度に差があるとはいえない。

表1a ふだんもっと運動したいと感じる      表14.行事があったら参加するか

ことがあるか

r

    答能 力別

あ る あまりない な い 能力別

す る あまりしない しない

G 59 39 7 G 41 49 14

n=105 (56.1) (37、1) (6.8) n=104 (39.4) (47.1) (135)

P 43 11 4 P 14 30 10

n==58 (74ユ) (19、0) (6.9) n=:54 (26.0) (55.5) (185)

0.10>P>0.05 0.75>P>0.50 運動行事への参加が盛り上がりを欠いていても,運動への興味,特に好き,嫌いの反応をみると,父母・

G,Pともに同じ様な傾向をみることができる。父親では・とくに差がないけれども・母親ではG・P問 に傾向のちがいがみえるが有意差とはならなか 表15.親の運動への興味

った。推測の域をでることは出来ないがGの母 eの方が,運動を好きという興味をもちえてい

吾旨力別ききらい

好 き ナもないどちら きらい

G 60 30 3

ることから,幼児の運動能力をのばしていくた n・=93 (645) (323) (32)

めには,母親に 少くとも,認識の仕方を指導

 P氏=≠T6

38 i679)

17

i30.4)

1(0.02)

していかなければならない。 G 55 35 2

n=92 (5α9) (38.0) (2.1)

家庭の運動への関心をみると,表15・16・

P 26 23 5

17のようになった。スポーッの話題性,マス n=54 (48.1) (42.6) (9.3)

コミ媒体によるスポーツ内容の情報収集が果し 父   0、70>P>0.50 てどの辺りの役割りまで補償していけるかは確    母.α20>P>α10 かでないが,G, P問では,有意差がない。

表1ε 運動・スポーツに関した話題が     表17.運動・スポーツに関する雑誌・

よくでるか 新聞等をよく読むか。

能力別答 よくでる あまりでない でない 能力別答 よく読む あまり

ヌまない 読まない

G 39 59 6 G 36 51 15

n=104 (37.5) (56.7) (5.8) n=102 (352) (50.0) (1生8)

P 15 38 3 P 14 25 17

n:=56   Li2α8) (678) (5.4) n=56 (25.0) (446) (30.4)

0.50>P>0.30 0.50>P>0.25 親の運動経験をみると(表18)Gで5孔9%,Pで6eo%とPグループの方が・運動経験のある父

(10)

親が多い。母親では,その逆にPの方が低く,運動能力の劣る幼児に運動経験の少ない母親が多い。その 辺りの真因を明らかにしながら対症的に,あるいは原因療法を確立し・運動経験豊かな母親に・運動好き

な幼児の条件が整えられねばならない。

表1& 親の運動経験 表19.子どもに運動をさせているか

ムヒ  経験能力別

やった方 ふつう ほとんど竄轤ネかった

ムヒ  答月ヒカ1

させている ときどき

ウせている させていない

G 50 25 16 G 14 46 44

n=91 (54.9) (27.5) (17.6) n=104 U35) (44.2) (4a3)

P 37 10 9 P 6 20 29

n=56 (66.0) (17.9) (16.1) n=55 (10.9) (36.4) (5λ7)

G 30 39 22

n=・91 (330) (428) (24.2)

P 17 16 21 0.50>P>0.30

n=54 (31.5) (29.6) (38.9)

父  0.50>P>0.30 母  0.20>P>α10

親の運動実施状況についてみると,Gで577%・Pで47・3%がときどき・もしくは積極的にさせて いると解答している。させていないのが40〜50%あり,運動にとりくむ家庭の姿がそこにある。G,

P間に有意差はない。即ち,これらの条件は,運動能力とは関係がないといってよい。

子供に行わせている運動は,ボールあそび,縄とび,自転車のり,かけ足,鉄棒が比較的多い。

運動をさせているかどうかという消極的な質問   表20.家族,親子で運動・スポーツを

では,前述のような結果になったが,より積極的     、 することがあるか

に,家族・親子で運動をするかどうかをきいてみ 驍ニ表20のような結果になる。G, P間では率

育力別 答

よくする ときどきする しない

G 12 53 39

の上でかなり差があり,Gが15%強スポーツを n=104 (11.5) (51.0) (375)

することがあるに高い率を示したが,両老間に有 P 4 22 29

n=55 (7.3) (39.9) (52.8)

意差はない。

       0.50くPく0.75

^動の場,施設では,自宅内の運動・スポーツ

のできる場所はGで48%,Pで4丘5%,差は   表21.近くに運動・スポーッのできる みられない。非常に一般的な住宅事情である。自 場所・施設があるか

宅外での場所では表21のように,Pの方がある ニ答えたものの率は高いが,有意差はない。しか

能笏別答 あ る あまり

ネい な い

わから ネい・

し水罷は,近所に公園あそび場のあるなし  G

氏E=103 35 i340)

37 i3ε9)

26 i252)

5(49)

が,とりわけ4才児に有効である研究結果を報告 P 23 6 20 6 n=55 (41.8) (10.9) (36.4) (10.9)

している。広場のある方が,広いところであそぶ アとが運動能力の向上につらなり,運動能力が高

※※   Pく0,01

いことを証明した。

家庭にある運動,スポーツ用具,施設数をみると(表22),Gの方がPより用具・施設面ではすぐれ ている傾向がある。

(11)

表22. 運動・スポーツ用具・施設数

能力別個数

2以下 3〜 5 6〜 8 9以上 0およびNA

G 17 51 20 7 11

n=106 (16.0) (4&1) (18.9) (e6) (10.4)

P 17 23 10 0 8

n・=58 (2黛3) (39.7) (17.2) F (13.8)

以上運動に関する種々の具体的な課題に対して,一応の数処理をしてみて,その関係を把えよ うとした が,単純集計による比較検討であったがためにGグループとPグループの間の有意差がみとめられない結果にな った。幼児の発育発達を考えるとき,平面的な訥査でなく更に進んで,運動能力のよい一家庭の理解関心 の高い一運動を行動としてもっている一施設用具も整っているなどの条件を固定して,GとPを比較しな ければその中の課題は解決されない。

lV)親の養育態度と状況

親の養育態度とはいうものの,具体的には,幼児の生活にか、わる親の対応の仕方である。

子供とのあそびの状況の父母別の表は23である。

表23 子どもとよく遊ぶか 父親では,よくあそぶがG46.2%,

ヒ   答ヒ力別

よく遊ぶ あまり遊ぱネい 遊ぱない P39.5%でわずかに高いが有意差はな

「。母親についてもGで子供とよくあそ

G 36 36 6

n=78 (46.2)㌣ (4e2) (7.6) ぶ母親が多いが有意差はなレ・。

P 17 22 4 子供がよくあそぶためには,親との関

n=43 (3a5) (51.2) (9,3)

G 33 45 2 係であそぶことと,子供みずからの要求

n=・80 (41.3) (56.3) (2.5) であそぶことの二通りがある。親とはあ  P

氏≠T0

15

i30.0)

34 i680)

1 る種の規制の伴うあそび,更に保護され ているあそびとなることが多い。一人で 父    0.80>P>0.70

あそぶことは,、一人で戸外であそべるか 母      α50>P>(L30

どうかの条件があるかないかに関係して くる。表24は子供を一人で外に出すかどうか   表24.子どもをひとりであまり外に出さ に対する答えである。Gでは一人であそばせる ないか

ことを許しており,Pではそれが鈍化している,

ヲち,運動能力にすぐれているGグループはP

能力  答  別

は  い そうでもない いいえ

G 10 52 39

グループより一人あそびをさせているといえる。 皿=・101 (ag) (51.5) (3&6)

さらに表25から,Pでは親の目のとどく範 P 16 26 15

n=57 (28.1) (456) (26.3)

俵2丘 子どもを目のとどくところで

遊ぱせているか α05>P>α01

能力別答 は  い そうでもない いいえ 囲内に置く管理,保護型が多い傾向にあるとみること

G 42 52 7 ができる。前者と比して,Gでは,子供に対して活

n=101 (41.6) (51.5) (6.9) 動する条件をひとつ余計にもっている。

P 31 19 7

n=57 く544) 〔33.3) (123) 最近,塾や習いものに通う子供が多くなり,あ

α25くPく0.50 そびの時間が少ないことが問題になっている。著

(12)

αの

メらの先の研究でも,水戸市内の幼稚園で平均30%,ある園 表26.塾,習いものの状況 では,75%が通塾している結果をえている。本回の調査では,

¥26のようにG,Pともに22〜26%である。習いものを

能力別状況 している していない

G 24 82

している子供の1週間の総時間数は平均でGは61.5分・Pで n=106 〔2a6) (77.4)

は7&0分であった。Pの方が1α5分多い。全体的に習いも P 15 43 n=58 (25.9) (7生1)

のの種類はオルガン,ピアノ,習字が多い。

保育所の経験のない子供とある子供では,運動能力に差があるという観点から経験の有無を調べてみる とGで1a2%,Pでag%とあまりかわらなかった。しかし,著者らは幼稚園の一年保育組と二年保育 組を付属・」孝校で調査した結果からは・二年保育組が運動能力にすぐれているという結果をえている。

幼児の生活のとくにあそびにか、わる親の対応の仕方と運動能力についての関係をみてきた。その結果 から,運動能力のすぐれているGグループの母親は,子供を一人であそばせる.外に出させる傾向がつよ いことが確認できた。他の条件では,本調査では関係がみられない。

松畿は,母親の養育鰍と翻能力との関係細研両縮度診断検査を用いて検訓.たが,養礁

度に問題をもっ親の子と,問題がない親の子の間には運動能力の発達に差がないことを報告している。

3.あそびの環境と運動能力との関係 D あそび場

住居の近くのあそび場について表27のような 表27.近くのあそび場 結果をえた。G, Pともにかわりがない。先に紹

薰オた詠離の結果は,近くの公園広場力・あ 倉 男1有無 あ る あまりない な い

G 57 32 15

るなしが,4才児女子だけに有意差があることを n=・104 (54.8) (30.8) (14.4)

      、告しているが,本調査では差がみられない。主  P

氏≠T5

 30 i54.5)

15

i27.3)

10

i18.2)

なあそび場は

Gグループ         Pグループ 1 公園,遊園地     1 公園,遊園地 2 家の庭        2 家の庭 3 広 場        3 寺,神社 4 空 地        4 友達の家,家の中

があげられている。あそび場までの平均的な時間はG,Pどちらも85%以上が5分以内である。それら には差がみられない。

のあそびの相手,仲間

主なあそび仲間の年令,性別をみたのが表28,表29である。G・Pともに同じ傾向を示して澄り・

運動能力との一定の傾向はみられない。あそび仲間は・同年が多く・同性が大部分である。

表28.澄も左遊び仲間の年令 表2a 齢もな遊び仲間の性別 育騎別年令 年 令 同 年 年 下 いずれとも

「えない

能力別性別 異 性 同 1生 どちらとも

「えない

G 16 64 11 13 G 8 67 27

nニ104 (15、4) (61.6) (10.6) (124) n=102 (7.8) (657) (26.5)

P 5 36 3 11 P 5 32 18

n=・55 (a1) (65.4) (5.5) (2α0) n=:56 (&4) (5且5) (3a1)

(13)

あそび仲間の性格は,表30の通りである。あそびでの仲間選択上の差はないようである。

表3α 診もな遊び仲間の性格 表31.あそび仲間の数(本人を含む)

倉窃別性格 活 発 診となしい 「えないどちらとも 能力別数 1人 2〜3 4〜5

G 36 18 48 G 0 75 29

n慧102 (35.2) (17.6) (47.2) n=104 (72.1) (27.9)

P 21 7 27 P 2 41 13

n=55 〔381) (1a7) (49.2) n=56 (36) (732) (2a2)

あそび仲間の人数は表31の通り, 2〜3人であそぶという子供グループが多いことが指摘できる。本 回だけでなく,3年前にさかのぼっても同じ傾向である。段々少人数め方向に向いている。GとPの差は

ない。

松田らの研究では,運動能力を種目別において,仲間の数の多い群が運動能力にすぐれているという調 査結果を報告している。本研究は,総合得点による比較なので細部についての検討はされていない。

訟もなあそび相手についてみると,近所,幼稚園の友達というのが,G, Pともに80%以上を占め,

ついで兄弟が多い。両グループともに同様の傾向を示し,差はあまりみられない(表32)。

家族の中でのあそび相手は,G. Pともに兄弟というのが高い率を占めている。家族構成の項で運動能 力の優れている方に兄弟のあるものが多いという結果と符合するが有意性はみとめられない(表33)。

表32 澄もなあそび相手 表3& 家族の中での澄もなあそび相手

倉力別び魏園の友だち 兄 弟 兄弟以外

フ家族 その他

能力別蝉 祖父母 兄弟 その他

G 87 16 1 1 G 15 1 76 1

n=105 (829) (15.4) n=93 (16.1) (81.7)

P 46 10 2 1 P 12 3 38 0

n=54 (85.2) (1&5) (37) n=53 (226) (5.7) (71.7)

幼児の生活圏内でもとくに,あそびに関する項目に関する調査を進めてきた。 調査項目内では運動能力 との関連はみられなかった。調査地域が市街中心部という条件もあり,あそび場が整備されていない。あ そび場がないという理由とあそびをするにも仲間がいないという事実から当然かもしれなし〜よりよい整 備とスポーツ,あそびをする仲間組織を確立した上で検討せねばならない。

ま と め

幼稚園児に対する運動能力の測定と父兄に対する種々の調査を行ない,運動能力にすぐれているGグル 一プと劣っているPグループの諸条件の差をみた結果,次のような知見をえた。

1 運動能力にすぐれている幼児は同胞のあるものに多い。家族数,出生順位・母親の職業の有無・父兄 の年令,健康状態と運動能力との関係はみられない。

2 住居の広さ,種類と運動能力との関係はない。

3 父母の運動への興味,運動経験,家庭の運動実施状況,運動用具,施設数と運動能力の優劣による差 はない。

4 親の養育態度については,妥当性のあるテストを用いたわけではないので,総合的判断はできないが,

各項目で検討したところ,運動能力にすぐれている幼児の母親は子供をひとりで外に出す傾向があり・

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