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分子動力学計算の時間方向並列化と通信パターン

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Academic year: 2021

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(1)2012年ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム High Performance Computing Symposium 2012. HPCS2012 2012/1/25. 分子動力学計算の時間方向並列化と通信パターン 九大院シス情、1 九大情基セ、2 有明高専. 大隈強志、1 高見利也、2 松野哲也、1 青柳 睦. 一般に分子動力学などで扱われる多粒子系の運動には、多階層の時間・空間ダイナミクスを含み、必然的 に時空間マルチスケール構造を考慮した数値計算が必要となる。例えば、タンパク質の運動では、主鎖の ゆっくりとした集団運動 [1] を駆動するリガンドの相互作用が、さらに速い時間スケールの水分子の運動に より媒介されている。タンパク質の機能を研究するための分子動力学計算といえども、電荷や双極子モー メントの間の長距離相互作用による運動だけではなく、水分子の振動回転運動という空間に局所的かつ速い ダイナミクスまで含めて数値計算を行わなければ高精度な結果が得られない。 著者らは、時間方向並列化手法として知られている Parareal-in-Time 法 [2] の計算科学分野での適用可能 性 [3,4] を研究しており、本ポスター発表では、このような時空間マルチスケール系に対して時間方向並列 化手法を適用し、超並列計算機での大規模計算を想定して、ノード間の通信パターンを中心に解析を行う。. 分子動力学計算の時間方向並列化. 1. 重力や静電力など長距離相互作用の計算では、Tree 法、Fast Multipole. Method などの O(N log N )∼O(N ) 法が導入され、より大規模な数値 計算に対応できるようになっている。一方、多原子分子の分子動力学で は、振動する運動を凍結するための SHAKE/RATTLE 法など、高速化 のために時間スケールを明示的に分離する近似も実施されている。一般 に、物理学的に興味のある対象は複数の時空間階層を内在しており、数 値計算ではこの状況を効果的に利用するような手法が必要となる。. 図 1: 分子動力学の多階層性. 通常の並列計算は空間方向に対して実装されるが、条件によっては、時間方向領域分割法が適用でき る [5]。Parareal-in-Time 法では、厳密な時間発展 x(t + ∆t) = Ft (x(t)) に対して、高速な近似計算法. x ˜(t + ∆t) = Gt (x(t)) が存在する場合には、初期値問題の解 x(t) を x(r) (t) と摂動展開し、漸化式 x(r+1) (t + ∆t) = Gt (x(r+1) (t)) + Ft (x(r) (t)) − Gt (x(r) (t)). (1). を利用することで、時間 t 方向の並列計算が可能になる。ここでは、分子動力学に対する効果的な近似演 算子 Gt (x) の定義方法と、その時の漸化式の収束性について明らかにする。. 時空間並列計算と通信パターン. 2. Parareal-in-Time アルゴリズムは分散並列計算機での実装に適しているが、空間方向の並列性を併用し た実装では、問題サイズや計算機リソースに応じて、時空間での分担割合を調整することが必要になる。本 ポスターでは、通常の粒子分割法・領域分割法により並列化された分子動力学計算に加えて時間方向の並列 性を導入する場合の高速化について、実測値に基づいて議論を加える。また、超並列計算機で実装する場合 の通信パターン、及び、通信時間の影響を解析し、その結果を報告する。. Reference: [1] [2] [3] [4] [5]. 高見, 戸田, 福水「分子動力学データに対する統計解析システムの構築と応用」HPCS2011, ポスター発表 (2011). J. Lions, Y. Maday, and G. Turinici, C.R.Acad. Sci., Ser.I:Math. 232, 661–668 (2001). T. Takami and A. Nishida, “Parareal Acceleration of Matrix Multiplication,” in Proc. ParCo2011 (2011). 高見利也, 西田 晃「時間方向並列化の線形計算への適用可能性」情報処理学会研究報告 HPC-131-6, 1–8 (2011). L. Baffico, S. Bernard, Y. Maday, G. Turinici, and G. Z´erah, Phys. Rev. E 66, 057701 (2002).. 本研究は、科研費基盤 (C)「身近な非線形現象に対するマルチスケール的手法の確立と応用」(課題番号 23540454)、及 び、JST CREST「ポストペタスケール高性能計算に資するシステムソフトウェア技術の創出」の支援を受けています。. 55. ⓒ 2012 Information Processing Society of Japan.

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