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HighwayBridgeTrafficVibrationControlbySlidingModeControlTheory スライディングモード理論による道路橋交通振動の制御

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(1)

スライディングモー ド理論 による道路橋交通振動の制御

岡 林 隆 敏*・加 賀 敏 明**

Hi g h wa yBr i d g eTr a f f i cVi b r a t i o nCo n t r o l b yS l i d i n gMo d eCo n t r o l Th e o r y

by

TakatoshiOKABAYASHⅠ*,ToshiakiKAGA**

Thelinearquadraticregulatortheoryisappliedfortheactivecontrolofbridgevibrationconducedby trafficloads.Asthebridevehiclesystemistobethetimevaryingsystem/thestationaryLQRcontrolis notoptimalcontrolforthebridgevibration.Thisstudyconcemedwiththecontrolofbridgevibration underamovingvehicleuslngbytheslidingmodetheory.Theeffectivenessofslidingmodetheoryare discussedbythenumericalsimulationforactiveandhybridcontrol.

I.は じめに

近年 ,都市高速道路周辺 において,橋梁振動 による 交通振動障害が発生 し問題 となっている. これは,辛 両が走行することにより,橋桁 の振動 が励起 され, こ れが橋脚,地盤 を伝わ り建築物等が共振 し,周辺住民 に不快感を与 えるものであ る.この対策 として,動吸 振器を用いるパ ッシブ制御 が検討 されて きた.橋梁系 は,振動特性が時間 と共 に変化す る時変系 となる.そ こで ,橋 桁 に直接 ,制御 力 を加 え るア クテ ィブ制 1) 2)が注 目され ることとな り,さ らに,パ ッシブ 制 御 の効果 を合 わ せ持 ったハ イ ブ リッ ド制 御3) 4)

の適用が提案 されている.

交通荷重 による道路橋の振動問題 においては,橋梁 の見かけ上の固有振動数は時間的 に変化 し,パ ラメー タ変動 を伴 う時変系 となる5).また,路面 凹凸上 を車 両が走行することで発生す る外乱は,不確かさを有す る未知外乱6)とな り, これが持続的 に橋梁 に作用す ることになる. しか し,従来,道路橋振動 に適用 され た制御則は,最適 レギ ュレー タ理論であ り,定常系で 確定的な外力を扱 った ものである.道路橋交通振動で は,車両台数,車種の変動 ,走行速度な ど不確定な要 因があ り, これを取 り込んだ制御が必要 になる.そこ

で, これ らの変動 に対 して,頑強 (ロバ ス ト)な制御 が望 まれ る,本研究では,橋梁系で問題 となるパ ラメー タ変動 を伴 う時変系,お よび不確かさを含む未知外乱 に対 し,優 れた ロバ ス ト性 を有 す るス ライデ ィング モー ド理論5) 6)7) 8) 9)を橋梁振動 の ア クテ ィブ制 御 とハイブ リッ ド制御 に適用 した.

ス ライデ ィン グモー ド理論 は,位相平面 に切換線 を指定 し,応答 を この線上 にス ライ ドさせ る斬新 な 制 御 別 で あ る.近 年 のパ ー ソナル コン ピ ュー タ, DSP10)の著 しい発達 によ り制御入力のスイ ッチン グが容易 とな り,制御工学の分野で注 目されることと なった.スライデ ィングモー ド理論では,マ ッチング 条件 を満足 す るこ とで,モ デル化誤差 や外乱 の変動 をまった く受けない不変性 を有することになる.この ため,非線形系,パ ラメー タ変動系,時変系,未知パ ラメー タ系 ,未知外乱 な どに優 れた ロバ ス ト性 を有 し,建築構造物 をは じめ,弾性 ロー タ,車両用ブ レー キシステム, さ らに宇宙 ロボ ッ ト等 に適用 されてい

6)ll)12)13)14)15)16)

本論文では, この ような特徴 を有するスライデ ィン グモー ド理論 を,時変系で未知外乱が作用する道路橋 振動 に適用 し,その有効性 について検討する.

平成8326日受理

*社会開発工学科 (DepartmentofCivilEngineering)

**大学院海洋生産料学研究科海洋生産開発学専攻 (GraduateSchoolofMarineScienceandEngineering)

(2)

そ こで,.まず,複雑な連性振動 となる橋梁 一車両 一 動吸振器系のモデル化を行 う.橋梁は,3次振動 まで を制御対象 とし,車両は1自由度系でモデル化する.

このシステムの振動制御方法 にアクティブ制御および ハイブ リッ ド制御 を適用する.次に,それぞれに対 し て,全状態量 をフィー下バ ック した琴合 と車両以外の 状態量をフィー ドバ ック した場合 について考 える.こ れ らの系に対 して,スライデ ィングモー ド理論 を適用 する.さらに,一般的なスライデ ィングモー ド理論を 適用すると,制御入力が激 しく変動するチ ャタ リング 現象がみ られるので,その防止法を検討する.以上の 場合について,スライディングモー ド理論 による制御 の有効性を確認するため,数値 シミュレーシ ョンによ り最適レギ ュレータ理論 による制御 との比較 を行 う.

2.橋梁 一車両系振動の制御方法 (1)アクティブ制御

橋梁 一車両系振動のアクティブ制御は,図‑ 1のモ デルで考 える.路面凹凸を含む橋梁上を1自由度のバ ネ質点系でモデル化 された単一車両 が一定速度 即で 走行する とき,橋梁のx‑b点にアクチ ュエータを設 置 しアクテ ィブ制御 を行 う.制御入力u(i)を加 え, 橋梁振動 をn次 まで考 えた場合,橋梁 x点 におけ る 変位応答,基準座標,および車両の方程式は,次式で 与 えられる.

n

y(x,i)¢k(x)qk(i)

k=1

qk(i)+2hkalkをk(i)+W孟qk(i)

‑ ‑pkz中点(vt)2(i)+Qk(b)u(i)/mk (2) 乏(i)+2howo(乏(i)i,(vt,i),(i))

wo2(a(i)‑y(vt,i)‑r(i))‑0 (3) ここで,y(x,i):x点の橋梁の変位応答,¢k(x):k の振動モー ド,qk(i):k次の基準座標,Z(i):車両の垂 直変位,w k,Wo,hk,ho:それぞれ,橋梁,および車両の 円固有振動数 と減衰定数,pkz:橋梁の k次の有効質量 mkに対す る車両の質量moとの質量比,r(i):路面凹 凸,V:車両の速度,u(i):制御入力である.

橋梁を3次振動 まで考慮 し,以下のような状態量 を 導入する.

q(i)‑lql(i)q2(i)q3(i)]T

xa(i)‑[q(i)T身(i)Tz(i)2(i)]T

Fig.1 Activecontrolofbridgevibration

車両か ら観測 された路面凹凸の変位 をr(i),その時 間微分 を i,(i)で表 す と,路面 凹凸の変数ベ ク トルは 次の ように定義で きる.

1(i)‑[r(i)i(i)]T (6) これ らの式を用いると,(2)(3)式は,次の状態方程式 で記述することがで きる.

ka(i)‑Aa(i)xa(i)+Da(i)r(i)+Ba(i)a(i)

xa(to)‑xao (7) ここで,Aa(i):橋梁 一車両系の係数マ トリックス, Da(i):外力に係わるマ トリックス,Ba(i):制御入力に 係わるマ トリックスである.

(2)ハイブ リッ ド制御

橋梁 一車両系振動のハイブ リッ ド制御は,図‑2 モデルで考 える.橋梁,車両および動吸振器の方程式 は,次式で与え られる。

qk(i)+2hkaJkをk(i)+a'孟qk(i)

‑ 1Lkz¢k(vt)2(i)‑FLkd95k(b)a(i) (8)

乏(i)+2howo(乏(i)メ(vt,i)‑i,(i))

+wo2(Z(i)‑y(vt,i)‑r(i))‑o (9)

d(i)+2hda'd(a(i)‑i,(b,i))

+Wまd(i)‑y(b,i))‑a(i)/md (10) ここで,d(i):動吸振器の変位,w d, hd:,動吸振の 円固有振動数 と減衰定数,pkd:橋梁の k次の有効質量 mkに対 す る動 吸振器の質量mdとの質量比であ る.

その他の文字については,アクティブ制御の(1)(2)(3) で定義 した通 りである.

なお,動吸振器のパ ラメータw d,hdの最適設計には,

17)を用 いた. これは,橋梁 に動吸振器 を設置

(3)

した場合,橋梁振動の周波数伝達関数の最大値 を最小 化するする設計法である.

EV

‑ 干 !ーr I...

Cd AcieroふeT

ActuaKxto(tr)

Fig.2 Hybridcontrolofbridgevibration 動吸振器の変数 を含む状態変数 を,以下の ように定 義する.

q(i)‑lql(i)q2(i)q3(i)]T (ll) x(i)‑[q(i)T4(i)Td(i)a(i)2(i)2(i)]T (12) (6)式 で定義 した路面 凹凸の変数ベ ク トル r()を用 い

る と,(8)(9)(10)式は,次の状態方程式で記述す ることが で きる.

i:(i)‑A(i)x(i)+D(i)r(i)+B(i)u(i)

x(io)‑xo (13) ここで,A(i):橋梁 一車両 一動 吸振器系の係数 マ ト リックス,D(i):外力 に係わ るマ トリックス,B(i):

制御入力に係わるマ トリックスである.

(3)路面凹凸のモデル化

車両が橋梁上 を走行 した場合,外乱発生の原因 とな る(6)式 の路面 凹凸の変数ベ ク トル r(i)の各要素 は, 特定のパ ワースペ ク トル密度 を有する正規確率過程で モデル化で きる18).

x‑vtで変換 した,路面 凹凸のパ ワースペ グ ト)i, 度は,次式で近似 される.

S,(a)‑So(W2+β2) (14) ここで,S0‑27ruA,β‑27TVa,A1・0×10J3

(cm2/m),a‑0.05である.

(14式 で近似 した,名阪高速道路の路面凹凸のパ ワー スペク トル密度 を図‑3に示す.後で述べる本論文の 数値 シ ミュレーシ ョンでは これを用いた.

このパ ワー スペ ク トル密度 よ り,路面 凹凸の変位 r(i)お よび時間微分i,(i)は次q)ような三角級数モデル によ り合成で きる.

1Tt

r(i)∑ abSin(wki+Qk)

k‑I

FZ22

y(i)wkakCOS(a)Ai+¢k)

k1 q差‑4S,(a)Aw

w kW L+(k‑1/2)W,Aw‑ (wU‑wL)/m (i7) ここで,ak:平均値0,標準偏差 qkを有す る正規乱 敬 ,Qk:0‑27Tの一様乱数,wL,WU:合成 す る波形 の 凹凸数の下限 と上限,釈 :周波数の分割数であ る.

(15)(1カ式 に よ り合成 した路面 凹凸の変位 r(i)の例 を ‑4に示す.

(uJoJzt

lU)

(AOus, 1

2

0

0

日H

sdf})丁阜一a2+a丁‑

sR(E2)‑一

lて

1 1

10 12 101 1 10 f2(C/m)

Fig・3 Powerspectraldel nsityofroadroughness

OE

≡:0> L

1

0 10 20 30 111

Fig・4 Roadroughness

3.制御理論

(1)最適 レギ ュレー タ理論

スライデ ィングモー ド理論 と最適 レギ ュレー タ理論 による制振効果の違 いを比較するため, これ らを橋梁 系振動 のハ イブ リッ ド制御 に適用 した場合の定式化を 行 う.

まず,最適 レギ ュレータ理論 にって述べ る.本研究 では,フィー ドバ ックゲインが時間的 に変化 しない定 常最適 レギ ュレー タ理論で考 える.(13)式 におけ る制御

(4)

入力 〝()の最適 な値 は,次の二次形式評価関数 を最 小にするもの として選ばれる.

I

‑ f [ x

(i)TQ

x (

i)+u(i)TRu(i)]dt (18) ここで,QRは,重 み行列 で,それぞれ非負定 値 と正定借で構成 された正方対称行列である.

この評価関数 を最小 にする最適制御入力u(i)は, 次式の ようになる.

u(i)‑‑K,x(i) (19) この式の最適フィー ドバ ックゲインベク トルK,は,

Bl‑R‑1BTP eO)

で与 え られる.この式のマ トリックスPは,次の定 常 リカ ッチ方程式 より求め られる.

PA+ATP‑PBRllBTP+Q‑0

¢ 1 )

ここで,Aおよび β は,車両 が橋梁中点 に達 した 障刻t‑L/2Vにおける値 を用いる.

最適 レギ ュレータ理論 をアクテ ィブ制御に適用 した 場合には,(18(19)式 のx(i)お よびeo)Cu)式のA,Bは, (7)式 より求めた xa(i),Aa,およびBaになる.

(2)スライディングモー ド理論

スライディングモー ド理論は,位相平面に切換線を 指定 し,応答 をこの線上 に拘束 しス ライ ドさせ る可 変構造制御理論であ り,非線形 系,パ ラメー タ変動 系,時変系,未知外乱な どに優れたロバス ト性を有す 6).本研究では,橋梁系がパ ラメー タ変動 を伴 う時 変系 とな り,未知外乱が問題 となるため,これ対 しロ バ ス ト性 を もつス ライデ ィングモー ド理論 を適用す

る.

ハイブ リッ ド制御 において,この理論の特徴である 制御入力の切 り換 えを行 う際の条件を与 える切換関数 Uは、(13)式で x‑x(i)と置 き換 えると次式で表現でき る.

O‑Sx ¢g)

この式のベ ク トルSを決定 す るこ とで,各次振動 数の切換超平面の傾 きが設計できる.これに関 しては, 極配置法 ,2理論 ,Hco理論 ,fLシンセシス等,い く つかの方法が検討 されてい るが6)12),本研究では, 最適 レギ ュレータ理論 との制御効果 の比較 を行 うた め,最適 レギ ュレータ理論で用いる定常 リカッチ方程 式 によるSの決定方 を採用 し,両理論での重み行列

R,Qの値 を統一する.

e

l)式の定常 リカ ッチ方程式q)Pよ り,ベ ク トル 5日ま次式の ように求まる。

S‑BTP ¢3)

次に,橋梁の変位応答を切換超平面に到達 させ交線 上でスライ ドさせることにより,スライディングモー ドを実現するための条件を考える. この方法にもい く つかの提案がなされているが6),有限時間において応 答を切換超平面に到達 させること目的 とし,切換関数 Oに対す る リアプノフ関数 Vを定義 し、 これ よ り求 め られる微分値 矛を負 とする方法を採用する.

Uに対するリアプノフ関数 Vは,

V‑;62 C4)

で与 え られ,状態 フィー ドバ ックの制御入力を‑Kx とすると,スライデ ィングモー ドの実現条件は,

¢=6度Ax‑oSBRk<0 ¢5) とな る。 これ よ り、フ ィー ドバ ックゲインベ ク トル 且 の各要素 は次式の ように切 り換 え,変動 させ るこ

とになる.

kj‑ ( … ;霊 ,: : O1,・,10) e6, ここで、 (且A),は、 (ぷA)のj列の成分である.

この式で,kTお よび kT を どの程度 に変動 させれ ば最 も効果的かについては,いまの ところ理論的確立 はなされていない11).本研究では,試行錯誤によ りそ の割合を(SB)1(SA),80%とした・

一般のスライディングモー ド理論では,非線形性を 有する制御入力が,無限大の切換周波数を持つ ことに な り,チ ャタリング とよばれる高周波振動 をひ きおこ す.アクチ ュエータの性能上 このような力を発生 させ ることは,事実上,不可能である.この防止方法 に関 して も,い くつかの提案がなされているが 5)6)7)13)16), 本研究では,制御入力の切 り換 えを連続化するため鯛 式を以下の ように書 き換 える.

kj‑

k,j qxj>£

kT qXj<‑£

(kf‑kT)qxj/2g+(kT‑kj)/2 ‑6<Oxj<S

スライデ ィングモー ド理論をアクティブ制御 に適用 した場合 には,¢g)か ら(姻式のx(i),Aお よびBは, (7)式 より求めた xa(i),Aa,およびBaになる.

(5)

4.数値 シ ミュレーシ ョンと考察 (1)橋梁,車両,動吸振器の諸元

スライディングモー ド理論 による振動制御効果を確 認するため,この理論をアクティブ制御およびハイブ リッ ド制御に適用 し,数値 シミュレーシ ョンを行 った.

これを最適 レギ ュレー タ理論 を用いた場合 と比較 す る.本研究が想定 した橋梁,車両および動吸振器の諸 元 を,表‑1,表‑2お よび表 ‑3に示 した.車両の 速度は,10 (m/sec)である.動吸振器は現実的な値 を得 るため,動吸振器の重量 を橋梁の1/50の2 (tonf)

とした.また前述の ように,固有振動数,減衰定数は Hmax法により求めた ものである.

(2)アクティブ制御の場合

アクティブ制御 を用いた場合のシミュレーシ ョン結 果 とその考察 について述べる.図‑5は,橋梁,車両, 動吸振器の全状態量をフィー ドバ ック した場合のスラ イディングモー ド理論 および最適 レギ ュレータ理論の

Withoutcontrol 0.5

o

>

0.5

Table1 Characteristicsofthebridge Span(m) 40.0 Weight(kgf) 10.68×104

FleXuralrigidity 24.41×108

(kgf.m2)

Table2 Characteristicsofthevehicle Weight(tf) 20 Frequency(Hz) I:3p.O Dampingconstant 0.03

Table3 CharacteristicsoftheTMD Weight(tf) 2 Frequency(Hz) 2.28

Slidingmodetheory ‑ ‑ I II ‑ Regulatortheory

0 1 2 3 4

Time【sec]

(a)Displacementofbridgevibration(Ⅹ‑L/2)

101

buoT]n

xlO

l

ら 0

1

′./lLf,I'lIf/Il/I /Jヽ\.l ∫I ∫ \n

/ I I U ∫ ∫ I ー I

/.

1 2 3

Time【sec] (b)Controlforce

0 1 2 3 4

Time[sec] (C)Switchingfunction Fig.5 Activecontrol(feedbackbyall

statevariables)

0.5

o

0.5

0 1 2 3 4

Time【sec]

(a)Displacementofbridgevibration(Ⅹ‑L/2)

2 3

Time[sec (b)Controlforce

0 1 2 3 4

Time[sec

(C)Switchingfunction

Fig.6 Activeclontrol(feedbackbystatevariables ofbridge)

(6)

比較である.これに対 し図‑6は,現実の橋梁 一車両 系で計測不可能 となる車両以外の橋梁および動吸振器 の状態量 をフ ィー ドバ ック した場合であ る.それぞ れ,(a)は変位応答,(b)は制御入力,(C)はスライデ ィン グモー ド理論の切換関数である∴ 点線が非制御,実線 がスライディングモー ド理論 ,破線が最適 レギ ュレー タ理論 である.本論文 において車両は,橋梁40 (m) 手前 より路面凹凸上を走行 し橋梁 に進入するもの とし た.

数値 シミュレーシ ョンの結果,図‑5および図‑6

における(a)の変位応答の比較 をみると, どち らの場合 も全体的に,スライディングモー ド理論が最適 レギ ュ レータ理論 より優れた制御効果を実現で きることが確 認できた.スライディングモー ド理論では時変系およ び未知外乱 に対 し,優れたロバス ト性 を有するか らで ある.特に,図‑6の車両をフィー ドバ ック しない場 合に,最適 レギ ュレータ理論 に比べ良い結果 となるの は,スライデ ィングモー ド理論が外乱に対する不変性

Withoutcontrol 0.5

旦 o>

0.5

を有す るため,外乱発生の原因 とな る車両情報 のフ ィー ドバ ックを必要 としないためである.また,持続 的な外乱が働 くため全時間帯ではないが,図‑60

‑0.6 (sec),3.0‑3.3 (sec),3.7‑4.0 (sec)付近 においては,スライデ ィングモー ド理論の特徴である 直線的な制御が実現 されている.

スライデ ィングモー ド理論に限定 した場合,前半の 0‑0.6 (sec),後半の3.0‑4.0 (sec)においては, ‑ 5の全状態量をフィー ドバ ック した方が悪い結果 となった.この ことは,適用 した リカッチ方程式が定 常理論であ り,全時間帯において車両を中点に固定 し, ゲインベク トルKを決定 したためである と考 え られ る.

図‑5と図‑6の(b)は,それぞれ(a)の変位応答 に対 応する制御入力であ り,実線がスライディングモー ド 理論 ,破線が最適 レギ ュレータ理論で,全てその最大 値が1(tonf)になるように設定 している.スライディ ングモー ド理論での リカッチ方程式の重み係数R,Q

Slidingmodetheory 一 一 一 一 一 一Regulatortheory

'1.,:,.l:.yJ:/'T.,,.'..〜:.L.、 ′I.YIL1/, .)./:/■\̀:

0 1 2 3 4

Time[sec]

(a)Displacementofbridgevibration(Ⅹ‑L/2)

1

a o

1

lo

l ら0

1

l\ I∫ Ilノ∫し/′ヽ‑へ‑/一 /廿 ′/ll/Il帖 llIILIIl/

0 1 2 3

Time[sec] (b)Controlforce

0 1 2 3 4

Time[sec] (C)Switchingfunction Fig.7 Hybridcontrol(feedbackbyall

statevariables)

0.5

g o

0.5

101

buoJ]n

JIL.t.,(.1I, ∫ .^1 ̲ノ.I /'.

0 1 2 3 4

Time【sec]

(a)Displacementof1)ridgevibration(Ⅹ‑L/2)

1 2 3 4

Time[sec] (b)Controlforce

0 1 2 3 4

Timelsec]

(C)Switchingfunction

Fig.8 Hybridcontrol(feedbackbystate variablesofbridge)

(7)

は,それぞれの場合で対応す る最適 レギ ュレータ理論 と同 じ値 を使い,さらに,制御入力に制限を加えてい る.銅式のフ ィー ドバ ックゲインを用い,制御入力を 連続的 に切 り換 えたため,スライディングモー ド理論 におけ る最大の欠点であ るチ ャタ リング現象が防止で きている.

‑5と図‑6の(C)はそれぞれの(a)(b)に対応す るス ライデ ィングモー ド理論 の切換関数 Oの波形 であ り, これが縦軸のゼロ点付近 にある時 に,ス ライデ ィング モー ドが実現で きることになる. これは,図‑6の(a) について述べた直線的な制御が行われている時刻 とほ ぼ一致 してお り,スライディングモー ドの実現が確認 で きる.橋梁の変位応答は,切換超平面の交線上をス ライ ドしてい くことになる.

(3)ハイブ リッ ド制御の場合

アクテ ィブ制御の場合 と同様 に,図‑7お よび図‑

8は,全状態量をフ ィー ドバ ック した場合 と車両 を除 く状態量 をフ ィー ドバ ック した場合のス ライデ ィング モー ド理論 お よび最適 レギ ュレー タ理論 の比較 であ り,(a)は変位応答,(ち)は制御入力,(C)はスライデ ィン グモー ド理論 の切換関数である.点線が非制御,実線 がスライデ ィングモー ド理論 ,破線が最適 レギ ュレー タ理論 であ る.

数値 シ ミュレーシ ョンの結果,図‑7お よおび図‑

8(a)の変位応答の比較 をみる と,アクテ ィブ制御の場 合 と同様 に, どち らの場合 も全体的に優れたロバス ト 性 のため,ス ライデ ィングモー ド理論 が最適 レギ ュ レー タ理論 よ り良い結果 を得 て い る.特 に図‑7

3.0‑3.3(sec),図‑80‑0.3(sec)の付近 にお いては,直線的な制御が実現 されている.また,スラ イデ ィングモー ド理論 と最適 レギ ュレー タ理論 におい て,前半部分 と後半部分で図‑7の全状態量 をフ ィー ドバ ック した方が悪い結果 となった. これは,前で述 べた ように,適用 した リカッチ方程式が定常理論 だか

らである.

スライデ ィングモー ド理論 に限定 し,前 に述べたア クティブ制御の図‑5,図‑6とハイブ リッ ド制御の 比較 をす ると,ハ イブ リッ ド制御の方が よい結果 とな ることが確認 で きる.現実の橋梁振動 に適用する場合 には,小さな制御入力ですむ,ハ イブ リッ ド制御 が有 利 となる.

‑7と図‑8の(b)は,それぞれ(a)の変位応答 に対 応 する制御入力であ り,実線がスライデ ィングモー ド 理論 ,破線が最適 レギ ュレー タ理論で,アクテ ィブ制 御 と同 じく,全てその最大値 が1(tonf)になるように

パ ラメータを設定 した。そ こで, リカ ッチ方程式の重 み係数R,Qは,両理論で同 じものを使い制御入力に 制限を加 えている.e7)式のフィー ドバ ックゲインを用 いたため,チ ャタリングが防止で きている.

‑7と図‑8の(C)はそれぞれの(a)(b)に対応す るス ライ デ ィン グモ ー ド理 論 の切 換 関数 Oの波 形 で あ る.(a)の変位応答で,直線的な制御 となった,図‑7

3.0‑3.3(sec),図‑80‑0.3(sec)と同時刻 で, これ らに対 応す る(C)の切換関数 Oが零 点付近 で 推移 している.これ よ り,直線的な制御 となったのは, スライディングモー ドが実現 されたためであることが わか る.

5.まとめ

本研究では,道路橋振動 のアクティブ制御 とハ イブ リッ ド制御 にスライデ ィングモー ド理論 を適用 した場 合の有効性 を確認 した. このため,橋梁の変位応答に より従来の制御理論である最適 レギ ュレータ理論 と比 較 した.得 られた結果 を要約する と以下の ようになる.

(1)路面凹凸のパ ワースペク トル密度 より凹凸例 を 作成 し,橋梁 一車両系振動のアクテ ィブ制御お よびハ イブ リッ ド制御のモデル化 を行 った.これに対す る, スライディングモー ド理論 とレギ ュレータ理論 の定式 化を行 った.この時,スライデ ィングモー ド理論で問 題 となるチ ャタ リングの防止について も考慮 した.

(2)数値 シミュレーシ ョンの結果,変位応答波形 に よ り,全体的 にス ライデ ィン グモー ド理論 が レギ ュ レー タ理論 より優れた制御効果が得 られることを確認 し,全時間帯ではないがスライデ ィングモー ド理論の 特徴 である直線的な制御が実現で きた.

(3)車両以外の状態量 をフィー ドバ ック した場合に 比べ全状態量をフィー ドバ ック した場合,前半時間 と 後半時間において悪い結果 となった.これは,フ ィー ドバ ックゲインベク トルの決定 に用いた リカッチ方程 式が定常理論であったためである と考 えられる.

(4)スライデ ィングモー ド理論 によるアクテ ィブ制 御 とハ イブ リッ ド制御の比較では,後者の方が優れた 制御が実現で きることを確認 した.

(5)制御入力の波形 より,本研究で施 した制御入力 切 り換 えの連続化が有効 に作用 し,チ ャタ リングが防 止で きた.また,切換関数の波形 より, どの時間帯 に おいてスライデ ィングモー ドが実現 されるかを確認 し

た .

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