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中学校国語科における遺書指導の史的研究
教科・領域教育専攻 言語系コース(国語) 金 井 智 一1
研究の目的
本研究の目的は昭和 20年代から昭和 50年 代にかけての、中学校国語科における選書指導 の庫史的な推移を、先行研究、学習指導要領を 参考にしながら、考察することにある。 昭和 20年代をスタートにした理由としては、 学習指導要領における「選書」の変遷について 比較していく際に、学習指導要領がはじめて制 定された年が 1947(昭和 22)年だったことに よる。この研究においても、昭和 20年代は特 に 1947(昭和 22)年からの整理、考察を行っ ていく。 昭和 50年代を区切りとした理由としては、 本論における後述の該当箇所(第4
章)におい て詳しく叙述している、基礎・基本の能力の充 実を重視する f時代の状況jから、学習指導要 領の中に基礎・基本の能力として「選書jが含 まれているのか、ということを読み取り、整理、 考察していくことが可能になるのではないか、 と考えたためである。2.
論文構成
序章研究の目的と方法 第1章 昭 和 20年代 第2章 昭 和 30年代 第3章 昭 和40年代 第 4章 昭 和 50年代 指 導 教 員 幾 岡 伸 司 結章研究のまとめと今後の課題 参考・引用文献/資料3.
論文の肉容
本研究は、以下の 6章の構成とした。 序章では研究の目的と方法について述べる。 「第1章 昭 和 20年代Jから「第 2章 昭 和 30 年代J、「第3章 昭 和 40年代J、「第4章 昭 和 50年代j と年代別に分けて整理、考察を行 った。そして各章において、時代の状況、読書 環境、学習指導要領の整理、主要研究の整理、 考察、を行った。そしてその各章をまとめる「ま とめjを示した。「結章 研究のまとめと今後 の課題」において、「研究のまとめj と「今後 の課題Jを記した。4.
研究の成果
昭和 20年代に関しては、単元学習という方 法を用いて行われる読書指導の中で選書指導も 行われていた。昭和 20年代後半からは、経験 主義・単元学習の反省から、能力主義・系統学 習が前面に出るようになる。そこで読むことに おいては「読解指導Jが注目されるようになる。 昭和 30年代に関しては、指導要領には選書 に関する記述はあるものの、論者の自に入った 限りでは選書に関する実践報告は少なかった。 しかし、倉津栄吉氏や飛田多喜雄氏の理論の中- 204 - には選書に関する記述はあった。また国語科以 考える。 外の場で椋鳩十氏が行っていたような読書運動 は存在している。 昭和 40年代は、昭和 30年代の能力主義・系 統学習の反省から、人間性の回復が求められる ようになり、能力主義・系統学習の限界を破る べく単元学習が再び注目されるようになる。そ の単元学習の中で、大村はま氏の実践にあるよ うな選書指導が実践されている。 昭和 50年代に関しては、昭和 40年代の指導 要領の内容を引き継いでいる。その一方で学習 指導要領には選書についての明記はなされてい ない。説明的文章に関する読書指導、選書指導 が大村氏以外の実践においても前面に出てく る。これは情報化社会の中で、情報の取捨選択 の重要性が増していったことからであると考え られる。 このように、昭和 20年代 昭和 50年代の「中 学校国語科における選書指導」について整理、 考察を行っていた。全体を通しての選書指導に ついては、やはり読むこと、読書指導と切り離 して述べることは難しい、と考えられる。昭和 40年代に大村氏が選書を目標にして行った実 践はあるものの、あくまで読書指導(読書生活 指導)の単元の中で行われているものであるた め、選書指導単体での実践、理論は難しいこと がわかる。 選書の時代について、「指導者や大人が選ん だ本から選ばせる時代」、「生徒が主体となっ て自ら本を選ぶことができるようになることを 目標とした実践が営まれた時代」、そして「情 報化社会において説明的文章を中心とする読書 指導の中で「文献探索能力」という選書力の育 成を目指す時代」へと移り変わっていたことが 整理できたことが今回の研究での成果であると