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肋骨原発骨血管腫の一手術例 利用統計を見る

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山梨肺癌研究会会誌 18巻2号 2005

肋骨原発骨血管腫の一手術例

山梨大学医学部 第2外科 竹谷友里 松原寛知 奥脇英人 松本雅彦

病理部 岩佐敏

第1病理 土橋洋 要旨1第2肋骨原発骨血管腫の一手術例について報告する。症例は74歳女性、1999年よ り胸部異常陰影を指摘され軟骨腫と診断され経過鶴擦されていた。2004年の検診で増大認 め、手術目的に当科入院となった。2005年2月14日肋骨腫瘍切除術施行。第2、第3肋骨 を合併切除し、胸壁欠損部の再建を行った。病理診断は肋骨原発の血管腫であった。術後 経過は良好で現在まで再発は認めていない。骨血管腫は全骨腫瘍の1%以下で、その中で も肋骨原発はきわめてまれであり、画像所見だけでは確定診断が難しいため他の腫瘍との 鑑別が重要である。 キーワード:骨血管腫、肋骨腫瘍切除       はじめに  骨血管腫は全骨腫瘍の1%以下であり、 その中でも肋骨に原発するものはきわめ てまれである。今回我々は、胸部異常陰 影にて発見され、経過観察中に増大を来 たしたため切除を行った肋骨血管腫の一 例を経験したので報告する。        症例  症例:74歳 女性  主訴:胸部異常陰影  現病歴:1999年近医にて胸部異常陰影 を認め、㏄施行、軟骨腫と診断され経過 観察となる。2004年の検診にて腫瘍の増 大を認め、2005年i月、他院受診、精査 の結果悪性腫瘍も否定できなかったため 手術目的に当科紹介となる。

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ぷ         a.      b.        図1,胸部単純X線写真像  2000年6月には35×25㎜であった左上肺野の腫瘤影が(a)、2004年12月には48×35 ㎜と増大認めている(b)。

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平成17年10月1日  既往歴:55歳 甲状腺腫にて左葉切除 術、70歳より高血圧加療中  家族歴:特記すべきものなし  入院時検査所見:身体所見では特に異 常を認めなかった。血算・生化学検査に 異常なく、腫瘍マーカーの上昇も認めな かった。  胸部単純X線写真(図D:左上肺野に 境界明瞭な腫瘤影を認め、2000年には35 ×250皿であったものが2004年には48× 32㎜と増大を認める。        図2.胸部造影㏄ 第2肋骨に連続する40×40 mmの境界明瞭で、造影効果のある腫瘤を認める。       図3.胸部造影MRI 左第2肋骨に連続し、造影効果のある40×CO・mmの腫瘤を認める。  胸部造影cr(図2):第2肋骨に連続す る40×40㎜の境界明瞭で、単純では骨 と同じ濃度と低濃度が混在し、造影効果 がみられる腫瘤を認めた。  胸部造影ual(図3)1胸部㏄と同様の 造影効果を認める40×40㎜の腫瘤を認 めた。  以上より肋骨腫瘍と診断し、2005年2 月14日に肋骨腫瘍切除術施行。後側方切 開にて第4肋間開胸し胸腔内を観察した ところ、腫瘍は第2肋骨を中心として存 在していた。

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山梨肺癌研究会会誌 18巻2号 2005     a.       b.        図4.手術所見 開胸したところ、腫瘍は第2肋骨を中心として存在していた(a)。    胸壁欠損部はGoreTexシートを用いて再建した(b)。        図5.摘出標本 肉眼的には第2肋骨より発生する43×40m大の表面平滑な腫瘤であった。         図6.病理組織標本(H.E.染色、×100) 骨髄内に拡張した毛細血管や肥厚した壁を有する海綿状の血管腔が混在し、 骨稜の菲薄化を伴う。

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平成17年10月1日 第2、第3肋骨を合併切除し、さらに 肋骨断端を追加切除し肉眼的には十分 に辺縁を確保した。頭側は第1肋間筋、 第1肋骨下縁を含めた骨膜外剥離を行 い第1肋骨を温存した。胸壁欠損部は 10×7cmで、肩甲骨に完全に隠れる部 分ではあったが、GoreTexシートにて 再建を行った(図4)。  摘出標本は、肉眼的に第2肋骨より 発生する43×40㎜大の表面平滑な隆 起性病変を認め、触診上は全体として 柔らかい部分と破砕された骨と思われ る硬い部分が混在する所見であった (図5)。  病理組織HE染色では、骨髄内に拡張 した毛細血管や肥厚した壁を有する海 綿状の血管腔が混在して見られ、骨稜 の菲薄化を伴っている。破砕された骨 が散在する所見もある(図6)。 以上より肋骨原発骨血管腫と診断した。 術後経過は良好で、現在まで約4ヶ月 の観察では再発を認めない。        考察  全国骨腫瘍患者登録一覧表1)による と、骨血管腫は原発性骨腫瘍のO.・7% とまれである。好発年齢は50∼60歳、 部位としては椎体が最も多く、次いで 頭蓋骨に多い2)が、肋骨発生は極めて まれで骨血管腫の0.05%となってい る。大部分が無症状で胸部単純X線写 真にて偶然発見されることが多いが、 腫瘤の触知や胸痛で発見される例も報 告されている3)。胸部X線では境界明 瞭な腫瘤影として認め、胸部CTでは骨 皮質の破壊を伴わない膨隆した病変と その内部の微細な骨稜形成を特徴とし、 造影で強く増強される。無症状のもの は経過観察とすることが多いが、肋骨 原発はまれであること、また肋骨発生 腫瘍の約3割が悪性腫瘍であることか’ ら悪性の可能性が完全に否定できない 場合には腫瘍縁から十分に距離をとり 外科的に切除する必要があると報告さ れている4)5)。予後は一般的に良好で、 再発は少ない。        結語  今回我々は、肋骨原発骨血管腫の1 例を経験した。肋骨原発血管腫は極め てまれであり、画像所見だけでは確定 診断が難しいため、他の腫瘍との螂1」 が重要である。       引用文献 1)本整形外科学会骨・軟部腫瘍委員  会(編):全国骨腫瘍患者登録一覧

 表、1994

2)西村浩、末藤伸子、長田周治、他.  骨軟部の血管腫・血管奇形の画像  診断 臨床画像 2002;18:  1325−1338 3)高岡和彦、木村文平、相河明規、  他.:肋骨より発生した血管腫の一  例 胸部外科 2004;57:339−343 4) Okumura T, Asamura H, Kondo H, e t  a1:Hemangioma of the Rib:aCase  Report;JPn J Clin Onco12000;30:  354−357 5) Shimizu K, Yamashita Y, Hihara J,  et a1 :Cavernous Hemangioma of  the  Rib  : Ann  Thorac  Surg  2002;74: 932−934

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