第2 学年 ○ 組
音 楽科 学習 指 導案
指導者 T1 ○○ ○○ T2 ○○ ○○ 1 題材名 詩情や曲想の特徴をとらえて,合唱表現の工夫をしよう 教材 「夏の日の贈りもの」 高木あきこ 作詞 加賀清孝 作曲 2 指導観 ○ 歌唱曲は,旋律と詩から構成されている。より良く歌うためには,歌詞の中に込め られている詩情を読み取り,その思いを込めて表現の工夫をすることが重要である。 それと同時に,旋律に仕組まれた作曲者の思いを読み取り,なぜそこをそのような曲 想にしたのかなどと理由を考えていくことも,その曲を表現するために不可欠なこと である。どの楽曲にも作詞者や作曲者の思いが込められている。旋律には、作曲者の 思いが音符,強弱,曲想,速度,繰り返しや演奏形態などのしかけとなって表されて いる。これらのしかけを生徒自身が読み取り,表現に結びつけていくことは,読解力 の育成という点からも大切なことである。そのことは,作曲者の思いを相手に伝える ためにはどう表現したらよいのかということを考えさせることであり,そこから表現 の技能を向上させることにもつながっていくものと思われる。このような読解力を重 視した学習を生徒たちにさせることは,興味を持って,合唱の表現の工夫をしていこ うという気持ちを養うことができ,生涯にわたって音楽を愛好する心情を培うことに もつながるのではないかと思われる。 ○ 本学級は,13人(男子6人,女子7人)の少人数である。女子は,意欲を持って行 動する生徒が多いが,男子は,やや消極的な生徒もいて全体的におとなしい。歌唱に 関しては,どの生徒もまじめに取り組むことができる。これまでの学習では,ほとん どの生徒が強弱や曲想などの作曲者の思い(しかけ)を見つけたり,意見を交流したり とそれなりに参加できている。しかし,それを実際自分で表現するとなると,自分が 考えているほどには,表わしきれていない状態である。ただ,このように自分たちで 作曲家の思い(しかけ)を見つけ出し,表現の工夫へと結びつけていく活動は,60% の生徒が楽しいと答えている。 ○ 本教材は,夏が過ぎた山の様子や夏山での思い出を詩に描いたものである。 指導にあたっては,まず、生徒に詩を読ませ,自分なりの情景を想像させ,作詞者 の思いと重ね合わせたい。そのために夏山や夏の終わりの山などの画像も写し出し, 情景想像の一助とする。次に,旋律に目を向けさせ,作曲者が工夫している様々なし かけを見つけ出させる。その際,自分で見つけた後,班で交流させ,班全員,意見が 言えるように班長指導や班指導を行いたい。その後の全体の交流の場面では,工夫さ れているところを拡大楽譜に書き込み,視覚的にもとらえやすくさせたい。さらに, 様々なしかけが,なぜそこについているのかを旋律の流れや詩に目を向けさせて読み 取らせ,曲に込められた思いを感じ取らせる。特に曲の山場の部分は,歌詞をもとに 旋律の表現が盛り上がっていることに気づかせ,歌う工夫をさせたい。最後に自分た ちの合唱の録音を聴かせ,表現の工夫ができていたか,それが伝わってきたか考えさ せる。そして、作詞・作曲者の楽曲に込めた思いが他者に伝えられるような表現の技 能を伸ばしていきたい。3 目 標 (1) 積極的に楽曲を味わい,表現の工夫をすることができる。 (2) 詩情や曲想を読み取り,歌唱表現をすることができる。 (3) 声部の役割を感じ取り,全体の響きに気をつけて合唱することができる。 (4) 自分たちの合唱を聴き,良さや課題点を見つけることができる。 4 指導計画 (4時間) 配時 学習活動・内容 評価の観点 指導の手だて 1 パ ー ト 練 習 で 音 取 ・パ ート練習に積極 的に参 ・パートリーダー を中心に音 1 りをする。 加 し,音程をつか むこと 取りをさせる。 ができたか。 2 歌 詞 の 内 容 を 読 み 取り,情景を想像し, 作 曲 者 が 思 い を 込 め ・歌詞の内容につ いて班で考 る た め 工 夫 し て い る ・歌 詞を読み,情景 を想像 えさせる。 ところを見つけ出す。 できたか。 ・山の画像の提示をする。 (1)詩情を読み取る。 ( 2) 作 曲 者 の 思 い ( し ・楽譜や範唱 CDから 作曲者 ・範唱CDを聴き,作曲者の思 2 か け ) を 楽 譜 全 体 か が 工夫していると ころを い(しかけ)を 見つけ出さ らに見つけ出す。 楽 譜全体から見つ け出す せ、班,全体で交流させる。 ことができたか。 (3)「山は~贈りもの」 ・作曲者の思 い(し かけ)を ・拡大楽譜を準備 し,視点を の 部 分 に 絞 っ て , 作 見 つけ出すことが できた はっきりさせる。 本 曲者の思い(しかけ) か。 ・作曲者の思い(し かけ)を見 時 をとらえ,表現の工 ・しかけの理 由(意 図)を読 つけ出し,理由を考えられ 2 夫をする。 み取ることができたか。 るように班活動をさせる。 2 ・自 分なりに表現を 工夫し ・自分なりの表現 ができたか て,歌うことができたか。 自己評価をさせる。 3 詩 情 と 旋 律 , 曲 想 ・他 のしかけを探し ,表現 ・パート毎に歌い 方の工夫を を 結 び つ け な が ら , の工夫ができたか。 させる。 1 全 体 を 通 し て 歌 い 方 ・旋 律と歌詞の抑揚 が一致 ・お互いに歌を聴 きあわさ の工夫をする。 し ていることに気 づき, せ,合唱させる。 歌 い方の工夫がで きた ・録音をし、自分 たちの合唱 か。 を評価させる。
5 本 時 平成20年10月21日(火) 5時間目 音楽室にて 6 本時の指導観 前時までに,男声,女声に分かれてそれぞれのパートで音取りをした。その後,詩の 内容について,言葉の意味や情景の想像をし,班毎に意見を出し合わせ,自分なりの詩 に対するイメージを持たせた。また、範唱CDを聴き、作曲者が思いを伝えるために工夫 しているところ(しかけ)を楽譜全体から見つけ出させた。 本時では、前時で見つけた作曲者の思い(しかけ)を「山は~贈りもの」の部分に絞 って、どういう意図のもとにそこにつけられているのか,詩との関わりも考えさせなが ら読み取らせ,歌唱表現へ結びつけさせたい。その際,班で自分の意見を出し合わせ, 考えを深めさせた後、さらに全体の場で発表させ、どの部分をどう考えて表現の工夫を したらいいのかを共有させたい。それをもとに,合唱練習をし、録音をする。最後に録 音をもとに自己評価をさせ,よりより合唱表現を目指させたい。 <3つの対話づくりの手だて> ○対象との対話…「山は~贈りもの」の部分に絞り,作曲者の思い(しかけ)を見つけ出 させる。 ○ 他 者 と の 対話 … 作 曲 者の 思 い ( し かけ ) の 理 由を 考 え , 出し 合 わ せ る。( 班 → 全体 ) ○自己との対話…作曲者の思い(しかけ)を表現することができたか,本時の録音を聴か せ,自己評価をさせる。 7 本時の主眼 ○「山は~贈りもの」の部分に絞って,作曲者の思い(しかけ)を考え,表現の工夫をす ることができる。 ○班や全体で意見を交流し合いながら,自分の考えを深めることができる。 8 準 備 (教 師 ) 夏 山 , 夏 の 終 わ り を イ メー ジ す る 画像 提 示 用装 置 拡 大 楽譜 録 音機 器 (生徒) 学習プリント 9 展 開 段階 学習活動・内容 形態 指導上の留意点 配時 1 本時のめあてを確認する。 一 ・前 時に見つけ出したしかけを確認さ 斉 せ,本時のめあてにつなげる。 2 理 作曲者の思いをとらえて,表現の工夫をしよう 解 2 作 曲者の思いを表現するために 工夫 されているところを見つけ出 す。 個 ・考える場所を絞って,焦点化させる。 (1) 「山は~贈りもの」の部分に絞 / ・前 時に考えたところから,個人で楽譜 って見つける。 小 に記入させ,考えさせる。
・個人で考える。 集 ・班 になり,それぞれ考えたことを出し 団 合わせる。(T1,T2:班を回る) ・班で意見を出し合う。 / ・考 えた意見を発表させ,学級全体で共 有させる。 ・発表する。 一 ・でた所を拡大楽譜に記入する (予想 され る子どもの意 見) 斉 ・で ない時は,分かりやすいように教師 ・山は~の所にfがある。 がつ が強調して範唱する。 いている。合唱 になっている 。伴奏の (T1:歌,T2:歌・伴奏) 20 形が変わった。 音が高くなっ ている。 熟 (2) そのようなしかけを仕組んだ / ・し かけと詩とを結びつけられるように 考 理由を考える。 小 考えさせる。 ・班で意見を出し合う。 集 ・理 由を考えさせることで,より良い表 団 現ができるようにする。 ・発表する。 / ・班 員全員に意見を出せるよう班長を援 (予想 され る子どもの意 見) 一 助する。(T1,T2:班を回る) ・fは , 高 い 山 を 表 し て い る 。・ 合 唱 斉 ・様 々な意見を出させ,考えを深めさせ にしたのは, 一番盛り上げ たいから。 る。 ・ 和 音 の 伴 奏 に し て 盛 り 上 げ た い か ・歌 唱表現につなげられるように意見を ら 。・ ク レ ッ シ ェ ン ド は 最 後 へ の 盛 り 絞る。 上がりにつな げるため 3 歌唱表現する。 / ・話 し合ったことをもとに,曲の山場の (1) 歌唱練習をする。 小 部分を中心に練習をさせる。 ・パート別に練習をする。 集 ・パート別に練習をさせる。(T1:男声, ・合唱をする。 団 T2:女声) / ・男 女のお互いの表現を聞き合わせて, 23 一 合唱させる。(T2:伴奏) (2) 通して合唱をする。 斉 ・曲 の盛り上がりができているかどう か ,本時の学びを生かすようなアドバ イスをする。 表 4 本時の録音を聴き,本時の評価 / ・合唱練習をした後,録音をする。 をし,次時つなげる。 ・録 音を聴き,表現の工夫ができていた 現 ・良さや課題点を書く。 か,自己評価をさせる。 ・自己評価を書く。 個 ・良 い点や課題点を考えさせ,時間があ れば発表させ,次時につなげる。 5 / ・本時の気づきやまとめを書かせる。 一 ・曲 の山場以外の部分については,次時 ・教師の評価を聞く。 斉 にすることを伝える。 ・教師からの評価を入れる。