第6学年〇組 国語科学習指導案
指導者 〇〇〇 〇〇〇 1 単元名 表現の工夫をとらえて読み、それをいかして書こう 教材名 「『鳥獣戯画』を読む」「日本文化を発信しよう」 情報「調べた情報の用い方」 2 指導観 ○ 本単元は、絵を読み解いていく筆者の表現の工夫からものの見方を学び、それを生かして自分の思 いや考えを書き表すことをねらいとしている。 「『鳥獣戯画』を読む」は、アニメーション監督である高畑勲氏が、アニメーションのルーツともい える絵巻物や、12世紀に作成された『鳥獣戯画』のすばらしいと感じた点について論説した、説明 的文章である。筆者のものの見方や(解釈・評価)とその対象が明確で、読み手が納得したり、自分 の見方を比較したりすることができる教材である。「『鳥獣戯画』を読む」は、まず、絵と読み手を出 会わせ、次に「絵」と「絵巻物」の解説や評価が繰り返し述べられ、最後に筆者の主張を述べるとい う尾括型の文章構成である。筆者はアニメや漫画と比較することで、絵巻物の優れた表現力や日本文 化の特色についても述べ、これを守り続けてきた祖先たちの心をもって、『鳥獣戯画』を「人類の宝」 という言葉でまとめている。また、本文には、絵の正確な観察をもとにして、絵から見る表情、筆さ ばき、時間の流れなどを評価する対象が次々と示され、それらを評価する言葉は、逆説や累加、限定、 体言止めなどを用い、高まりが見られる。さらに、もともとつながっている絵を分けて示したものと つながっている絵を用いることで、『鳥獣戯画』をアニメーションのように時間が進んでいくことの 面白さを読者に実感させたり、『鳥獣戯画』をアニメや漫画と比較させたりしている筆者の感想や意 見の述べ方からも表現の仕方の工夫が見られる。 これらのことから、児童は絵と文章を対比し、事実と感想、評価などの関係をおさえ、筆者が絵の どの点に何を感じ、どのように読み取ったのかを言葉に着目して読み取り、筆者の表現の工夫を手本 にして、単元の後半の「日本文化を発信しよう」につなげることができるであろう。 「調べた情報の用い方」では、調べた情報を適切に用いるために、引用の仕方や出典の示し方、著 作権について理解を深める内容となっている。 「日本文化を発信しよう」では、「『鳥獣戯画』を読む」で学んだ、絵と文章を組み合わせたり、効 果的な表現を用いたりして日本文化の魅力やよさが読み手に伝わるように構成や絵、写真の見せ方を 工夫してパンフレットにまとめる活動を行う。 ○ 本学級の児童は、これまで学習では、第5学年「生き物は円柱形」(旧教材)、第6学年「笑うから 楽しい/時計の時間と心の時間」などで筆者の考えや主張を捉えたり、筆者の主張に対する自分の考 えをもったりする学習をしてきた。また、科学的な事象を根拠に筆者の考えを記述した文章のほかに、 第6学年「帰り道」などでは、視点の違いに着目して読み、自分はどのように考え、感じたのかを表 現する学習もしてきている。しかし、個々の読み取りには個人差があり、説明文の要旨を捉えたり、 筆者の主張に対して自分の考えを書いたりすることが苦手である児童は〇名中〇名である。また、 文章構成や表現の工夫に着目し、筆者の意図を読み取ることが十分でない児童は〇名中〇名である。 本単元では、筆者の着眼点や、効果的な表現などを理解し、友達と考えを交流することを通して、 そのもののもつ魅力やよさが読み手に伝わるような表現の工夫を身に付けられるよう、学習を深めた い。 ○ 本単元の指導にあたっては、「表現の工夫をとらえて読み、それをいかして書く」を単元の到達目 標としている。そのためには、「観察の観点と評価」「表現や構成の工夫」の2点を意識しながら読み、 それらをもとに、日本文化について調べ、その魅力やよさを書きまとめる学習を行う。 「つかむ」段階では、「『鳥獣戯画』を読む」の表現の工夫を生かして、日本文化について調べて 分かったことを書きまとめる学習の見通しをもたせ、学習計画を立てる。絵は「見る(鑑賞)す る」のが一般的な言い方であるが、筆者はなぜ絵を「読む」と考えているのかも考えさせたい。「つくる」段階では、「説明文」と本単元の「評論文」の違いについても触れていきたい。絵と文 章を照らし合わせながら、筆者が『鳥獣戯画』をどのように読んでいるかを明らかにしていく。ま た、 「絵についての評価」と「絵巻物についての評価」については、「絵」と「絵巻物」に対する評価 がわかる叙述に別々の色を使って線を引かせて視覚的に捉えられるようにする。さらに、筆者の伝 えたいことを捉え、「論の展開について」「表現の工夫について」「絵の示し方について」筆者の表現 の工夫やその効果について考えていく。「調べた情報の使い方」で、既習の引用や出典について確認 をし、著作権への理解を深める。「つくる」段階では、学習を進めるとともに、日本文化について書 かれた本の並行読書を行い、次の活動へとスムーズに入れるようにしたい。 「 広げる」段階では、グループで発信する日本文化を決め、パンフレットづくりの構想を練る。こ れまでの経験や「『鳥獣戯画』を読む」で学んだ表現の工夫をいかせるようにする。どのようなテーマ を取り上げ、そこをどう評価し、その魅力やよさをどう表現するかといったことを追究するような話 し合いの姿も目指していきたい。 「ふりかえる」段階では、友達のパンフレットを読み、互いのパンフレットの良い点を伝え合う。 そして、学習を振り返り、伝えたいことを伝えるためにはどのような工夫ができるのかを自分の言葉 でまとめる。さらには、平成30年度全国学力・学習状況調査のB3の問題を評価問題として解かせ ることで、目的に応じて文章の内容を的確に押さえ、自分の考えを明確にしながら読むことができる かどうかを確かめるようにする。 3 単元の指導目標 ◎筋道の通った文章となるように、文章全体の構成や展開を考えることができる。[思B(1)イ] ◎引用したり、図表やグラフなどを用いたりして自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫すること ができる。[思B(1)エ] ◎目的に応じて、文章と図表などを結びつけるなどして必要な情報を見つけたり、論の進め方について 考えたりすることができる。[思C(1)ウ] ○日常的に読書に親しみ、読書が自分の考えを広げることに役立つことに気付くことができる。 [知(3)オ] 4 単元の評価規準 知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に取り組む態度 ○日常的に読書に親しみ、読書 が、自分の考えを広げること に役立 つことに気付いて い る。 ○「書くこと」において、筋道 の通った文章となるように、 文章全体の構成や展開を考 えている。 ○「書くこと」において、引用 したり、図表やグラフなどを 用いたりして、自分の考えが 伝わるように書き表し方を 工夫している。 ○「読むこと」において、目的 に応じて、文章と図表などを 結びつけるなどして必要な 情報を見つけたり、論の進め 方について考えたりしてい る。 ○文章と図表などを結びつけて 必要な情報を読み取ったり、構 成を工夫して書き表したりす ることに粘り強く取り組み、学 習の見通しをもってパンフレ ットを作ろうとしている。
5 指導計画(総時数14時間 本時6/14) 過 程 時 学習内容・学習活動 評価規準・【観点】・〈評価方法〉 つ か む 1 「『鳥獣戯画』を読む」の表現の工夫をいか して、日本文化について調べてわかったこと を書きまとめる学習の見通しをもつ。 【態】『鳥獣戯画』について関心をもち、 学習の見通しをもって日本文化を発信す る学習に取り組もうとしている。〈観察・ 記録〉 つ く る 2 文の特徴を知り、絵と文章を照らし合わせな がら、筆者が『鳥獣戯画』をどう読んでいる かを明らかにする。 【思 C】「『鳥獣戯画』を読む」について絵 と文章を結びつけて、筆者が『鳥獣戯 画』をどう読んでいるか必要な情報を見 つけている。〈発言・記述〉 3 ・ 4 筆者の「絵についての評価」と「絵巻物につ いての評価を読み取る 【思 C】筆者の「絵」や「絵巻物」につい てどこがどのようによいと考えているの かについて、絵と文章を結びつけながら 的確に捉えている。〈発言、記述〉 5 筆者の伝えたいことを捉え、「論の展開」「表 現の工夫」について気付いたことを書き出 し、その効果について考える。 【思 C】筆者による「絵」や「絵巻物」に ついての評価が読者に伝わるように、論 の展開や表現の工夫を的確に捉えてい る。〈発言・記述〉 6 本 時 筆者の伝えたいことを捉え、「絵の示し方の 工夫」について気付いたことを書き出し、そ の効果について考える。 【思 C】1枚の絵なのに、次々と時間が流 れていることが分かる絵巻物のすばらし さについて読者に伝えるために、筆者がし ている絵の示し方の工夫を的確に捉えて いる。〈発言・記述〉 7 ・ 8 「調べた情報の用い方」を読み、著作権への 理解を深める。 学校図書館などで、日本文化についての本を 探し、表現の工夫に着目して読む。 本で見つけた表現の工夫について、グループ で話し合う。 【態】文章と図表などを結びつけて必要 な情報を読み取ることに粘り強く取り組 み、学習の見通しをもって日本文化に関 する複数の本を選んで読もうとしてい る。〈観察・記述〉 広 げ る 9 グループで発信する日本文化を決め、パンフ レット作りの構想を練る。 【思 B】伝えたいことを明確にし、効果的 に伝わるよう、紙面構成を考え、文章全 体の筋道を整えている。〈発言〉 10 ・ 11 パンフレットに掲載する日本文化について調 べ学習をする。 【態】日本文化に興味をもち、パンフレ ット作りの見通しをもって十分に調べ学 習を進めようとしている。 12 パンフレットの構成を決め、役割分担をす る。 割り付けを決め、下書きを書く。 【思 B】引用したり、絵や写真などと文章 との組み合わせを考えたりして、伝えた いことが伝わるように書き表し方を工夫 している。〈記述〉 13 パンフレットの清書をし、完成させる。 【態】日本文化に興味をもち、構成や表 現を工夫して書き表すことに粘り強く取 り組み、学習の見通しをもってパンフレ ットを作ろうとしている。〈観察・記述〉 ふ り か え る 14 それぞれのパンフレットに対する感想を伝え 合い、単元のふりかえりを書く。 平成30年度全国学力・学習状況調査の B3 の問題を解く。 【態】学習をふりかえり、これから日本 文化に関わる本を読んだり、絵や写真な どを用いた文章を書いたりするときに、 いかしていこうとしている。〈発言・記 述〉 〈全国学調の B3の問題〉
6 本時の学習(6/14) 令和2年〇〇月〇〇日(〇曜日)第〇校時 於:6年〇組教室 (1)主眼 ○1枚の絵では伝えられない叙述に着目させ、つながっている絵を分けて示した効果について考えさ せたり、分けた絵のままでは伝えられない叙述に着目させ、1枚の絵に戻して示した理由について 考えさせたりする活動を通して、筆者が絵の示し方を工夫したのは「1枚の絵なのに、次々と時間 が流れていることが分かる絵巻物のすばらしさを伝えるため」であることを捉えさせるようにする。 (2)本時におけるユニバーサルデザインの視点 ・学習課題を焦点化させるために、限定した本文を示す。【シンプル・クリア】 ・写真や本文を活用し、本文のイメージ化を図る。【ビジュアル】 ・筆者の絵の示し方の意図とその効果を交流することで友達と自分の考えの共通点や相違点を見つけ る。【シェア】 (3)準備するもの 教師:本文の掲示、前時までの学習の掲示物 児童:教科書、ワークシート (4)展開 学習 過程 主な学習内容・学習活動 ○教師の手立て ※評価規準〈方法〉 指導上の留意点 学習 形態 つ か む 5 分 1 学習のめあてをもつ。 (1)前時までの学習をふり返る。 (2)本時のめあてを確認する。 ○前時までに学習した、論の展開、表現の 工夫について掲示等で確認する。【ビジ ュアル】 全体 ふ か め る 30 分 2 筆者の絵の示し方の工夫について 考える。 (1)筆者がつながっている絵を分け て示した効果について考える。 〈予想される児童の発言〉 ・「ためしに、ぱっとページをめくって ごらん」ってあるから、筆者はつながっ ている絵を分けることで『鳥獣戯画』は 「漫画の祖」であるだけでなく「アニメ の祖」でもあること伝えたかったのだ と思います。 ・つながっている絵を分けて示すこと で動きを生み出したり、場面をうまく 転換したりしていることを読み手に伝 えたかったのだと思います。 ○つながっている絵を分けて示した効果 について考えることができるように、1 枚の絵では伝えられない叙述に赤でサイ ドラインを引かせ、叙述がある場合とな い場合の比較をさせる。 全体 めあて なぜ、筆者はつながっている絵を分けて示した後、1枚の絵に もどして示したのか考えよう。
(2)なぜ筆者は、1枚の絵に戻して示 したのか考え、条件に合わせて書く。 〈予想される児童の考え〉 ・1枚の絵にもどして示した理由は ・1枚の絵にもどして示した理由は、絵 巻物の絵は繰り広げるにつれて右から 左へと時間が流れていくということを 読み手に伝えたかったから。 ・1枚の絵にもどして示した理由は、1 枚の絵なのに、次々と時間が流れてい ることがわかる絵巻物のすばらしさを 伝えるためだから。 ・1枚の絵にもどして示した理由は、1 枚の絵だからといって、ある一瞬をと らえているのではなく次々と時間が流 れていることがわかる絵巻物のすばら しさを伝えたかったから。 4 意見を交流する。 (1) 自分の考えをグループで発表す る。 (2) 全体で交流する。 ○1枚の絵にもどした理由について考え ることができるように、分けた絵のまま では伝えられない叙述に赤でサイドライ ンを引かせ、叙述がある場合とない場合 を比較させる。 ○学習課題を焦点化させるために、探す 箇所を限定した本文を示す。 【シンプル・クリア】 ○分けた絵のままでは伝えられない叙述 に着目させる。(サイドラインを引かせ る) 〈条件1〉なぜ筆者は、1枚の絵に戻した のか、その理由を書くこと。 〈条件2〉本文中から言葉や文を取り上 げて書くこと。 〈条件3〉書き出しの言葉に続けて、 60字以上80字以内で書く こと。 ○自分の考えを交流することで友達と自 分の考えの共通点や相違点を見つけさ せる。【シェア】 ○友達の意見を聞き、付加・修正してもよ いことを伝える。 ※筆者が絵の示し方を工夫したのは、「1 枚の絵なのに、次々と時間が流れてい ることがわかる絵巻物のすばらしさを 伝えるため」であることを捉えている。 〈記述・発言〉【思C】 個 グ ル ー プ 全体 あ ら わ す 10 分 5 本時のまとめをする。 全体 まとめ 1枚の絵なのに、次々と時間が流れていることがわかる絵巻物 のすばらしさをつたえるため。