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技術研究室小室一比古 (1968年10月31日受理)

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(1)

小室  電源平滑回路の実験的研究(第1報) 329

電源平滑回路の実験的研究(第1報)

一半波整流回路における平滑回路の実験一

技術研究室小室一比古

(1968年10月31日受理)

 1 緒   言

 昨年の学会に発表した「フーリュ級数による電源平滑回路の解析」の研究の際,理論を 裏付ける為に実験を行なった。その実験の中で,今までにある電源回路の設計方法より簡 単で,良い設計方法が出来そうなので,その後も実験を継続した。その結果,完全なもの ではないが一応のまとまりをみたので,ここに報告した次第である。整流回路は各種ある が普通使われている半波整流でπ型の平滑回路を用いた電源回路を採用した。

 ll実 験 結 果

 実験回路はFIG Iに示す。この回路において, E。eの変化は並四トランスを用いている。

整流管には5MK9を使用し(図中のrpa・D,は5MK9を等価回路に書いたものである。),

これらはまず一定として他のものを色々と組合わせて実験した。まずE。,を一定とし,

Reを変化させEa, E。。 ldをCの値によってどのように変化するかを実験した。同様にし てCを0から50μFまで変化させて行なった。その結果をグラフにしたのがFIG2であ

る。出力電力PはE,×乃の式から,リップルは

  リ・プル百分率一霧×1。・ 〔%〕…・一一一(1)

の式から計算によって求めた。

 (注) 実験結果はここに記するには多すぎるので記述しない。

 FIG2のグラフにおいて,リップルだけ容量の違いによって(1 OPtF・20μF・30μF)変 化した曲線になっている。他の直流出力電圧Ed・出力電力」P・負荷抵抗R,は容量の違い

によってもほとんど変化がない。したがって,Ea・R,・Pは一本だけにした。このグラ

フの測定条件はE。,=240V, D,=MT−5MK9, R・=2K9である。ここで凝問点が出てく

るが,それはE。,・R、を変えると特性がどのように変わるかということである。その結果

の一部をFIG3に示す。 FIG3は平滑用コンデンサの容量の違いによって,直流出力電圧

Eaとリップル百分率がどのように変化するかを表わしたものである。グラフを見てわか

(2)

るように,直流出力電圧瑞は容量の小さい場合は低くなっているが,約15μFあたりから 容量が大きくなっても一一一定の電圧を保つ。だからといって15硬以上の容量のコンデンサ を回路に入れればいいとはいえない。それはリップルが容量によって異なるからである。

これはグラフから明白である。このグラフから求められることは,直流出力電圧現は電 源電圧E。cによって差があるが,リップルはE。cが異なっても抵抗Rsが同じならば等しい

(わずかの違いはあるが,グラフ上では重なってしまう。)曲線になるということである。

Rsが違うと,すなわち負荷Reにかかる電圧が違うとリップル百分率も少々の差が出て来 る。これは現段階でははっきりしない。R、を種々の値にして実験すれば出てくると思わ れるが,その域まで到達していない。R、をIK9と2K9とで実験した場合, E,はグラフ のように大きな差が出てくる。これは当然で,FIGIの図から電圧はrpとRsとR,に分割 され,E。cが異なればそれぞれにかかる電圧を異なってくるからである。かといってE・c が完全にrp, Rs, R,に分割されるかと云うと実験結果からみてそうではない。完全に分割 されるとすれば,

    E・−1・+艶+&Z Eac…一・・……・…・…一…(・)

(2)式からすぐ直流出力電圧は求められる。しかし,実際にはそうならない。ある部分では この式にあてはまる所もあるが,それは一点にすぎない。②で求めた島と実験から求めた E・とはかなりの差がある。そしてその差は一定であれば(2)式に定数を入れて簡単にEaが 求まるのである。いま仮に定数をkとして(2)式に入れると次の式になる。

    E・一々・血±莞+亙鰯・…一・・………・(・)

(3)式に各々の数値を入れて計算しても実験結果と一致しない。kが定数でないことは明ら かである。この変化するkに変わるものをαとして(4)式より計算すると,FIG4, FIG5の グラフになる。FG4は容量に対するαを表わすものである。この時の測定条件はEαc−

240V, Rs=2K9である。

    。_E転丘土興砥L___.____(4)

      Eαc

       R,

αはグラフからみてわかるように,1,によってかなり異なる。だが容量に対してはほとん ど変化ない。FIG4からもわかるがFIG5はそれをはっきり表わしている。このFIG5の グラフがこの研究の中心をなすものであり,今後の目安となる。

 以上の事から,並四トランス使用の電源回路の簡単な設計方法がみいだせる。

皿 設計方法

設計する場合,まず第一の条件として,負荷がいかなるものであるかにある。その負荷

(3)

小室:電源平滑回路の実験的研究(第1報) 331

が電圧は何ボルト必要で,何アンペア要するものかが第一条件である。次にそれらより負 荷抵抗,負荷電力が計算で求まる。第二の条件として負荷にかかるリップル百分率はどの 程度まで許されるかにある。リップルが小さければ小さいだけ良い訳であるが,最初に記 したようにこのような半波整流の電源回路では,おのずからそれほどの純な直流は要求さ れない。そのような訳で,負荷に雑音が入り込まない程度にリップルをおさえれば良い。

 第三の条件として,負荷が要求するリップル百分率を得るために平滑用コンデンサはい かなる容量のものにするかである。以上の条件に負荷が要求する電波から整流器の内部抵 抗を求め,グラフからαを求め,(4)式を変形してE。cを求める。これらの一連の条件を満 たす為のグラフが17TIG 6・FIGアである。 FIG 6は整流器の電流に対する内部抵抗を求め るグラフであり,迎G7は負荷が要求するリップル百分率を得る為の平滑用コンデンサを 求めるグラフである。

 を数式を用いて順以上の設計方法を追う。負荷が要する電圧をEd・・aV,電流をla−bmA とすると,負荷抵抗瓦,負荷電力Pは

    RF与一一多〔K9)

    P=E,×乃=a×b×10−3〔助

次にFIG6のグラフをみて,横軸のbをたどり曲線とあたる所を縦軸に読む。それをrp=

C9とする。次に」町G7をみて,負荷が要求するリップル百分率から平滑用コンデンサCを 求める。リップル百分率=−dとすると,グラフの縦軸にdをとり電流bの曲線とがぶつかっ た所を横軸に読みCを求める。そのCを6μFとする。αを求めるにはFIG8のグラフにて 求める。αは平滑用コンデンサの容量にほとんど影響されぬ事は.EIG 5から明白である。

したがって負荷が要求する電流1,−bを横軸にとり,縦軸からαを求める。このαをgと する。以上の数値を次の式に代入し電源電圧を求める。

    E・・一」塾・「・+致+R・〔v〕  …・一………・一(・)

E・=aV,・=9・ rp−C9, R・一ノ×1°39・Rl一号×1・}39…−b×1・−3 A

これらを(5)式に代入する。

    塩÷三+ノ÷診1°3

       b

     一音(C×1・一・+f+号)〔V〕

(6)式から(5)式は次のようにもかける。

〔v〕

     ・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 。・。一・(6)

(4)

   E。,一互(。。+R、+R、×10・)×10−・〔y〕

      α

以上のような方法で電源回路が設計できる。

.……・…………・……… i7)

 】V 結   言

 以上が実験から得られた設計方法である。実験から何かを求める場合,データは多けれ ば多い程良い。がしかし,この実験ではある程度の範囲をもって行なった。それで範囲内 ではかなり多くのデータはあるが,範囲外のデータは数少ない。それで今後に残された課 題として次のような事が考えられる。

 ①電源電圧を広範囲に変えて実験する。

 ②多種の整流器を使用する。

 ③ 出力電流をもっと高い所まで実験する。

 ④ 平滑用コンデンサはこの実験では二つとも同容量のものを使用したが,これを異な    る容量のものを使用して実験する。

この四点を実験した結果は次の機会に発表したい。

(1)雨 宮 好 文

(2)新 妻 陸 利   小 室 一比古

   参  考  文  献 電源回路 日刊工業新聞社

フーリェ級数による電源平滑回路の解析 日本産業技術教育学会誌 1968.No.10

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〃6・ノ 等価回路

(5)

小室:電源平滑回路の実験的研究(第1報) 333

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(7)

小室:電源平滑回路の実験的研究(第1報) 335

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(8)

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参照

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