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菅原英一・相澤武史* (昭和61年10月31日受理)

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(1)

−28−

教育情報データベース管理システム(第一報)

菅原英一・相澤武史*

(昭和61年10月31日受理)

Educationallnformation‑DBMS(1stReport)

EiichiSuGAwARA, TakeshiAIzAwA

2. EI‑DBMSの目的 1. はじめに

EI‑DBMSの目的とするところは,大別して以 下のように分類できる。

(1) 最適授業をするための情報を提供する。

(2)教育事務の省力化をはかる。

(3)学校運営のための情報を提供する。

現在のような授業形態(多数の学生に対して一人 の数官)では, クラス単位の情報は得られても,そ の集団の中での学生個々人の情報まで把握してそれ ぞれに対応した授業をすることははなはだ難しいと 言わざるを得ない。 しかしながら, これらの情報が EI‑DBMSによって的確にしかも迅速に得られる としたら,最適とはいかないまでも, よりそれに近 い授業が期待できると思われる。

また,定期試験終了後数日間の膨大な事務処理量 を見るとき, これを算盤や電卓で計算するもどかし

さは, コンピューターの能力を知る者にとって耐え 難いものがある。 したがって. この事務処理にEI

‑DBMSを活用すれば,最も直接的にこの恩恵を

受けることになるであろう。

さらに,学校内において役職に就いている職員に とっては,その担当している部署での諸情報を常に 把握していなければならず,必要ならば直ちに所望 の書式でその情報が得られるEI‑DBMSの存在は

大き北、。

高度情報化社会を生きるためには,膨大な情報の 中から必要な情報のみを選び出して活用することが 必要不可欠な要件であり,それが意思決定に活用さ れる場合には,特にその精確さと迅速さが要求され る。そして精確な情報を迅速に提供する手段として かなり広範囲にわたってコンピューターが活用され ている現状がある。 しかしながら,教育現場におけ る前述のような目的でのコンピューターの活用はそ れほど一般的とは言えず,教育に携わる多くの人々 にとってその早期活用が切に望まれているところで ある。

本校においても昭和48年度に導入されたコンピュ ーターはあるものの,前述のような活用はほとんど なく,教育上の問題に対する意思決定に当たっては 教師の経験とカンに頼る部分が多かったと思う。こ のような教育環境から脱却し,経験とカンに頼らな い正しい対応を期するため,精確な情報を迅速に得 られるような教育情報データベース管理システム(以 降EI‑DBMSという)の開発は早急に着手されな ければならない重要課題の一つではないかと思われ る。

ところで,本校に設置されているコンピューター は十数年も前のもので,その記憶容量も64KBと極 端に小さく, さらに補助記憶装置にデータベース用 の記憶域を確保するだけの余裕がないため,今現在 は前述のEI‑DBMSの実現は不可能である。 ずれ本校に新機種が設置される時にはこの難点は解 消され,期待通りのEI‑DBMSの設計が可能と なるだろうが, その設計に際しての参考資料を蓄積 しておく目的で,パーソナルコンピューターによる EI‑DBMSの研究を推し進めることにした。

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3. 教育情報とEI‑DBMS

学校という教育の場において考え得る情報をすべ て教育情報と言うならば,それは大別して以下のよ

うに分類できる。

(1) 学生個人に関する情報

(2) 職員個人に関する情報

*日本電気フィールドサービス(株)

秋田高専研究紀要第22号

型劉

(2)

−29−

教育情報データベース管理システム(第一報)

(3) 校内設備に関する情報

(4)教育資料に関する悩報

これらの摘報をデータベースとして蓄祇しておい て必要な時に適当な処蠅を施し,所望の結果を見易 い啓式で素早く出力するシステムがEI‑DBMSで あり,教育慨報とEI‑DBMSの関係は図lのよ

うに表わされる。

EI‑DBMS

表1 学生個人に関する情報

学業成績

I11

数行悩繩の

・緋楠

・検索

・加工

(篶譽緬脇鰻)

ユーザ

I

一■■■

I 教育悩報

データベース

I

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図1 教育情報とEI‑DBMS 表2教育資料に関する情報

4. 成績情報‑DBMSの設計

EI−DBMS設計の第一段階として,本年度は 教務関係の(特に学業成績に関する)情報を取り上 げ, EI‑DBMS中のサブシステムとなる成績情 報‑DBMSの設計を試みた。

4. 1 成績に関する情報

学業成績に関する情報としては,学生個人に関す る情報(表1)中の『学業成績』の項と,教育資料 に関する情報(表2)中の「学生配布資料」の項の 中にある『教育課程』とが挙げられる。さらに,当 然のことではあるが,学生個々人を識別するための

『学生ID』の項がこれに加わる。

4. 2 教育課程ファイル管理システム

成績情報を扱うに際しては,当該授業科目の特性

(履修学科・学年,単位数,学科指定の有無など)

を明確にしておくことが必要であり, このため図2 のようなフィールドを有するレコード群の集合体と

しての「教育課程ファイル」を作成した。

数育課程ファイル管理システムでは, これらの情 報を蓄積して一括管理し,必要に応じて以下の機能

を果たす。

(1) 科目名に対応する科目コードより当該科目開 設学科の識別(一般科目と各専門学科の科目)

をする。

(2)科目の特性Iより当該科目の特性の識別(学 科指定の有/無,必修/選択,資格取得に要/

不要)をする。

(3) 科目の特性Ⅱには当該科目の学年別配当単位 数が格納されているので, これよりその科目の 総単位数および各学年の総履修単位数を算出す

る。

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昭和62年2月

(3)

−1

菅原英一・相澤武史

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図2 教育課程情報レコードのデータ形式

人分のID情報(学科,学年,学籍番号,氏名,性 別,生年月日)が入力されると,前後のID情報セ グメントとのリンクを取り,次いで当該学生の7つ の個人情報群とのリンクを取る。さらにこの7つの 個人情報群とは別に当該学生のID悩報セグメント

と論理的に関連ある他のセグメント群があれば, そ のセグメントへのリンクを取ることも可能である。

4. 4 成績情報ファイル管理システム

各科目の成績情報(評点と欠課時数)は図4のよ うなフィールドを有するレコード群の集合体として

(4) 以上の情報をもとにして「教育課程一覧表」

を印字出力する。 (付録−1)

(5) 「成績一覧表」を印字出力する際の科目欄の 出力フォーマッティングもここで作成する。

4. 3 学生個人情報ファイル管理システム 個々の学生を種々の属性によって識別可能とする ために,図3のようなフィールドを有するレコード 群の集合体としての「学生ID情報ファイル」を作 成した。

学生個人情報ファイル管理システムでは,学生一

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コンディショニングコード 歌い恥 C〃 :修正されたレコード1'脾l】

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図3 学生ID情報レコードのデータ形式

秋田高専研究紀要第22号

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−1

18

科目 コード

3

フォーマッティング科目名 (成績‑一覧表用)

18

特性

I

3

特性 II

5

1−

1 2

PCF12 PCL12 PCF22 PCL22

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PCF72 PCL72 PTB2 PTF2 LOGPRT2 ︵空白︶例80111100生年月日

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氏名1 11l

01110110学籍番号

学科・学年

8

=−−

(4)

−31−

教育情報データベース管理システム(第一報)

一によるリンキング手法を取った。 ID情報レコー ド中のペア・ポインター(PCFn,PCLn)はそ れぞれ学生個人情報群(n)の最初と最後のレコー ドを指している。したがって,当該学生に関係ある 従属レコードの追加があった場合,そのPCLポイ ンターの指しているレコードの次にこれが格納され ることになり, このためのアクセス・タイムはレコ ード数が多くなっても何ら問題とならない。

の成績傭報ファイルに格納される。

成紙情報ファイル管理システムでは,各科目の成 緬悩報が入力されると,各学生のID情報レコード 中の成績悩報群用リンキングポインターでリンクを 取りながら, これらの成績情報を格納していく。こ のとき4バイトの科目コードのうち初めの3バイト は教育課程悩報レコード中のそれとi司じであるが,

残りの1バイト分で試験実施時期(前期中間,前期 末,後期中間,学年末)を識別可能としている。

4. 5 レコード間のリンキング

パーソナルコンピューターのシステム上にデータ ベースを柵築する関係上,記憶媒体はフロッピー・

ディスクであるが, これは記憶容趾にかなり制限が あり,各種情報はそれぞれ物理的に異なる記憶媒体 上に蓄祇されている。したがって, これらの異なる 記憶媒体上のレコードと学生ID情報レコードとの 関係づけには慎重な配慮が必要である。

このため,本研究では図5に示すようなポインタ

5. おわりに

教育情報‑DBMS設計の第一段階として成績情 報‑DBMSの設計を試みた訳であるが,その中で

「教育課程」に関しては科目の特性を種々考慮した ので,大幅な改訂(属性の追加など)がない限りこ のままで実用可能である。すなわち,科目の増設・

削除・名称変更などについては,その変更指示があ れば内部的なソーティング機能によって直ちに「改

訂教育課程一覧」カヌ出力される。

また, 「成績情報(評点と欠課時数)」に関しては,

データベースに入力された各科目の成績から本校の 教務係で作成する成績一覧表と同一形式の一覧表を 作成することを手始めとしたが,指定によっては各 科目の最高点,最低点のピックアップや標準偏差の 算出, さらには学生個人の各科目の順位や偏差値な

ども算出可能である。

成績情報‑DBMSについては, これで終わりと いうことではなく , まだまだ多くの内容が残されて

I

L−−−−− 13バイト−−−割

成績情報レコードのデータ形式 図4

他のセグメントへ

例えば学科情報

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PTB

学生ID情報

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PCFPCB

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例えば「英語」

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例えば「電気回路」

図5 レコード間のリンキングの様子

昭和62年2月 PCB2 PCF2

1

科1 Iコード

4

評点

2

欠課 時数

2

(5)

いる。数年間にわたって蓄積されたデータをもとに しての「追跡調査」や科目間の相関など蓄積された データの活用は多岐にわたっている。さらに, これ らデータの機密保護には細心の注意を払う必要があ り, この面での保護対策もこれからの課題である。

最後に, 「教育課程一覧表」と「成績一覧表」の 印字出力例を(付録−1)と(付録−2)にそれぞ

参考文献

穂鷹良介:データベース要論,共立出版 日立製作所編:教育トータルシステム R、A・Frost:DatabaseManagement Systerns,McGraw‑HillBookCompany.

James Martin:Computer Data‑Base Organization, Prentice‑Hall, Inc.

l ) 2)

3)

4)

れ示す。

I

I

1

1

1

秋田高専研究紀要第22号

(6)

−33−

教育情報データベース管理システム(第一報)

(付録−1)

一般科目教育課程

11111111

1

淵木Uf

コード 蝋位数

1 2 3 4 5年

011 9 3 2 2 2 0

社会 会済史史理済剛社経経︑

●●界本 倫理 政治

技術

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数学 学学数I 分梱分

用解析

数敬線応

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6623 6000 0420 0203 0000 0000

即科 剛学物物化生

“1 042 043

551

1 3 1

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保健 体育 051 10 3 3 2 1 1

芸術 楽術音奨

061 062

11

1 0

0 1

00 00 00

外国語

071 072 073

1822 420 500 400 302 200

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2

履修蝋位合計 (91 )

85

(26)

26

(27)

27

(17)

17

( 9)

9

(12)

6

コード 単位数

1 2 3 4年 5

ⅡB理理学測学路料図習機究学I器学計学学規学学路義

応用解析 応用解析Ⅲ

稲気磁気

館気工学実験実 溢子計算

機械工学概論

高耐圧工

発変電工 送配電工

計算機数

○○○○○○○○○○○○○

201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218

20

22

221 222 223 224 225

23424246237 39124222214131 0000lOOOO3200100000000000 0000210100320000000000100 0030112200410022000000000 2312002210400002201002020 0000000110409000021212011 ★★★★★★★★★★★★★★★

言・測Ⅱ学語用用信用学学 86 7 10 18 26 25

※応

※機械工学概論

※電

※工

※電

※電

※電

※計算機応

※音

※生

226 227 228 229 230 231 232 233 234 235

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30

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6

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179

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33

(37)

37

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35

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38

(47)

36

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秋田高専研究紀要第22号

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参照

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