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小室一比古*

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Academic year: 2021

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(1)

「情報基礎」教育に於ける問題点と指導計画 小室一比古*

1  は じ め に

 平成3年3月15日に中学校学習指導要領の改訂と学校教育法施行規則の一部改訂が行われ,新中学校 学習指導要領等の新しい教育課程の基準が平成5年度から実施されることになった。

 これを受けて,中学校技術・家庭科の領域は,現行のユ7領域が統合整理された上に,情報化社会と家 庭の機能変化等に対応して,新たに「情報基礎」,「家庭生活」が加わった11領域で構成された。技術

・家庭科は,時代と共にその内容が変化せざるを得ない教科であろう。しかし,それに対応する教師 は,その都度,悩み,困難を乗り越えて来てはいるが,今回の改訂でも,苦悩に満ちた日々を送ってい る現状である。

 細かい指導法がまだ示されていない現在, 「情報基礎」領域の教材観,指導面面を確立する手がかり としての指導項目の分析を試みたい。

ff 指導要領と指導書の問題点

 新指導要領の情報基礎領域の指導内容は4項目から定められている9> これらの指導内容で,問題の ところは次の項目である。

(1)コンピュータの仕組みについて,次の事項を指導する。

 ア コンピュータシステムの基本的な構成と各部の構成を知ること。

 イ・ソフトウェアの機能を知ること。

 また,内容の取扱いとして,

(1)内容の(1)のアについては,入力,演算,制御,記憶及び出力を取り上げるものとする。

とある。

 指導要領の解説と指導の指針を示す中学校指導書をみると,次のように述べられている3)

 (1)アについて「記憶装置や演算装置などの回路の構成要素である論理回路については,………。その 際,AND・OR・NOT回路の最も基本的な特徴や働きについて扱う程度とし,………また, CPU,

ROM, RAM,バス,インターフェイスなどについては,それらの働きを中心に知らせる。なお,情 報処理に必要なデータについては,コンピュータシステム内で基本的には2進数で処理され,その単位

はビットであり,また,データの転送や記憶などの際には8ビットが1っの単位として扱われ,これを バイトということを知らせる。2進数,16進数については,軽く触れる程度とする。」とある。

 数学や理科などの他教科では,ソフトウェアを活用として,コンピュータを教育の道具として扱えば

*茨城大学教育学部

(2)

よいだろうが,技術・家庭科では,ハードウェアを指導することも大切なことである。また,指導書に ある内容を指導しても可能であることの事例が報告されている8) しかし,中学生が扱うパーソナルコ

ンピュータとこれらの学習内容がどう結び付くのか,電気領域とどう関連あるのか,他の内容との時間 数との関係はどうなるのか,などを考慮すると,指導書の内容を取り上げることには疑問が生じる。そ れよりも,ハードウェアの指導内容は,コンピュータの基本システムと周辺機器のはたらき,5つの機 能のはたらきと,それらの機能がどのように関連し合ってコンピュータが仕事をするのかを知らせる程 度にして,他の指導内容に時間を割いた方か良いであろう。ここの内容は指導要領で示された内容にと どめるべきである。しかし,教師側では,論理回路等についての知識は必要である。プリンタ端子を利 用すれば,簡単な制御の指導が可能であり,自作教具が作成できることも理由として挙げられる。他の 内容については,ほぼ,問題はないと考える。

盟 指導計画の構成

 平成3年度から移行期間となり,平成5年度実施で教師側では自己研修の準備期間がある。しかし,

パーソナルコンビ= 一一タが設置されていない中学校が多々あり,教師の研修もまま成らず,また,情報 基礎の領域を移行愚問中に履修させないと言えども,施設設備・研修に多くの問題を含む。

 領域の中で,木材加工,電気,家庭生活,食物の4領域が必修で,他の領域は選択となっている。情 報基礎も当然選択領域であり,逆に言えば履修させなくとも良いこととなる。しかし,他の教科でコン

ピュータを使用した授業が展開されていく中で,コンピュータの基本的操作法から授業を展開させるこ とは,授業の効率からして,無駄が多いと考えられる。それよりも,技術・家庭科の中に情報基礎を位 置づけて,操作の基wa e基本を履修させれば,他の教科では活用のみの効率的な授業展開ができる。そ のためには,コンピュータの基本操作のみでもよいから,1学年から情報基礎を履修させるべきであろ

う。

 従って,次の点から情報基礎の内容と指導過程を考えるべきである。

1.授業時数は30時間とする。

2.内容は,

 エ)コンピュータの基本操作を主とした基礎的な学習。

 2)アプリケーションソフトウェアを使用する活用学習。

 3)プwグラムを組むプログラミング学習。

3.学年をまたがった履修が可能なように,内容と授業時数の配分を考慮する。

4.1学年でも履修させることを考慮して,内容を精選する。

以上のことから,表1のように,指導計画を構成することを提案したい。

(3)

表1 指導計画

項  冒 指  灘  項  目 指導事項 の分析

1 (1)家庭や社会での識ンピ ア 身近な生活の申でコンピュータが利 生活と識ンピ 認一タの利用状況を調べさ 用されている例をあげさせる。

謡一タ せ.日常生活とコンビ畠一 (VTR、写真、学習シート)

タの関わりを考えさせる。

イ 生活や産業のいろいろな面で、識ン ビュータが利用されていることを知ら

せる。、

(VTR、学習シート)

ウ 日常生活とコンピュータの開わりを 考えさせる。

lVTR、学習シート)

2 (1)灘ンピュー舜の起動と ア コンピュータの起動方法を知らせ、

コンピュータ 終了の仕方を知らせる。 起動させる。

の基本繰作 《VTR.学習シート)

・フレキシブルディスクの扱い方

・フレキシブルディスクの入れ方

・電源スイッチのオン

・リセットスイッチの扱い方 イ 終了方法を知らせ。終了させる。

 (VTR、学習シート)

 ・ツレキシブル・ディスクの簸:り出し方  ・電源スイッチのオフ

 ・終了後のヂatツク 3

xeンピ謡一タ の基本構成

(1)諏ンピPt・一一タのはたら  きの概要を知らせると共  に、周辺機器の名称とは  たらきを知らせる。

ア 灘ンピ:g・一一タの主なはたらきを知ら  せる。

 (学習用ソフトウUtア、学習シート〉

 ・記憶、計算、比較ss判断、文字表示   、図形

 ・プeeグラムで仕事をする。

Lpt−wwLptmwwpm一一一UZzamu−uaptmu一一pm−」

 周辺機器の名称やはたらきを知らせ

るe

l学習用ソフトウntア、学習シi…ト)

・本体、フレキシブルディスク装置、

 キーーボード、マウス、ディスプレイ

()内は教繍例を示す。

(4)

項  目 指  醇  項  目 指灘事 項の分析

ウ コンピュータのできる仕事の例を知i

らせる。

(学習用ソフトウェア、学習シート)

・図形処理、表作成、グラブ表示、文 章作成、印嗣

4 (Dコンピュータの簡単な ア 誠ンピュータの機能及びそのはたら iコンピュータ しくみを知らせる。 きを知らせる。

{のしくみ

 の ド 剛 ボ 回作5キ揉

(1)キー一入力の方法と主な キーのはたらきを知らせ

 る。

(2)基本的な指の配置を知  らせると共に、キー一打ち  が正し・く速くできるよう  にさせる。

(学習用ソフトウxア,、学習シート)

・五大機能

 演算、制御、記憶、入力、出力 イ コンビg一タ内部での仕事の流れを

理癬させる。

 (学習用ソフトウェア、学習シート)

 ・演:算、制御、記憶、入力、出力、デ   ィスク装置

ア 2っあるキーと注意して扱うキN・・Ptを  知らせる。

 (学習用ソフトウェア、学習シート)

 ・2っあるキー一(数字、記号、実行、

  シフト)

 ・ストップキー一、ハードコピーキー、

  スペs・一スキー、キヤプスタンキーー イ キー一の使い分け方を知らせる。

 (学習用ソフトウェア、学習シート)

 ・意義 3 #アア キー一

 ・シフトキー、カナキーー ウ 各キーのはたらきを知らせる。

 (学習用ソフトウェア、学習シ・・一 F)

 ・一般キー一、特殊キーー

アrk 一一ムキta一とホームポジションを知  らせる。

 (学習用ソフトウェア、学習シtUト)

イ キー一打ちの練習をさせる。

 (学習用ソフトウxア、学習シ・一 P)1  ・英宇、カナ、ひらぶな、漢掌

(5)

項  目 指 導 項  目 指導事項の分析

6 (1)ソフトウェアを用いた ア 使用するソフトウェアの機能の概要 ソフトウェア 惰報処理ができるように と操作方法を知らせる。

の活用と利用 させる。 (学習用ソフトウェア、学習シート)

・表計算

・データベース イ 課題に応じたソフトウェアを選択さ

・図形処理 せ、情報を処理させる。

(学習用ソフトウェア、学習シート)

・設計

・データ入力

・処理

7 (1)ソフトウェアの機能を ア コンピュータをはたらかせるには、

プログラムの ・考えさせ、プ質グラムが 目的に応じたプログラムが必要である 作成 必要であることを理解さ ことを理解させる。

せる。 (学習シート)

イ コンピュータの言語として、BAS

(2)PRINT命令を用い

@たプログラムが組めるよ

 ICを用いることを知らせる。

Aせ慧即T齢のはたらき鯉剛

1︸

うにさせる。 (学:習用ソフトウェア、学習シート)

・PRINT       l

魏変数文字変数

8

イ プログラムの組み方を知らせる。

 (学習用ソフトウPtア、学習シim  l

 eE ND

 ・行番号

 eCLS. US ]i. RUN

ウ PRINT命令を用いたプurグラム

 を作らせる。

 (学習用ソフトウェア、学習シーート)

 eILUS 1 . SAVE. LOAD

(3)1翼PUT命令を用い  たプログラムが組めるよ  うにさせる。

ア ■NPUT命令のはたらきと命令文  を用いたプgeグラムを理解させる。 1  (学習用ソフトウェア、学習シ・…Pト)l

 el iN PUT 1

 ・行の変更

 ・表示文(コメント)

(6)

項  目 指  薄  項  目 指導事項の分析

(4) FOR・一NEx r一一sk 令を用いたプログラムが 組めるようにさせる。

(5)IF〜THEN〜命令

 を用いたプログラムが組 めるようにさせる。

(6)LINE命令、CIR

 C:LE命令を用いたプロ  グラムが組めるようにさ  せる。

イ INPUT命令を用いたプログラム

 を作らせる。

 (学習用ソフトウェア、学習シート)

ア FOR〜NEXT〜命令のはたらき

 と命令文を用いたプログラムを理解さ

 せる。

 (学習用ソフトウェア、学習シーート)

 eFOR−NEXT一. GOTO

 ・行の挿入

 e RE NUM

 eA=A+1

イ FOR〜NEXT〜命令を用いたプ

 グラムを作らせる。

 (学習用ソフトウェア、学習シート)

ア IF〜THEN〜命令のはたらきと

 命令文を用いたプログラムを理解させ

 る。

 (学習用ソフトウェア、学習シート)

 eIF一一THEN v. GOSU B

 ・サブル・・一・チン・フローーチヤート

 eAUTO

イ IF〜THEN〜命令を用いたプPt

 グラムを作らせる。

 (学習用ソフトウェア、学習シート)

ア :LINE命令のはたらきと命令文を  用いたプログラムを理解させる。

 (学習用ソフトウェア、学習シー・ 

 eLINE. PAINT

 ・直線、四角  ・塗りつぶし

LM一一nyL一一一一ww−za−LigtapttLIL:L一一一inuaj

イ CIRC:LE命令のはたらきと命令

 文を用いたプログラムを理解させる。

 (学習用ソフトウェア、学習シート)

 eCIRCLE

 ・円、円弧、扇形、楕円

(7)

項  目 指  薄  項  目 指導事項 の分析

ウ :LINE、 CIRC:LE命令を用い

たプログラムを作らせる。

(学習用ソフトウェア、学習シート)

(7)簡単なプ圓グラムを作 ア作成したいプ目グラムの課題を考え

成させる。 させる。

(学習シート)

・構想

・設計

イ 課題のプログラムを組ませる。

(学習用ソフトウェア、学習シート)

・フ質一チャートとプログラム

・訂正、追加

・リスト印鯛

・書き込み

ウ 設計通りにプ灘グラムが作動するか を確認させる。また、必要に応じて訂

正させる。

(学習シート)

8 (1)コンピュータの歴史を ア 謙ンピ謡一タの発達史を調べさせ、

識ンピュータ 調べさせ、これからの望 発表させる。

の役割と影響 ましい活用方法を考えさ (VTR、写真、学習シート)

せる。

イ 生活の申で、識ンピ謡一タをどのよ うに活用していけばよいかを考えさせ

る。

(学習シート)

・日常生活、社会

(2)情報社会の光と影を考 ア 情報社会での血気モラルの必要性を

えさせる。 考えさせる。

(学習シート)

・知的駈有権の保護

・情報の機密、八女の保護等

イ 認ンピ識一タを扱う際は.健康にも 配慮することを知らせる。

1 (学習シート)

}襯騰面しよ騰 一」

(8)

IV  お わ り に

 指導計画をもとに,さらに,毎時間毎の教師用指導計画,生徒用学習計画をたてる必要もあり,指導 案の作成,学習シートを用意しなければならない。これらは今後の課題となろう。また,コンピュータ を扱う授業としては,毎時コンピュータを使う授業内容にしなければならず,それに対応したソフトウ ェアの開発が強く望まれよう。

引 用 文 献 1) 文部省 中学校学習指導要領 (平成元年3月)

2) 文部省 中学校指導書 技術家庭科編 (平成元年7月)

参照

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